ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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PHASE-05『いけいけ僕らのヤマト教官4』

(第三者視点)

 

 

 

キラは困惑していた。

 

正直なところで言うと、酷く困惑していた。

 

何故なら、ある日から突然アグネスがセナに会いたい、会って謝りたいと言ってきたからだ。

 

セナと何かトラブルがあったのかと確認するが、何も言わず、セナに聞いても廊下で少し話しただけだという。

 

意味が分からなかった。

 

分からないが、謝るという行為は何かしらのトラブルがあったという示唆であり、基本的に妹であるセナと他の何かを比べた時にラクス以外の人間はセナよりも優先されない為、アグネスの要求は笑顔でそれとなく流され続けた。

 

そんな状況に、アグネスは強い危機感を感じていた。

 

それもそうだろう。

 

アグネスがキラの寵愛しているセナのことを知らなかったとはいえ、怒鳴りつけてしまい、そのせいでキラから避けられていると思っていたからだ。

 

アグネスは何とかキラとの関係を改善しようと奮闘し続けた。

 

「ぐっ、何か、何か」

 

「ねぇねぇ。アグネス。最近シンったら凄いのよ?」

 

「はぁ? 今は山猿の事なんてどうでも良いから」

 

「何? どうしたの。またどっかでトラブル。いい加減適当な恋愛は止めなさいよね」

 

「そんなんじゃ無いったら! 私、今回は本気だから」

 

「はいはい。いつもそう言ってるじゃない」

 

「違うの! 今回は本当に本気の本気なんだって」

 

「へー。じゃあ相手は誰よ。言ってみなさいな」

 

「……キラさん」

 

「え?」

 

「だから! キラさん!!」

 

「え? 嘘。本当に?」

 

「本当に本当!」

 

「あら。これは本当っぽいわ。で? それで? 何でキラさんなの? 確かに格好いいけどさ」

 

「だって。完璧だもの。私の理想通り。見た目も才能も立ち振る舞いも、全部素敵なの! この前の戦闘も凄く恰好良かったし」

 

「確かに。あればっかりは他の男が霞む格好良さだわ」

 

「そうでしょ? だから、私、頑張ってたのに、間違って、妹さんにぶつかって泣かせちゃったのよ! あれからキラさんが何かよそよそしくなって! あー! もう終わりだわ!」

 

「はぁーん」

 

ルナマリアはアグネスの嘆きに正直どうでも良いなと思いつつも、このままというのはうっとおしい為、協力する事にした。

 

 

 

そして、ルナマリアを中心として、アグネスとキラの仲直り計画が実行され、まずはセナと会うべくシンの家に行くという事が立案されたのであった。

 

「いやー。まさかルナとアグネスが家に遊びに来るとは」

 

「ま、たまには良いじゃない? レイはよく来てるんでしょ?」

 

「あぁ」

 

「へへ。ま。ゆっくりしていってくれよ。あんまり広い家じゃないけどさ」

 

少年らしく笑うシンに、アグネスは心の中でキラが居なければ誰がこんな家に来るかと吐き捨てていたが、顔は笑顔のままだ。

 

とにかく印象を良くしなければいけないという想いが、アグネスの表情を笑顔で固定させた。

 

そして、その思惑通り、マユと共にくつろいでいたセナは以前とは違い、まるでアグネスを警戒しておらず、泣いてもいない。

 

これはチャンスだとアグネスは心の中で拳を握りしめた。

 

「シン。まずはご家族に挨拶をしないと」

 

「ん? まぁ別にしなくても良いんじゃないか? 庭でバーベキューするだけだろ」

 

「いや、シン。アンタはそれで良いかもしれないけど、こっちが気になるのよ」

 

「そうなのか? でもレイも挨拶とかしないよな?」

 

「俺はしているぞシン」

 

「えぇ!? そうだったのか!」

 

常識知らずの山猿め。とシンを心の中で罵りながらも、アグネスは持ってきた高級なお菓子を何とかセナに渡すべく考え……ていた所に天からの、いや、天使からの援護が飛んでくる。

 

「もう。シン君。駄目ですよ。お客様を困らせちゃ」

 

「え? あぁ、ごめん。セナ」

 

「あははーお兄ちゃん怒られてるー」

 

