続けよう。
涙を流しながらC4-621は食事を終える。何度も口周りのソースをナプキンで拭き。水を飲み息を整える。
「あの、621さんは…狩人さんとは…」
「狩人さん?うーん、良い先輩だよ?文字の読み書きとか、教えてくれたんだ。他にも体の動かし方とか…ACとは勝手がさ、違うから…あまり慣れないけどね、リハビリだって」
「えーしー…?よく分からないですけど…親しいんですね」
少し湿り気を含ませた視線をベルは621に向ける。
憧れの人と仲の良い人がいるとどうしても言い表せない感情が混み上がる気がする。
「僕だけじゃないよ。皆、仲良しだからね。生まれた所が一緒で、戦いしか知らないから…せめて皆とは仲良くしたいんだ」
「皆って言うと…隻狼さんとか褪せ人さんとかですか?」
「うん…他にも沢山いるよ?例えば大統領先輩とか、妖精の先輩とか、パワーズさんとか…」
「?????」
しかしそんな嫉妬の感情は畏怖により鎮火される。
もしかしたらこの621は狩人と同等の強さを秘めているのではないかと、そんな疑念と、さっきまでの感情を抱いていた自分に嫌悪感を持つ。
「やっぱり、嬉しいんだよ。肩を並べて、一緒に、戦える人がいるってさ」
「621さんも戦うんですね…」
疑念は的中した。自分と同じ位細い体に同じように色素の薄い肌や濁った赤い瞳。嫌でも自分と重ねてしまう。隣で水を飲んでよく分からない表情を浮かべている彼は自分より何段階も強いのだと。
「強いよ。負けた事はあっても、敗北は、しないから」
「どうやって…強くなったんですか!!?」
知りたかった。その強さの秘訣を。そして見返したくなったのだ、数m離れた場所で同パーティのメンバーに吊るされている彼を。
「簡単だよ…………………………」
「!!!」
その言葉を聞き僕は走り出した。がむしゃらに、ダンジョンに向かって。その返答を胸に抱いて。
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「…アンタ、何処から来たんだい?」
いつの間にかいたのかカウンターに立つミアに話し掛けられる。一瞬目線を天井に見やった621はゆっくりと口を開く。
「ルビコン3…って所」
「聞いた事ないね…どこにあるんだい?」
「さぁ…?気付いたら、ここに居たから…」
天井を見上げる621にミアは顔を顰めてテーブル席に座る1人の神に目線を移す。しかし彼女は糸目を少し開くも首を横に振る。
「じゃあアンタは根無し草なのかい?」
「ううん」
「ファミリアに入ってるのかい?」
「うーん…」
「…冒険者なのかい?」
「…」
遂には首を横に振るだけ…眠そうに目を擦る621。ミアは呆れため息をつきながらじゃあなんなんだい?と問う。
「……」
返答は無く、銭の入った袋を置き席を立つ。ヨロヨロと歩きドアに差し掛かった時。チラ、とミアだけではなく店内にいる全員を見ながら言う。
「レイヴン…」
そしてその姿は闇夜に紛れて行くのであった。
静まり返った店内ではレイヴンという名に対して記憶を張り巡らせる者もいれば頭の片隅に置いておく者、聞き流して酒を流し込む者に分かれていた。
「宣伝…ちゃんと、できたかな」
(印象作りとしてはバッチリだったぞ、良くやったな)
(次の一手でインパクトを残せれば…)
(風向きを理解しよう。その辺は生身達に投げるしかないが)
(拠点は明日で改装が終わるんだっけ、待ち遠しいな…)
(皆の部屋も発注するか)
(ニャァァ〜〜!?)
家…と呼ぶに相応しいかはさておき帰宅した621は無造作にその身をベッドに投げ出す。休息なんてコックピットでする場合が多く、その場合が睡眠というよりはスリープモードと呼ぶのが適していて
こうして戦いから解放された身ではあるかま何か足りない…そんなもの、既に答えが出てるのに。
(寝たか…)
(今日は彼にとって刺激の多い日となった。しかしここで歩みを止めてはいけない…止めさせてはハンドラー・ウォルターに対して無礼を働くことになるだろう。私も全力でサポートしよう…何故なら私は…)
((((((((((あ………))))))))))
眠る621の身体が眩く光り出す。
誰よりも、眩く光るそれはまるで太陽を彷彿とさせる。
赤と青と白、そして散りばめられた50個の星が煌めきその姿を現す。
「私はアメリカ合衆国大統領だからだ!!!!」
窓を突き破り外に飛び出す。
「OK!Let's Party! 」
学生時代クライミング経験を活かした着地を決める。
そして天を仰ぎ右手を空に掲げる。
「来い!!メタルウルフ!!!」
そう叫ぶと再びその身体が光る。
翼を広げたオオワシにSPIRIT of PRESIDENTの文言を背にソレが姿を現す。
青を基調とし赤色が映える機体。
大統領専用特殊機動重装甲「メタルウルフ」
全長3m程の機体はガッシガッシと音を立ててダンジョンはと向かう。
メタルウルフまた始めましたけどいつ聞いても大統領シャウトは笑えますね。
次の投稿はいつになるのかな