ようこそ相棒と青春を送る教室に   作:Mr.不器用

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協力者の作り方

 翌日、約束通り堀北がお弁当を作ってきてくれた。感想は非常に美味しかった。美人が作ったそれだけでもはや美味しいまである。

 

 放課後それぞれがまた目撃者探しに勤しんでいる。佐倉には昨日電話で目撃者として名乗り出てもらうかもしれないと伝えておいた。そしたらまだ怖さはあるが名乗り出てみる。そう言ってくれた。

 

 目撃者探しに参加しない俺はまっすぐ家に帰る。ここ最近どうも暑くてしょうがない。文明の利器を手入れてしまった現代人の俺は早いとこ家に帰って冷房にあたりたい。

 

 目撃者がいて、なおかつ協力的だと話せば全員がこんな暑い中探さなくていいがそれをしたら佐倉に過度な期待が当てられる。それは避けたいがために今はまだ黙っている。

 

 午後6時ごろ、帆波が家に帰ってきた。ちなみに有栖はお風呂、茜は生徒会の仕事でまだ帰ってきてない。

 

「あ、陽人君帰ってきてたんだ。今日ね、Dクラスの綾小路君と堀北さんに会ってこれから協力することにしたんだ。陽人君は今回の事件なにか進展はあった?」

 

「進展も何も目撃者は見つかってるし、解決する方法も既に考えてある」

 

「え!?目撃者見つかったの!」

 

「ああ。皆にはまだ言ってないが帆波だから教えるが佐倉だ」

 

「え、佐倉ってあの子?」

 

「そ、この前の事件に巻き込まれた子。その子の性格も考慮してまだ言えなかったんだ。ごめんな、こんな暑い中探させちゃって」

 

「全然いいよ。佐倉さんなら彼女の性格を考えたらそれがいいと思うし。みんなには悪いけどしばらくの間黙ってようかな」

 

「そうしてくれると助かる。ただ審理も近くなってるし明日当たりに話すつもりだ」

 

「わかった。こっちも他にいないか探してみるね」

 

「ありがとう。ここまで協力してくれたんだから終わったら俺にできることなら何でもするから言ってくれ」

 

「なんでも」

 

「あ、ああ、なんでも」

 

 帆波は常識人だからなんでもをつけたが、なんか恐ろしいことになりそうだ。

♢♢♢♢

 

 翌日、俺は桔梗、清隆、鈴音を呼び出した。

 

「陽人君それで話って?」

 

「ああ、鈴音には話したが今回の目撃者は既に見つかっている」

 

『え?』

 

「黙ってて悪かった。その目撃者というのがクラスメイトの佐倉なんだ。佐倉の性格を考えたら言えなくてな」

 

「いや、そうじゃなくて目撃者が見つかってるのにも驚いたけどその前堀北さんのことなんて呼んだのかな?」

 

 あ、やべ。目が笑ってないや。

 

「どういうことだ。陽人、堀北とは何もないって言ってただろ」

 

「私たちがどう呼び合っていようとあなたたちには関係ないでしょ」

 

「一応私の彼氏なんだけどなぁ。堀北さん」

 

「そうやって恋人の行動を制限するようじゃその関係はすぐに終わりそうね」

 

 あ、やばい。桔梗さんが爆発しそうだ。これから大事な時だって言うのにそれは困る!

 

「桔梗、夜また家で話そうぜ」

 

 ここで爆発されるくらいなら俺の数時間を犠牲にした方がまだましだ。

 

「うん!そうするね」

 

「さて、本題に戻すが、今日のホームルームが終わり次第それを伝えに行くがいいか?」

 

「分かったわ」

 

「うん、わかった!」

 

「それは俺らも行ったほうがいいか?」

 

「そうだな。一応佐倉と面識のある清隆だけ来てくれ」

 

「了解した」

 

 そしてホームルームの後、佐倉と清隆を連れ、職員室に向かう茶柱先生を止めた。

 

「目撃者、須藤の件か」

 

「はい、実は佐倉さんが須藤たちの喧嘩を見ていて」

 

「谷風の話によれば須藤たちの喧嘩を目撃したそうだが本当か」

 

 それを聞かれた佐倉は俺の後ろから出てきて応えた。

 

「・・・・はい、見ました」

 

「なるほど、お前たちも話は理解した。だがそれを素直に聞き入れることはできない。佐倉どうして今になって証言した。なぜ私がホームルームで報告した際に名乗り出なかった」

 

「いやいや、先生それは難しいですよ。あんな状況しかも事件の当事者が須藤となればなかなか手を上げにくいと思うのですが」

 

「それを抜きにしてもその日の放課後に名乗り出ることはできたはずだ。どうしてそれを今となって」

 

「えっと・・・・クラスの、が、困ってるから・・・・私が証言して、助かる・・・・なら」

 

