ようこそ相棒と青春を送る教室に   作:Mr.不器用

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高評価お願いします!

あと、コメントも!

今回、結構文章の入れ替えや修正をしたので違和感がある部分があるかもしれませんがご了承ください。


堀北成長物語

「話すって言ってもどこで話す?」

 

「少し歩きながら話しましょ」

 

「分かった」

 

 二人でエレベータで1階まで降り外に出る。この時期の夜はそこまで冷え込むことなく、かと言って蒸し暑いわけでもないので丁度過ごしやすい時期と言える。

 

「谷風君、二人のことだから私が口をはさむことではないのだけど櫛田さんと付き合うのはやめておいた方がいいんじゃないかしら。彼女何かあるわよ」

 

 これは堀北なりに俺を心配してくれているのか。堀北は桔梗の過去を完全には知らない。ただ同じ中学だからという理由で退学にさせられそうになっているのだ。だからか堀北も桔梗を腹黒い人と認識しているのだろうか。

 

「そんなの知ってるよ。堀北さんなら別に言いふらしたりしないだろうから言うけど俺と桔梗はあくまで偽の恋人関係」

 

「そんな風には見えなかったのだけど。でもなんでそんなことを?」

 

「池たちがセクハラ発言してくるのが嫌で彼氏がいることにしたら減るんじゃないかってな」

 

「そう。そんなことで彼らが変わるようには思えないけど」

 

「それに関しては同感だ。話ってこれだけか?」

 

 流石に話がこれで終わりなのだとしたらわざわざ外にまで出る必要はないからな。

 

「そんなわけないでしょ。ここからが本題だけど、谷風君あなたはどこまで知っているの?正直、私から見てあなたは入学してから最善の行動をしているようにしか思えない。今回の過去問だってあなたが入手して櫛田さんに渡したんでしょ?」

 

 どうやら堀北の洞察力を見誤っていたみたいだ。堀北の言う通り、俺は知っている知識を使いいつも最善と思える行動しかしてこなかった。

 

「確かに桔梗に過去問を渡したのは俺だけど過去問なんて思いつくやつは他にもいるだろ。堀北さんも気づいていたんじゃないの?」

 

「私は思いつかなかったわ。私は彼らにどう教えるかに気を取られすぎて抜け道なんて思いつきもしなかった」

 

「あーなんかごめん」

 

「謝る必要なんてないわ。続けるけど過去問を抜きにしてもSシステムを初日で見破ったこと、そして一番引っかかるのは入試よ。百歩譲って定期テストの点数を調整するのはいいわ。ただ、入学試験で点数を調整するなんて正気じゃない。入学がかかってるんですもの」

 

 入試か、確かに内部事情を知らないやつが入学がかかっているテストで遊ぶかどうか。それにこの学校は日本でも名門の学校、わざと入試で落ちようとする生徒なんてまずいるはずがない。堀北の言い分はもっともだ。

 

「この学校の評価基準は特殊よ。学力だけを見ているなら須藤君は入学できなかった。あなたはこの学校の判断基準が学力だけじゃないと知っていたからあんな真似ができたんじゃないの?」

 

「仮に知っているとしてもそれを堀北さんに説明する義理はないね」

 

「はぐらかすということは知っていたととらえていいの?それより前に言ったわよね、今の私は社会に出たらただのお荷物だって」

 

「いきなりだな、でも確かに言ったが」

 

「あなたはこうも言ったわ、この意味が分かったなら1年間協力してもいいとね。あの後、私なりに考えてみた。それの行動を今回の中間テストで示してみたつもりだけど今の私はまだ社会のお荷物?」

 

「社会で必要なのはコミュニケーションだ。今回の中間テスト、Dクラスの評価をこれ以上、下げないってためとはいえ須藤たちを最後まで見捨てなかったのは成長したと思うし。本を読んでいただけとはいえ、今日の祝勝会に参加したのは成長したと思うよ」

 

「なら、この1年間はAクラスに上がるため手伝ってくれるってことでいいの?」

 

「まだ、周りとのコミュニケーションは不十分だけど、自分なりに改善してること今後に期待して約束通り1年間は協力してあげる」

 

「ならこれで教えてもらう義理はできたわ」

 

