まあ使うことなんてないでしょうが
久々に書いたのでいつもよりひどいかと
次はいつ投稿できるかわかりませんが、とりあえず続けてみようかなと
よろしくです<m(__)m>
秋がひょこっと顔をのぞかせているせいか、やんわりとした風が吹くとぶるりと身震いしてしまう。
そんな肌寒さを感じる季節になり、いよいよ世界大会が始まります。
大会前に選ばれた選手たちで合宿を行うということで、私はお母さんと一緒にその現地へと向かっていた。通行手段は新幹線など公共のものを利用している。
目的の場所は、覚えていないけれどとりあえずわかることは結構田舎だということ。それは、移動中の景色が証明してくれていて、コンクリート製のビルが連なっていた風景はいつの間にか木々にすり替わっていた。
途中うとうととしてしまったこともあるけど、自宅からは大分離れていることは確か。お母さんも初めは少しつまらなそうな表情で外を眺めていたけど、それもいつの間にかめぼしいものを見るかのような目になっていた。
そして次の停車駅が告げられると、お母さんは私に降りる用意をするよう言った。電車が停止すると、私たち二人だけが下車した。
都会の駅とは違って、駅員もいなければ雨宿りできそうな場所も少なく、無人駅そのものだった。その代わり、少し肌寒い風が、優しい香りを運んでくる。
古く少しだけカビ臭いコンクリートと、身勝手に生い茂っている草花があるだけ。
「お姉ちゃん、伯母さんが迎えに来てくれるって言ってたから少しまとっか」
お母さんは、木製の頼りないベンチに腰掛け、荷物を適当なところへ置いた。
私はお母さんの隣に腰掛ける。
「あ、電波が入ってない」
携帯で時間を確認すると、電波が届いていないことに気が付いた。
伯母さんがきちんと来てくれるかどうか少し不安になった。そんな表情をしていたことがお母さんに伝わって「大丈夫だよ」と労わられた。
「しっかりしなきゃね。これからは国を背負うんだもん」
「それは私もね。久しぶりだなあ。監督するの」
「前はどこでしてたの?」
「沙織さんが監督をする前にちょっとね。それと、学生の時も」
「全然気づかなかった」
「そのときのみうは必死だったから。仕方ないよ」
お母さんは口元を軽く押さえ、小さく微笑む。
「それもそうだね」
私もそれにつられるようにはにかんだ。
そんな時、車が停車する音が耳に入り伯母さんが来たのだろうと私たちは荷物を持って車のもとに向かう。
伯母さんは車内から手を上げ、私たちを迎え入れた。私たち二人はトランクに荷物を乗せ、後部座席に並んで座った。
伯母の西住まほは日本代表の総監督をすることになっているそうで、責任重大だと移動中、嫌というほど聞かされた。
表情をなかなか表に出さない伯母さんでもグチグチと言ってしまうのだから、プレッシャーは相当なものなのだろうと感じた。
それは私も例外ではなく、一人の代表選手としてそれなりに緊張している。ふとした時に手元を見てみると少し汗ばんでいたり、小刻に震えている。
それ以外の移動中の記憶はなくなっていた。伯母さんから付いたぞと声をかけられたときには、お母さんに首を預けていた状態で、寝起きの瞼がとても重かった。
合宿中に宿泊する旅館の前へとついていた私たちは、荷物を下ろして重い思いをしながらロビーへと向かう。そこにはチェックインを済ませようとしている人が何人かたむろしていた。容姿からして私と同じ高校生だろうし、彼女たちは日本代表。私と同じ立場にいる人たち。
そのうちの一人がこちらに気づき、かわいらしい微笑みとともに手を小さく振ってくれた。
「久しぶり、なのかな」
その子は、雰囲気がどこか変わっているみすかさんだった。
「髪伸ばしたんだ」
うんとうなずいたみすかさんは、おとなしい雰囲気だったのがほんの少し子供じみたように感じた。髪はストレートのままで、前よりは少し伸ばしてあった。
大会が終わった直後に転校してしまったみすかさん。もう会うことはないだろうと踏んでいたこともあって驚いている。まあ、携帯とかで連絡は取っていたんだけど。
「また、よろしくね」
私がそう言うと、みすかさんは顔を曇らせた。怪訝に思った私はどうしたのと聞くと、ゆっくりと話し始めた。
「私、整備のほうに回るから」
「じゃあ、試合には出ないってこと?」
「もともと整備のほうにつく予定だったの。でも、その、西住の子がいるってことを聞いたから選手に」
「そっか。残念だな」
「ごめんね」
申し訳なさそうにそう言うみすかさんは、顔を伏せた。
「またあとでね」
私はチェックインを済ませるために、みすかさんから距離をとった。
そのあと、全員で集合するときまでみすかさんとは顔を合わせることはなかった。
私は自分の宿泊する部屋に入る。荷物を置いて、ざっと部屋を見まわした。
一週間ばかりここに泊まる。たった一人で。
別に怖いなどということはないし、むしろすっきりとした気分になれている。でも、どうしてか安心はできなかった。
それからしばらくして集合する時間になった。食事もかねて行われた。
壇上には伯母さんにお母さんなど数名が立った。監督や、コーチをしてくれる人たちらしい。その次に一人一人選手が壇上に上がり簡単な自己紹介をすることになっている。
選手として一番に上がったのは、プラウダ校の隊長をしていた子だった。
「一之宮優と申します。短い間ですがよろしくお願い申し上げます」
深々と頭を下げた彼女は、にこやかな表情で周りを見回した。
「彼女にはこの代表の司令官、隊長として行動してもらう」
