ようこそ相棒と青春を送る教室に   作:Mr.不器用

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投稿が遅くなり申し訳ありません。今あるストックを投稿しきりましたらまたしばらく投稿は止まると思いますが長い目で見ていただけると助かります。


歴代で一番ポイントをためたもの

 翌朝、昨日清隆から聞いた内容が茶柱先生から伝えられた。その話を受けて目撃者を探す流れになるも手を挙げるものは誰もいなかった。次に起こったのは須藤の素行の悪さだ。次々に須藤の日ごろの行動が暴露され今回の事件も須藤が引き起こしたものだとほとんどの生徒が疑わなかった。

 

 しかし、平田や桔梗などクラスの人気者たちが須藤を信じると発言したいことで須藤へのヘイトは一時的に止まり須藤が濡れ衣を着させられているのではないかと思う人が増えた。影響力のある人物が言ったことで考えを変えるまさに日本人らしい行動だ。

 

 だが、これはその場しのぎに過ぎない。事が進むにつれ目撃者が見つからなかった場合、須藤のヘイトはまた大きくなるだろう。

 

 お昼休み、桔梗から堀北勉強会御一行様にお昼のお誘いがあったが、がっさんから生徒会室に来るように言われたのでそれが終わり次第向かうと伝えておいた。

 

「がっさん、来ましたよ」

 

「来たか。時間も限られているので本題に早速入る」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「どうした、橘?」

 

「えっと、陽人君、がっさんって堀北君のことなんですか?」

 

「そうだけど、どうかした?」

 

「い、いえ、なんか新鮮というか堀北君をそんな風に呼ぶ人がいるんだなって。でもなんか陽人君だからってことで納得しました」

 

「別におかしなことはない。谷風は妹とも知り合いだからな。その時同じ堀北だとややこしいことになるからだ」

 

「た、確かに。そう言えば堀北君の妹さんと同じクラスでしたもんね」

 

「そういうことだから」

 

「話がそれたが本題に入ろう。1年CクラスからDクラスに訴えた件その審議を生徒会で行うことになった。ただ、Dクラスに所属している谷風は公平性の観点から生徒会として審議に参加することはできないことになっている。問題ないか?」

 

「大丈夫です。Dクラスの一員としてなら大丈夫なんですよね」

 

「ああ、そちらに関しては問題ない」

 

「なら、良かったです。まぁ最も参加する気はありませんが」

 

「意外だな。お前なら参加すると思っていたが」

 

「訴えられた生徒、須藤って言うんですが問題児でしてここら辺で一度お灸をすえといた方が今後のためかなと。それにこの事件どうあがいても完全勝利はないので」

 

「目撃者を探せばいいんじゃないですか?」

 

「茜の言う通り、目撃者を探せば完全敗北は避けられるけどそれだけなんだ。仮に目撃者を見つけても一部始終だけだろうしその場合、一方的に殴られたわけではないという部分だけが証明される。それだけだと結局どっちが先に手を出したかわからなくて正当防衛を主張するのが難しい。そうなると結論は喧嘩両成敗になるってこと」

 

「なるほど」

 

「お前だったらこの場合どうする?」

 

 がっさんにそう聞かれて自分の中でシミュレーションしてみる。清隆が行った方法は防犯カメラが付いていて生徒会が自分たちを試しているとはったりをかましたがそれには大きな穴がある。

 

 考えてみればあの場所が選ばれたのは防犯カメラが付いていないからだ。偶然その場所を選んだ可能性もあるがそれはないだろう。しばらくの間防犯カメラが点検に出されていたということもできるがもしも事件当日にぬかりなくチェックしていたらそれまでだ。

 

 目指すのはやはり訴えの取り下げだ。今回の騒動仕掛けたのはおそらく退学などの処遇の重さを知るため。目的がそれなら訴えを取り下げさせるためには、須藤が手を出している以上喧嘩両成敗は免れられない以上、DクラスよりもCクラスに課されるペナルティが重くなればそれでいい。

 

 それをなすための俺が切れる手札はこれだ。

 

