妖精騎士とデク   作:緑谷が強いのが大好き

2 / 3
妖精騎士出したいなぁ


2話

 

あれから2日たち、僕は今近くの海浜公園に来ていた。理由は体作りである、オールマイトから個性を受け継ぐにはそれ相応の器でないとダメらしい。

もしこのまま受け取ったら四肢が弾け飛ぶらしいので一から体を作るみたいだ。ここで幼少期から鍛えていなかったツケがきた。

雄英入試までの10ヶ月で個性に耐えうる体にしなくてはいけない。しなくちゃいけない事がたくさん増えてしまったがそれと同時にワクワクもしていた、あのオールマイトから個性を受け継げる、あのオールマイトが鍛えてくれる。

僕はとても嬉しかったと思う…。

 

 

その日から僕の体作りの10ヶ月が始まった。それと並行してこの海浜公園の清掃も始まる、理由は奉仕活動こそヒーローという教えのもとオールマイトが目に見える目的を作ってくれたのだ。ただ単に運ぶだけじゃなくどうすれば早く、どうすれば簡単に持ち上げれるかを思考しながらやらなければいけなく、とても大変であった。

 

 

 

季節は秋にさしかかる…

 

 

 

オールマイトはトレーニングメニューを余力を残しつつ期限までにちゃんと出来るようにしていた、が緑谷出久は倒れた。

 

「君メニュー守っていないだろ、過度なトレーニングは逆に体を壊す。君ならそれくらい解るはずだぞ。」

 

 

緑谷出久はバカでは無い、むしろ成績は優秀な類いである。緑谷自身オーバーワークなのは理解していた。それでもしなければいけない理由は

 

 

「あなた…みたいじゃダメなんだ…。僕は遅れているから他の人の十倍や二十倍努力しないと追いつけない…、追いつくだけじゃあなたみたいになれない……。あなたを超えなくちゃダメなんだ……。」

 

 

「(この少年、先を見据えてやがる!ワタシの想像を簡単に超えてくるとは……)」

 

 

痣が濃くなる

 

「だがそれでぶっ倒れちゃ世話ないぜ少年!…今一度メニューの見直しだな!」

 

 

日々の疲れなのか緑谷はすぐに気を失った。痣が濃くなるのを知る者はいない

 

 

 

 

 

 

 

雄英入試の早朝…結果は

 

 

「オーマイ…オーマイ…グッネス!!」

 

少年は雄叫びをあげていた。地獄の10ヶ月を乗り越え初期にはなかった筋肉が付き、見事緑谷出久はスタートラインに立てたのだ。

 

「それに指定区域以外のゴミまで……、君ってやつは!」

 

有限実行…いやそれ以上の成果

遂に来るのだ、この時のための10ヶ月であったから

 

 

「よくやった緑谷少年!まさか別の区域までやってしまうとは…君は何度ワタシの想像を超えてくるんだい!さぁ、受け取れ少年。これは君が勝ち取った力だ。」

 

 

「…オールマイト、はいっ!」

 

 

「うむ、良い返事だ。ならば…」

 

 

おもむろに髪の毛を1本抜き取る

 

 

「食えっ!」

 

 

「へぁっ?」

 

 

変な声が出たのは許して欲しい。なんせ憧れの人の髪の毛を食えと言われたら誰だって驚くはずだ。

 

その後オールマイトと別れ緑谷出久は入試に挑む

痣がまた濃くなった

 

 

「あの日からこの痣治らないし、なんか濃くなってきてる気もする…。で、でも僕は受け継いだんだ…、頑張らなくちゃ……。」

 

痣のことは入試が終わった後にでも病院に行けばいい、そう思い意識を切り替える。

 

 

筆記試験の方は自分でもよくできたと確信してる。実技試験の方がかなり心配なのは言わずもがなである。

会場に着けば入試前に転びそうになった時に助けてくれた人が見えた。お礼を言おうとした時説明の時に怖い印象を持った子が注意してきた。曰く、彼女は精神統一中でありそこに邪魔はしてはダメという内容であった。

そんなつもりは無かったのだが…と考えている内に試験開始の合図が鳴った。遅れた…スタートダッシュが出来なかった、これだけでも緑谷出久を追い詰めるのは十分なのだがさらに不安にさせるのは個性をぶっつけ本番で使用しなくてはいけない事…。

 

「(どうするどうするっ!せめて1ポイントだけでも取らなくちゃ!)」

 

考えてても時間は過ぎていく

 

 

