ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
PHASE-01『いけいけ僕らのヤマト教官1』
(第三者視点)
宇宙に浮かぶプラントはコーディネーターの住まう最後の楽園だ。
しかし、楽園は多くの脅威にさらされており、プラントを守る独自の軍事力としてザフトという名の軍事組織が存在していた。
そして、ザフトにはアカデミーがあるのだが、アカデミーには恒例として成績上位10名に赤い服を着せる独自のルールがある。
つまり赤服を着ている人間は特に優秀な人間なのだが……それはあくまで戦闘技術が優秀という話であり、人間性が素晴らしいという意味ではない。
むしろ赤服である事を誇り……いや驕り、傲慢に振舞う者も存在していた。
これはそんな彼らを矯正する為に派遣されたある少女の戦いの記録である。
戦争が終わってから、セナとキラは地球を離れ、プラントへ来ていた。
それはセナがプラントに残してきたアスカ一家の事が気になっていたからであり、特にシンの事を気にかけていたからでもある。
その為、様子を見る為にプラントへ来たのだが、正直シンはアカデミーに通っているし。
プラントは平和そのものな為、特にやる事も無かった。
だから、のんびりと過ごしていたのだが、セナという特級の人材を放置する事など許せない男、アルバート・ハインラインがセナを誘拐してしまった為、キラは本格的にやる事が無くなってしまった。
そこで、何かあれば来いと言ってくれたイザークの元へと来ていた。
「という訳で、暇なんです」
「そうか。だが、残念ながら俺は暇じゃない」
「えー。プラントに来たら俺の家に遊びに来いって言ってたじゃ無いですかぁー」
「遊びに来いなんて言った覚えはない!! お前が追われているなら匿ってやると言ったんだ!」
ぶーぶーと文句を言うキラにイザークは、眉間に深く皺を寄せながら、苛立ちのままにテーブルを指で叩く。
今、イザークには様々な問題が発生しており、キラに構っている暇は無いのだ。
しかし、トラブルというのは次から次へとやってくるものだという事をイザークはその身を以って知る事となった。
「イザーク! 遂にお嫁さんが家に来たというのは本当!? って、あら! キラちゃんじゃない!! やるわねイザーク。もう口説き落としたの!?」
「母上!? 何を言い出すのです!」
「良いのよ。イザーク。キラちゃんなら合格も合格。私は何の文句も無いわ! やっぱり家柄より愛よね。愛」
「母上!!」
「あ、エザリアさんお邪魔してます」
キラはテーブルの上に置かれたお菓子の袋を開けながらエザリアに挨拶をする。
その自由というには自由過ぎる姿にもエザリアは笑顔のままうんうんと頷いていた。
その混沌極まりない光景にイザークは頭を抱える。
「そもそもキラ。貴様そんな性格だったか?」
「んぐんぐ。セナに、んぐ」
「……食べてから話せ」
「んぐんぐ。はー。美味しかった。うん。セナにね。お姉ちゃんはもっと肩の力を抜いた方が良いですよ。って言われて、今はこんな感じ」
「セナめ……余計な事を。いや、待てよ?」
「ん?」
イザークと話している間にもキラは次のお菓子を食べようと袋を開けようとしていた。
そんな姿を見て、イザークはニヤリと笑う。
「ところで、キラ。そこのお菓子を誰が食べて良いと言った?」
「あ、ごめんなさい。つい。レノアさんはいつも勝手に食べて良いよって言ってくれて」
「そうかそうか。しかし、ここはザラ家ではなく、ジュール家だからな」
「そ、そうですよね。ごめんなさい」
「あぁ、大丈夫だ。別に謝ってほしい訳じゃない。ただな。それは来客用に用意しておいたとても高級な菓子でな」
「え」
キラは顔を青くしながら、既に開けていた袋を戻そうとし始めた。
しかし当然ながら開けた菓子の袋は元に戻らない。
「ただ、そう。代金を払ってくれれば良いんだ」
「……お、おいくら程で?」
「この位だ」
「っ!!!?」
イザークが携帯端末で見せた数字にキラは凍り付いた。
そして、視線をさ迷わせながらエザリアに助けを求める。
「良いのよ。キラちゃん」
「え、エザリアさん」
「ジュール家の嫁になるのなら、この程度大したことは無いわ」
