ようこそ相棒と青春を送る教室に   作:Mr.不器用

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なんも考えてないからアドリブで

「あーーーーーーウザい。マジでうざい。ムカつく。死ねばいいのに・・・・自分が可愛いと思ってお高く泊まりやがって。どうせアバズレに決まってんのよ。あんたみたいな性格の女が勉強なんて教えられないっつーの」

 

 あーーーーーやべー完全に忘れてた。櫛田を見つけて追いかけてきて屋上まで来たはいいがまさか今日があの日だったとは。

 

 幸いにも、階段上ってるときに聞こえてきて気が付いたので録音はしてたけどさー。こっからどうしたらいいか全く考えてないんだよなー。何とかうまく言いくるめて櫛田を引き込みたいんだよなー。櫛田はかわいいし顔が広いからそれだけで使えるし2,3年生と役に立ってくれるだろ。

 

「あー最悪。ほんっと、最悪最悪。堀北ウザい堀北ウザい、ほんっとウザいっ」

 

 まぁ、俺のアドリブ力で頑張るか。失敗したら面倒だが退学にさせるしか方法はないな。失敗したら櫛田は堀北を排除しようとするはずだ。そうなるとDクラス全体に影響が出る。櫛田が与える影響なんてたかが知れてるが万が一ということもある。やっぱ真に恐ろしいのは無能な味方ってな。

 

 俺はわざと屋上の扉を蹴る。夕方の屋上、蹴った音はこれでもかと響いた。

 

「誰!」

 

 誰と聞かれたら答えてあげるが世の情け・・・・以下省略。心の中でそう言いながら姿を現す。

 

「・・・・ここで何してるの?」

 

「ただ櫛田の心の叫びを聞きに」

 

「てことは聞いてたんだ」

 

「まぁそういうことだ」

 

 それを聞くと櫛田は徐々にこちらに向かってくる。

 

「今聞いたこと・・・・誰かに話したら容赦しないから」

 

「おー怖い。もし話したらどうするんだ?」

 

「今、あんたにここでレイプされそうになったって言いふらしてやる」

 

「冤罪だな」

 

「大丈夫、冤罪じゃなくなるから」

 

 そう言うと櫛田は俺の左腕をつかみ自らの胸へ持って行く。

 

「これであんたの指紋、べっとりついたから証拠もある。私は本気よ。わかった?」

 

 せっかくの機会だし揉んでおくか。

 

「んっ」

 

 なんの反応もないと思ったら案外かわいい声で反応した。

 

「な、なにすんの」

 

「自分から押し付けておいてそれはないだろ。せっかくの機会だし揉んでおこうかなと。というか堀北のことアバズレなんて言ってたけどお前も大概だぞ」

 

「うっさい!。でもこれであんたの指紋はびっしりついたから」

 

「さて、やられっぱなしは癪だからな。櫛田お前は3つ間違いを犯した。1つ、まず俺には彼女がいる。その時点でお前をレイプする必要なんてない。彼女と暑い夜を過ごしてる以上性欲は満たされてるからな。2つ、脅迫する相手を間違えた」

 

 俺はそう言って録音しておいたボイスレコーダーを再生した。

 

 それを聞いた櫛田はこの世の終わりともいえる表情をした。

 

「はは、もう私終わりだね。それを流されたらもういいわけなんてできない。好きにすれば。だけど最後の悪あがきとして少しクラス崩壊させるけど」

 

「はぁ、なんでこうもDクラスは手がかかるんだ」

 

 俺はボイスレコーダーのボタンを少しいじってから櫛田に投げる。

 

「ほい、くれてやる」

 

「・・・・どういうつもり?」

 

「再生してみろ」

 

 櫛田は無言で再生ボタンを押す。

 

「何も流れない」

 

「さっき録音は全て消した」

 

「なんでそんなことしたの」

 

「3つ、お前がさっき堀北に行ったことをそのままお返しする。なんで敵を作るようにする?考えなかったのか、もしかしたら今の自分を受け入れてくれるかもしれないと」

 

「ありえない、みんなが好きなのはいつもの私で今の私なんて誰も好きになるはずがない」

 

「なんでそう決めつける?今のお前をさらけ出した相手がいるのか?いないだろ」

 

「いない。でも、わかる。こんな私を好きになってくれる人はいないって」

 

「いるだろ。ここに」

 

「本気で言ってるの?何あんたMとかなの」

 

「まさか。俺はお前のことをまだ知らない。だから否定しない。否定するのはお前を知ってからでも遅くはないだろ?教えてくれよ、櫛田桔梗を」

 

「・・・・いいよ。録音消してくれたんだしそのくらい教えてあげる」

 

 そこから櫛田は話し始めた。幼少期から認められたくて、そのために頑張って努力した。幼少期はそれでいろいろな賞を取って褒められた。でも次第に学年が上がっていくにつれて自分の限界を知った。それでも抑えられない自己承認欲求。でもそれを満たすための手段はどんどん少なくなっていくばかり。

