爆上戦隊ブンブンジャー Out of Misson~冒険者の卵~ 作:ゑりおっと
A.ゴーオンとコラボする&コラボ回がめっちゃ良かった。
Q2.なんでボウケンジャー?
A2.ブンブンチェンジャーの内部音声にボウケンジャーが無かったから。ゼンカイではブルーンのモチーフになったのに……。
雰囲気として12話と13話の間のパラレル時空と考えて下さい。
今回は導入。全3~5話完結を目指してまいります。
制作陣ブログにて今後先輩戦隊とのコラボを積極的にやるという匂わせもあったので、本筋でブンブン×ボウケンをやられた場合、私は溶けてなくなると思います。
『本日よりサージェス博物館にて、アトランティス大陸展が開催されています。今まで幻だと思われていたアトランティスですが、牧野森男博士が発見し………』
平日の昼下がり、何をするでもなくソファで横になりながら口を開けてテレビの特集を見ている成人女性が居た。休日でもないのにぐうたら三昧。大抵の人間は彼女のだらしなさに口を出すであろうが、ここにはそれに対し口酸っぱく言う者は居なかった。
ここは範道家の屋敷、その地下にある超大型の車がずらりと並んでいる格納庫がガラス越しで見られる「届け屋」本部。そして、ブンブンジャーのメンバーの溜まり場としても機能している場所である。
「喉がー乾く~腹が減る~そんならカレーで力湧く~」
「(カタカタカタカタ)」
現在彼らは、届け屋の依頼も無く、ハシリヤンの騒ぎも無い中、各々が自由に過ごしていた。未来も普段はバイトをしている時間だが、今日は珍しくどこの勤め先も休みだったり、シフト表に組み込まれていない時間であった。
「幻の大陸かぁ…。歴史とかからっきしだったけどこういう話は浪漫あるよね~。」
「しかもその幻を現にさせたのが日本人とはねぇ…。」
「天才考古学者、牧野森男。20年近くアトランティスの存在を信じており、一時期学会では鼻つまみ者にされていたが、遂にその夢が叶ったというわけだ。」
「周りに非難されようとも、自分の信じるものを貫き通した賜物ですね!憧れるな~。」
ヒーローに憧れを持っている阿久瀬錠も、己の信念を曲げずに掴み取ったという過程に感激していた。
「届けの依頼が来たぞ。」
「あ、大也!」
「お帰りなさい!」
ニュースを見ている二人に赤いジャケットを着た青年が声を掛ける。この家の主であり、ブンブンジャーのリーダー、範道大也が階段から降りてきた。
「届け屋の仕事か。」
「依頼人が直接うちの前に居てな…良いぞ、入ってこい。」
「いいですか…?し、失礼します!」
「調さん…じゃない?」
大也に呼ばれ、階段から降りてきたのは、かっちりとしたリクルートスーツに身を包んだ真面目な印象を受ける女性だった。しかし、この基地によく足を運ぶ細部調とは違い、髪は腰まで伸ばされ、未来の言及した彼女とは違い、視線が右に左に、更には下を向いて忙しなく動き、かなり緊張していた。
「え…えと…あの……。」
「ん?」
「安心したまえ、まずはお名前とかを聞いても?」
「ここは届け屋です。依頼とあらばどんなものでも届けるのがモットーですから!小さいお子さんの依頼も請け負ったこともありますので、安心してください!」
怪訝な視線を向ける未来と射士郎に、落ち着かせいようと声を掛ける玄蕃と錠。
「あ…ありがとうございます!あ、そうでしたね名前…名前…。」
二人の言葉に少し緊張のほぐれた様子の女性は、何かハッとしたようにスーツの内ポケットを弄り、四角い金属製のものを取り出す。社会人になると必須級のアイテム、名刺入れだ。
「わ、私、サージェス博物館でスタッフをやっています、
「ああ、これはどうもどうも…。ってサージェス!?ニュースで見た!」
「牧野博士のことでしょうか?凄いですよね!私は普段館内から動くことは無いんですけど毎回、キュレータートークはよく聞くんです!作業をしながら古代のことから歴史上の人物、文明の興亡といった最新研究のお話を聞けるのは最高なんですよ!」
「いい職場なんだね!」
「はい!」
部屋にいる4人にそれぞれ配られる名刺。ニュースの話になった途端明るくなった彼女に若干驚きつつも、緊張が解けてくれたことに安心した未来であった。
「おっとと…名刺は無いけど、私達の自己紹介しなくちゃね。私は
「射士郎だ。…コホン、申し訳ありません。受付や配送者のナビゲートをしています、
「わ、いつにもなく真面目。」
「……はぁ。」
「自分、
「元運び屋、
「で、さっきも言ったが、俺は
「よ…よろしくお願いします!」
髪が振り乱されることもお構いなく、直角90度で勢いよくお辞儀をする渚。
「それで、依頼は?」
「えっと…ちょっと大きいものなのでここには持ってきていないのですが…」
「え、モノが無いの?」
「はい、ちょっと一人で持ち歩くのは難しいものでして…。」
「構わないさ。いざとなれば大型車で運ぶからな。」
「で、どこに届けてほしいのかな?」
「えっと…ですね。ここにあるものを、サージェス博物館へ届けて欲しいのですけれど…」
彼女がスマホを取り出し、地図アプリで赤点がマークされている場所を見せる。
「山奥…だね。」
「しかも神戸?」
「はい…ちょっとこちらのお話に付き合っていただけないでしょうか?」
「勿論。届けるものがどんなものかは知っておかないとね!」
「しかし山奥…流石に樹木とか石とかの自然物はお断りだからな。」
「そ、そんなものではありません!…失礼しました、では皆さん
『プレシャス』というものはご存知でしょうか?」
~♪(音楽)
命懸けの冒険に、今日も旅立つ者がいる。密かに眠る危険な秘宝を守り抜くためにあらゆる困難を乗り越えて進む、冒険者達。それに憧れた少女だった者と、届け屋達の物語が、今、始まる!
