ガンダムSEED~オリ主で主要キャラ全員生存ルート爆走記~ え? キラが女の子とか聞いて無いんですけど   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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本日2回目の更新


PHASE-23『よみがえる翼』(後編)

(第三者視点)

 

 

 

キラやセナがミネルバを離れ、ヤマト夫妻の家に行っている頃、セナから連絡を受けたユウナが一つの作戦を実行に移していた。

 

彼は軍本部にて、『オペレーション・フリーダム』の開始を宣言すると、作業を開始させつつ、自分はカガリの自宅へと向かう。

 

そしてカガリの自宅に入ると、執務室まで向かい、ノックもせずに中へと入るのだった。

 

その行為にカガリの侍女であるマーナは顔をしかめるが、ユウナは気にもせずに話しかける。

 

「カガリぃ~。久しぶりじゃないか」

 

「何が久しぶりだ。昨日も会ったばかりだろう」

 

「一日も会えなかったら、僕の心は限界だよぉ」

 

「……」

 

カガリは心底面倒だという顔をして、さっさとユウナを追い出そうと、椅子から立ち上がったのだが、そんなカガリの行動を止める様に、ユウナは口を開いた。

 

「そろそろ良い時期だし。結婚しようか。カガリ」

 

「……は? いや、お前。何を言って」

 

「別にそんなおかしな話でも無いだろう? 幼少の頃にはそういう話もあったし。今オーブは一つになる必要があるんだからさ」

 

「だからと言って、何故私とお前が結婚しなくてはいけない!!」

 

「なに? カガリは乗り気じゃないの?」

 

「当たり前だろうが!!」

 

「好きな人でも居るのかい?」

 

「それは、その……」

 

カガリはユウナに言われた言葉で、護衛として部屋の中に立っているアスランへと視線を送る。

 

「ふぅん。その反応じゃあ居るんだね。ならしょうがない」

 

「……?」

 

突然結婚等と言ってきたわりにはアッサリと引いたユウナにカガリとアスランは怪訝そうな顔をするが、ユウナは満面の笑みを作ると、二人にとってとんでもない話をぶちまけた。

 

「カガリが駄目なら、君の妹たちに頼むしかないね」

 

「「は?」」

 

カガリとアスランの声が重なり、怒りと殺意の混じった瞳がユウナを真っすぐに射抜いた。

 

「どうしたんだい? さっきも言っただろう? オーブは一つになる必要がある。それはカガリも理解してるよね? そして、今、オーブは君とセイランの家で分裂してる。これは良くない事だ。だから結婚さ。互いの家に利益がある様にね。それとも、今のカガリにオーブを一つにまとめる力があるのかい?」

 

「それは」

 

痛いところを突かれたと、カガリは顔を曇らせた。

 

「なら分かるよね。まぁ、僕としてはキラが本命だけど。セナも良いよね。将来性があるし。何より地球の英雄だ。それに、従順だし。僕の言う事なら何でも聞いてくれそうだと思わないかい? カガリお姉ちゃんの為だよって言えばさ」

 

「貴様っ!!!」

 

ユウナの言葉に激怒したアスランがユウナの胸倉を掴むが、ユウナは冷静にアスランを見下し、護衛として連れて来ていた兵士に銃を向けさせる。

 

「おいおい。アレックス。僕を誰だと思ってるんだい? 僕はオーブ五大氏族のセイラン家の人間だぞ?」

 

「アスラン。止めろ」

 

「くっ」

 

カガリに諫められて、アスランはしぶしぶ下がり、再び部屋の隅に移動した。

 

しかし、そんなアスランを見てユウナは笑みを深める。

 

「それで? 君はどうするんだい? カガリ」

 

「私は……」

 

ユウナを睨みながら、カガリは一瞬アスランへ目配せをして、意思を伝える。

 

アスランはその目線の意味を理解して、部屋から出ると、隣の部屋で何かをし始めた。

 

ユウナはそれを見て、微かに笑うと、暇つぶしの様にカガリを追い詰める為の話をするのだった。

 

それは先ほどまで話していた事とそれほど違いはないが、カガリにとっては辛い話が続くのだ。

 

苦痛は苦痛だろう。

 

苦しむカガリに、さっさと折れてしまえとユウナは心の中で叫びながら、すぐ後ろに立っていた兵の報告を聞いた。

 

「ユウナ様。アスラン・ザラがミネルバへと連絡を取った様です」

 

「ふふん。なるほどね」

 

「あぁ、カガリ。言っておくが、セナもキラもミネルバには居ないよ」

 

「なっ!?」

 

「当たり前だろう? 僕が何の準備もせずにここへ来ると思うかい?」

 

「お前……!」

 

「そんなに怒るなよ。カガリ。心配しなくても大事にするさ。これからセナは僕の物になるんだからね。アハハハ」

 

隣の部屋から顔を青ざめさせて出て来たアスランを見て、カガリは全てを察した。

 

そして、カガリは迷いの中で一つの決断を下す。

 

「分かった」

 

「……カガリ!?」

 

「どの道、いつかは決めねばならない事だ。私もいつまでも独り身という訳にもいかないからな」

 

「しかし!!」

 

「まぁ、当然の話だよね。カガリは良い決断をしたよ」

 

「……ユウナ。私が頷いたのだから、セナとキラは解放しろ」

 

「おいおい。随分と気が早いな。まだ結婚式も終わってないのにかい?」

 

「私が逃げるとでも!?」

 

「分からないだろう? そんな事はさ。だから、結婚式が終わるまでは駄目だ。良いね?」

 

「……分かった。だが、傷一つ付けるなよ」

 

「当然さ。僕の妹になるんだからね」

 

