ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日6回目の更新


PHASE-12『戦いを呼ぶもの』

(第三者視点)

 

 

 

シンは、圧倒的な力で三機の強奪されたMSと交戦するキラの青いザクを見ながら、その戦いぶりに感動していた。

 

しかし、感動してばかりもいられないと、気合を入れて、雄叫びと共にエクスカリバー レーザー対艦刀を振り回して、キラが作り出した敵機の隙に攻撃を叩きこんでゆく。

 

『良いよ。シン!』

 

「はい!」

 

『良くないですよ! ヤマト隊長! 命令は捕獲ですよ!? シンも! あれは我が軍の』

 

戦闘中だが、通信から聞こえて来たアーサーのキラを否定する言葉に、ヤマト隊の狂犬ことシン・アスカが噛みついた。

 

「はぁ!!? それくらい解ってますよ! でも出来るかどうか分かりません! 当然でしょ!? 大体何でこんなことになったんです!」

 

怒りのままにエクスカリバーを振り回して、ガイアを攻撃しながら通信にも吠える。

 

実に器用なものだ。

 

「なんだってこんな簡単に! 敵にっ!」

 

『今はそんなお喋りしてる時じゃないでしょ! 演習でもないのよ!気 を引き締めなさい!』

 

『申し訳ございませんタリア艦長。シン。駄目だよ。戦闘に集中して』

 

「はい! ごめんなさい!」

 

『はぁー。本当にこの子は』

 

『後でよく言っておきますから』

 

『お願いね』

 

シンは、通信で保護者と化しているキラがタリアに謝っている事も気にせず、勢いのままに暴れまわっていた。

 

キラとの模擬戦で鍛えたシンの腕は既に1対1であれば奪われたMSにも対抗出来ており、その状況を作ってくれているキラに感謝しつつガイアに向かって対艦刀を振り回し、ビームライフルを、シールドを破壊してゆく。

 

「くっ!? な、なんだ! うわっ!」

 

『シン!』

 

しかしガイアと戦っていたシンは不意にコロニーが大きく揺れた事で体勢を崩し、隙を作ってしまった。

 

その隙にガイアが変形しながら突っ込んできたが、それはキラが庇った事で、何とかキラの駆るザクの片腕だけの被害で済むのだった。

 

「隊長!」

 

『大丈夫? シン』

 

「俺は大丈夫ですけど、隊長は!」

 

『うーん、右腕がやられたね。これじゃ戦うのは難しいかな。後は守備隊に……』

 

「いえ! 俺、やります! メイリン! フォースシルエット!!」

 

『は、はい!』

 

『シン! もうエネルギーは半分も無いでしょ。ここは一度ミネルバに』

 

「そんな事言ってたら、逃げられちゃいますよ! 隊長はミネルバに避難して下さい! シン・アスカ行きますッ!」

 

『あぁ、もう! シン!』

 

キラの制御下を離れたシンは、勢いよく空で換装して、逃げようとしている三機に向かって飛んで行った。

 

キラは迷いながらそれに付いていこうかとしたが、自分の機体を見て、ため息を吐く。

 

『急いで乗り換えるしかないか』

 

『隊長!』

 

『レイ! ルナも! 無事だったんだね!?』

 

『はい。後は我らにお任せを』

 

『全部叩き落としてきますよ!』

 

『あー、うん。一応命令は捕獲なんだけど、難しい様なら撃破で。じゃあお願いね。僕もすぐに向かうから』

 

こうしてキラは一度ミネルバに向かうべく、飛んでゆくのだった。

 

 

 

しかし、意気揚々と飛んで行ったルナのザクもスラスターの故障によりミネルバに向かわねばならず、キラとルナは一度待機という事で格納庫で整備を待っていた。

 

そんな時だった。

 

一機のザクがミネルバの格納庫に着地して、その中からザフトの軍人ではない人間が降りて来たのは。

 

ルナはその怪しい二人の人間を見つけると、近くの警備兵から銃を借りて前に進み、キラはヤバッと言いながらとっさにサングラスを掛けた。

 

「そこの二人! 動くな!」

 

「っ」

 

キラとしては全く話しかけて欲しくなど無かったが、ルナマリアは機体の不調で活躍出来なかった分、隊長に良いところを見せようと張り切っており、止まる様子はない。

 

