あの事件から数日がたった。
「谷風君、今日の放課後も写真・・・・撮ってもらえませんか?」
休み時間、話しかけて来てたのは佐倉だ。
「ごめん、今日は用事があって無理なんだ」
用事というのはなぜか生徒会長に呼び出された。別に今の時期は仕事があるわけでもないので、なぜ呼び出したのか少し気になるところではある。
「そうですか・・・・ごめんなさい。急に」
「気にするな。それより最近特に変わったことはないか?」
あの事件以降、他にもストーカーがいないか警戒はしている。俺の見ているところでは特に変わった様子はない。
「はい、特にないです」
佐倉の方も特にないようなので安心した。
「ならよかった。今日は無理だけどまた誘ってよ」
「は、はい。楽しみに・・・・してます」
そして放課後、生徒会室に向かっている。
生徒会室の前まで来たのでノックする。
「谷風です。来ました」
「入れ」
「会長どうしたんですか?いきなり呼び出して」
「すまんな。今日はお前にお礼を言いたくてな」
「お礼、ですか?」
「ああ、昨日鈴音から夕食に誘われてな食べに行ったんだ」
「なるほど」
「そしたらこの前会った時と随分印象が変わっていた、いや前に戻ったというべきか?ようやく俺という幻影から解放され自分の道を進んでいるように見えた。鈴音に何があったのか聞いてみたらお前が助言をしてくれたそうじゃないか」
「助言なんて言っても大したことじゃないですよ、あいつが自分で考え抜いた結果です」
「そうかもしれない。だが、きっかけを与えたのは間違いなくお前だ。だから、ありがとう」
「その感謝の言葉は受け取っておきます。もう1年切ってますが兄弟での時間大切にしてくださいね」
「ああ、週一回食事に行くことになっている」
「よかったです。兄弟は仲がいいのが一番ですから」
「そうだな。今日はこれを伝えたかっただけだ」
「じゃあ、俺はここら辺で失礼します」
「谷風」
「はい?」
「今は先輩、後輩の関係だったがこれからはお前と友になれたらいいなと俺は思う」
「いいですね。それにしても友達になるのに会長呼びだとなんか味気ないですね」
「む?そうか?いや、確かに言われてみればそうだな。お前はなんて呼びたい?」
んーシンプルに堀北さん、いやあいつと被るな。なら学さん、学先輩なんか違うような。学、まなぶ・・・・よし、
「そうですね、普通に下の名前で呼ぶのもあれなんで まっさん とかどうですか?」
「まっさん、初めて呼ばれるが悪くないな。俺はお前のことをなんて読んだらいい?お前みたく呼ぶとなると、はっさんになるのか」
「い、いや会長は「まっさんではないのか?」まっさんは普通でいいですよ」
はっさんなんて呼び方絶対に似合わない。それだけは分かる。だからこそそのままでいい。
「む、だが、「今まで通りでいいんで」わかった。谷風、これからもよろしく頼む」
「はい、こちらこそ」
握手を交わしてこの話は終わりとなった。
♢♢♢♢
翌日
「おは、清隆」
「ああ、おはよう。それにしても今月もポイントが振り込まれていないな。陽人の当ては外れたか?」
「んーまだわからんからHRまで様子見だな」
「おはよう諸君、今日はいつにもまして落ち着かない様子だな」
チャイムが鳴ると同時に茶柱先生が入室してきた。
「佐枝ちゃん先生!今月も俺ら0ポイントなんですか!?今朝見たら何も振り込まれていなかったんですけど」
「それで落ち着かなかったわけか」
「俺たちこの1か月頑張りましたよ!」
「そう結論を急ぐな、今から今月のポイントを発表する」
黒板に張り出された紙を見ると、Dクラスは87ポイントとなっていた。これはクラスポイント、プライベートポイントに換算するにはクラスポイントを100倍すればいい。つまり今月は8700ポイント貰うことができる。
「これは中間テストを乗り切ったご褒美として支給されたとみてもらっていい。それゆえ、他のクラスにも支給されている。我々以上のポイントが。がっかりしたか堀北?他のクラスとの差が付けられなくて」
「いえ、この圧倒的に不利な状況ではまずは情報を集めることです。今回の結果で得るものもありました」
「なんだよ」
池が立ち上がり堀北に聞く。