「そうですね。実はここに来る前にCクラスを見てきたんですよ。被害を受けたと思われる生徒はすぐにわかりました。十分すぎるほどに痛々しい見た目をしていましたから。そしてしっかり処置も施してあった。あんな傷を負ったら誰でも保健室に行くと思うんですよ」

 

「常識的に考えればそうだな」

 

 がっさんと茜は実際にまだ被害者を見てはいないものの常識的に考えればそうだと頷いた。

 

「そこでこちらが切れるカードは保健室の入室記録、その時間です。彼らが須藤から実際に暴行を受けあれほどの傷を負ったのなら真っ先に保健室に向かうはずです。その時間がずれていれば彼らは須藤から受けた暴行であの傷を負っていないことになる」

 

「問題が2つある。1つ、事件の詳しい発生時間が分からない。2つ、仮に時間が分かったところで気が動転していた、教師や友人に事実を先に伝えてから保健室に行った、自分たちで治療した。などと言われればそこで終わりだ」

 

 それは既に想定済みだ。

 

「一つ目の質問ですが、すでに事件の証人は見つけてあります。その人は写真が好きでその日も写真を撮っていました。そして偶然にも事件現場をとらえていた。その発生時間から遅くとも20分後には保健室に入室しているはずです。そして2つ目については防犯カメラです。事件の発生現場には防犯カメラはないもののそれまでの道中にはいたるところにある。それに映らずに移動するのは不可能。事件が終わった後の時間のカメラの映像を見れば彼らがその時間帯にどのような状態かを見ることができる」

 

「待ってください。陽人君は3人そこで怪我をしていないと言っていますがそれなら彼らはどこでそんな怪我をしたんですか?」

 

「おそらく自作自演」

 

 がっさんは既に想定していたのかさほど驚いた様子はないが茜は見るからに動揺している。

 

「誰がそんなこと酷いことを・・・・」

 

「訴えた側、Cクラスの誰かだと思うよ」

 

「堀北君、大問題ですよ!クラスメイトを殴りつけているなんて」

 

「確かに大問題だ。だが、その証拠もない。まして殴られている生徒からの訴えもない以上こちらが動くことはできない」

 

「そうですか・・・・でもなんで暴行を受けている生徒とは訴えないんですか?」

 

「怖いんだと思うよ。それほどまでに暴力っていうのは恐ろしいから」

 

 人はみな暴力に弱い。抗えるだけの力を持っているのなら別だがそんなものを持っていないのが大半だ。一回植え付けられた暴力による痛み、恐怖は簡単に克服できるものではない。

 

「流石だな谷風、保健室の入室記録を使うというのはいい案だ」

 

「これで状況はこちら側に傾く。そうなると訴えた側の生徒の方が受ける処遇は重くなる。そうなると必然的に止る行動は一つ」

 

「訴えを取り下げる、か」

 

「そうですね。今回俺らが狙うとしたらそれだけですね。まぁ、一応別の案も考えておく必要もありますね。まだ思いついてないですが」

 

「なるほどな。それにしても、お前はDクラスの生徒が嘘をついていると疑わないんだな。お前が言うように素行が悪かったとしたら少しは疑うんじゃないか?」

 

「そもそも1対3で一方的に殴られたっておかしな話ですから。まぁ仮に須藤が嘘ついていたのなら然るべき罰を与えてもらうまでなので。そうだ、がっさんたちには申し訳ないんですがもう一件、審議の内容が追加されるかもしれないので」

 

「どういうことだ?」

 

「そんなの決まってるじゃないですか。相手が訴えを取り下げた。なら次はこっちが名誉棄損で訴えるからですよ。Cクラスの連中がそこまでポイントを持ってるとは思ってないですが、とりあえずあの今のところ被害者の3人とクラスポイントは奪えるだけ奪わないと。あ、もしくはそれをネタにCクラスを脅す手もありますね」

 

 さて、この前、教師陣から搾り取ったから次は生徒と行こうか!