試験終了まであと2分を切っていた。緑谷出久のポイントは……0である。やはり個性を使おうにも戸惑われた、もしかしたら意識を失ってしまうかもしれない、体にどんな反動が来るかも分からない…こんな理由で使えずにいた。

 

 

辺りが暗くなった、聞こえるのは空気を震わすほどの音。試験の説明の時にあったお邪魔蟲が出てきた…。逃げる逃げる逃げる…ポイントを取らなきゃいけないのにそれすら成していないのにましてやポイントを加算されないお邪魔蟲なぞ論外。

 

見てしまった…否、見えてしまったのだ

 

お邪魔蟲の下に今朝転ぶところを助けてくれた女の子が

 

その時の事を一言で言うなら

 

考えるより先に動いていた

 

 

「(そうだよな緑谷少年!キミは困った人は見逃せないし助けたいと思っちまうよな!…知ってるかい緑谷少年、多くのヒーローが幼少期に遺している逸話はどれも……。)」

 

 

考えるより先に動いていた

 

「(なんで飛び出したんだ!別に倒せる算段なんてありやしないのになんで!……そんなの決まってるじゃないか…見えちゃったからだよ、助けを求める顔を!)」

 

 

少年はお邪魔蟲の足下まで一息で飛び、そのまま顔付近まで跳躍

痛みがあったが無視した。それを見てしまえば決意が揺れると思ったからだ。

足が曲がってはいけない所までいってしまっている。

ここに来るまでに色々あった…、そのことを思い浮かべながらオールマイトとの話を思い出す。

 

ケツの穴グッと閉めて心の中でこう叫ぶ

 

 

 

「SMASH!!!」

 

 

痣が熱くなる

 

 

かくして試験は終了を迎える。これまでの全てを使って挑んだ試験、最後に前までの自分じゃ到底出来なかった人助けもできたのだ。それだけでも嬉しいが…やはり0ポイント。心残りがなかったと言えば嘘になる。

 

 

 

「出久!目が死んでるわよ!」

 

 

「あはは、そんなことないよお母さん…。」

 

雄英からの通知待ちの間は生きた心地がしていなかった。あれからオールマイトとも連絡がつかないのもありさらに不安を加速させる。

 

 

「いっいずっいずく!通知来てたわよ!」

 

 

運命の時

結果は

 

 

 

 

「敵ポイントは0だね。」

 

合否発表は小さな機械から映像が出てきた。それよりも驚きなのはオールマイトが雄英で教師をすること。

 

…解っていた…不合格なのは…。悔しいな…、オールマイトにせっかく鍛えてもらったのに、個性を継がせてくれたのに……。

 

「だが、ワタシ達が見ていたのは敵ポイントだけにあらず!!」

 

映像にはあの時見た女の子がいた。雄英の教師に直談判しているシーンであった。

私のポイント分けることってできますか?助けてくれたんです!

 

 

「君は変わらないな…。そう!人助けをしたのに敗訴しちまうなんてヒーロー科じゃないよな!完全審査制の隠し加点要素、それこそが救助ポイント!」

 

 

泣いていた。それは悲しみじゃなくて感謝であった。

 

 

「さぁ来いよ緑谷少年!ここが君のヒーローアカデミアさ!」

 

 

 

 

 

 

 

オールマイトから着信があったのをだいぶ後になった時に気付いた。すぐにあの海浜公園に走った。

 

 

「やっと来たか緑谷少年。ちなみにワタシは関わっていないからね、君そういうの気にするだろ?」

 

「ありがとう…ございます。」

 

ハイタッチをする

 

それは気付くのが遅くなったから

痣のついた方の手で叩いたから

ワンフォーオール2つが繋がったから

 

理由ならこのくらいだろう…、運が良いのか悪いのか今一度

運命が動いた

 

 

全てを砕く剣

 

全てを燃やし尽くす炎

 

全てを見下ろす巨体

 

 

「…っ!?……緑谷少年一体なんだいこれは!」

 

「僕にも分かりません!でもこれって…。」

 

 

緑谷出久を見下ろすように騎士は佇んでいた

 

 

「問おうか、貴様が私のマスターか」

 

驚きで腰を抜かしていた。いきなり現れた人がそう言ってきた。

 

「君はいったい何者なのかね。返答次第ではこちらもそれ相応の対処をしなくてはならない。」

 

さすがヒーロー、緊急事態にも素早い対応。それを記録しようと思うだろう…いつもなら。

 

「ふむ、貴殿は見た目は弱々しく見えるが…強いな。だが私には及ばない」

 

そう淡々と述べる。まるで息をするように、当然という態度でオールマイトを見る。

 