伯母さんは一之宮さんのそばに向かいながらそう言う。一之宮さんは伯母さんの言った内容にさほど驚いてはいないようで、事前に聞かされていたのだろう。ほかの人もそれほど驚いている様子はなく、まるで妥当だといわんばかりの雰囲気だった。
全国優勝している高校の隊長だった人物だ。みんな異論はないだろう。当然、私もその一人だ。
お母さんと伯母さんが監督としてチームの柱になっているのに、私だけがなっていない。そんなことを悔やんでも意味がないし、それに見合った実力がないとわかり切っているから悔しくなんかない。
一之宮さんが壇上から降りると、伯母さんの口から次の選手の名前が読み上げられる。
伯母さんはみうとだけ言って、アイコンタクトを送ってくる。私は重い足取りで壇上へと上がる。
まともに前が見れていないまま「……えっと。西住みう、です」とだけ言って頭を下げる。
そんな私の肩に手を置いた伯母さんは微笑し、口を開いた。
「みうには副隊長をしてもらおうと思っている。この中では一番経験が少ないと思わるが、支えてやってほしい」
私は戸惑った。伯母さんが私のために頭を下げたことが驚きだった。気づかぬ間に口をパクパクと動かしていたことに気が付かなかった。
「そんなに驚くな。隊長を誰に任せるのか、長く言いあった結果だ。とはいっても、候補は二人しかいなかったんだがな」
マイクの電源を切りつぶやくように伯母さんはそう言うが、反応の薄い私にふっと笑い「これは決まってきた結果だ。たとえお前の成績がどんなに悪くても」そう言葉を付け加えた。
「これから先の試合は言ってみればオプションだ。全国大会でチームとして結果を残せなかった者たちにとっては、願ってもないことだろう。ここで結果を出せば、なんて思いもあるだろうが、あくまでそれは二の次にしてもらう。我々の一番の目的は勝つことだ。負けないことだ。それを肝に銘じてほしい」
再びマイクの電源を入れ、先ほどまでの柔らかな声とは違い気が張られた声で一喝した。会場もそれに従うように、わかっているといわんばかりの雰囲気に変わっていた。
伯母さんに背中を軽く押され、私は壇上を降りる。はじめ自分がいた場所へ向かっている途中、ちくりと刺すような視線をいくつか背に受けた。今までにはないその視線に思わず顔がゆがむ。
自分のいた場所へ着くと、一之宮さんが両手にジュースの入ったコップを持ちすっと寄ってくる。
「少し、お話をしませんか?」
優しい声でそう聞いてくる。私は二つ返事でこれに応え、一之宮さんは手に持っていた片方のコップを私に差し出した。
「ありがとう」とだけ言ってそれを受け取る。
「どうです? ここの空気は。中途半端に戦車道をやっているものがいないここは」
「正直怖い、かな。たぶん、半端にやってたのは私だけだろうし」
「そうでしょうか? ここでは何ですし、そこのテラスにでも行きませんか? 周りに聞かれたくないような話もあるでしょうし」
一之宮さんはテラスのほうに目線を送る。
「うん。わかった」
秋が顔をのぞかせているせいか、ちょっぴり肌寒さが感じられた。でも、それは心地いいとさえ思えた。それは、一之宮さんも同じなようで冗談交じりに「暑苦しい人がいなくて快適ですね。中にいる人たちはみんな血走っていますし」そう言って笑みを見せた。
「それで、私に何を言わせたいの?」
「物騒な言い方をしないで下さい。別に大したことではありません。そうですねえ」と、わざとらしく悩んでいるそぶりを見せた一之宮さんは口元に手を当ててふっと微笑んだ。
「伯母も母親も監督をしているのに自分だけ役職がない。でも、副ではあるが与えられた。うれしかったのでは? 親との実力の差があやふやにできて」
一之宮さんは厭味ったらしい口調で言う。
「うれしくなんてないよ」思ったことを率直に述べると、一之宮さんは楽しそうだった目を見開いた。
「意外ですね。あなたにしては」
「ここに来れたこと自体が驚きだったのに副隊長をやれって言われてさ、どうしてとしか思えなかった。そんなに期待してるのかなって」そう言って一口、ジュースを口に含む。
一之宮さんも一口含み、コップを軽く揺らしながら口を開く。
「この大会は、私たちの株を上げることに加えて、実力のあるものをさらに伸ばすために行われています。競技として強くなってもらうこと。そして、戦車や戦況を自在に操れるようになることを期待して」そう話す一之宮さんの表情はだんだんと曇って行っていた。
「まさか、そんな」
「ここにいる人の中には、軍隊に入り戦場へ赴きたいと思っている人がいないとは言い切れません。男社会であり、なおかつ縦社会の場所に女が飛び込もうというのは厳しいものです。それを少しでも有利にするためには結果を残し、実力があることを認めさせなければなりません。そんな人たちを私たちはまとめなければなりません。戦果を残すために後ろから撃たれるなんてことがあってしまうかもしれませんね。気を付けておいたほうがいいと思います。私もあなたも」
「目の上のたん瘤か」
私たちはコップのジュースがなくなるまで話した。嫌な思いを抱えながら。
敵は自分たちのチームにいるかもしれない。そして、いつ手を出してくるのかわかったものではない。
そんな中で私たちは、彼女たちをまとめ試合に勝たなきゃいけないんだ。
……誤字脱字がひどすぎるんだろうなぁ……一応確認してるのになぁ
ひっさびさの投稿です。
いろいろと時間が作れなかったのですよ(言い訳)
続けるにしてもこんなのに期待している人なんていないと信じて疑っていない自分がいますが、つづけてみます。
はい
時間がないため「やるよやるよ詐欺」をしている中、テンポの悪さに嘆いています。
つまらないものですが、お付き合いしてくださるとうれしいです
では
いつか、また