 

「じゃあ俺は約束があるんで食堂に行きますね」

 

「あ、ああ、聞きたかったことは聞けたから大丈夫だ」

 

 生徒会室を出る時なぜかがっさんと茜の顔が引きつっていた。

♢♢♢♢

 

「あーあー、もし櫛田ちゃんが谷風じゃなくて俺の彼女だったら・・・・むふふ」

 

「おい、なに俺の櫛田ちゃんで勝手に妄想してるんだよっ!言えよ」

 

「どんなって、そりゃ裸で俺の隣にいる感じというか。抱き着いているというか」

 

 食堂について清隆たちを見つけ、向かった先がこれだ。今現在、桔梗さんは向こうで話しているから聞こえてない、まぁもとより聞こえてたらこんな話はしていないだろうが。だが、もしもこの話があいつの耳に入ろうものならそれだけで少なくとも1時間はまた愚痴に付き合わされることになる。

 

「ちょっと君たち、人の彼女で何をしているのかな」

 

『げぇ、谷風』

 

「桔梗で変な妄想するのはやめろ。それに山内、お前のじゃなくて俺の桔梗だから、な」

 

「けっ、お前にはわかんねぇだろうよ。入学早々可愛い彼女作ったお前にはな!」

 

「そうだそうだ、俺たちが妄想しようと自由だろ!」

 

「妄想するなと言いたいところだが、少なくとも場所は選べ。間違っても桔梗の耳に入れるなよ。いいな」

 

「わ、わかったよ」

 

 ちょっと殺気を込めて行ったら素直に聞いてくれた。

 

「はぁそれで須藤の件どうなったんだ?」

 

「特に何にも進展はないな」

 

「それなのにそんな妄想してたのか」

 

 なんかもうここまで来ると尊敬の念を抱きたくなる。

 

「なぁ谷風、どうやったらこんな短期間で櫛田ちゃんみたいな可愛い彼女が作れるんだよ。教えてくれよ」

 

「教えろって言われてもな」

 

 ほとんどが中学のつながりだし、桔梗との関係は原作知識。なにも教えられるものがない。かといって教えなかったらまた文句言われるだろうし。こういう時は秘儀、対象入れ替えだ。

 

「そうだな、俺の場合偶然が重なったからあまり参考にはできないからな」

 

「なんだよ。またそうやってはぐらかす気かよ!」

 

「まぁ落ち着け池。ここは現在進行形でラブロマンスを繰り広げている清隆に聞いた方がいいんじゃないか?」

 

「え?」

 

 素っ頓狂な声を上げる清隆、まさかこいつからこんな声が聴けるとは。

 

「ちょっと待て誰が誰とラブロマンスを繰り広げているか教えてくれよ。陽人」

 

「いや、そんなの堀北さんだろ。堀北さんお前に対してはなんか他の人と接する時と違う感じがするんだよ」

 

「いや、確かに池たちよりは仲がいいと思うがそれは陽人も同じことだろ。それにこの前の写真のやり取り間違いなく俺よりお前の方が好感度高いだろ、現状は」

 

「谷風お前、堀北狙ってるのかよ!」

 

 須藤が机をたたきながら勢いよく立ち上がった。声量もかなり大きく近くにいた人たちから注目を集めてしまった。それに桔梗さんが意味深な笑顔でこちらを向いていることから何か言われそうだ。いや、別に本当に付き合っているわけではないのだから俺が堀北を仮に狙っていたとしても自由だろ。別にそんなことは考えてないが。

 

「いや、なんでそうなる。それに声が大きいぞ。周りから注目されてる」

 

「それで谷風、堀北とはどうなんだよ!」

 

「だからなんもないから安心しろ」

 

「それでどうやったら彼女ができるのか教えてくれよ」

 

 秘儀、対象入れ替えをしたつもりだったのにいつの間にか俺の方に戻ってきてしまった。

 

「それが人に聞くやつの態度かよ」

 

「陽人、なんかアドバイスしてやったらどうだ?こいつらお前がうなずくまでこうだぞ。それにお前ならこいつらにぴったりのアドバイスできるだろ。なんならハーレムを作り上げる方法も教えられそうだ」