 なるほど、協力するといった以上情報をよこせということか。今にして思うとSシステムに関してはまだいいが入試に関してはやりすぎた。入試の言い訳を多少強引でも堀北に納得させるだけのものはいる。少し時間を稼ごう。

 

「じゃあまずはこれだよ」

 

 いずれ、俺がどこまで知っているのかについて聞かれることは予測していた。聞かれる相手は清隆、有栖、そして堀北。予想以上に早かったがこの事態を想定して用意しておいた。入試結果まで問い詰められるとは想定外だがな。

 

「これは、年間予定表?」

 

「はい、ここまで」

 

 俺は堀北に見せた年間予定表を取り上げた。

 

「これは俺が茶柱先生からポイントで買ったものタダでは見せない」

 

 年間予定表、こうなることを予測して買っておいた。普通の高校ならば入学と同時に配布されるものなのに50万も取られた。年間予定表も売ってるわけではなく値段は教師の裁量に任せられる。茶柱、いつか絶対に泣かす!

 

「この年間予定表があなたが今まで最善の行動をとれた理由?」

 

「ま、そういうこと。土壇場では今回の堀北さんみたいに目の前のことに囚われてアイディアが制限されるかもしれない。でもあらかじめ何が起こるかが予測できれば様々な視点から物事を把握することができる」

 

「なるほどね。ちなみに1年間に起こることをすべて把握していると考えていいの?」

 

「その認識で合ってる」

 

「これで過去問を思いついた理由にはなったけどSシステムや入試の説明にはならないわよ」

 

 やっぱそうなるよな。

 

「はぁまず、Sシステムは10万をもらえると聞いた時からすぐに疑問を持ったよ。甘い話にはだいたい裏があるだろ?入試に関しては賭けだったよ。この学校は些か特殊すぎる。3年間閉じ込められるとか。それを知るための賭け」

 

「どうかしてる。それでもし賭けに負けてたらどうするつもりだったの。この学校入学してからいろいろ分かったものの入学前は就職・進学率が100%の学校、何としてでも受かりたいと思うはずよ」

 

 本来はそうだ。だが俺はどんなことがあっても落ちることはなかった。裏口入学をしたわけではないが俺が入学することは決定事項だった。だからこそ遊ぶことができた。これを話すことはできないのが厄介なところだ。清隆や有栖は関係者だから話すことができたのだが。

 

「その時は潔く俺が読み違えたということで潔く諦めるさ」

 

「・・・・呆れて何も言えないわ」

 

 少し無理があるような気もするがひとまずはこれで良しとしよう。

 

「さて、堀北さんの質問に答えたんだ。俺の質問にも答えてくれないか?」

 

「いいわよ」

 

「協力するといった以上は協力するが、堀北さんがAクラスを目指す理由は何?何がそこまで突き動かしてるの?」

 

「兄に・・・・追いつきたいからよ」

 

「ふーん。それで、追いついた先に何を見るんだ?何のために追いかける?認めて欲しいのか?」

 

「それは・・・・」

 

「結局のところ、追いかけ追いつけたとしても何も変わらない。仮に追いついても今のままじゃ何も見えてこないと思うよ。ただ幻影に下がってるうちは」

 

「あなたに何がわかるの!私の気持ちも知らないくせに勝手なことをいうのはやめて」

 

 堀北は声を荒げた。痛いところを突かれたんだ冷静さを保つ方が難しい。

 

「堀北さんの兄弟関係なんて知らないしどんな葛藤があるのかのわからない。けど、このままいけば何も得られないことだけは分かる」

 

「この学校に入って1か月で私は不良品だと言われた。そうじゃないことを証明するためにAクラスを目指そうとするのは間違ってることなの?」

 

「別にそれが間違ってるとは言わないけど問題はその現状だ。今の現状、堀北さんしかAクラスを目指していない。俺も清隆も仕方なく付き合ってあげているだけだ。そんな現状でAクラスになることができたとしても落ちるのは目に見えてるし大前提、そんな孤独の状況じゃ何もできない。今回のテストを得て須藤たちも口だけは協力するといってもどこまでもつか」

 

 須藤たちも協力してくれるだろうがあいつらの性格上少しでも無理と自分の中で思ったら投げ出すことは目に見える。

 

「・・・・なら、私はどうしたらいいの」

 

 堀北がこういうまでにはかなりの空白時間があった。自分自身でも現状を理解したうえでどうしたらいいのかがわからないのだろう。

 

