【青学三次】百花○○編奮闘ログ Q.○に入る数字を答えよ 作:オロトン
はい、すみません遅れました。
車事故で壊れたり別件でスマホ壊れたり人理壊したり色々とサプライズがありまして…いやまいったね本当に
(それでも読んでくれる人いるし今年はいい年なるって)リュウジ、信じてるからな…
もし「嫌いな天気は?」と聞かれたら、自分は迷わず『雨』と答えるだろう。
『ねえねえ見てあそこ!いぬ捨てられてるよいぬぅ~』
『うわーまじじゃん。まじで捨てられてんじゃんかーわーいーそーうー』
『全然可哀そうだって思ってないじゃんウケるぅ~。そんな言うならアンタんちで飼えばいんじゃね~?』
『むりむりかたつむりー!うちのアパートペット禁止だしー。それにあんなごみみたいにぐしょ濡れになってんだし、どーせもう死んでるっつーの』
『言えてる~!』
『『ギャーハハハハハハハハ!!!』』
降りしきる雫の冷たさを、
それよりも冷たくこちらを嘲る通行人の声*1を、
濡れていくにつれじっとりと重たく纏わりつく濡れタオルの感触を、
そして湿り気とともに香ってくる青い草の香りを、トマトのようなアスファルトの匂いを、着実に死に近づいていく己の体を思いだしてしまうから。
『……ゥ…ッウウゥ…………』
そして「好きな天気は?」と聞かれたら、自分はそこでも迷わず「雨」と答えるだろう。
『ったく、ここどこだよ…。雨まで降ってくるし最悪…ん?』
徐々に遠くなってくる意識の中、今まで通りかかった通行人とは異なり迷わずこちらへ近づいてくる靴の、ぐちゃっぐちゃっとした雨に濡れて靴下までぐしょ濡れになった靴特有の足音を思い出すから。
『おい!大丈夫か!?まだ生きてるか!?おい!』
ずぶ濡れになった犬っころを躊躇うことなく取り上げ生きていることを確かめようとする手の感触を思い出すから。
『ゥ…』
『良かった、まだ息はある!もう大丈夫だからな!絶対俺が助けるからな!橋本じゃなくて救急車!救急車ぁー!』
己の体を安心感で包み込む男の声、匂い、そして温もりを、思い出すことができるから。
その後、自分は病院に連れていかれ、男─伏見新弥─による家族への懇願により伏見家の一員として飼われることになった。
伏見家は、父、母、長男、長女の4人家族で、自分は次男として迎えられた。*2
『こたろう。こたろうねえ…』
『何さー、兄ちゃんは愛すべき妹の付けた名前が気に入らないんですかー?』
『愛すべき妹なのは否定せんし名前が気に入らんわけじゃないんだけどさ…名前のルーツが妖怪アニメなのはどうかなあって思うわけよ』
『良いじゃん別に。拾ったシチュエーションとかもろそれじゃん。ね、オイ!コタロウ!』
『グルルルルルル』
『もろじゃねえわ墓石に目ぶつけてねーっての。あとオイ!やめろびびってんだろ』
『キュゥン』
『もう大丈夫だからな。お前も家族、じゃなくて俺の弟だ。今日からよろしくな、こうすけ!』
『ワン!』
『犬に「いぬ」なんて名前つけようとする兄ちゃんに言われたくないんだけどー?』
『う、うるさいわ!』
『ワゥン!?』
……今の回想で分かる通り、新弥─以下兄ちゃんとする─は頼りになるとは口が裂けても言えないような人間だった。
『…ねぇ、ちょっと良いかな妹よ』
『なんだね愛すべきバカ兄貴よ』
『ワッフ、ワッフ』*3
『なんで俺は片手にリード、もう片手に妹の手を握って犬の散歩出てんの?俺成人ぞ?お散歩くらい1人と1匹でできるぞ?』
『先週隣町のスーパー行こうとして隣県まで行った極下野郎の言葉に説得力があると思いで?』
『返す言葉もねえやちくしょうめ』
『ワッホ、ワッホ』*4
ネーミングセンスだけではなく方向感覚もなく、妹─自分にとっては姉の伏見唯─が同伴で散歩で行っても何度か迷うほどの重傷具合であった。*5
『ね、ねえ、ちちちょっといいいいかないももとよ』
『なんだねがったがたに震えながらヨークシャーテリアに舐められてる親愛なる兄貴よ』
『ペッチャペッチャペッチョペッチョ』*6
『なななんでホラー見なきゃなななんないのかな おお俺ギャグマンガ日和が見たいんだけどどどど』
