特殊性癖の戦国転生   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1544年〜1545年 相良武任 道作り

 冬になり、私の指示で道作りが始まった。

 

 勝山城(下関市)から現代で言う国道2号線の道沿いで、山口の町に接続する大規模工事である。

 

 物流の観点からそもそも下関が港に適しており、その下関を開発する上で、大内の行政を司り、博多の次の規模を誇る山口の町と接続することで、物流を活性化させ、大内の経済を底上げする意味合いもあった。

 

 ただこの時代、街道整備は侵略に対して防衛の観点から弱くなるという懸念があったが、文治派が実権を握っている今は防衛よりも経済的活動に重きが置かれていること、山口の町から街道を通り九州に逃げやすくなることの利点が上回り、更に文治派にローマコンクリートとそれを使った道作りを説明したところ、利点に気がついた彼らは賛成に回った。

 

 さて、このローマコンクリートであるが、作り方はまず石灰岩を加熱して生石灰にする。

 

 その一部を海水を投入して消石灰を作り、更に生石灰と消石灰、そして火山灰と海水を混ぜることでローマコンクリートは完成する。

 

 この生成過程で砂利を混ぜればモルタルになり、一メートルほどの深さの溝を掘り、そこにモルタル、割石で下地を作り、その上に自然石を置けばローマ街道になるが、火山灰も石灰も大量にあるので、コンクリートブロックに固めて、それを自然石の代わりに置いた。

 

 自然石の方が強度は上がるのだが、自然石を切り出すよりもこちらのほうが切り出す手間が省略できる。

 

 更に道沿いの領主を説得し、関所を廃して、代わりに休憩処や宿屋を設置し、その利益を領主が徴税する仕組みにした。

 

 人夫に関しても金を払うとしたら冬の間に稼ぎたい各村から人が集まり、工事に従事し、冬の間に山口の町まで半分の所までは工事が終了し、馬が八頭は横並びにできる広さかつ、雨が降っても中央が盛り上がっているドーム状になっているので左右に排水されるため、泥濘む事もなく、商人達だけでなく、道を行き交う人々からも絶賛し、農業が落ち着けばこの道を大内領内各地に広げると発表すると賛成が相次いだ。

 

 で、道沿いの人の行き交うが増えたので、商人達と話し合い、飯屋や娼館等を設置しないかと豪商未満の店を持ちたい行商達や番頭をして暖簾分けをそろそろしようと思っている人々がいる山口や博多の町で話をし、大内としても道沿いに出店するなら補助金を出すと決めると瞬く間に道沿いに店が建ち並んだ。

 

 これも大内が安定しているのと資金力があるからであり、街道沿いでは私のレシピから派生した創作料理や各村に広めた珍しい食材や山口の町から流れてきた工芸品、そして流民を吸収して拡大した娼館が建ち並んだ。

 

 で、街道沿いで土地代の貸出金を税収として徴税することで行政としても利益が出るようになり、補助金を投入しても五年程度で回収できるなので先行投資としては旨い話である。

 

 風紀が乱れると一部の武士(武断派)から反対意見が上がったが、それは黙殺し、文治派との共謀でこの大規模土木工事を推し進めた。

 

 これにより前に虐めてきた相良武任と意気投合し山口の町に言っては相良の屋敷に行き、大内の内政について毎回語り合った。

 

 ちなみにだが相良武任は文治派のトップであり、嫌がらせの理由は

 

「殿の子供と安慈と名高い僧で本当にあったのならば、あの程度の試練をこなしてもらわねば大内の大将は出来ませんからなぁ」

 

 とのこと。

 

 私も内政に関しては経済をよく理解し、商人や貴族との交渉もよくできている相良武任の能力を高く買った。

 

「でも義植様、いくら大内を栄えさせても天下は治まりませんがいかなる展望をお持ちで?」

 

「九州の勢力を纏めて琉球に侵攻したいと考えている。琉球王朝を傀儡化し、目指すは台湾だ」

 

「台湾···どのような場所ですか?」

 

「中華に近いが文化的な国は無く、原住民が少数居る島だ。それでいて九州よりやや小さいくらいであり、米がよく取れる土壌や気候をしていると天啓があった。ここに九州諸兵力を投入し、日ノ本そのものを拡大しようと考えている」

 

「日ノ本の拡大ですか」

 

