戦争も終わったので戦友少女たちとスローライフを満喫することにした 作:やなかすてら
愛知県豊橋市と田原市の境目にある自衛軍 東三河基地。
東三河基地がある豊橋港は東三河にある港湾地域 三河港の事を指すが豊橋エリアを指す場合は豊橋港と呼ばれている。
基地建設のため豊橋港がある神野新田町、某大企業の工場群が居並ぶ企業団地がある明海町、第二次世界大戦中には海軍航空隊基地があり今は住宅地が並ぶ大崎町に跨って東三河基地が建設された。
基地は国防省統合作戦司令本部直轄拠点であり海上防衛及び海上治安維持の観点から海上自衛軍 名古屋地方隊、海上保安庁第4管区 航空自衛軍中部方面航空隊東三河分遣飛行隊 陸上自衛軍第180独立連隊 自衛軍海兵隊第5旅団も同地に配備されている。
第3次世界大戦で壊滅的被害を蒙った反省からか基地防衛機能はしっかりしており対空・対深海棲艦及び対セイレーンレーダー基地もを備え高射砲陣地、ミサイル陣地がある。
他の基地施設といえば基地司令部、艦隊ドッグ、補給施設、工廠、教育エリア、隊員宿舎、三河港及び豊橋港を再利用しているため工業エリア、農業エリア、物流エリアも基地内に備えている。東三河地域防衛の要であるため基地要員は500名程である。
2023年 4月1日 1500時 東三河基地 基地司令部司令官室
基地司令室にある椅子にドカッと座り以下にも「私が提督だ」というオーラを放っている神野少将に柳瀬 明日乃は副官2名と共に着任の挨拶をした。
「本日付で着任することになりました。海上自衛軍北方海域地方隊第13護衛艦隊所属柳瀬 明日乃大佐であります。神野閣下、どうぞよろしくお願いします。」
北方勤務というワードを聞いた神野少将は一瞬、びっくりした顔をしたが直ぐに答礼をした。
「ご苦労、先程少し自己紹介したが私がこの東三河基地司令官の神野政明だ。後、閣下は不要だ。この基地はみなで緩く行こうがモットーだからねな」
神野少将は笑いながら柳瀬の肩を叩いた。この司令官は気に入った人物の肩を叩くくせがあるようだ。
先程の笑みから神妙な顔向きに変わり柳瀬に近づく。
「柳瀬大佐、貴官を我が基地に迎えたのは単冠湾の狼の異名を持つ貴官直隷艦娘・KAN-SEN部隊をこの東三河で活躍させたいのだ。」
頼りなさそうな顔の柳瀬は神野司令官の言葉に少し目つきを細めた。
この目は彼が作戦行動中のみに見せる表情だ。
「まさか、深海棲艦かセイレーンが目撃されたのですか?」
「いや、深海棲艦のイ級、ロ級のノーマルの12隻程度の小集団だけだ。現有戦力だけで対処できるのだが伊良湖の警備隊から報告があってな……」
神野司令官の神妙な口調から事態はあまり良い方向では無いと柳瀬は予測した。柳瀬は着任前に自らが直接指揮する艦娘12名とKAN-SEN28名を全て東三河基地に着任するようにと国防省海軍司令本部より通達があった。
彼女たちは先の大戦で世界中の海で深海棲艦とセイレーンを屠った古兵だ。それを深海棲艦の雑魚であるイ級とロ級の排除だけに使うはずは無い。
「まさか、司令… 太平洋にまた穴が確認されたのですか?」
柳瀬の問いに神野は答える、満面の笑みで。その笑みは不気味だ。柳瀬と榛名、KAN-SEN能代こと朱凛も息を飲む。神野司令官は笑みを浮かべながら答えた。
「それが、何も確認されなくてね〜 いやー穴が確認されたと思ったけど全然違ったみたいだ!だけど深海棲艦がいるのは良くないから君の美しいと噂の艦娘とKAN-SENを呼んだのさ!」
なるほど、神野司令官は女好きらしい。彼女の横にいる副官の艦娘はPOLAとレンジャー、KAN-SENはリットリオとプリンツ・オイゲンだ。
しかも4人とも顔が赤い。そして何やら臭う。
「神野司令官、私は阿賀野型能代のKAN-SENの能代朱凛大尉です。もしや、副官方は失礼ながら酔っていらっしゃるのですか?」
柳瀬が聞こうとしたことを朱凛の先制攻撃で聞かれてしまった。
しまったと顔をしていた神野司令官は首を縦に降り少ししゅんとした顔をした。
「まぁ、司令官。東三河基地は拠点施設と言えど地方基地なので風紀はあまりとやかく言いたくないですがまぁ……程々に」
柳瀬自体、風紀を気にするタイプではないのだが一応、新任の部下として忠言をした。もし、司令官がやらかしたらせっかく地方基地でのスローライフキャリアに傷がつく。
「柳瀬大佐ァ、硬いこと言わずに大佐のためにぃ祝宴を設けてあるんですぅ。近くのオストミカワホテルに用意してあるので〜 あ、私は基地司令官付き副官艦娘のポーラでーす。ひっく、ポーちゃんと呼んでください、ひっく」
今にも酔い潰れそうな勢いのポーラは柳瀬の手を引いて司令官室を出ようとした。
「なんだか楽しそうですね朱凛さん、榛名も参りますが朱凛さんももちろん来ますよね?」
「もちろんです。彼を放置する訳には行かないでしょ?私たち嫁艦なのだから」
榛名は左手薬指を見つめながら微笑んだ。朱凛にも違う形だが同じ指輪がある。そう、ケッコン指輪だ。
艦娘とKAN-SENのケッコン指輪は効果が違うが結婚した提督(指揮官)への愛のカタチであるのは変わりない。
「まさか、飲むことになるとは思わなかったな……」
柳瀬達は基地の幕僚たち共に着任祝賀祭が開かれるオストミカワホテルで酒宴を楽しんだ。
神野司令官の裸踊りや艦娘・KAN-SEN達のダンスなど色々な余興もあったが祝宴は23時まで続いたのだった。
スローライフを満喫させながら戦わせたい!