吸血鬼の娘でも星を見つめたい   作:あん仔

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VS月

 港へ着港したチャーター船へ乗り込んだ。

 帆船というやつ? 大きい船に乗るのは初めてで少しワクワクしてしまう。

 一通り船内を見てまわり、甲板へと戻ると涼しげな服装に着替えたジョースターさんとビーチチェアに寝そべる学生組がいた。

 

 

「お、エコー。探検は終わったのか?」

「ええ、あちこち見せてもらいました」

「エコーのセーラー服は船乗りっぽくてむしろ馴染んでるおるんじゃがなあ…スカートじゃし……おまえらのその学生服はなんとかならんのか〜! そのカッコーで旅を続けるのクソあつくないの?」

「僕らは学生でして……ガクセーはガクセーらしく、ですよ。という理由はこじつけか…」

「フン」

「学生服は三年間着ることになるのが多いから単純に機能性では群を抜いてると思いますよ」

「そうかの〜〜? 年頃なんじゃし〜オシャレとかしたくないの?」

「逆にいうと毎日着る服に悩まなくていいっていう利便性も──」

 

 

 ジョースターさんオシャレだよね〜っと思いながら言葉を続けようとしたときだ。

 

 

「はなせ〜! はなしやがれ〜〜!! このボンクラが〜〜ッ!!」

 

 

 平和な甲板に大声が響き渡った。船員の1人が帽子を深く被った子供を捕まえている。

 声を聞きつけたアヴドゥルとポルナレフもなんだと顔を甲板へ覗かせてくる。

 

 

「ちくしょう! はなせッ、はなしやがれ〜〜!」

「静かにしろッ! ふてぇ〜ガキだッ!」

「おい! どうした! ワシら以外に乗客は乗せない約束だぞ」

「すみません……密航です。このガキ、下の船倉に隠れてやがったんです」

「密航?」

 

 

 暴れた子供を捕まえたまま脅し始める船員と子供のやりとりを前に、私は別のことに気を取られた。()()()ッ!!?

 ちょっと低めショタボのくぎゅだ!!!!!?

 

 

 子供が船員の腕に噛みつき、海へと飛び込んだ。

 

 

「おほ〜、飛び込んだぞ、元気ぃ〜」

「陸まで泳ぐ気だ」

「どうする…?」

 

 

 陸まで泳ぐって、もう結構遠いのに……と船から少しずつ離れていく子供をハラハラしながら見下ろす。

 

 

「けっほっときな。泳ぎに自信があるから飛び込んだんだろーよ」

「ま、まずいっすよ。この辺はサメが集まってる海域なんだ…」

 

 

 空条先輩は呆れ顔で顔を振るだけだった。冷めたーい。

 泳ぐ子供の下に大きな魚影が重なった。思わずギョッとする魚だけに。

 

 

「パンチしろ! 鼻先狙ってけーッ!!」

 

 

 サメに気づかず泳ぐ続ける子供へと咄嗟に叫ぶ。

 サメの鼻先にはロレンチーニ器官とかいう敏感な感覚器官があって鼻先を押すだけでも撃退できるとかどこかで読んだことがある。

 

 

「いうとる場合かーーッ!! おい小僧ッ! 戻れー!!」

「戻るんだッ! 危険だーッ!!」

 

 

 一気に慌て始めたジョースターさんとポルナレフと並び、子供へ向かって海上へダンス・マカブラを伸ばす。

 けれどそれにも子供との間にはそこそこの距離があることもあって、サメの泳ぐ速度には敵わない。

 もう私も一緒に飛び込んでしまった方が早いかと、手すりへと足をかけたとき、すぐ横を黒い影が通り抜けていった。

 

 

『オラオラオラー!!』

 

 

 スタープラチナの声とともに海上へサメが浮かび上がる。スタンドが見えずにか、突然飛んでいったサメに対して状況が分かっていなそうな子供の襟を掴んで空条先輩が少々乱暴に引っ張った。

 

 

「さすがJOJO! 俺たちに出来ないことを平然とやってのける!!」

「お〜!! ブラボー!! ブラボーだぜ承太郎!!」

「ホ…真っ赤に染まる海を見ずにすみそうじゃな…ナイスじゃあ! 承太郎〜ッ!!」

 

 

 空条先輩の素早い判断のおかげで甲板はにわかに湧き立つ。主に大騒ぎをしていた私たちだ。

 ふと空条先輩が子供の胸を触り、その帽子を剥ぎ取った。子供の帽子の下から長い黒髪が垂れ下がり、アッ女の子だとそこで気がついた。

 え、今胸に触ったんですか?