「土地が無いから争うのであって、土地が有れば争う必要も無いだろう」

 

 ただそれには人口が過剰状態になる必要があり、日ノ本···いや九州だけでも乱世を終わらせる必要がある。

 

 そのための太宰府復興であった。

 

「しかし、それでは大内は天下を目指さぬと?」

 

「いや、太宰府の力を復活させ、台湾植民事業が上手くいけば、九州諸兵力をもって京へ上洛しようと考えている。その為には尼子を私の代で滅ぼしたいとも考えている」

 

「どちらにせよ人口の増加ですか」

 

「ああ、民あっての武士だ。そもそも畿内は人口が多いから畿内を押さえれば巨大な利権や兵力を動かせるようになるのであって、中国や九州も開発さえ進めば畿内以上になれる潜在能力がある」

 

「なるほど···その為に街道の整備ですか?」

 

「いや、経済が上向けばそれだけ人を養う事が出来る。そして娼館を増やし、そこから子供を育てる環境を整え、育った子供は勉学ができれば奉公衆(官僚)に、武力に自信があれば武官に、商いに自信があれば商人に、そうでなければ新たな農地の開墾や兵士にすれば良い···人こそ本当の宝だとは思わないかい」

 

「その人を育てるために銭を生み出す必要があり、銭を効率的に循環させるために街道ですか?」

 

「ご明答。相良殿には期待していますからね」

 

「わかっております。後身の育成もしっかりと行います」

 

「ああ、頼んだ」

 

 この後、相良武任は自身の娘を私の側室に出し、それが武断派の逆鱗に触れることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

「ふむ、そういえば人体に対して私は色々と知っているが、この知識を広めれば多くの人が助かることになるだろう。少なくとも糞尿を傷口に塗るような馬鹿な真似はやめさせられるだろう」

 

 そう思い立ち、私は人体についての書物を絵図つきで纏め、公家に見せたが、あまりに生々しい臓物や骨などが描かれていた為に少し引かれたが、腰痛や肩こり等の体の不調を食事療法やストレッチ(体操)で緩和したり痛みを止めることができることの方が注目された。

 

 薬も漢方が主流ながら、中華で採れる薬草等が多く、薬の材料の多くは輸入に頼られていた。

 

 砂糖とかもこの時代は薬として輸入されており、薬の材料の栽培を広めなければならない。

 

 というか、不衛生な状態で食べ物を食べたりしているから腹痛になったり、下痢が止まらなくなり脱水症状で命を落とすことがあるので石鹸をなんとかして広める必要があった。

 

 というか風呂の文化も広まっていないこの時期は疫病の流行にとにかく弱く、香を焚いて匂いを誤魔化している者も多かった。

 

 そんな状態で性行為をすればそりゃ病気にもなる。

 

 まぁそれ以前に食料の自給も不安定なのだし、戦乱続きで治安が終わっているのでまずはそちらから整える必要があるのだが、私が農法を広めた結果、食料生産量は増え続けている。

 

 安慈時代に村々を回ったり、相談を聞いたこと、農書をばらまいたり、新しい種籾を各村に贈ったことで私が多々良の名前だったシーズンで1.1倍、前年は後継者指名と名前が義植に変わり、動かせる人員が増えた為、大雨の天災にもかかわらず1.2倍に石高の税収が伸びている。

 

 元が約七十万石の農地があるので、二年で約九十万石近くまで伸びているし、来年には農法が定着するため一気に跳ね上がるだろう。

 

 米でこれなのだから、流民で田にならない山を開墾し、畑にしているため、芋等の生産量は更に増える。

 

 特に椎茸は秋には三百俵もの椎茸が栽培できたし、それを中華に送って莫大な利益を獲得し、その資金で内政に投資をしたことで流民を使った開拓事業も順調である。

 

 そうなれば私が後継者に就任した時、家臣に約束した五カ年で税収の倍化計画は早期に達成できる可能性を秘めていた。

 

 食料供給が安定すれば、次は衣類だ。

 

 衣食住が安定すれば民衆の不満は抑えることができる。

 

 というか戦国の世であれば、それを保障するだけで仁君である。

 

 衣類は中華から木綿の種を輸入できており、それを錬金術で日本の土壌に定着できるように改造を施した。

 

 これも来年以降米が作れない場所の村々に広めれば、金の為に必死で育てることだろう。

 

 1545年も忙しくなることだろう!

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