 

 だから誰よりも優しくして、誰でも分け隔てなく接した。クラスで人気者になるために。結果として人気者にはなった。でもそれは絶え間ない努力によって、自己承認欲求を満たすにはクラスで人気者になるしかなくそれには自分を削らなくてはいけなかった。

 

 自分を削ったことで次第に高まるストレス。そのストレスを解消するために選んだのがSNS。今までのストレスを吐き出すかのようにクラスメイトの悪口を書いた。だがそれが最後にクラスメイトに見つかってしまい今まで自分を慕ってくれていた人たちが軒並み手のひらを返して自分を責める。そして最後にまだ書いていなかったことをクラスでしゃべる。そして起きた学級崩壊。

 

 これが櫛田が話してくれたすべてだった。

 

 今度は逆に俺が櫛田に近づく。

 

「今までよく頑張ったな」

 

「知ったような口きかないでよ。何もわからないくせに」

 

「わかるさ。誰しも人に認められたいという欲求は持っている」

 

 そう言いながら徐々に歩み寄っていく。

 

「俺も人に認めてもらいたくて努力した」

 

人に認められたい対象は親、教師、友人など色々あるがそれは誰しもが持つ感情だ。

 

「でもお前のようにうまくなんかいってない。だからこそ分かるんだ。人から認められるための難しさを。それが仮初の自分だとしても周りから慕われているお前を俺は尊敬するよ」

 

 昔、と言っても前世だが前世なんてただの一般人。だからそれ相応に努力したが人に認められたのなんてたった数回だからこそその辛さは分かる。

 

「何も・・・・知らないくせに」

 

 櫛田の返しがだんだん弱くなっていく。

 

「確かに知らない。お前がどんな努力を今までしてきてどんな葛藤があったかなんて。でもこれだけは知っている。お前は認めて欲しかったんだろ。ほめて欲しかったんだろ。表の櫛田桔梗だけじゃなくて、裏を含めて本当の櫛田桔梗を」

 

「なら、谷風君は認めてくれるの?こんな・・・・どうしようもない私を」

 

「認めるさ、櫛田を櫛田の努力も。仮に誰もお前を認めなかったとしても俺だけはお前を認める」

 

 俺は櫛田を抱きしめながらそう言う。

 

「えぅ・・・・えぐっ、・・・・うわあああああああん!!」

 

 もう、すっかり日は沈みくらい屋上にはただ彼女の泣く声が響くのみ。

 

♢♢♢♢

 

「落ち着いたか?ハンカチ、貸してあげるから涙吹きな」

 

「ありがと」

 

「そろそろ、学校も締まるはずだからいったん学校を出よう」

 

 俺と櫛田は学校を出るために階段を降り始めた。

 

「ねぇ、さっき言ったことって本当?」

 

「何がだ?」

 

「私を認めてくれるって」

 

「もちろん。嘘なんてつかないさ」

 

「ねぇこの後時間ある?」

 

「あるかないかで言えばある」

 

「なら付き合ってよ。ストレスの発散に」

 

「ストレスの発散ってひたすらに愚痴を聞かされるのか?」

 

「そうだよ♪知られたんだからもう隠す必要もないし。だったら付き合ってもらおうかなって。今日みたいに他の人に見つかったら大変だし。だからいいよね?」

 

 最後の方は声がだんだん低くなりこれは俺に拒否権はないようだ。

 

「見つからないって場所はどうするんだ?」

 

「谷風君の部屋でいいでしょ?女子寮だと男子が入れる時間決まってるし」

 

 俺の部屋だと・・・・マジかよ。今、家に帰れば普通に3人ともいるだろうしそんな中櫛田を連れて行こうものなら修羅場確定だぞ。

 

 いや、最初に使ってた部屋はまだ鍵持ってるからそっちの部屋に行くか。

 

「はぁ、わかった」

 

「早く行こうよ!」

 

既に靴を履き替えた櫛田が手を振りながら言っている。

 

「はぁ、困ったな。ひとまずこれを部屋に隠したかったんだけどな」

 

 誰にも聞こえない声でそう呟く。

 

 手に持っているのは録音されたボイスレコーダー。

 

「まぁ間違って再生しなきゃいいか」

 

 だが、これから櫛田と同じ部屋にいるわけだし万が一というのも考えられる。一応、下駄箱に入れておくか。

 

「早く〜」

 

 櫛田が再度呼びかけてくる。そんなに愚痴りたいのかよ。

 

「今行くー」

 

 そう言いながら靴を履き替えて櫛田の元に向かう。

ヒロインについて

  • 増やしていくし、同棲もする
  • 増やすが、同棲はしない
  • 一部は同棲する
  • そもそも増やさない
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