 だからくぎゅだったん??

 疑問がハッキリとする前に海面へ浮いていたサメの体を真っ二つに引き裂いた謎の魚影が空条先輩たちへと近づいていくのが見えた。

 便宜上魚影と表現したけど、明らかに魚ではないという影だ。

 

 

「じょ、承太郎ッ! 下だ! 海面下から何かが襲ってくるぞッ! サメではない! す…すごいスピードだ!!」

「承太郎! 早く船まで泳げッ!」

「と…遠すぎる!」

 

 

 海面に投げられていた浮き輪の元へ空条先輩と女の子が近づくがそれより早く海面下にいる謎の影が空条先輩たちと重なった。

 まだ小さな女の子だけならともかく、ダンス・マカブラに2人分の体重を抱えるだけのパワーはない。

 

 

「あの距離なら僕に任せろ! 『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』!」

 

 

 ハイエロファントグリーンのおかげでなんとか影の手が伸びる前に空条先輩たちが引き上がられて甲板へ戻ってきた。無惨に引き裂かれた浮き輪にウエ〜〜となってしまう。

 かぎ爪っぽいのもあったもんな。

 

 すると引き裂かれた浮き輪を残して謎の影は忽然と消えた。

 

 

「スタンド…」

「スタンドだ! 今のはスタンドだッ」

「海底のスタンド…このアヴドゥル…噂すら聞いたことのないスタンドだ…」

 

 

 ジョースター一行の疑いの視線が息を切らした女の子へと向けられる。

 状況を考えりゃあしゃあない事態ではある。

 

 

「な…なんだッ! てめーら! 寄ってたかって睨みつけやがって! 何が何だかわからねーがやる気かァ! 相手になったる! タイマンだぜッ!」

 

 

 ナイフを取り出して強気に振る舞う女の子に思わず笑いが込み上げてくる。

 

 

(惚けやがるぞ、もいっぺん海に突き落とすか?)

(早まるな! 本当にただの密航者ならサメに食われるだけだ)

(さっきサメが殴り飛ばされたとき状況がわかってなさそうでした、この子はスタンド使いじゃあないと思いますけど)

(まあ待て。そういう演技かもしれん…決めつけるにはどちらにせよ尚早じゃ……しかしこの船の十名の船員の身元は全てチェックずみ。この少女以外に考えられん、何か正体を掴む方法はないものか?)

 

 

 女の子から目を離さないまま小声でヒソヒソと相談する。

 タワーオブグレーのときのようにダンス・マカブラで脅かしてみるかと海面に伸ばしていたダンス・マカブラを甲板へ広げていく。

 

 

「この妖刀がはえーとこ三四〇人目の血を啜りてえと慟哭しているぜッ!」

「プッ」

「な…なにがおかしいッこのドサンピンッ!」

「ドサンピン……なんかこの女の子は違うような気がしますが……」

「うむ…しかし…」

 

 

 どう見ても妖刀には見えないナイフを振り回す女の子にまた笑いが。そうしていると船室から帽子を被った大柄な男が現れ女の子の肩を掴んだ。

 

 

「この女の子かね、密航者というのは……」

船長(キャプテン)……」

「わたしは…密航者には厳しいタチだ……女の子とはいえ舐められると限度なく密航者がやってくる……」

「いて…いててッ…」

 

 

 現れた船長は女の子の腕を掴み上げ、女の子が振り回していたナイフを甲板へと落とさせた。

 言葉の通り、少々乱暴な手つきで思わず顔をしかめた。いや…女の子のナイフを振り回すなんて行動を思えばまだ温情はある方なんだろうか。

 ここがアメリカだったら問答無用で射殺されてたのかな…知らんけど。

 