「マスターはそこにいる者だ。それに危害を加えなければ私はお前を攻撃しない。」

 

圧倒的捕食者

何故か強者ではなく捕食者という言葉が出てきてしまった。だが妙にしっくりきてしまった。

 

「緑谷少年がマスター?君はいったい…。」

 

 

「そこにいるマスターは確かに私を呼んだのだが…。」

 

 

混乱している。解らない。無個性なのに召喚系の個性みたいに。

「君には悪いが説明してくれないかい?ワタシも緑谷少年もこの事態を把握しかねるのでね。」

 

「いいだろう、だがそちらの情報と引き換えだ。こちらが要求するのはこちらの世界のルールだ。」

 

「分かった。緑谷少年もついてきてくれよ。」

 

 

曰く、強い願いを見た

曰く、 その願いに賛同した

「ふむ、つまり緑谷少年の願いに引き寄せられた…と。」

 

「そういうことになる。」

 

「だが何故緑谷少年だとすぐにわかったのだ?あの場にはワタシもいた、なのに一目で。」

 

 

それはそうだ、強い思いならオールマイトにだってある。なのにこの人は迷いなく僕を引き寄せた願いを持つものだと思った。根拠は?

ここ最近予想外の事が多く上手く思考が動かない。そんな頭を無理やり動かす。

「マスターは揃って痣がある。それこそがサーヴァントを縛る物、令呪の存在こそマスターの証である。」

 

その言葉で左手を見る。家から出る時にはなかったしっかりと刻まれた証があった。それは前々からできていた痣の場所である。

 

「…これが令呪……。」

 

「君の口から出たサーヴァントという単語はそのままの従者という意味でいいのかな。」

 

「その認識で構わない。ところでこちらの世界にはヒーローなる組織がいるのを聞いたが…。」

 

 

どうやらこの人がいた世界にはヒーローはいなかったらしい。

…ヒーローがいない世界からきた人

僕は違う世界から来たという話をすんなりと受け入れていた、もしかしたら令呪にはそういう疑問を、そういうもんだと受け入れやすくする機能があるかもしれない。そもそも世界がひとつなんて誰が決めたのだろうか、ひとつの選択の答え次第で無数に枝分かれしているはずだ。それならヒーローのいない世界だってあるのだろう。

 

「緑谷少年、そのブツブツは直らないね!」

 

「あっ!えっと、ごめんなさい!」

 

「ヒーローの知識はあらかた入ってきた、もう必要ない。次はマスターとサーヴァントの関係と令呪について説明しよう。」

 

……入ってきた?

 

「あの、入ってきたとはどう言うことですか?」

 

「それをこれから説明しよう。先ず、マスターとサーヴァントは聖杯戦争を勝ち抜くためのパートナーである。こちらの世界ではサイドキックが近い関係性であろう。聖杯戦争の事を話したいが今は省く、知っておいて欲しいのがマスターとはサーヴァントを現世に留めておく要石であること、サーヴァントとは過去に名を刻んだ英雄の影であること。サーヴァントは例外で影ではなく本体が来ることもあるが…、まさにそれが私である。」

 

ゆっくりと丁寧に語られる話。僕は言わずもがなオールマイトでさえ驚いている。なんせ英雄その人を呼び出したのだから。

 

「ここまではよろしいかな。」

 

「う、うん。」

 

「あ、あぁ。ひとつ質問いいかな。」

 

「答えられる範囲なら。」

 

「君が言った、過去に名を刻んだ英雄とは具体的にどんな方なのだ?」

 

オールマイトの疑問は最もだ。現代であればヒーローがあげられるだろうが…英雄と言った。昔のヒーローも少なからず調べてはいる緑谷出久でさえ目の前にいる人を知らなかったのだ、もしかしたらもっとすごい昔のそれこそ…

 

「…そうか、簡単に名前をあげるとしたら……。」

 

 

アーサー王こと

アーサー・ペンドラゴン

 

この時僕はとんでもない人を呼んだのだと再認識させられた。朝常黎明期以前に活躍した本物の偉人、アーサー王の名が出てきた。

 

「アーサー王は単に例のひとつだ。」

 

「そ、そうなのか…。ありがとう、話を折ってすまないね。」

 

「いや、なにいずれ話していたことだ。後か先かの違いだ。」

 

 

「そっ、それでヒーローの知識がいらないのはどうしてですか?」

 

「うむ、簡単な話だ。召喚された際にその時代や土地の知識が自動的に入ってくるのだ。だが、ここは別の世界でありなにより聖杯がないのでな、マスターの知識が入ってきたという訳だ。」

 