『そんなに怯えなくてもいいじゃあないか…子供向けアニメだしそんなに恐くないって』
『怪談レストランは普通に怖いしこの前の闇芝居だって怖かったってドララララララら』
『草』
『モッチュモッチュプッチョプッチョ』*7
怖がりで定期的に開催されるホラー鑑賞会に毎回がったがた震えながら参加していた。*8
『いらないって言ってるでしょマイMOTHER』
『持ってきなさいマイ息子』
『フシュッ』*9
『いや成人男性が防犯ブザー持ってくのは流石にきちいって』
『持っていきなさい』
『…ウス』
『ホシュッ』*10
押しにも弱く、守るというよりこちらが守護らねば…と思うくらい雑魚であった。*11
きりがないのでここまでにしておくが、とにもかくにもポンコツが服着て歩いているような人間であり、犬である自分も支えなければと当時考えていた。
『よしよし、こうちゃんは本当にかわいいなあ…こんなめんこいわんわんおを捨てる人間がいるとか本当に信じられないわ』
『ワシュッ』*12
『俺が必ず幸せな人生…ワン生?送らせたやっからな。大船に乗った気でいてくれよ!』
『ワウ!』*13
だけど、そんな兄ちゃんでも間違いなく自分にとって最高の兄であり、愛してくれるこの人に幸せになってほしい、今得てる幸せに報いたいと思う程伏見家での毎日は幸福なものであった。
そんな幸福な日々を終わらせたのは、他ならぬ自分だというのに。
『先生!お願いします!うちの子を助けてください!どうにかならないんですか、ならないわけないじゃないですか!ねえ!?』
少し前から、痛みを感じることがあった。
『…恐らく幼少の頃に何かしらの強いストレスがあったことで臓器や肉体が弱くなっていることが関係あるかと。』
食欲がなく、ご飯を食べるのが苦痛に感じることが多くなった。
『ただ、急激に悪化するわけではなく少しずつ悪化することが大半なのですが…痛がったり、食事を残すだといった兆候はありませんでしたか?』
段々と遊ぶことが、動くことが、しまいには横になることすらきつくなって、
『…少しも心当たりがないんです。本当に急に具合が悪くなったとしか言いようがなくて、俺が見逃してしまったのかもしれないです…』
ただ、兄ちゃんの迷惑をかけたくなかっただけなのに。
ただ、兄ちゃんの手をわずらわせたくなかっただけなのに。
ただ、兄ちゃんに笑って欲しかった ただそれだけのことだったのに。
『…ワゥゥ』
『ごめんなこうちゃん…こうちゃんはずっと前から苦しかったのに、辛かったのに、俺がバカな兄貴なせいで気づいてやれなくて…本当にごめんな』
違うんだよ兄ちゃん 自分はただ兄ちゃんに幸せになって欲しかっただけなんだ。
そんな泣きじゃくった顔を、ホラー映画を見た時ですらそんな酷い顔ならなかった兄ちゃんにそんな顔をさせるつもりはなかったんだよ。
そんな兄ちゃんが責任を感じる必要はないんだ。
ただ、ただ、自分が早く調子悪いことを訴えていれば、選択を間違えなければ良かった それだけのことだったんだ。
『…ちゃん!こうちゃん!…ぬんじゃねえよ!俺を置いて逝くな!こうちゃ……』
「……っは!」
「くー…くー…」
「ZZZ …むにゃむにゃ」
目を覚まし、思わずがばりと飛び起きる。
どうやら…前世の夢を見て魘されていなようだ。
寝汗が寝間着のTシャツ*14にぐっしょりと染み込んで気持ちが悪い。
実際むにゃむにゃとかZZZ とか言う人存在するですね…じゃなくて、大丈夫ですかコクリコ様!?悪夢であれば我が
ひらひらと手を扇ぎ、ひとまず寝間着を着替えて*15、水を飲んでから部屋に戻る。
「うーん…うーん…」
「むにゃむにゃ…にいこの皮串おいしいね…」
前世の頃と比ると随分と小さく、それも女の子になってしまった自分の兄を、そしてその兄の耳をはみはみしながら寝言をのたまう弟を見やる。
「…えらい懐かしい夢見たもんやなあ」
前世で兄弟だった三人─1人と2匹─が、死後異なる世界で血は繋がってとは言えこうしてまた一緒に過ごすことができている。
そのことが奇跡に感じ、ここまで来れるよう頑張った己のことを誇らしく思う。