 

 清隆にそう言われて背筋が凍りつくのを感じる。

 

「何言ってんだ。綾小路、櫛田ちゃんみたいな彼女がいるのにそれに加えて他の子とも付き合ってるわけないだろ」

 

「そうだぜ、もしかして綾小路って俺らよりもアホなのか?」

 

 よかった。全く真に受けてないようだ。

 

「よーしせっかくだしアドバイスしてやるかーまず一つ女の子と接する時は下心を出すな。女の子は警戒心が強いからな」

 

「そんなこと言われてもな」

 

「そんなの無理だろ」

 

「いや、別に心の内で思う分にはいいがお前らの場合、顔にそして行動に出るからどうにかしろって言ってんだよ。まぁそれができれば少しはマシになるだろうよ」

 

 それを聞いた池たちは俺の言葉を完全に信用しているわけじゃないが櫛田ちゃんを落したやつの意見なので一応は実践してみようとの気概は感じる。

 

 須藤も堀北を狙っているからか真剣に聞いていたがこいつの場合は下心よりも威圧感の方だな。堀北には威圧は効かないものの他の子なら怖がって逃げる。

 

 その後もすっかり須藤の事件のことは忘れ皆で恋バナ?をしていた。

 

♢♢♢♢

 

 翌日の朝、一部のクラスメイトは昨日得た情報の交換をしているがどれもこれといった情報は手に入れられてなかった。それは清隆たちのグループにも当てはまる。

 

 昨日の放課後、清隆から目撃者探しに誘われたが佐倉と予定があると言って逃げてきた。どうせ見つからない目撃者を探したところで時間の無駄だ。それなら佐倉と写真を撮っている方が有意義だ。

 

 その時にこの事件について佐倉が目撃したことを教えてくれた。ひとまず、佐倉にそのことはしばらく秘密にしておいてくれと言っておいた。

 

 情報交換が何の成果もなく終わったとなると次はクラスポイントの話になった。Aクラスだったら今後をは有意義な生活を贈れたらいいのにと数人の生徒が言っている。

 

 無いものをねだったところでどうしようもないというのに。

 

「一瞬でAクラスに慣れる裏技があったら最高なのになー」

 

 Aクラスとの差は1000ポイント。この前の中間テストでも分かる通り上がり幅は少ない、それに加えてこちらがポイントを獲得するということは開いてクラスもポイントを獲得するということ鼬ごっこでAクラスに追いつくことはない。

 

「喜べ池、一瞬でAクラスに行ける方法は存在する」

 

 授業開始5分前ではあるが教室に入ってきた茶柱先生がそう言った。

 

「先生・・・・今なんて」

 

 予想外の返答だったのか池が信じられないものを聞いたような表情を浮かべている。

 

「クラスポイントがなくてもAクラスに上がる方法がある」

 

「またまた~俺らをからかわないでくださいよ」

 

「本当の話だ。この学校にはそう言った特殊な方法も用意されている」

 

 この場では一部を除いたほとんどが冗談かと思っているが茶柱先生がふざけている様子はないため混乱している。

 

「狂言・・・・ではなさそうね」

 

 堀北でもこのことは驚きらしい。

 

「せんせーその特殊な方法って何でございましょう」

 

 池が機嫌を損ねないように慎重に尋ねる。

 

「言ったはずだこの学校でポイントで買えないものはないと。つまり個人のポイントを使って強引にクラス替えができるのだ」

 

「ま、マジですか!?何ポイント貯めたらそんなことができるんですか!?」

 

「2000万だ。そうすれば好きなクラスに移動できるぞ」

 

 2000万、他の生徒にとっては不可能なことでブーイングの嵐が起こる。

 

「無条件でAクラスに上がれるのだからそのくらい高くて当然だ」

 

「過去に成功した生徒はいるんですか?」

 

 途方もない数字ではあるが成功談が一つでもあればやる気は上がるというものだ。

 