なるほど…、そういうことなの…か。

 

「ん、んん?つまり緑谷少年のヒーローオタクの知識が入ってきたと?」

 

「そういうことになるな、平和の象徴オールマイト」

 

「す、すごく……恥ずかしいです。え、えっと先程の聖杯ってのはあの?」

 

「いや、違う。膨大過ぎるリソースが固まってできたのが聖杯だ。私達の世界では使えばひとつだけだが…」

 

 

なんでも願いが叶う

 

 

 

「脱線しすぎたな、では次に令呪についてだが。」

 

「あぁ、緑谷少年の左手にある赤い印のことだな。」

 

令呪については一度に三回の絶対命令権

 

「の、はずだがやはり違うからなのか別の所から送られているのか知らないがだいたい15日で一回分回復するみたいだ。」

 

 

「どうして15日という具体的な数字が?」

 

「貴殿には見えないだろうが世の中には魔力というのが少なからずある。それがマスターの手にゆっくりとだが入っていってるのが見える。」

 

「魔力という新しい単語が出たが見えないなら仕方ない。では令呪はどんなことが命令できるんだい?」

 

応答をオールマイトに全部任せているようにみえるが僕自身二人の話を聞き逃さないように真剣に聞いているため質問ができてない。

魔力…か。見えないのなら意識するだけ無駄であろう。

 

「言ったであろう、絶対命令権であると。…しかし例えばか……、遠くにいた時に令呪を使えばすぐに飛んでマスターの下にいけるだろう。勝てと命令されれば令呪分の魔力がブースト剤となる。」

 

言外に使う数を増やせばさらにブーストされると…。

 

「そして三つ一度に使えば自爆すら命令できる」

 

絶句

 

「ど、どうしてそれをワタシ達に…、言わなければいいことじゃないのか」

 

「それはできない、それは私のプライドが許さない。自爆なぞに頼られるほど私はそこらの有象無象に負けなどしない。だから知っていても使う機会などない以上だ。」

 

圧倒的自信はまるで幼なじみみたいだと思った。

 

「僕は、例え知らなかったとしてもそんなの選ばないよ」

 

その声は普通だったのか震えていたのか分からない…分からないが。

 

「私のマスターはお人好しなのだな」

 

「それが緑谷少年の美点だよ。」

 

 

 

それから少しこれからの事について話した。この女性はどうしようか、個性として提出していいのかなど

 

「私は姿を消せる。日常生活に支障はきたさない。」

 

「個性の方はどうとでもできるさ、それこそ召喚した彼女の力の一部を使えるって言うことにも出来るしね。」

 

 

この日だけでかなり目まぐるしく変わったような気がする。マスター、サーヴァント、教科書の中の英雄、令呪…でもまだ聞いてないことがあったのを思い出した。

 

「あっ、あの!」

 

「どうしたマスター」

 

「緑谷少年?」

 

 

きかなくちゃ

 

 

「あなたの名前はなんですか」

 

 

 

「ふむ、そういえば名乗っていなかったな…。」

 

 

 

 

 

 

「妖精騎士ガウェイン。それが私の今の名だ。」

 

 

 

「ガウェインってあの?でも確か男性じゃ…。」

 

 

「こちらの世界であればヒーローネームだ。まぁ、偽名ではあるが私はこの名に恥じない振る舞いを心掛けている。」

 

「ガウェインくんか、いい名じゃないか。憧れを背負っていく…、並大抵じゃないね。」

 

「ガウェイン…さん、よろしくお願いします。」

 

「ガウェインでいい、それに私とあなたはサーヴァントとマスターなのだからな。」

 

「…はっ、はい!」

 

 

 

僕にとって憧れはヒーローだけだった。でも今からはガウェインもその憧れの1人になった。

 

「さぁ少年もう帰りなさい。時間もかなり遅いから送っていくよ。」

 

「ありがとうこざいます!ガウェインさんも一緒に!」

 

 

「ああ、そうだな。」

 

「ガウェインくんはこれからどうするつもりだい?」

 

「そうですね…、暫くはマスターの個性として力を貸すつもりです。もうひとつの力には手を貸さないつもりです。」

 

「どうしてか聞いても?」

 

「あの力はマスターが自分の手で掴み取った物です、ならば私が手を貸すのはマスターのためにならない。」

 

「そうか、君はそこまで…。」

 

「ガウェインさーん、オールマイト早くー。」

 

 

「ですが、マスターの命優先なので命に関わる事態になればあなたすら見捨ててマスターを守ります。」

 

「わかっているさ」




やっとだせたよ
誤字報告ありがとうこざいます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。