ガルパン 娘ver   作:---

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気が付けば一ヵ月近く開いてしまっていたんですね。

これで最後となります。

今まで閲覧していただきありがとうございました。
また、感想やお気に入り登録もありがとうございました



10(後)

 翌日。

 みほの率いる日本代表は、初戦を行うため会場へ向かっていた。

 選手たちは、移動中作戦の再確認をしながら、各々時間をつぶしていた。その一方で、みほは神に祈っているのか眼前で手を組み、ぶつぶつと何かを呟いていた。

「お願い。何も起きないで……」

 

 試合開始直前の挨拶では、相手ドイツ側の主将と一之宮が優しそうな笑顔を無理に浮かべていた。

「正々堂々とよろしくお願いしたいですね」

「あらあら、不正をわたくしたちがするとでも? 日本人の方々はそんなに信用してくれないのですか?」

「自覚があるようで助かりました」

「良くしゃべる口をお持ちのようですね。試合後もその調子でいられるかしら」

 笑顔のままやり取りをしている二人に、委縮した審判が割って入れないままでいる時、みうたちは作戦の最終確認などをしていた。

「必要以上に確認するんだな。気疲れしないのか?」

 竹森は退屈そうな顔をしながら、そうみうに問いかける。

「一之宮さんから何をしてくるかわからないから注意しろって言われてるからね。何とか対策を練ってみるって言ってたし、こっちも万全の状態にしておかなきゃ」

「戦車に細工でもされてたらどうするよ?」

「大丈夫。みすかさんたちがいるからそれはない」

「言い切るんだな。それほど信用してるってことか」

「いろいろあったし、信用するって決めたから」

「そう」

 作業を終わらせた竹森が背もたれに体重を預けたところで、一之宮からの通信が入る。

「行きましょう。敵さんは何か余計なことをしてきたことでしょう。ですが、インチキをされたと言いふらすつもりはありません。勝てばいいのです。勝ってしまえばすべてうまくいきますから」

 そうして、試合は始まった。

 

 観覧席では、みなモニターについつくかのように見入っていた。

 ただ一人、みすかだけがブツブツと呪文を唱えているかのようにつぶやいていた。

「終われ。終われ。終われ。終われ……」

 みすかの奇妙な様子に周りの観客は気が付かない。モニターにばかりに目がいき、隣を気にする様子などなかった。

 合宿が始まった時よりも顔がやつれたみすかは、以前までの様子は見る影もない。

 みすかの願いは、試合が中盤に差し掛かろうとしてもかなう様子すらなかった。どうして? という感情が徐々に表情に現れ始める。

「どうして、何も起こらないの?」

 思わず口に出してしまった言葉。それが、武田に聞かれてしまう。

「どうしたの? 顔色悪いけど?」

 武田にそう声をかけられ、はっとしたみすかは顔を大きく左右に振り「なんでもない」と小さな声で返事をした。

「本当に?」

 武田はみすかの横に立つだけで、席に座ろうとしなかった。

 こくりとうなずいたみすかに、武田はゆっくりと語りかける。

「……みすかさんは悪くないよ。悪くない」

「なんの、はなし?」

 焦って顔がゆがんだみすかは、その醜い顔を武田に見られぬように顔を背ける。

「誰からの入れ知恵? もしそうだったとしても、成功させたところで誰も幸せになんかなれないよ」

 みすかは押し黙ることしかできなかった。それは武田にとって質問を肯定されたととらえられる態度だった。

「見守ろうよ。みんなが頑張っているところを」

 みすかはうなずくこともせず、ただ、横目でモニターに目を向け、じっとモニターを見つめた。

「……ごめんね、みすかさん。今まで気づくことができなくて」

 武田は背を向けているみすかにそう声をかけた。

 

 

 試合が終わってしまえば、日本代表の大勝だった。インチキを起点として戦おうともくろんでいたドイツは、成功しなかったインチキを恨み、ふざけるなと罵声を飛ばすばかりで手も足も出ないといった状況にまで陥った。

 かねてより接戦になるだろうと予想されていた試合はあっけない結末を迎えただけとなり、日本代表が強いということを世界に知らしめる形となった。

 この試合によって、作戦立案者の一之宮の名が大きく知れ渡り、その作戦を忠実にこなしたみほの娘としてみうもまた渦中の人となった。

 一気に優勝候補と呼ばれるまでになった日本代表は、当初ここまで行くだろうと予想されていた順位を大きく覆し、世界で一番のチームとなった。

 

 

 

 その数年後。

「おばあちゃんも、お母さんもすごく戦車が強かったって聞くけどさ、あたしも強くなれるのかな?」

 そうみうに問いかけた少女は、中学生になりたてで、みうやみほの雰囲気をどことなく感じさせる風貌をしている。

「何言ってるの? 地区大会を優勝しといてそんなこと聞く?」

「だって、お母さんは世界で勝ってるじゃん。あたしはまだ代表にすら呼ばれたことないのに」

「大丈夫。羽美は強くなる。私が保証するから」

 そう言ったみうは少女、羽美の頭をポンポンと軽く叩き、にっこりと笑顔を見せた。

 




始めは、文章力、語彙力を上げるために始めたもので、酷評されること前提で投稿していました。
投稿したり、消したりが激しい私ですが、よくここまで書いたなと個人的には満足しています。

ドキドキしながら投稿して、感想があります、なんていう通知があった時は、心臓が跳ね上がる思いでした。

最後までやれて一安心? 良かったと思っています。
今までありがとうございました

軽く思いついたものがあるので短編で投稿しようかな、と考えているので
投稿した際はまた、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします
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