 

「港に着くまで下の船室に軟禁させて貰うよ…」

「ひいい……」

「船長…お聞きしたいのですが、船員十名の身元は確かなものでしょうな」

「間違いありませんよ、全員が十年以上この船に乗っているベテランばかりです。どうしてそんなに神経質にこだわるのかはわかりませんけれども……ところで!」

 

 

 船長の腕が勢いよく動き、空条先輩の咥えていたタバコを取り上げた。

 

 

「甲板での喫煙がご遠慮願おう…キミはこの灰や吸い殻をどうする気だったんだね。この美しい海に捨てる気だったのかね? キミはお客だがこの船のルールには従って貰うよ…未成年くん」

 

 

 そう言って、取り上げたタバコを空条先輩の学帽へと押し付けて火を消した。

 この船長、言っていることは正論なのに、言い方っつーもんを知らないのかな?

 それよりも、だ。

 

 

「…………ところで、よく空条先輩が未成年だってわかりましたね? どう見ても先輩の体格じゃあ未成年には見えないと思うんですが……それこそ空条承太郎が高校生だって事前に知っているとかでもしないと」

「はは…そりゃあ日本の学生服だったのでね。知識があれば年齢なんて一目見れば分かるものなのだよ、さあ密航者を連れて行かないと……」

「待ちな」

 

 

 引っかかりを覚えた部分を聞くと、わずかに動揺を見せ船長が女の子を連れ船室の方へと歩き出す。

 その背中に再びの制止をかけたのは空条先輩だった。

 

 

「口で言うだけで素直に消すんだよ……大物ぶってカッコつけんじゃあねえ、このタコ!」

「おい承太郎! 船長に対して無礼はやめろ! お前が悪い!」

「フン! 無礼は承知の上だぜ。こいつは船長じゃあねえ、今わかった! スタンド使いはこいつだ!」

「な!」

「なにィ〜〜!!?」

 

 

 空条先輩の宣言にジョースター一行が驚きの声をそろえた。

 

 

「私もこいつ怪しいと思います! 老け顔の空条先輩が未成年に見えるわけないし! 外国人が学ランなんて知らねーだろッ!」

「スタ…ンド?? なんだねそれはいったい…それとキミ、それは偏見がすぎるぞ」

「そうだ、それは考えられんぞ承太郎、エコー! このテニール船長はSPW財団を通じ身元は確かだ! 信頼すべき人物…スタンド使いの疑いはゼロだ…」

「JOJO! いいかげんな推測は惑わすだけだぞ!」

「ちょっと待ってくれ、スタンド? 一体なにを言っているのかわからんが…」

「証拠はあるのかJOJO!」

 

 

 甲板がにわかに慌ただしくなっていく。ソッとダンス・マカブラで船長を取り囲む。

 

 

「スタンド使いに共通する見分け方を発見した。それは…スタンド使いはタバコの煙を少しでも吸うとだな……鼻の頭に血管が浮き出る」

 

 

 えっヤダ!!

 ついさっきタバコを吸っていた空条先輩の姿がよぎり、思わず手のひらで自分の鼻を覆い隠した。

 鼻の頭に血管が浮き出るだろか…乙女心的に絶対NGなんじゃあッ!!

 

 

「えっ!」

「嘘だろ承太郎!」

「ああ嘘だぜ! ()()……間抜けは見つかったようだな!」

 

 

 ハテナを浮かべる女の子に対して、()()()と同じように自らの鼻の頭を触れた船長へ全員の視線が今度こそ集まった。

 

 

「あッ!!」

 

 

 偽船長がゆっくりと帽子を脱いでいく。それにつれて目つきまで明らかに悪く変化していった。

 

 

「承太郎、なぜ船長が怪しいとわかった?」

「いや全然思わなかったぜ。だが……船員全員にこの手を試すつもりでいただけのこと……だぜ」

「シブいねェ……まったくおたくシブいぜ。確かに俺は船長じゃあねえー……本物の船長がすでに香港の海底で寝ぼけているぜ」

「それじゃあテメエは地獄の底で寝ぼけな!」

 

 

 急にガラの悪くなった偽船長に引いてしまう。やっぱりさっきの帽子でタバコを消すのは悪いこと…!