「堀北さんが言いたいのは僕たちがこれまでやってきた私語や遅刻分はマイナスにはなっていないってことじゃないかな?」
池の質問には察しがいい平田が答えた。
「平田君の言う通り、見えないマイナスとなっていたらおそらく0になっているはずよ」
「ならなんで、ポイントが支給されてないんだよ」
「少々事情があってな。1年生全体でのポイント支給が遅れている」
「学校側のミスなんですからなんかないんですか?」
「文句を言うな。学校側が決めたことだ。私にはどうしようもない」
HRが終わり1時間目が始まるまでの休み時間ではどこもポイントの話題で持ちきりだ。
「谷風君あなたはこの状況をどう見る?」
「そうだな、他の学年にはポイントが支給されてる現状を見るにシステム的なトラブルではない。おそらく生徒に何か問題があったんだろ」
「そう考えるのが妥当ね」
「ま、俺らにはどうしようもないししばらくは様子見だな」
♢♢♢♢
夜、スマホが鳴り電話に出てみる。
「どうした?清隆?」
『ポイントが支給されていない原因がわかった。須藤がCクラスともめているらしい』
「まずは話を聞こう」
『須藤がこの前Cクラスの連中3人に絡まれて殴ったんだ。だが須藤の話だと先に手を出してきたのは向こうであくまで正当防衛を主張している』
「それで?」
『須藤の話だと目撃者がいるかもしれないからその目撃者を探すことになった』
「なるほど。というかなんで清隆に相談に来たんだ?」
『こっちが聞きたい。なぜか俺の部屋の合鍵まで作っていた。須藤曰く、陽人も呼ぼうと思ったのだが電話に出なかったらしいからな』
「あ、本当だ。須藤から来てる」
『この時間は電話で出れないよね。彼女たちとイチャイチャしてるんだからさ』
「この声は桔梗か」
『そうだよ』
「清隆には俺たちが偽の恋人関係って教えたのか」
『ビックリしたよ。綾小路君、陽人君がハーレム作ってること知ってたんだもん。それなら私が陽人君と付き合ってないことも知ってるわけじゃん』
『いや、俺はてっきり3人から4人に増えたのかと思ってたぞ。お前のことだし櫛田をもう落としたのかと』
「お前は俺を何だと思ってる。そんな簡単にはいかないだろ。桔梗はいろいろ残念なところはあるが可愛い。そんな子を簡単に落とせるわけがない」
『残念って何!?それよりも、無自覚・・・・だったんだ』
『覚えとけ櫛田。陽人はこういうやつだ』
『覚えとくよ』
『この話は置いといて本題に戻るぞ。協力してもらえるか?』
「断る」
『え?なんで、須藤君は冤罪なんだよ!』
「冤罪って言ってもな手を出していることには違いないんだ。正当防衛は急迫不正の侵害に対し最小限度のものでなくてはいけない。今回相手は3人ということで正当防衛は成立はするだろう」
『ならどうして?』
「その後が問題だった。普通襲われたら教師に報告するものなのに須藤は報告しなかった。そこが問題だ」
『えっと、どういうこと?』
「今回の問題はどっちが先に手を出したかじゃないんだ。さっきも言ったが須藤はこれを先生には報告しなかった。つまり須藤にとってこの事態は珍しいものでなく日常茶飯事ってことだ。問題はここだ。仮に今回の事件を解決しても須藤が変わらない限りまた狙われる。だからすぐには解決せず須藤には反省の機会を与えるべきだと思う」
『なるほどね。確かにそうだね。陽人君は須藤君が自分も悪かったって認めたら助けてくれるの?』
「分からないな。人は一度痛い目を見ないと分からないからこのまま放置するかもしれない。退学するなら話は変わるが、一方的に暴力をふるった証拠もないし退学になることはないだろ。なるにしても停学くらいだ。別に須藤を助けるって言っても俺は止めないから」
『わかった。もしもの時はお願いね。綾小路君に代わるね』
『俺も同じ意見だが俺は俺なりに動いてみるつもりだ。いざというときのために』
「頼む。俺の方も上手くやっておくわ」
電話を切りベッドの上に寝転ぶ。
この事件の目撃者は佐倉だった。実際、佐倉が見ているかはわからないが仮に目撃者だった場合おそらく佐倉から相談され嫌でもこの事件に巻き込まれることになる。
「はぁ、今回もボチボチやるか―」
ヒロインについて
-
増やしていくし、同棲もする
-
増やすが、同棲はしない
-
一部は同棲する
-
そもそも増やさない