残念ながら、エザリアはキラの味方ではなく、別の場所に現れた敵であった。
キラはプラントに来てからずっと働いておらず、貯金は無い。
頼れるのはセナだけだ。
故に携帯端末を取り出し、セナに連絡を取ろうとする。
「た、たすけ……セナ」
「ほぅ。妹に助けを求めるのか。まぁセナなら助けてくれるだろうがな。表面上は笑っていても、心ではどう思うか」
「……く」
「こんな情けないお姉ちゃんとは一緒に生活出来ない。どこか素敵な人と結婚しよう。そんな風に思うかもしれんな」
「イザークさん! やっぱりセナを狙ってたんですか!? まさか! セナはまだ子供なのに!」
「誰が俺の話をしたか!」
「まぁイザーク。本命はセナちゃんだったの? まぁ、母はどちらでも大歓迎ですけどね」
「母上!!?」
イザークはキラにエザリアにと叫び、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返していたが、大きく深呼吸する事で自分を落ち着かせてゆく。
そして、ニヤリと笑うと、自分の仕事も減らしつつ、キラの暇も潰せる妙案をぶつけるのだった。
「えー!!? やだー!!」
ジュール家でのいざこざから数日が経ち、キラは白い軍服を着ながらアカデミーの廊下を歩いていた。
そして、一つの教室に入ると、中でフリーダムのパイロットであったキラ以上にフリーダムな生徒達を見据える。
「はーい。ちゃんと席に座って下さい」
「あれ? キラさん!? どうしたんですか。こんな所に。しかも勝手に軍服なんて着て! 怒られちゃいますよ!」
「……シン」
「何? シン。知り合い?」
「あぁ、そう。俺の妹のお姉ちゃんだ」
「は? いや、意味が」
「止めときなさいよ。山猿に話が通じるわけないでしょ」
シンは周りの事など気にせず、キラに一生懸命話しかけており、そんなシンの後ろでルナマリアとアグネスが言い争いをしている。
そしてレイは我関せずで本を読んでいた。
学級崩壊である。
まともな状態ではない。
「そろそろ話を聞いて欲しいのですが。シンも座って」
「え? あぁ、うん」
訳が分からないという様な顔をしているシンを椅子に座らせてからキラは大きく息を吸い、そして全員の前でその宣言をした。
「僕は今日から君たち四人のMSの戦技教官となりました」
「は?」
「え?」
「……マジ?」
シン、ルナマリア、アグネスは動揺し、意味のない言葉を漏らすばかりだったが、レイだけはその言葉に頷くと本をしまい、話を聞く体勢になる。
「え? どうしたの? レイ。急に真面目じゃない」
「当然だ。これ以上ない教官が来たのだからな」
「は?」
「いやいやこのポヤヤンとした子が戦技教官なんて出来る訳ないでしょ! MSにすら乗れるか……」
「あー。いや、僕は……」
「キラは第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でフリーダムに乗っていたパイロットだ」
「なっ!」
「フリーダム!?」
プラントに住む者ならば知らぬ者の居ないその名に、ルナマリアもアグネスも驚き、声を上げた。
そんな彼女たちを見ながら早速面倒な過去をバラしたレイをキラはジトっとした目で見ながら大きく息を吐いた。
「はい。という訳で僕の話を聞いてください」
諦めた様なキラの声にルナマリアとアグネスは姿勢を正しながら椅子に座り授業を聞く体勢になった。
しかし……。
キラは正面に居る弟の様な子を見据える。
「……シン?」
「キラさん! 模擬戦しようぜ! 俺、今結構頑張ってるんだ!」
そして、自覚のない問題児に大きなため息を吐くのだった。
やりたい放題してるけど反省はしてない。
とりあえず書いてて楽しかった。
DESTINYはきっとギャグだけで進んでいくんだろうなぁ。
追記
前書きに支援絵をいただいたので、リンク置いてます!
作者的にはMSはふわっとした設定しか作ってなかったので、色々と考えて下さった絵をいただくと、嬉しさと新しい発見(?)がありますね。
いや、もっとちゃんと設定を作れという話なんですけど、そうですね。
はい。本当に、仰る通りで。
何か、MSの設定とか真面目に考えますかね。