 本物ならきっともっと穏便に注意してたんだろう。

 

 

「きゃあああ!!」

 

 

 海から伸びたスタンドの手が女の子の体を海へと引き摺り込もうと引っ張りあげた。

 女の子の体にダンス・マカブラで覆い広げる。

 

 

『水のトラブル! 嘘と裏切り! 未知の世界への恐怖を暗示する“月”のカード! その名は『暗青の月(ダークブルームーン)』!』

 

 

 少女の体越しに触れた部分から少しずつダンス・マカブラを偽船長のスタンドへと広げていきエネルギーを気づかれないようじわじわと吸収し始める。

 

 

「てめーらと五対一じゃあさすがのオレも骨が折れるから正体を隠し! 一人一人順番に始末してやろーかと思ったがバレちまってはしょうがねェ〜なァ! 五対一でやらざるをえまい!」

 

 

 ダンス・マカブラに触れられた部分はほんの少し冷たくなる程度で痛みも違和感もほとんどないのだ。今の状況のように本体がスタンドへ背中を向けていれば、気づかれることはないだろう。

 女の子を連れて海へ飛び込むと宣言し勝ち誇る偽船長を空条先輩が睨みつける。

 

 

「人質なんかとって舐めるんじゃあねえぞ。この空条承太郎がビビりあがると思うなよ」

「舐める…これは予言だよ! とくにあんたのスタンド…スタープラチナは素早い動きをするんだってなァ、自慢じゃあないがオレのダークブルームーンも水中じゃあ素早いぜ。情報は聞いてるぜ、ひとつ比べっこしてみないか? どんな魚よりも華麗に舞い泳げる…ふふふ」

 

 

 海上という自分の得意なフィールドであるからかやたらと勝ち誇っている。

 

 

「ついてきな。海水たらふく飲んで死ぬ勇気があるならな」

 

 

 女の子を抱え上げ、手すりの上に立ちいざ飛び込もうとするダークブルームーンへ一気にダンス・マカブラの覆う面積を広げてその首をキツく締め上げた。

 

 

「きゃあああ!!」

「グ──ッ!?」

『オラオラオラッ!!』

 

 

 海への落下中、偽船長の体が一瞬硬直する。女の子と偽船長らが落下しきる前に現れたスタープラチナがダークブルームーンを殴りつけた。

 ダークブルームーンを覆っていたダンス・マカブラを空中で布のように広げて女の子の全身に覆いかぶさる。

 スタープラチナの拳は綺麗に女の子の体をよけてダークブルームーンを海へと吹き飛ばした。

 ダンス・マカブラはいらんかったねえ。

 

 

 支えを失い海へと落ちかけた女の子の腕をスタープラチナが掴む。

 

 

「げぼーッ! 落下するより早く攻撃してくるなんて……そんな……」

「海水をたらふく飲むのはてめー1人だ。アヴドゥルなんか言ってやれ」

「占い師のわたしをさしおいて予言するなど」

「十年早いぜ」

「お、重い…」

「本当に非力だな…キミのスタンドは…」

「仕方ないでしょッ! 力仕事は苦手なんですよッ!」

 

 

 女の子の体重にどうにか耐えつつ、ダンス・マカブラごと引き上げようと先ほど吸収したダークブルームーンのエネルギーを放出していく。

 やっぱり人型にした方が力をこめやすいかも……つかスタープラチナがササっと引き上げてくれたら解決するんじゃが!?

