そこの陰キャ系メガネ女子、強者。 作:メガネだいすき
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無事、二級に昇格出来たことだし――これで一級の試験が見えてきたな。
五級のままでも、許可を得れれば一級の試験を受けることは可能みたいだけど――速急に階級を上げた私にはまだ魔法使いとしての信用が足りないのだろうと思っている。
だから一級の手前である二級であれば、多少でも妥当に一級の試験を受けられるだろうと考えての事であった。それに一級の試験までにはまだ時間はある。その時間を有効活用して少しずつ信用を得ていく事もできる。
さて――次の試験までの時間。いくら"最強"の域が掴めないとはいえ、鍛錬しない理由にはならない。
当然ながら、自分自身が推しになるからには一切妥協はしないと心に決めている。いくつかの魔法を開発してきたし、それに合わせて魔力量も増やしてきた。
それらは継続的にやるとして――原作におけるゼーリエネキが使っていた魔法を考察する。
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ただ、実際に見たわけではなく知識として知っている程度ではなかなか再現しにくかったのが現状であった。魔族の魔法をあえて受けてみるのもアレだし、なかなか難航した。
人間が習得するのに100年かかると言われているし、そうそう簡単にはいかないか……それに使う魔力量も馬鹿にならないとも言われているし現時点では難しいと言わざるを得ない。
だから、ひとまずは
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つまり自分が既知しない魔法――呪いであっても自動的に返すという点を、改良し自分にも使えるようにしたらいいのではないか? と思い考察を深めつつあれこれ試してみることにした。
その結果、似たような魔法は出来上がったが……やはり本家と比べると性能は微妙に落ちていると言わざるを得ない。
流石は"神話時代の人類の英知の結晶"と言われているだけはある、こればかりは時間をかけないことにはたどり着かないだろう……100年より前に習得できれば御の字か。
次に――ある意味でも重要になる魔法。私は"前世"の記憶があり、"前世"においての世界を鮮明に覚えている。それを覗かれると色々と不味い。
ゼーリエに覗かれでもしたら、確実によからぬ事になると予感している。
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ゼーリエに対抗出来るかは別として――習得ないし発動させるに越したことはない。慎重になりすぎて損することはないというし、尚更この魔法は重要だと思う。
名の通り記憶を閉じる魔法……いわゆる、他者に覗かれないよう
ただ、これをやってもゼーリエなら無理矢理こじ開けられそうではあるんだけど……まぁ、その時はその時。むしろ破られる前提で魔法を組んだ方がいいのか?
――精神魔法か。案外精神魔法は馬鹿にできない。どんなに力があろうとも、精神魔法であっけなくやられては元も子もないのだから。
ま、課題はまだまだたくさんある。焦らずじっくりと進めよう。
そう考えつつ、鏡を見て自分の顔を確認する。
「う~ん……ちょっと荒れてる、気がするなぁ」
頬を軽く突きながらそんな事を思う。
鏡を見て、自分の身なりを確認するのが日課となっている。当然ながら自ら"推し"になると決めたからには毎日自分の顔や身体、髪などに異常がないか確認する義務がある……まぁ、半分は"推し"に近付きつつある自分の顔を見て気合いを入れ直すというのもあるんだけど。
そういうわけで、鏡を見たところ微妙に肌に弾力が失われているような気がする。
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名の通り肌を整える魔法で、肌に弾力を取り戻させられるようにする。と言っても唱えればいつでも肌を綺麗にできる! という訳でもない。
あくまでも肌が綺麗になれるような環境を整える魔法であり、日頃のケアが必須になる。その気になれば魔法を唱えていつでも肌をお綺麗にできます♪ にもできるのだが、あいにくそれはしないことにする。
自分で肌をケアしている様子とか髪をとかして整える様子とか、めっちゃグッと来るんだよね。
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ついでに、髪の方も同系統の魔法で整える。こちらも同じく環境を整えるだけなので後は自分のケア次第となる。
ケアも楽では無い。しかし、"推し"になると考えると楽では無いケアもむしろ嬉々とやれるもんだから不思議なものである。
◇
「お願いしますっ、精神魔法の実験台にならせてくれませんか!」
「ちょっと待つのじゃ」
突如エルケから"実験台にならせてくれ"というよく分からないお願いをされたエーデルは、戸惑いを覚える。
精神操作魔法を生業とする一族の出身でもある儂、それもそれなりに名が知れ渡っているであろうとも思っている。そんな儂にわざわざ精神魔法の実験台にならせてくれとは一体どういうつもりなんじゃ??
……エルケとは、知り合って半年ぐらい。当時は九級から二級まで速急に昇級を成し遂げたとかで噂になっておった。
だが、実際に人となりを見てみると……思いの外
エルケの名誉の為にも思うが、決して悪い意味ではない。
何せこやつ次から次へと魔法を開発してはの繰り返しで、よく分からん魔法から普通に凄いのでは? と思わせるような魔法までたくさん開発しとる。
実際、魔法について脈絡のない話をしてくるのも今に始まったことは無いがのう……とりあえず話を聞いてみることにしたのだが。
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「……何やら危なそうな魔法名が聞こえたんじゃが?」
精神を強くするのはまだしも、精神を作るとはなんなのか。言葉を聞くからに危なかっしい空気さえしてくる。
初めて会った時は「あっ、はぃい……よ、よろしくお願いします」という風に大人しそうな人かの? と思っていたんじゃが――それが今清々しいほどに饒舌になっておる。
「大丈夫です、もし危ないと思った時はちゃんと<
特に魔法の話になると、妙に押し強くなるのはなんでじゃろうなぁ。というか、精神を修復できると言っておったか? お主ひょっとして儂の遠い親戚とかじゃないであろうな……?
「ね、お願いします! 実験台にならせてください!!」
ふんぬ、と聞こえてきそうなぐらいに荒く鼻息を吐いて顔を近づけてくる。
ちょ、顔が近い、近い。ぐるぐるメガネをしているから目が見えない分妙に圧を感じるんじゃ!
「そ、そもそも儂は……お主を実験台にしとうないんじゃが」
「――――えっ」
きょとんとしたような顔をするエルケ。何じゃ、その顔は?
「あっ、私なら大丈夫ですよ?? 本当に気を遣わなくても大丈夫です! エーデルさんになら何をされてもいいですから!!」
「お主は良くても儂が良くないんじゃってば!!」
というか、何をされてもいいなんてそんな無防備な言葉を口にする時点でいかんっ!
本人は自覚ないようだが、もうちっと自覚してほしいもんじゃがなぁ……
そんな風に必死に躱し続けるエーデルであった。