「残念ながら『過去』にはいない。理由は火を見るより明らかだろう。入学時からポイントを維持消費しなかったとしても最大で400万前後、普通にやっていては届かない」

 

 なぜか過去の部分を強調しながらそう話した。

 

「私からもし一つ質問させてもらってもよろしいでしょうか」

 

 挙手したのは堀北。今では1人でAクラスに上がることはないだろうが一つの手段として聞いておきたいのだろう。

 

「学校が始まって以来、過去最高どれだけのポイントをためた生徒がいるんですか?参考事例があるようならお聞かせください」

 

 この質問を待っていたばかりに茶柱先生はにやけた。

 

「いい質問だ。これまでは1200万ほどポイントをためた生徒がいたな。Bクラスの生徒だったがそれほどまでにポイントを手に入れたのは大規模な詐欺行為を行ったからだというのがのちに判明しその生徒は退学になった」

 

「犯罪みたいなマネをしても1200万が限界ということだよな」

 

「諦めてクラスの総合ポイントでAクラスを目指すしかないようね」

 

「堀北、気づかなかったか?私は今これまでと言ったんだ」

 

「!?」

 

 再び驚きの表情が堀北に戻りクラスメイトもざわついている。

 

「これまで、ということはその記録を今年更新した、ということですか」

 

「そう言うことだ」

 

「その生徒はどのくらいポイントをためたんですか」

 

「そう焦らずとも話すさ。詳しくは把握していないがその生徒は3000万ポイント以上所有している」

 

 3000万その数を聞いた瞬間、クラス全体に衝撃が走る。あの高円寺ですら驚愕の表情を浮かべた。そして俺の方を見て来て納得したようだ。

 

「せんせーその生徒はAクラスに上がったんですか?」

 

「いや、まだ上がっていない。その理由は私にもわからないが1年生ということもあり3年の終盤に移るつもりなのだろう」

 

 1年、あまりに自然と言われた言葉なので違和感を感じなかったが徐々にその違和感が出始める。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれよせんせー今、1年って言ったんですか」

 

「そうだ。3000万ポイントをためたのは今年入学した新入生だ。つまるところその生徒は入学してわずか3か月で3000万ためたことになるな。卒業までにいったいいくら貯めるのか気になることろだ」

 

 こっちを見ながらにやけるのはやめて欲しい。

 

「先生質問よろしいでしょうか?」

 

「なんだ平田」

 

「先ほど1200万ポイントためた生徒は詐欺を行ったとおっしゃっていましたが、その3000万ためた生徒はどうやってそこまで貯めたのでしょうか」

 

「そうだな、その生徒はあろうことか教師を脅迫したのだ。それも2度にもわたって。まったく信じられない話だ」

 

 なぁ谷風、と最後言いたいところを言わないでこっちを見ている。清隆はやはりお前かという表情を浮かべ、堀北は最初の方のやり取りを思い出したからなのか信じられないものを見るように見てきた。

 

「その生徒は退学にならないのでしょうか」

 

「残念なことに退学にはなっておらず、今もこうして堂々と授業を受けているはずだ」

 

「退学にならない理由をお聞きしても」

 

「そいつがずるがしこい奴とでも言っておこうか」

 

「いや、先生その生徒は交渉が上手いのではないでしょうか」

 

 このままだと一方的に言われそうなのでここで反論する。クラスメイトには違和感を感じられるがその程度だ。少しは気づくやつがいると思うが。

 

「そう言うことにしておこう。それでは授業を始める」

 

♢♢♢♢

 

 放課後、須藤の事件の目撃者探しと同様に3000万ポイントをためた奴の捜索も始まった。なんでも見つけ出して方法を聞き出すとか。

 

「谷風君少しいいかしら」

 

 珍しく堀北が話しかけてきた。須藤の事件についてだろうか。

 

「ああ」

 

「場所を変えましょ、あまり人には聞かれたくないから私の部屋に来てちょうだい」

 

「了解」

 

