過分を捨て、重さを捨て、疾きを捨て
幾多の修練を積み鋼を研ぐ。其処に込めるのは呪いか、はたまた数多の執念か。
礎は既に火に焼べて、残るのは焼け野原と化した刀塚。
(…違う)
平原に刀を突き刺す。是は失敗作、己が求める一振りではない。
(これも違う)
刃が砕け散る。斬れ味は中々だが脆く、とても完成品とは言えない。
失敗。失敗。失敗。失敗。
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗___
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いつしか時を忘れ、鉄を鍛ち続けて、身も心も、命さえも。
生涯全てを其れに捧げた男は、世界に名を打ち付けた。
彼が創りだした刃は数多の国や人の手を渡り、そして世界すらをも渡ることになる。
これは、異世界へと渡った彼の一振をきっかけに、神をも斬り殺す物語。
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「…うっ、えぐっ、ひっく」
暗い蔵の奥で、一人泣いている少女がいた。
辛い、痛い、苦しい。
なぜ自分がこんなになってまで辛い思いをしなければいけないのか。
ならばいっそ、この暗い部屋に一人きりで、消えてしまいたかった。
望まない関係を持ち、憧れも持てず、そのすべてが悪い方向へと向かっていく。
自分の周りが信用できなくて、その孤独感は小さな彼女にはとても重い傷で。
だから、助けを求めるのは必然だったのだろう。
「誰か……誰か助けてよぉ…ッ!」
その小さな少女の願いは、奇しくも世界に聞き届けられた。聞き届けられてしまった。
原因は様々。その時間が最も《その儀式》に適した時間であったから、偶々その蔵奥に膨大な魔力溜まりができていたからか。
様々な偶然と奇跡が重なり合い、そのか細い悲鳴は聞き届けられた。
蔵底が光り輝く。蒼穹の光に満たされ、そしてその光が満ちるとともに人の形を成していく。
「_____あつっ!!」
その光に見惚れていた少女の手の甲が熱を帯びる。
そこには、紅く輝く不可思議な紋様が浮かび上がっていた。
「なに…これ…」
手の甲の紋様に目を向けるのもつかの間、目の前の光が目を覆う。
その光が晴れた先にいるのは、精悍な青年だった。
黒い具足が下半身を包み、鍛えられた肉体の右手には深紅の意匠の入った射籠手を嵌め、左手には白い羽織を背負う。
姿は青年だ。だが少女にはその青年が自身の祖父と同じような老獪さを感じさせる立ち振る舞いだった。
青年の口が開かれる。
「サーヴァント・
その日、運命の夜と少女は出会う。
その刃は、未だ世界を渡らず。