ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど 作:とーふ@毎日なんか書いてる
(第三者視点)
それは唐突に起こった。
ザフトの監視衛星職員は、そのモニターに映る情報を見ながら悲鳴のような声を上げる。
「え!? そんなはずないだろ」
「いや何度も確認した。見てくれ。こっちが2時間前のだ。今も少しずつだが間違いなく動いてる」
「そんな馬鹿な。ユニウスセブンは安定軌道にあるはずだぞ」
その異変はザフト本国でも、そしてミネルバでも観測されるのだった。
「ん?」
「艦長、デュランダル議長に最高評議会よりチャンネル1です」
「あぁ、繋いでくれ」
ちょうどキラ、セナ、タリアと共に話をしていたデュランダルはその報告に目を見開いた。
何故なら、それはデュランダルの中で起こるはずのない出来事であるからだ。
「ユニウスセブンが。動いている……だと!?」
計画は既に潰されたはずである。
それはセナもデュランダルも把握している。
何よりそういう事件を起こしそうな過激派は全てゴンドワナで開戦の為の準備を行っており。
その報告はアーモリーワンの事件が起きてすぐに確認している。
だからこそ、これは本当にあり得ない事件であった。
故に、デュランダルもセナもこの事件を解決する為の策を急いで用意する必要があるのであった。
デュランダルは即座にこの知らせをカガリやアスランに伝え、セナとキラはシン達に伝えてゆく。
位置から考えればミネルバにも対応する必要が出てくるからだ。
そして、キラとセナは準備の為にブリッジへと向かい、シン達は改めて呼ぶまで休んでてと言われ、何となく休憩室に仲の良いメンバーで集まるのだった。
「ふーん。けど何であれが?」
「隕石でも当たったか、何かの影響で軌道がずれたか」
「でも、地球への衝突コースなんて……」
「はぁ~、アーモリーでは強奪騒ぎだし、それもまだ片づいてないのに今度はこれ? どうなっちゃってんの」
「ね。ブリッジの大騒ぎだったよ?」
「何か変なの居るんじゃないの? この艦」
「変なのって?」
「不幸を呼ぶ鳥とかそういう奴」
「鳥なんて隊長のトリィしか居ないだろ。まさかルナマリア。お前」
「ちょっと止めてよ! 冗談でも怖いんだから!」
「ハハハ。悪かったよ」
「……はぁ。ったく。で? 今度はそのユニウスセブンをどうすれば良いの?」
「えぇ?」
「あー。まぁ」
「砕くしかない」
「砕くって」
「あれを!?」
レイの言葉に、休憩室に居たメンバー全員が驚きの声を上げる。
「軌道の変更など不可能だ。衝突を回避したいのなら、砕くしかない」
「でもデカいぜあれ? ほぼ半分くらいに割れてるって言っても最長部は8キロは……」
「そんなもんどうやって砕くの?」
「それに、あの場所にはまだ死んだ人の遺体が残ってるんでしょ? セナちゃんが少しずつだけど助けて、お墓を作ってるって前にニュースでやってたし」
「だが衝突すれば地球は壊滅する。そうなれば何も残らないぞ。そこに生きるものも」
その重すぎる言葉に全員が言葉を無くした。
空気すら重くなり、息をするのも嫌になるほどだ。
だが、そんな空気を嫌って、ヨウランが明るく声を出す。
空気を換えようとするように。
「地球、滅亡」
「だな」
「はぁー、でもま、それもしょうがないっちゃあしょうがないかぁ? 不可抗力だろう。けど変なゴタゴタも綺麗に無くなって、案外楽かも。俺達プラントには……」
ヨウランが言った言葉にシンは不快な顔をして、それを止めようとしたが、それよりも早く休憩室に入ってきた少女が叫ぶ。
怒りをその身にまとって。
「よくそんなことが言えるな! お前達は! しょうがないだと!? 案外楽だと!? これがどんな事態か、地球がどうなるか、どれだけの人間が死ぬことになるか、ほんとに解って言ってるのかッ!? お前達はッ!!」
「っ、す、すみません」
