ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
キラはボーっと整備されているMSを見ながら、セナを後ろから抱きしめつつ椅子に座っていた。
セナはそんな状態だというのに、何も気にした様子は見せずキーボードを叩いている。
その余りにも自然な光景に、設計局の誰もが何も言わず、流していたのだが、気遣いなど一切しない男が一人、キラに声を掛けた。
「ヤマト隊長」
「ふぁーい」
「セナ君の邪魔なので、帰ってください」
「嫌です」
「……」
「……」
キラとアルバート・ハインラインの間に火花が散る。
今にも争いが始まりそうな一触即発の状況であるが、セナはそんな背後の状況など何も気にせず、淡々と作業を進めていた。
流石というか、何というかである。
「僕はセナのお姉ちゃんですから」
「えぇ。とても不幸な事です。貴女の様な方が姉では」
「は?」
キラは苛立ちを一切隠さずにそのまま示したが、その怒りの気配を感じたのか、セナはキラにやや体重を預け、手を握る。
たったそれだけでキラは怒りをどこかに消し、ポヤヤンという空気を出すのだった。
「はぁ。まったく。ただでさえセカンドステージの開発が遅れているというのに、セナ君の邪魔をする人間が遂には設計局に来てしまうとは」
「はぁー? タラタラ開発してる方が悪いんじゃないですかぁ? セナに残業なんてさせないで下さい。大人でしょ? 子供を働かせて恥ずかしくないんですか?」
「……」
「……」
再びぶつかるハインラインとキラの視線。
しかし、やはり誰もこの争いには介入できず、遂に直接的な武力闘争に入ってしまうかと思われた。
だが、神は居るのだ。
「お姉ちゃん。もしかして暇なのですか?」
「いや、暇って訳じゃないよ。知ってる? セナ。軍人って言うのは、休んでいる時っていうのも」
「暇なんですね?」
「……はい」
「じゃあ、セカンドステージの開発を手伝ってください。デュランダル議長には私から話を通しておきますから」
「えぇー」
「OS開発手伝ってくれたら、今日からずっと早く帰れますし、一緒のベッドで眠る事も可能なのですが……残念ですね」
「よしやろう。今すぐやろう。早くやろう」
「セナ君。確かに人手が足りないのは確かですが、素人に手伝わせるのは……。君の姉上は確かにMSパイロットとしては優秀ですが、プログラマーとしては……」
「何を言っているんですか? ハインラインさん」
キラはセナを椅子に降ろし、すぐにどこからか机と椅子を持ってくると、セナの隣に置き、セナから貰った仕事を超速で片づけてゆく。
「お姉ちゃんは私よりもプログラミング技術は上ですよ」
「……問題は変形機構か、これだとこっちに負荷がかかりすぎてる。なら、システムのメインをこっちに置いて」
恐ろしい速さで叩かれているキーボードにハインラインは疑いの目を持ちながら、背後から画面を見る。
そして、すぐに目を見開いた。
「……これは」
「どうですか?」
「えぇ。問題ないどころか、確かに貴女の言う事も間違いでは無いようですね」
「でしょう?」
「当初はセナ君の姉上はテストパイロットとして考えていましたが、これならばこのまま設計局に所属して貰った方が良さそうだ」
「いやー。それは多分難しいかと思うのですが」
「何故! この様な人材を野放しにするなど!」
「あーいえ。お姉ちゃんはパイロットとして非常に優秀なのでミネルバに配備予定です。ほら、あのフリーダムのパイロットですし」
「くっ! こんな想定外が! イレギュラーさえなければ!」
「残念ですが、これが現実です。ちなみに、ミネルバが配備されれば私もそちらに移動ですよ。ハインラインさん」