 それだけ言って堀北は先に帰った。聞かれたくない話それを聞いただけで男子は興奮するが相手は堀北だ。その可能性は瞬時に捨てた。おそらく須藤の事件で進展があったがまだ不特定の人間に話せないといったところか。

 

「あ、そういえば堀北の部屋ってどこだ」

 

 その後メッセージで部屋番号を聞き堀北の部屋に向かった。

 

「おじゃましまーす」

 

「上がっていいわよ。クッションを置いてあるからそこに座ってて。コーヒーか紅茶どちらがいいかしら」

 

「ココアで」

 

「え?」

 

「ココアで」

 

「聞こえているわよ。なんでコーヒーか紅茶かの選択肢でココアが出てくるのよ」

 

「いや、だってコーヒーは苦いし紅茶も癖があるし、ココアが一番うまいから」

 

「残念だけどココアはないから水でいいかしら」

 

「じゃあ水で」

 

 俺は水(水道水)堀北は紅茶を用意してから話に入る。

 

「それで話は?」

 

「そうね。まずはありがとう」

 

「え?」

 

 いきなり感謝の言葉を伝えられるとは思わず変な声が出てしまった。

 

「なんでいきなり感謝を」

 

「この前、兄と食事に行ったの。最初は会話もぎこちなかったけど徐々に話せるようになっていった。いえ、前に戻ったといったほうが正しいかしら。たった一回の食事だったけれど私は前に進むことができた気がするの。だからそのきっかけをくれたあなたに感謝したくて」

 

「なるほどな。それならよかった」

 

「兄との話の中であなたの名前が出てきた時は驚いた。まさか生徒会に入っていたなんてね」

 

「確かに清隆以外に言ってなかったな」

 

「そこで考えたのだけど兄と私、同じ堀北でややこしいでしょ」

 

「いや、別「ややこしいわよね」はい。ややこしくて困ってました」

 

「だからこれから私のことは鈴音でいいわ。私も陽人って呼ぶから」

 

「わかった。鈴音」

 

「これからもよろしく頼むわ。陽人」

 

 なんか成り行きで堀北とも下の名前で呼び合う仲になってしまった。別に親しい友達として全く問題はないのだが、少しめんどくさいことが起こりそうなのだ。

 

「それと、須藤君の事件についてなのだけど。クラスメイトの佐倉さんが目撃者ね」

 

「ああ、知ってるよ。佐倉から聞いている。ただ、佐倉の性格を考慮してまだ黙っていた」

 

「なるほど。それでどうするの?このまま黙っているつもり?」

 

「いや、他に目撃者がいないとなれば佐倉に出てもらうしかなくなるからな。その時は上手く説得する」

 

「お願いするわ。私から話しておきたかったことは以上よ。あなたからは何かある?」

 

「現段階ではないな」

 

「そう、もう遅いし今日は夕飯を食べて行かない?」

 

 鈴音の手料理、食べたい食べたいのだがすでに家にはご飯が用意された状態なのだ。

 

「大変心苦しいのだが、今日はちょっと予定があって無理なんだ」

 

「そう」

 

 鈴音は端的にそう返答したが少し残念がっているように感じた。

 

「俺も鈴音の料理を食べてみたいしよかったら明日お弁当を作ってきてくれないか?」

 

「いいわ」

 

「楽しみにしてる。ただ、渡すときは人目につかないように。机に置いておくだけでいいから。そこだけはマジで頼む」

 

「そこまで言うなら分かったわ。明日の朝机に掛けておくわ」

 

「助かる。じゃあ俺はこれで」

 

「ええ、何か相談したいことがあれば来て頂戴。今度はココア用意しておくから」

 

「それは楽しみだな」




 現在、堀北高感度 75

 いろいろヒロイン候補を書いてくださってありがとうございます。ただ、様々な意見があるもので谷風、綾小路、どちらのヒロインになるか対立しているキャラがいるのでアンケートを取ります。ここしばらくアンケートが毎回あると思いますが答えてくださるとありがたいです。

 まずは軽井沢から

軽井沢どっちのヒロインにするか

  • 綾小路
  • 谷風
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