「プレシャスとは、世界各地に散らばっている遺物でして…制作時代にそぐわない強大なパワーを秘めていたり、使い方を誤れば大変なことになってしまう。そんなものです。」
「……なるほど、所謂『危険なオーパーツ』ということだな?」
「概ねその解釈で問題ありません。」
射士郎と玄蕃は納得したように首を縦に振るが、未来だけはフクロウのようにくびを傾げ顎に手を当てていた。
「オーパーツ…って何?」
男性陣がズッコケた。
「おいおい…。」
「いやぁ~、オカルト系の番組でよく聞く単語だなぁ、とは思っていたんだけど正しい意味は知らなかったかな…。」
「ではそちらも…オーパーツというのは、本来その時代にあるのはおかしいとされていたり、現代の科学では再現不可能なテクノロジーで制作された遺物のことですね。有名なものだと、聖徳太子の地球儀とか、髑髏状に削られた水晶なんかがそうですね。なぜあり得ないのかはここでは省きますが…とにかく、扱いを間違えれば街一つが消えたりするものなので放って置くのはマズイんです。」
「………で、俺達に届けて欲しいそれはどんなものなんだ?」
「あ、はい、確か写真が…これです!」
「これは…岩?それとも柱?」
「よく見たまえ、空いてる穴には布が巻き付けられてる。それに反対側は鋭いし黒く光ってる……もしかして、剣、かな?」
「ご明察です!えっと…玄蕃、さん。こちら実は、サージェスギリシャにて盗難報告がされ20年間行方不明とされていたプレシャス『ヘラクレスの柱』と呼ばれているもので、伝説の英雄ヘラクレスが実際に使ったとされているものなんです!」
「ヘラクレスって神話の英雄じゃないか!?…いや、まさか。」
「はい、そのまさかです射士郎さん。牧野博士がアトランティスを発見したように、各地で伝わっている伝承や神話には、一部本当にあった出来事が書かれている私達サージェスは考えています。事実、日本でも一寸法師の打出の小槌*1や義経公を助けた化け狐の鼓*2なんかが収蔵されていますよ。…まあ表沙汰にはされてませんけどね。」
「え、言ってよかったの!?」
明らかに極秘情報であることを明けっ広げにされ、驚く5人。しかしそれに対し発言者本人は意にも介していなかった。
「は、はい…。…ブンブンジャーである皆さんなら良いかな…って。」
「…!そいつを、どこで?」
眉を潜めた射士郎が問いかける。
「え、いやだって………あそこにいるロボットっぽい方、ブンブンジャーのロボじゃないですか。」
「「「「「あ」」」」」
「カレーが出来たよー!………皆、どったの?」
殆ど休暇モードに入っていたためか、いつもなら隠れてもらっているブンドリオ・ブンデラス…愛称ブンブン、或いはブンちゃんの存在をすっかり忘れていたブンブンジャー達であった。
????? ハシリヤン地球拠点
「「「強化合宿?」」」
「ええ、あなた達には今日からこの星の7日に当たる間に、私の課題をこなしてもらいます。」
市街地から離れた廃工場、そこで4人の異形が屯していた。
二人と一体…サンシータは最近地球にやってきたマッドレックスの後釜、改造隊長キャノンボーグの提案に首を傾げていた。
「私はこれからブンブンジャーに勝つためのとっておきの制作を始めます。その間、残念ながら私は苦魔獣を改造することが出来ませんので……。そのとっておきはあなた達に使ってもらうため、体力増強を兼ねた合宿プランを組み立てました。こちらです。」
「お?…走り込みに登山、スピードギャーソリン集め…?一体どういうことでして?」
「じつは制作予定の『とっておき』はあなた達に操ってもらいます。」
「おお!そいつは有り難ェです!」
「一体どんなものかしらね!」
「とっておきとか勿体ぶってどうせ大したもんじゃないカー。」
「ヤルちゃんしっっ!」
「むごご…」
「勿論貴方がたを直接改造しても良かったのですが…今はこの『とっておき』に集中したいので貴方達自らの手で自身を改造…自己改造してもらいます。」
「つまり…!」「特訓…!」
「言い換えればそうでしょう。この改造を越えた先に、貴方がたはブンブンジャーを倒せるでしょう。」
「なんか燃えてきたな!」
「そうと決まれば早速行きましょ!」
「「「おー!」」」
外に出た3人は、ヤイヤイ・ヤルカーを地面に置き、距離を置く
「じゃあヤルカー、よろしくぅ!」
「よーいしょっ…と、乗って乗ってー。」
先程までイターシャに抱えられる少し大きめなラジコンの大きさから、一瞬にしてトラックほどの大きさになった。二人はヤルカーの上部に飛び乗った。