 茶柱先生のプレッシャーでうまく話せていないものの思いは伝えることができた。

 

「なるほど。お前なりに勇気を振り絞ったわけか」

 

「はい・・・・」

 

「あ、補足しておきますと佐倉は証言に加えて証拠を持っています。その証拠はデジカメで撮影した写真それがあるのででっち上げた嘘ではないのでご安心を」

 

「それならばこちらはそのように伝えておく。その場合審議当日に参加してもらい証言してもらうことになるだろう。人と関わるのが嫌なお前にそれができるのか」

 

「待ってください、実際の裁判ではリモートでも証言することはできますよ。国から支援を受けているこの学校が法律を破るとでも?」

 

「だ、大丈夫です。しっかり、証言します」

 

 さっきまでとは打って変わり、その発言には力強さを感じた。

 

「佐倉がそう言うならこちらが口を出すことはありません。それと審議には俺たちも参加してもいいですか?」

 

「須藤の承諾があれば許可する。ただし、最大二人までだ」

 

「分かりました」

 

 茶柱先生と話し終わり教室に戻る。

 

「というわけで明日の審議には誰が参加する?」

 

「私と陽人が出るのがベストだと思うわ」

 

「今回、俺はパスだ。まともに証人探ししてない俺がやったらいいとこ世横取りしたみたいになるからな」

 

「え、でも陽人君が佐倉さんを見つけてくれたわけだし。それに陽人君がいたほうが佐倉さんも安心するんじゃないの?」

 

「それだとしても今回ばかりは参加するつもりはない」

 

「そうなると私と綾小路君ね。佐倉さんもこれでいいかしら?」

 

「わ。わかりました」

 

♢♢♢♢

 

 審議当日、俺は保健室に向かった。なぜ今ここに向かっているのかと言えば利用記録を見るためだ。今現在、誰もが審議の結果に注目しているからこそ裏でこそこそ動けるといったものだ。

 

 保健室の扉をノックしてから入室する。

 

「失礼します」

 

「あれ、君はDクラスの谷風君じゃん。どうしたの?もしかして私に会いに来てくれた?」

 

 そう茶化すのはBクラス担任星之宮知恵だ。

 

「そうですよ」

 

「そう言ってくれると嬉しいわね〜それでどうしたの?特に怪我をしてるように見えないし」

 

「保健室の入室記録を見せてもらいたくて」

 

 駆け引きをする必要もないので単刀直入に話す。

 

「ん~流石に個人情報だし難しいかな~」

 

「無理、とは言わないんですね。取引しましょ」

 

「取引?てっきりサエちゃんにしたみたいに脅迫されるのかと思ったわ〜」

 

「そちらがお望みなら」

 

 とは言っても脅迫できる情報もないのでできないのだけど。何となく雰囲気でできるという気迫は見せておく。

 

「冗談よ。冗談だってば」

 

「それで取引の内容ですが、俺ができる範囲のことで星乃宮先生の言うことを1つ聞きますよ」

 

「いいわよ〜うーん。そうねぇじゃあ谷風君には私と1日デートしてもらおうかな」

 

「まさか生徒を狙うつもりですか?教師とあろうものが」

 

「生徒はさすがに狙わないわよ〜でも今こうして対等な立場で交渉している以上教師と生徒なんて関係ないわ〜」

 

「なるほど。分かりました。デートすればいいんですね」

 

「ただデートするわけじゃなくて私を満足させられたら記録を見せてあげる」

 

「満足ですか。確認ですが本当にいいんですか?」

 

「なにが~?」

 

「そんな条件を付けてですよ」

 

「ん~さすがに難しかった?」

 

「違いますよ。その場合、星之宮先生が俺以外では満足できなくなるってことですよ」

 

「言うわね」

 

 数多くの男を落としてきた星之宮先生を落とすのは至難の業だがそれくらい言っておかなければこちらが主導権を握らない。

 

「なめないでください」

 

「そこまで言うなら楽しみにしておくわ」

 

「今週の土曜日でどうですか?」

 

「いいわよ~」

 

「じゃあ、ショッピングモールで待ち合わせで」

 

♢♢♢♢

 

 予想外の展開だがこれで保健室の入室記録は手に入れたようなものだ。加えて今回の件が成功すれば教師陣に味方が一人出来るようなものだ。どちらかといえばこれが本当の狙いでもある。

 

 この学校においては生徒会にしかり教師にしかり一般的な公立高校よりも明らかにできることが多い。そんな教師の1人を味方につけられればポイントを横流しするのはさすがにできないだろうが、これから起きる出来事などを教えてくれるのは可能だろう。

 

「お、それで結果はどうなった?」

 

 廊下を歩いていたらたまたま鈴音たちと鉢合わせたので、結果を聞いてみる。

 