 

 

「なにをしておる承太郎。さっさと女の子を引っ張り上げてやらんかい!」

 

 

 女の子を掴むスタープラチナの手元を覗き込み、思わず固まってしまう。

 フジツボがびっしりと生えている。

 

 

「ど、どうした承太郎?」

「う……ち、ちくしょう…ひきずりこまれる…」

「え?」

「なんだって!?」

 

 

 ダンス・マカブラでスタープラチナの腕に生えていくフジツボを吸収していく。その端から増えたフジツボがスタープラチナを覆っていくのだ。

 イタチごっこという言葉が頭をよぎった。

 とうとう本体である空条先輩の手のひらから血が吹きだし始めてしまう。

 

 

 大の男4人で傾いていく空条先輩の体を引き上げようとするもそれ以上の力で引っ張られているようだった。

 

 

「やつはまだ戦う気だ…やつを殴ったときくっつけやがった。どんどん増えやがる…俺のスタンドから力が抜けていく…パワーを吸い出して海中に引き摺り込もうとしている……」

 

 

 それは置いておいて、私は私でよく似た吸収なんて能力で遅れをとるわけにはいかんわけよ。

 そういや鎧みたいにするってアイデアがあったな〜…!!

 

 

「空条先輩…落ちてもいいですよ」

「あ“ぁ!?」

「何を言うとるんじゃ、血迷ったかエコー!」

「スタンドが傷付けば本体も傷つく…なら()()スタンドが傷つかなければ空条先輩も傷つかないってことですよね……!」

 

 

 女の子からダンス・マカブラを完全にスタープラチナへと移して、そのヴィジョンに合わせて変形させていく。

 増殖していくフジツボ越しにダークブルームーンのエネルギーを吸収してスタープラチナの体を守る鎧のように変化した。

 

 

「だ…死の舞踏(ダンス・マカブラ)黒化鎧(アーマーエディション)……なぁんて……」

「ッ……!」

 

 

 スタープラチナが掴んでいた女の子を船の方へ放り投げ、そのまま海へと飛び込んだ。おいおいおいおいおい……思いきりがよすぎるぜよ。

 女の子をハイエロファントが受け止め、そのまま呆然と海を眺める。

 

 

「……大丈夫なのかァ? そのアーマー・エディションっつーのはァ…」

「うう…先輩が偽船長と相対したのを感じます…」

 

 

 ダンス・マカブラへ意識を集中させて、海中の様子を感じ取る。射程が多少あるとはいえダンス・マカブラもスタンド越しでもはっきり知覚できるタイプではないのだ。

 

 

「様子を教えてくれ。必要なら僕のハイエロファントで助けに行くッ…!」

 

 

 ひとまずフジツボを吸収し終えて、向かい合う偽船長と空条先輩(スタープラチナ)に意識を集中させた。

 巨大な渦にダークブルームーンの硬い鱗が散っているようだ。ふ〜ん…私のダンス・マカブラで吸収できるんですけどね!

 

 

 感じ取れる戦闘の様子を逐一口に出して教えていく。

 大きな渦に巻き込まれた空条先輩はぐったりと体の力を抜いて、その流れに身を任している。鱗もフジツボもダンス・マカブラで防げているはずだけど…と少し不安になってしまう。もしかして呼吸が続かなかったのだろうか。

 

 

「なに…ぐったり? ぜんぜんもがいてないのか? フーム…そりゃひょっとしたらナイスかもしれんの」

「え?」

 

 

 そうこうしているうちにスタープラチナの指が伸びて槍のようにダークブルームーンを水掻きを貫きその顔を削いだ。

 

 

「あっ決着つきました」

 

 

 水面に空条先輩が顔を出した。

 

 

「おお!」

「やはりワシの孫よ!」

 

 

 甲板にあがってきた空条先輩からスタープラチナに装備されていたダンス・マカブラを回収してホッと息を吐き出す。

 

 

「鎧のダンス・マカブラどうでした?」

「……さあな、無駄に怪我をしなかったのはいいんじゃねえか」

「はあ…」

 

 

 それは及第点ということだろうか。鱗もフジツボもそこそこ破壊力はありそうだったしなあ。

 改善の余地あり、かも。

 そもそも他人のスタンドに装備ってのも自分で戦わない感じでちょっとセコいしな。

 

 

 ダンス・マカブラは不定型であるが故に応用が効きすぎる。そのせいで逆に戦い方が安定していない気がしないでもない。難しいなスタンドって。

 使いこなすには試行錯誤あるのみってわけですね。

 

 なんて思考へ同意を示すようにダンス・マカブラもいつも通り蠢いていた。

 

 

 月戦

 〜完〜




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