「よぅし、行き先はこの地図で示された山奥!」
「私達のパワーアップのために!」
「レッツゴー、カー!」
♢
「あ、そこの君!ちょっと良い?」
「は、はい?!」
暫く走った頃、道中で歩いている部活帰りであろう竹刀を持った中学生の少年にイターシャが声を掛ける。
「私達ここに行きたいんだけど、あなた分かる?」
「ええと…兵庫県ですか?でしたらこの道をあっちに―――」
「―ふむふむ。ありがとな、坊主。」
「えっと……どういたしまして?」
「よしっ、ヤルちゃんこっちだって。」
「はいカー!飛ばすカー!」
急に現れた異形の男女に顔のついた自動車、少年は怖がる間もなく、ただただ呆気にとられたままサンシータに道を教え、粉塵舞い上げながら走り去る彼らを見つめることしか出来なかった。
「……なんだったんだろ。」
「明石ー、どうしたんだ突っ立って。」
「ああ、ごめん。来てたんだ。」
後ろからやってきた同じく竹刀袋を持った同級生に声をかけられ、少年は帰り道へと戻っていったのであった。
・・・・・・
Side ブンブンジャー 小型バス車内
依頼人の言を受け、「社用車って無かったな」という大也の一言で購入されたキャンピングカー…奇しくも先日出会ったゴーオンジャーの移動基地、ギンジロー号と似たようなものに乗って、兵庫県へと向かって行った。
「そういえば、妙に私達に対して好印象だけどヒーローとか好きなの?」
「はい…実は子供の頃、ヒーローに助けられたことがありまして…。」
「ほほう?」
「まさか、ゴーオンジャー?」
未来はつい先日あった、マッハ全開な赤い先輩とその相棒を挙げた。
「勿論、彼らのことも知っていますが…彼らが活動していた2年前、ボウケンジャーの黒色のお方に助けられました。」
「へ~。」
「この星には皆さんと同じように、色とりどりのコスチュームを着て巨悪と立ち向かうチーム達…人呼んでスーパー戦隊と呼ばれる方々がいます。」
「なるほど、となると私達もその一員、というわけだ。」
棒付きキャンディを舐めながら、玄蕃が興味深そうな眼差しを向ける。
「世間や彼ら自身は活動を表立ってやることは少ないので都市伝説扱いされていますが、実際彼らの戦う姿は人々に見られていますし、何より助けてもらった方もいるので『居るのは分かってるけど明けっ広げにはしない』というのが暗黙の了解になってます。なので、皆さん表立って言えないだけでヒーロー活動は多くの人が感謝されていますよ。」
「改めて言われると照れますね…。」
「だというのにマスコミやアイツらは…………ブツブツブツ」
「えっと渚さん…?」
「…はっ、すみません。ネットや世間に蔓延っているヒーローアンチ*3のことを思い出したらちょっと暗い気分になりまして。」
「活躍が不透明だとアンチって出てきちゃうよねー…。」
「自分も警察務めなのでたまーに入ってきちゃいますね…言い分もちょっと分かりますし、その方が警察に対して嫌な思いをされたことは念頭に置いていますが…。」
「実態を知らない奴は大抵そうさ。こっちの事情を少しでも知れば急にペコペコし出すやつも居たり、却って嫌うやつも居たりするからな。特にインターネットは顔を出さない分そういう無責任なことを言う奴が多い。」
「うーん………。」
少々暗い話になり、場の空気が重くなってしまった。が、それを吹き飛ばす一言が運転手の口から出された。
「まあ俺達がどう見られているのを気にするのも今はしょうが無いだろ。それよりも窓の外、見てみな。」
「………わぁ!」
「おお…」
「これはこれは…」
6時間にも渡るドライブ。夜も更けた頃、窓の外に見えたのは綺羅びやかな街灯の光であった。
「兵庫県、到着だ!」
次回――『山奥の廃城』
というわけで恐らくハーメルン初のブンブンジャー二次創作です。正直原作がキャラの詳細とか全然出ていないのでキャラの口調がこれで良いのかとか不安要素はいっぱいありますが…見切り発車な拙作を温かい目で見守って頂けると幸いです。
キラメイジャーと同じくボウケンジャーは恐らく「乗り物戦隊」なのでターボやカーレン、ゴーオンのように純粋な「車戦隊」の枠から外れたんかな?なんて。
道案内少年:流石に18年経ってあの二人が進展なしは嘘やろ…という感じで生えてきました。……………ボウケンジャーが18年前?初めて見た戦隊があと数年で20周年・・・月日が流れるのは早いものですね。