突然現れたザフトでは無い人間。地球にあるオーブの国家元首の言葉にヨウランは怯みながら謝る。
しかし、カガリは止まらない。
「……やはりそういう考えなのか、お前達ザフトは! あれだけの戦争をして、あれだけの想いをして、やっとデュランダル議長の施政の下で変わったんじゃなかったのかッ!!」
「よせよ。カガリ」
「くっ」
怒りのままに言いたい放題言っているカガリにシンは静かな苛立ちを感じながら、口を開いた。
「別に本気で言ってたわけじゃないさ、ヨウランも」
「っ!」
「そんくらいのことも判んないのかよ。あんたは」
「なんだと!?」
「カガリ!」
「シン。言葉に気を付けろ」
「あ、そうでしたね。この人偉いんでした。オーブの代表でしたもんね」
「お前ぇッ!」
「いい加減にしろ! カガリ」
怒るカガリを抑え込みながら、アスランは明らかな挑発行為をしてきたザフトの軍人であるシンを睨みつける。
場合によっては国際問題になりかねない状況だ。
理由があるにしても無いにしても、話さねばならない事であった。
「君はオーブがだいぶ嫌いなようだが、何故なんだ? 昔はオーブに居たという話だが、下らない理由で関係ない代表にまで突っかかるというのなら、ただでは置かないぞ」
「下らない? 下らないだって!? 俺たち家族がどんな想いで生きて来たかも知らない癖に適当な事を言うな!」
「っ」
「国を信じて! あんた達の理想とかってのを信じて! 挙句に国が焼かれて俺たちを放り出したんだろうが! あの戦いでどれだけの人が死んだと思う!! 戦争で死んだ人間だけじゃない! 国から逃げて、難民になって! 明日死ぬかもしれないって状況で生きて来た奴の気持ちがお前らに分かるのかよ!!」
「……しかし、連合との戦いの後、オーブに戻る手段だってあったハズだ」
「よく言うよ! 俺たち家族を助けた軍人さんはな!! プラントに行く手段を渡してくれた後、俺たちの乗った船を守る為に大した武装もないまま避難の道を切り開いて連合に殺されたんだ!! そんな状況で! そんなモノを見せつけられて! 戻れる訳無いだろうが!!」
シンの言葉は、レイ以外誰も知らない事だ。
何故ならシンはそんな事は一切話さないし。ザフトの少年兵たちは前大戦でまだ軍人になっていない。
そして、アスランもカガリも、多くの人が亡くなっているという事実を所詮は数字の上でしか知らないのだから。
親しき人の死でも無ければ流す。受け止めない。そうやって何とか軍人をやってきたアスランと、周りを護衛に囲まれていたカガリにはどうやっても知りえない話であった。
シンがカガリとアスランに想いをぶつけた後、すぐに招集がかかりシン達は作戦を伝えられ、それぞれ自分の機体で待機する事になった。
作戦内容は既にユニウスセブンへ向かっているジュール隊の援護である。
「シン」
各々が自分の機体に向かっている中、レイがシンを呼び止めた。
「……なんだよ」
「大丈夫か?」
「あぁ。俺は大丈夫だ」
「しかし、地球を守る事に気が乗らないのなら、行かないという選択肢もあると、俺は思う。ヤマト隊長も……」
「オーブで!」
「……」
「オーブを離れる時に、ボロボロだった俺たちを助けてくれたトダカさんって軍人さんが居るんだ。あの人は今もまだオーブにいる。きっと今だって多くの人を助けてる。あの人にだって大切な人が沢山居るはずだ」
「あぁ、そうだろうな」
「だから、俺は助けたいんだ。俺を助けてくれた多くの人を」
「そうか」
レイは柔らかく笑うとシンの背を叩いて、自分のザクへ向かう。
そしてシンもまた、コアスプレンダーへと向かうのだった。
はい。
ユニウスセブンが落ちます。
落としたい人たちが居るので。
そして、シンの叫び。
無力な少年だったシンの気持ちは、アスラン、カガリには衝撃やったろうな回。
しかし、シンは良い子なので、大切な人の為に戦場へ行くし。
そんなシンの気持ちを理解してレイもまた……。
うーん。自給自足出来てる。