「どちらの主張も平行線で明日もう一度行われることになったわ。このままだとじり貧だから明日はあなたも参加してくれないかしら?」

 

「その必要はないよ。明日にはすべて解決するから」

 

 と清隆を見ながら言う。言葉にはしないものの清隆の表情は任せろと告げている。

 

 そして翌日、Cクラスはシナリオ通り訴えを取り下げこの騒動は幕を下ろした。

 

 土曜日、決戦の日。日中は星之宮先生とショッピングモールを回りながら買い物をした。流石といったところか男と出かけるのは慣れているようで立ち振る舞いは大人の女性だった。俺が年下だからそもそも元から、からかっているだけかもしれないが余裕が違った。

 

 このままだと、おそらく保健室の入室記録自体は見せてくれそうであった。しかし真の狙いは教師味方を一人作ることは無理だ。そこで俺は賭けに出た。

 

 夜ご飯を食べ終わった後、最後にもう一か所ということでカラオケに行った。その際にせっかくなのでお酒類を持ち込んだ方が盛り上がるのではないかと提案した。むろん俺は飲まないことを前提に。結果としてコンビニでお酒を2缶ほど缶購入してからカラオケに行った。星之宮先生はお酒がかなり好きなようでカラオケに着くなり飲み始めた。度数が強かったのか酔っぱらうまで行かないとも出来上がり始めた。完全に酔っぱらったら作戦が元も子もないのである程度でやめさせた。

 

 それからは簡単だ。暗いカラオケ室で接近していい雰囲気になってきたらキス、しばらくしたらカラオケから出て、さすがに学生寮に行くわけにもいかないので、先生の家に直行そのままGOという感じだ。

 

 こんなのただのチャラい奴の行動かに思えるがしっかりと計算しての行動だ。人間の3大欲求は食欲、睡眠欲、そして性欲だ。これらに人はあらがうことはできない。今回俺が考えた作戦はいたってシンプル。星之宮先生を性欲で満足させること。あの男慣れしてそうな人を落すのは難しいと考えていたがそこはムスコの力を信じた。前世よりも今の方が明らかに立派だったムスコに可能性を見出した。

 

 結果としては大成功。星之宮先生から俺が望むことをできる範囲で叶えるからそのかわりに呼び出した時にはシテほしいと頼まれた。

 

 前世でやったエロゲにイチモツで学校を治めた主人公がいた。その時は馬鹿げていると思っていたが案外可能なのかもしれないと今にして思った。ちなみにこれはある作品の2作品目で並行世界の主人公のことだ。

 

 ただ、こんなことをするのは今回限りだ。こんなことは二度としたくない。やってる時、彼女たちへの申し訳なさがすごい。浮気してるやつとかは罪悪感を抱かないのか気になる所だ。

 

 罪悪感がわくのは知っていたが、そこまでしても教師の味方が欲しかった。これから先俺が知らない展開が待ち受けることなんてざらにある。そもそも3年生編は俺が死んだ時にはまだなく、見れていない。もし、しくじって退学になれば今まで築き上げたものは一瞬で無くなり永遠と自由は訪れない。せっかく転生したのにそんな人生はまっぴらだ。

 

 だからこそ情報がいる。情報があれば多少の策は事前に建てられる。知っているか知らないかそれがこの学校で生きられるかを左右する。

 

「さて、無事に保健室の入室記録を手に入れ確認してみたけど、やっぱ保健室を訪れた日付が事件が起きた翌日になってるな」

 

 これがあれば訴えを起こした3人そしてCクラスをゆすれる。

 

「ただ、それをしたところで全くポイントは得られないんだよな」

 

 あの3人からポイントをすべて奪ったところでポイント数はたかが知れてる。かといってCクラス全体を巻き込むのはひよりもいることだし気が引ける。ひよりのみに補填することも考えた。

 

 だが、それで訴えを起こしたとしよう。こちらが請求できるのは3人のプライベートポイント、Cクラスのクラスポイント。

 

 3人の手持ちポイントは合わせて大体20万もあれば御の字。問題行動を起こす連中だ。5万に届かない可能性すらある。それに3人から奪ったところでそのポイントの行く先は被害者の須藤。諸々のことをやった手数料として半分もらったとして10万。労力に報酬が釣り合わない。

 

 それに俺はAクラスを目指しているわけでもない。クラスポイントを奪ったところで月のお小遣いが増えるだけ。しかも奪えると言っても多くて100が限界だ。こちらも労力に報酬が合わない。

 

 普通の生徒ならこれでも多く感じるのだろうがそれよりも大きな金額を取引した身からすればどうしても少なく感じてしまう。

 

「今回の案は没だな。よし、この事件も終わったし次のイベントに向けて準備するか」

 

 こうして今回の暴力事件の騒動は幕を閉じた。




 今回は長谷部です

長谷部どっちのヒロインにするか

  • 綾小路
  • 谷風
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