ユウナは計画が上手くいっているという事で、大声で笑う。

 

まぁ、周囲にはカガリを貶めて笑っている様にしか見えない訳だが。

 

そして、トドメとばかりにユウナはアスランに視線を送りながら嫌味に満ちた言葉を送った。

 

「所詮力のない者には何も守れないって事さ。いい勉強になったねぇ? アレックス」

 

「……っ」

 

「あぁ。そうそう。カガリが僕の物になった以上。君はクビだ。プラントでもどこへでも消えたまえ。まぁ、惨めにオーブに残るのも良いけどねぇ! アハハハ!!」

 

ユウナはそう言って笑いながら、兵たちに言って、アスランをカガリの家から追い出すのだった。

 

最後にはカガリの肩を抱いている姿を見せつけながら。

 

 

 

アスランはカガリの家を出た後、行くあてもなくフラフラとさ迷っていた。

 

しかし、その足は不確かながら、かつてセナやキラやラクス。そしてアスランとカガリが共にあった島へと来ていた。

 

そして、砂浜に倒れる様に座り、一人で完全に暗闇となった夜の海を見て、いつかの日々を思い出す。

 

戦争が終わり、ようやく取り戻した全てと共にあった日々を。

 

しかし、今のアスランには何も残されてはいなかった。

 

セナとキラはザフトへ行ってしまい、カガリはユウナに奪われた。

 

「クソ……くそぉ……」

 

最後に見たカガリの泣きそうな笑顔を思い出して、アスランは悔しさを拳に込めて、砂浜に叩きつける。

 

「俺は、こんな今更……!」

 

そう。アスランは今この時になってようやくカガリへの想いを自覚したのだ。

 

『生きる方が……戦いだ!!』

 

『死なせないからな。お前』

 

『お前はっ! 二人を見て、このままで良いと本気で思うのか!!』

 

『ハウメアの護り石だ。お前は危なっかしい。護って貰え』

 

『私はカガリだ!』

 

初めて出会った時、そしてキラとセナを殺し全てがどうでもよくなった時。

 

ジェネシスと共に死のうとした時。

 

いつだってカガリはアスランを想い、未来を照らす光をくれた。

 

だが、全てが手遅れだ。

 

何故なら、アスランの傍にあった物は全て失われてしまったからだ。

 

しかし。

 

「アスラン」

 

「……キラ!? お前、なんで」

 

「君が呼んでる気がしたから」

 

キラはそう言って笑うと、アスランに手を差し伸べる。

 

「アスラン。君がやりたい事は何?」

 

「……俺は、だが、俺は」

 

「大丈夫だよ。アスラン。見えない明日に進むのは怖いかもしれないけど、一歩踏み出す勇気を、僕らはもう知ってるだろ?」

 

「キラ……俺は、カガリを、助けたい。好きなんだ。カガリの事が」

 

「なら、その想いはカガリに伝えてあげて」

 

キラはアスランを砂浜から立ち上がらせると、一緒に付いてきてと言う。

 

そして、いつかの時、アスランが激怒した工場の奥の奥に封印された扉の前に立った。

 

この島からキラが離れる際に、キラとラクスが封印した、キラの力。

 

「ラクス」

 

「はい」

 

二人は二本の鍵を取り出すと、息を揃えてそれを回し、その大きな扉を開いた。

 

「……フリーダム」

 

アスランはその扉の向こうにあった機体を見上げながらその名前を呟いた。

 

その言葉にキラが頷く。

 

「うん。この剣。君に預けるよ」

 

「しかし、良いのか?」

 

「だって、今の君には必要な力でしょ?」

 

「……力か。だが、大きすぎる力はシンの様に、誰かを傷つけるかもしれない」

 

「じゃあアスランはもう諦める? 全部全部諦めて、世界に従う? カガリが囚われたままでも、構わない?」

 

キラのそんな挑発じみた言葉にアスランはふっと笑みをこぼすとキラを見据えた。

 

「俺は……そんなに諦めが良くない!」

 

「だよね」

 

アスランの決意を秘めた瞳に、キラは微笑むとフリーダムへと向かっていくアスランを見送った。

 

そして、ラクスと手を取り合いながら遥か彼方水平線の向こうから昇っていく朝日を見つめる。

 

「ラクス」

 

「はい」

 

「アスランとフリーダムの事、お願いね」

 

「……はい。キラもお気をつけて」

 

それから、キラはラクスと別れ、己が今いるべき場所へと向かってゆく。

 

 

 

そして、キラから力を託された男もまた、新たな翼と共に旅立つのだった。

 

「アスラン・ザラ。フリーダム……出る!!」




はい。
おそらくDESTINYで5番目くらいに書きたかった話が書けて満足です。
1位から4位は決まってませんが。多分その辺りです。

アスランがフリーダムに乗る流れは、キラがザフトに行き、ヤマト隊結成辺りで決まった話で。
正しさに拘っていたアスランが、多くの事に囚われて苦しんでいるカガリに『自由』を与える為に乗るという所に好きを感じました。
まぁ、結局は首長である以上、責任からは逃げられないけど、好きな相手を自由に選ぶ権利があっても良いよね。みたいな感じです。

この辺りも文字遊びは結構拘り部分もあって。
SEED編でも、終わらない明日へで、世界に絶望して、それでもこの世界で生きて行くと決めたキラとクルーゼの元へ希望(ホープ)が迎えに来る。
という様な構成になってたりと、まぁまぁ色々と拘りはありますね。

と、まぁ。こんな話をしていても、喜ぶ人は居ないので。
この辺りにしましょう。

では、また朝(昼)起きたら続きを書いて更新しますわー。
ほな。
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