この世界生を受けて十と数年。兄ちゃんがどこにいるのか、どうすれば兄ちゃんと暮らすことができるのか、兄ちゃんを青学の魔の手から免れるようにするにはどうすればいいのか、あらゆる手を使い『花鳥風月部』という新たな伏見家を作り、誰にも文句を言わせないような実績を築いてきた。
原作とやらもようやっと終わりを告げ*16、これからは安心して青春を送ることができる─そう思っていた。
『うちらが…兄ちゃんが、原作キャラ、なあ?』
自分が原作キャラだということはまだ良い。どうせ原作は壊れているのだろうから、七武生*17が望む動きに適度に合わせ、適度に外していけば問題ないだろう。
ただ、兄ちゃんが、箭吹シュロが原作キャラ、それも敵キャラであるということ、これが大問題なのだ。
知り合いのアビドスの子らがアビドス編とやらでどんな思いをしたかは聞いているし、その他パヴァーヌだのエデン条約だのでどんなことがあったのかは掲示板を見せてもらって把握している。
そんな思いを兄ちゃんがしなければいけないと、
「そんなん、無理に決まってるよなぁ…兄ちゃん?」
そう寝ている兄に問いながら、起こさないよう寝間着を脱がせていく。*18
そうしてシュロの裸体を─
「ぺろっ…じゅるじゅる…ぴちゃっ…るろぉ」
舌を身体に這わせ、舐めあげていく。
腕に 腹に 足に 頬に 脇に 胸に 口に
節操なく、犬のように、犬だったあの頃のように、ナメクジが全身を這い回るように容赦なく、執拗にそれでいて目を覚まさせないよう慎重に舌を滑らせる。
ふわりと柔らかく、前世より少し甘くなった兄の肌や汗の味を、されど前世と変わらぬ温もりを、もう二度と離すまいと、何者にも奪わせはしまいと心に誓いながらその甘美に酔いしれる。
「っぷはぁ♡」
興が乗り昂って来たところで、再度小さくなった兄の顔を見やり、口を喜色に歪める。
「もうあんな顔させるようなことはせんし、させへんからな。今度はウチが一生幸せにしたるさかい」
─もう二度と、ウチは離さへんからな♡
誰に聞こえるともなく決意表明のように呟くと、そのままシュロを抱きしめ、口づけを交わした。
え、えちえちすぎますぅ…きゅう
このキャラは原作キャラなのに前世が犬なんだね
どうしてだい?
そうだったらえちいかなって
ふーん
きみは小説がうまい!
新年早々こんな話投稿する人間いるってマ?
【コクリコ/哭雨リコ/こたろう】
前世捨てる馬鹿あれば拾う兄あり系ヨークシャーテリア
命を助けられた相手がわんこがドン引くレベルでか弱いせいで脳が焼かれ、自業自得で悲しませた罪悪感と幸せにしたかったという執着心がキヴォトスに生まれ落ちての十数年で濃縮1000%され、兄のためならなんでもする系ガールへと進化した
なめなめするのもホラーが好きなのも前世の影響
つまり前部兄ちゃんせいなのねそうなのね
【箭吹シュロ(偽)/伏見新弥】
ヤンキーみたいに雨の日に子犬拾ったら脳焼いちゃった系ボーイ(当時成人済み実家住まい)
方向感覚もホラー耐性も断る力もないないないなか弱きもの
日常生活や仕事ができるくらいの常識や能力はある
お前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだお前のせいだ俺の
【御稜ナグサ】
にいにの耳をはみはみするのが趣味 しんのすけかミ?
なんか知らんけど体が痛いんですけど…?
【?????】
エッチ耐性コハル裁判長並みなウブ系怨霊
今日も花鳥風月部にはわわわの声が響き渡る
【作者】
車で事故るわスマホ割れるわ人理壊れるわ去年厄日すぎた者
今年は良い年にしたいし投稿ペース早くしたいなと思いつつストック0な模様
実家の犬に鼻で笑われた
【実家の犬】
今回のコクリコの鳴き声の参考にさせてもらった 参考文犬
「フンス」とか「ワクッ」とか「エフッエフッエフッ」とか鳴いたりする
多分末はエフフォーリアか範馬勇次郎
感想、評価、お気に入り並びにここ好きを頂けると作者が初日の出します。
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