「ぐぁああ! 何という! 人材の無駄遣い!! こうなった以上、私もミネルバに乗艦し、現地で開発を!」
「いえ。デュランダル議長に確認しましたが、その予定はないと。ハインラインさんはこのまま設計局にて開発を。との事でした」
「バカな……!」
地に両手を付くハインラインにセナはごめんなさいと頭を下げると、ミネルバに移動しても使えるメールアドレスをハインラインのPCに送っておいた。
これで少しは気持ちが紛れればという思いである。
そして仕事を終え、宣言通り自宅へと帰ってきたキラはマユと戯れながら、テレビを見て、そういえばとセナに笑いながら話しかけた。
「セナ。お姉ちゃんに何か黙ってる事。あるでしょ」
「……何の事ですか?」
「あ、嘘吐くんだー。いけない子だねぇー。ねぇ。マユちゃーん」
「いけない子だねー」
セナは笑顔のまま、何のことやらと誤魔化し続けていたが、キラが笑顔のままスッとセナを射抜いた。
「あの新型。セカンドステージの機体。連合に流すつもりでしょう?」
「……何故、そう思うんです?」
「アハハ。そんなの簡単だよ。ザクには搭載してた戦闘支援システムがあるにはあるけど使えないし。OSだってコーディネーター用からナチュラル用に切り替えられる様になってたよ。ザフトにナチュラルは居ないのにね。あ、でも、ラウ兄さんっていう例外も居たかぁ」
「……」
キラは笑顔でマユと手遊びをしながら、続きを語る。
「上手く隠してたと思うよ? 多分僕とハインラインって人以外は気づいてないだろうし。まぁ、ハインラインさんは興味無さそうだったしね」
「お姉ちゃんには、勝てませんね」
「ま! セナのお姉ちゃんだからね!」
ふふんと笑うキラは、すぐに冷たい視線でセナを射抜くと、やや怒りが込められた言葉でセナを問い詰める。
「で? 当然理由は話してくれるんだよね? セナ」
「それは……」
「それは?」
「お姉ちゃんの勘違い……」
「戦争を始めるつもり?」
「っ」
「僕は許さないよ。セナ。例えセナが僕の命より大切な妹だとしても。戦争を始めるつもりなら、許さない」
「もし、そうだと言ったら、お姉ちゃんは私を殺しますか?」
「セナっ!!」
「っ! え? え? 二人とも、喧嘩……?」
「あぁ、ごめん。マユちゃん。別に喧嘩じゃないんだ。喧嘩じゃない」
「そうですね。でも、ごめんなさい。少しだけ二人で話をさせて下さい」
「う、うん。分かった」
マユが階段を上がっていく音を聞きながらセナとキラ、二人の姉妹は互いに視線をぶつけ合った。
キラの目には怒りがあり、セナの目には静寂がある。
「どうやっても話さないつもり?」
「はい。話せば……お姉ちゃんを巻き込む事になってしまう」
「僕はセナのお姉ちゃんだ! 巻き込むも何もないよ! セナに何かあれば僕はどんな場所だって、どんな戦場だって行く! 前の大戦でそう誓ったんだ」
「……お姉ちゃん」
「さぁ、セナ。話して。何を考えているのか」
キラは優しくセナに言うが、セナは悲しく笑うばかりだ。
「お姉ちゃん」
「なぁに? セナ」
「私は、戦争を起こしたい訳ではありません。平和を作りたいのです。いつまでも終わらない平和を。だから、そんなに心配しないで下さい」
「……どうやっても話すつもりは無いって事?」
「はい」
「セナ」
「駄目です」
「っ」
頑なに口を閉ざし続けるセナにキラは苛立った様に拳を握りしめた。
しかし、そんなキラにもセナは変わらず不安をかき立てる様な笑みを浮かべるばかりだった。
キラとハインラインは劇場版だと仲が良いんですけど。
この世界線だと、妹が兵器開発を手伝わされてるという事もあって、初見は微妙ですわね。
どうせ長く付き合えば互い問題なくなっていくでしょうけど。
とりあえず、今日中にDESTINY編本編始まる予定ですわ。
ほな、また。