「皆さん。申し訳ございません。本日はお忙しい中、わざわざありがとうございます」

 

「あ、いえいえ!」

 

「これ、お土産です」

 

「わざわざ、ありがとうございます」

 

ふわりと笑うセナに、アグネスとルナマリアは幼い頃、人形で遊んでいた記憶が蘇り、マユと一緒に頭をさげるセナを抱きしめたい衝動が生まれ、それを必死に堪えていた。

 

特にアグネスはここで妹への行動でキラに嫌われる事を何が何でも避けたいという想いがあったからでもある。

 

「え、えと。セナさん?」

 

「はい。なんでしょうか」

 

そして、アグネスはここがチャンスとセナに話しかけた。

 

「あの、この間はごめんなさい!」

 

「この間?」

 

はて、と首を傾げる可愛い生き物に、ルナマリアは悶えているがアグネスはそれどころではない。

 

謝りたいのに、その対象が覚えていないとは、どうすれば良いのかと焦っているのだ。

 

そんなこの世の終わりを味わっているアグネスに、横から救いの手が舞い降りる。

 

「セナ。この間。議会のある建物でアグネスにぶつかっていただろう」

 

「あっ! そ、そうでした! むしろ、こちらこそ申し訳ございません! ぶつかっておいて!」

 

「いえいえいえいえ! 良いんですよ! 全然! こちらも前を見ていませんでしたから!」

 

「ふふ。では、二人ともごめんなさいしたという事で、これで仲直りしましょうか」

 

セナは柔らかく笑うと、アグネスに手を差し伸べた。

 

そして、アグネスはそんなセナの手を取って、感動に震える。

 

やっぱりキラの妹はキラと同じく素晴らしい人間なのだと。

 

「あ。みんな来たんだ。今日はバーベキューだってね。僕、楽しみにしてたんだ」

 

普段の凛々しい姿ではなく、どこか緩い最初に会った時の様なキラの姿に、アグネスは目を見開いた。

 

ルナマリアは、そういえばキラはこんな人だったわと思い出しながらも、アグネスの恋が冷めるか? と視線を送り、それが杞憂だったと理解する。

 

「る、ルナ、ルナマリア。み、見て。隊長。可愛すぎじゃない? 大丈夫?」

 

「別に大丈夫じゃない?」

 

「あー。もう無理、直視できない」

 

「そう。アンタが幸せそうで良かったわ」

 

心底興味が無いとルナマリアは鼻で笑い、デカデカとFREEDOMと書かれたTシャツを着て、寝巻の様な半ズボンで歩く憧れの教官を見据える。

 

百年の恋が冷める様な光景であるが、恋は盲目というか。

 

アグネス的にはアリらしい。とルナマリアは呆れたような気持ちで笑う。

 

「もう。お姉ちゃん! お客様が来てるんですからちゃんとした格好して下さい!」

 

「えー。セナは細かいなぁ。ね。みんなは別に僕がこんな格好してても気にならないよねぇ?」

 

「ま、キラさんはいつもそんなんだしな」

 

「そうですね」

 

「はい! 私も大丈夫です」

 

「あー。まぁ、私も別に気にならないですよ? ラフで良いと思います」

 

「ほら」

 

「ほらじゃないですよ。まったく。もう」

 

セナはため息を吐きながら、肩を落とし、しょうがないかとバーベキューの準備をしているシンの母を手伝うのだった。

 

結局、この日達成しようとしていたアグネスとキラの関係回復作戦は途中からアグネスがその作戦自体を忘れてしまった事と、キラもアグネスとセナが仲良く話をしている姿を見て警戒を解いた事で解決となった。

 

ただ一人、全ての事情を知っていたルナマリアと何となく事情を察していたレイは、肩をすくめ。

 

シンは誰よりも肉を頬張り、家族やセナに怒られてしまうのだった。




日常回!!
あぁ、本編で書く気無いですけど。
レイの寿命はユーレン済みです。

クルーゼの後に、しれっとプラントに潜り込んでユーレンして帰りました。
なので、シンとは普通に友情を育んでいける訳ですね。
うん。

何か、こういう何でもない日常回って楽しいので、DESTINY編でシリアスに耐えられなくなったら外伝の方で書くのもアリですねぇ。
癒しは大事。
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