「変わるんだよ。もう一回自分と向き合って、堀北さんのなりたいもの、目指すものを改めて見つめなおしてみて誰かの背中を追いかけるんじゃなくて自分が本当に目指したいものを見つけるんだ」

 

「それだけで本当に変わるというの?」

 

「それだけではもちろん無理だ。これはただのきっかけに過ぎない。そもそも堀北さんが正解の道にたどり着けるのかどうかすら怪しいし。そして正解を仮に見つけられたとしても一番大事なのはそこからの行動だから」

 

「あなたから見て私がどう映っているかはわからないけど、私は私なりに最善を尽くしてきたつもり。正直言って今自分自身を見つめたところで何かが見えてくる気はしないわ」

 

「そうだね、時間が解決する道もあるけどそれだと遅い。まずは向き合ってみるべきだと思うよ。自分が目指してきた、お兄さんと」

 

「無理よ。ここまで来ても兄さんは私を拒絶し続けた」

 

「そんなの堀北さんが変わってないからでしょ。あの人結構シスコンだと思うんだけど」

 

「そう・・・・かしら」

 

 シスコン、自分の兄とはかけ離れている単語のようで信じられないようだ。

 

「まずは俺の言ったことをじっくり考えてみて、自分なりに答えを見つけて一度話してみたら?仮に答えを出さなくても変わろうとしてる姿を見せればヒントくらいはくれるんじゃない?」

 

「それで拒絶されたら」

 

「そんなに難しく考えなくていいさ。今、会えるたった一人の家族なんだ。気楽に食事でも行けばいいさ」

 

「食事に・・・・」

 

「妹から誘いを断る兄はいないさ。なんて言ってるけど俺に家族はいないからわからないけどね」

 

「え?」

 

「物心ついた時から孤児院みたいな所で育てられてたから。両親の顔も見たことがない。まして兄弟なんかもいない。だから兄弟にちょっと憧れあるんだよ。そんな俺からしたらせっかくの兄弟なのにすれ違ったまま過ごすなんてもったいない」

 

 堀北も一歩を踏み出すのが怖いんだろう。ここまで言った以上その一歩を踏み出すのを後押しするだけだ。

 

「すれ違いをなくすにはどちらかが一歩踏み出すしかないんだ!堀北鈴音、お前が変わる一歩をここから始めよう!」

 

「私にできる・・・・かしら。今まで兄の背中しか追いかけてこなかった私に」

 

「できる、なんて無責任なことを言うつもりはない。やってみて壁にぶつかったら相談してくれよ。俺でも清隆でも。人は孤独では生きていけない。なんでかわかるか?」

 

「分からないわ。孤独・・・・だったから」

 

「視野が狭くなるからだ。一人だと自分の視点でしか物事を見れない。でも他の人がいれば他の人の視野をそのまま見ることはできないがどのように見えてるかを聞くことができる。それを自分の視野に入れることでどんどん視野は広くなる。そうすることで選択肢は増えていく。これが俺からのヒントだ」

 

「・・・・自分なりに考えた後兄を食事に誘ってみる。もし、兄を誘うのに失敗「ストップ」なにかしら?」

 

「やる前から失敗することを考えてるなんて堀北さんらしくないんじゃないのか?」

 

「!そうね。まずはやってみるわ」

 

「それでいい。今日はもう遅いし帰ろう」

 

「そうね」

 

 歩いてきた道を戻りマンションに向かうがそれまで堀北は言葉を発さなかった。すでに自分と向き合っているのだろう。

 

 夜も遅いため先ほど下に降りるときにエレベーターを使ってから誰も使っていないようでボタンを押せばすぐにエレベーターの扉が開いた。

 

 俺の家は最上階なので堀北の方が先に降りることになる。

 

「ありがとう。谷風君。あなたのおかげで色々見えてきそうな気がするの」

 

「それはよかったよ。じゃあ堀北さん、おやすみ」

 

「ええ、おやすみなさい」

 

 そして一人残ったエレベーターの中で考える。これでよかったのかと。堀北は1年を通じて成長する。これだけで変わるかどうかは分からないが、負の方向に働かないことを祈るばかりだ。

ヒロインについて

  • 増やしていくし、同棲もする
  • 増やすが、同棲はしない
  • 一部は同棲する
  • そもそも増やさない
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