そんな様子のルナを見守りながら、キラは警備兵の後ろにコソコソと隠れて、様子を伺うのだった。

 

「動くな! 何だお前達は。軍の者ではないな! 何故その機体に乗っている!」

 

「あ、あぁ……」

 

「銃を下ろせ。こちらはオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ」

 

「……」

 

「デュランダル議長との会見中騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないままこの機体を借りた」

 

「オーブ……」

 

ルナマリアは何故かコソコソと隠れているキラにチラッと視線を一瞬向け、いつもの奇行かと気にせずまたアレックスとカガリへと視線を戻す。

 

「代表は怪我もされている。議長はこちらに入られたのだろ? お目にかかりたい」

 

そして、アレックスはハッキリとした口調でそう言いながら、鋭い視線をコソコソと隠れているキラに向けていた。

 

例えサングラスを掛けていようが、隠れていようが、幼少期の頃を一緒に過ごした幼馴染に気づかないはずがない。

 

前大戦ではたった一瞬MSの上で互いに視線を交わしただけで気づいたのだ。

 

ここで気づかないのはあり得ない。

 

「そして、議長への取り次ぎは……お任せ出来ますか? そちらに隠れているザフトの隊長殿!」

 

「っ! あ、いや、僕は」

 

「隊長?」

 

「えと、いや。まぁ、オーブからの使者が相手なら、確かに僕がちょうど良いかもしれませんね」

 

くいっとサングラスを上に上げ、何とか気づかないで欲しいと願いながら、キラは前に一歩出た。

 

周囲の視線がキラに突き刺さるが、キラはそれを気にしない様に冷や汗を流しながら、アレックスやカガリに近づいて行く。

 

「名前を聞いても?」

 

「え? あ、あはは、名乗るほどの者じゃありませんよ!」

 

「オーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ氏の前ですが、サングラスを取らないのは失礼に当たるのでは」

 

「ざ、ザフトには伝統的に顔を隠す隊長が一人はいましてね! 以前はラウ兄さ……あ、いや。クルーゼという隊長が同じ事をしておりました。僕は彼の伝統を……「いい加減にしろキラ」っ! き、きら!? 一体誰の事かさっぱり分かりませ……あっ! ズルいよアスラン! サングラスを取るなんて!」

 

キラが思わず叫んだその名前に、格納庫に居た二人のやり取りを見ていた者たちは皆ざわつくが、二人はそんな事、気にもせずに言い争いを続けていた。

 

「なんだその恰好は! どういうつもりだキラ! ザフトに入隊するつもりか!」

 

「いや、するつもりというか、既にしているというか」

 

「何!?」

 

「あ、いや、ごめんなさい。でも、事情があるんだよ! アスラン!」

 

「ほぅ。事情ね。聞こうか」

 

「実はさ。僕イザークに借金があって、それを返す為に働いてるの」

 

「何ィ!? 借金だと! お前! 何をやってるんだ! キラ!」

 

「違うんだよ。カガリ。これはとてもとても深ーい理由があるんだよ」

 

「深かろうが何だろうが、金を借りてるのは事実だろうが。ったく。しょうがない。私が代わりに払ってやろう。その代わり、今すぐザフトを辞めてオーブに戻ってこい。良いな。当分は私の傍で秘書の仕事をしろ」

 

「いやー。それも難しいというか。セナを一人には出来ないというか」

 

「「セナ!?」」

 

「おい。どういう事だ。キラ。私の大切な妹のセナがザフトで軍人をやっているなんて事は無いだろうな?」

 

「俺の妹だ! カガリ!」

 

「今はどっちでもいいわ! それで? 私の妹のセナはどうなってるんだ!」

 

「えと。その……ザフトで軍人やってます」

 

「「キラ!!」」

 

二人の怒れる兄と姉に挟まれて、キラは小さく、小さくなりながら嵐が過ぎ去るのを待った。

 

しかし、その中心点がキラである以上、どれだけ小さくなろうとも、嵐はいつまでもここに居座るのだった。




怒れる瞳(アスラン&カガリ)
戦いを呼ぶもの(キラ)

タイトルがちゃんと登場キャラクターを指してるな、ヨシッ!

いや、まぁ。シンもちゃんと狂犬らしく怒れる瞳して、狂犬らしく戦いを呼んでるから問題ないか。

うーん。しかし。
こういうコメディ回がやっぱり楽しいですねぇ。
ほな! また!
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