サクッと絶望させます。
良くも悪くも、僕は普通の人間だった。
超高校級の探偵として、希望ヶ峰学園にスカウトされ入学した僕は学生生活をごく普通に謳歌していた。クラスメイトはみんな多才な人達で萎縮しちゃったけど赤松さんをきっかけに徐々にみんなと関わるようになり、僕とみんなはすぐに仲良くなれた。
だから、僕は調子に乗っていたのかもしれない。ある日突然、僕の悪いウワサが立っていた。勿論、事実無根だ。クラスメイトにも必要は無いだろうけど誤解を解くための弁解をしておこう、と呑気なことを考えながら寮から出た。
それが、最悪のトラウマのキッカケになるとも知らずに。
クラスに入るや否や、百田くんから拳が飛んできた。痛い。なんで?と聞く前に春川さんからは糾弾の声が飛んできた。
「見損なったぞ終一!!お前がまさか…───────」
「信じてたのに、結局は探偵と言っても───────」
2人は僕の悪いウワサについて言及していた。他のクラスメイトのみんなも厳しい目で僕を見ている。誤解だ、僕が何をやったって言うんだよ。僕は必死に弁明をしたがみんな聞いてはくれなかった。その日から、地獄が始まった。
クラスメイトは基本的に僕のことを無視する。話しかけてみても取り合ってくれないし、挙句の果てには嫌がらせまで始まった。ここでは控えるが、とにかく筆舌に尽くし難い仕打ちを受けた。1ヶ月間そんなことが続き、もう僕の体はボロボロだった。利き腕はやられて使えないから反対の腕で食事するのにこれから慣れていくところだ。顔は無傷だけど、もう上手く笑えてるか分からない。
謂れのない仕打ちをここまで受け続けたのだが、僕の感情は不思議とみんなを憎むようには出来ていなかったみたいで。優しいみんなが、そんな根拠の無いウワサを鵜呑みにするには訳があると思ったんだ。───────でも、代わりに僕は自分を憎むようになった。
きっと、何か僕がみんなに悪いことをしたんだろう。きっと、僕が勝手に仲良くしていると思っていただけで信頼を獲得できていなかったんだろう。きっと、友だちだと思っていたのは僕だけだったんだろう。きっと、きっと、きっと…───────僕は僕を疑うべきなんだろう。
───────そうでなければ、僕は誰を憎めばいいんだ?
その時僕は、絶望に身を堕とした。
「うぷぷ、絶望的に面白いじゃん。しばらくコイツで遊べるね。」
ふと気づくと、私は目を覆って自分の部屋で泣き崩れていた。今まで、私たちは最原くんに何をしていた?自分がしてきたことが信じられずに私はたまらずトイレに駆け込み、吐瀉物を吐き出した。なぜ、私は好きな人にあれだけの嫌悪感を抱いたのか。どうして、私は好きでたまらなかった人のことを信用出来なかったのか。
何があっても絶対に言ってはいけない事を彼には言ってしまった。悲しんでいる暇は無い。最原くんの元に急がなきゃ、1番苦しんでいるのは彼なんだ。謝るんだ。許されなくても、謝らなきゃ!!急げ、急げ急げ!!!
最原くんの部屋のチャイムを鳴らすと、ドアの奥から微かに音がした。よかった、出てくれそう。勇気を出せ、謝ろう。
「どうしたんだい、赤松さん。僕
最初は、いつもと変わらぬ調子で応じてくれたと思って嬉しかった。しかし、何かがおかしい。最原くんは笑顔で私を迎えてくれた。違和感しかない。普通は嫌なことを沢山されたら嫌な顔をして応対されたっておかしくはない。今まで悪い夢を見ていたのではないかと思うくらいだ。そんな、淡い希望に縋ろうとした私には。
「僕
最上級のオシオキが待っていた。
絶望って舞台装置として便利だよねほんと。
ウワサも某絶望さんが流して悪感情を生成したって感じだと思ってね。