ピピピッ、ピピピッ
時計のアラームが鳴っている、アラームを止めて重い瞼を開け時間を見ると5時30分と表示されていた。(やばっ、遅刻)っと一瞬焦ったがいつもと違う部屋、カーテンを開けるといつもと違う景色、(そうだ確か樹海だっけ、別の次元にいるんだな)そう思うと、「どうしようかな、朝飯は、早いか」いつもどうりの時間で起きてしまったと思い考えていると
「そうだなぁ、久しぶりにトレーニングでもするか」
顔を洗終えるとクローゼットを開け沢山あるオレンジ色の道着に着替え靴を履き、外に出る。
「それにしても昨日と景色が変わってないな。朝だけど時間がよくわからん」
(まずは・・・走るか)そう思うと走り出した、走り出して体が温まってくると違和感があった、(そういえば体が軽い?気の減りが少ない?まさか)何か思いつくと
「はぁーーーー!!」
気を高め、超サイヤ人に変身する。
(よしそれじゃあ)
今度の変身は波紋も浮かばないほど静かだった、そして走り出す。そして敵をイメージしながらジャンプやパンチ、蹴りを次々繰り出す。しばらく動いていると「はぁ、はぁ」と徐々に息が上がってきた。
「やっぱり、そういうことか・・うん?」
何かわかったかのようにいうと上がった息を整え、変身を解き家の近くに戻ろうとした時、星屑が目の前を通って行った。まるで着いてこいとこちらをチラッとみる。
「なんだ?」
カシューは星屑に案内されるまま着いていく。拠点からだいぶ離れた所で星屑が止まった。
「ここに何かあるのか?・・・っ!!」
気付けば一体だけだった星屑が増え、カシューを取り囲んでいた。
「いつの間に!?なんのつもりだ?」
カシューは戦闘態勢になる。その時案内した星屑が笑った気がした。
瞬間カシューの真下の地面が割れ口を大きく開けた星屑が現れた。そしてガチン!と勢いよく口を閉じる。噛み砕いたそう思ったが、
「危ねぇ」
一瞬早くジャンプし難を逃れた。だがそれが合図かのように集まっていた星屑達が一斉に襲いかかって来た。落下しているカシューに噛みつこうとする奴には回し蹴りで迎撃する。体当たりしてきたやつを跳び箱のようにして頭上を飛び越える。次々と襲いかかる星屑達を的確にいなし続け、気づけば地面まで残りわずかの所までにいた。着地場所を確認する。
「なっ、もう一体いたのか!」
カシューの着地地点に星屑が大きく口を開け構えていた。着地のタイミングを合わせ口を閉じる。ガチン!と大きな音が鳴り響いた。
「ふう、危ない」
星屑の数センチ上の位置にカシューは浮いていた。
「やっぱり鈍ってるなぁ、昔なら回避できたのに」
そんなことを言いながら上昇する。いつの間にか星屑が四方八方から逃げ道を潰すほど大量に突撃して来た。
「はぁ!!!」
カシューが両腕を広げ気合いを込める。するとカシューから凄まじい衝撃波が起こり集まっていた星屑を全て押し返し吹っ飛ばした。そして辺りにはキラキラと霧散した後だけが残った。
「これでいいかな」
ゆっくりと高度を落とし一体の星屑の前に降りる。
「それで?これで満足か?造反神様」
カシューがそう言うと、頭の中に声が聞こえてきた。
「なるほど、実力を見たかったと」
しばらく一方的な会話を聞いていると
「はぁ?少し前にこの世界に現れた、別世界の住人がいる?どういうこと・・・おい・・・通信切りやがった」
まだ完全に信用していないってことか、まぁ今はいいか。だが問題はそいつが敵なのか、それとも・・・
まぁいいや、とりあえず朝飯食うか。
「朝食にしようかな」
拠点に戻り、シャワーに入り終えると何食べようかなと考えながら冷蔵庫をあさる。
「やば、飲むゼリーと非常食しかねぇ、補給するの忘れてた。後食えそうなのは」
そんなことしていると、何かドアを叩く音が聞こえた。
「誰だ?こんな朝っぱらから、まぁもう誰かわかるけど」
ドアを開けると一体の星屑がいた。
「またついて来いってか」
再び星屑の後ろについて行く。
(そういえばコイツらって言葉通じるのか?)
そう思っていると
(・・・・・・うん?)
一体の星屑が赤嶺友奈の拠点に案内してくれた、そしてドアノブに手をかけると扉が開いた。
「嘘だろ」
扉に鍵がかかっていない事に驚くと「おじゃまします」と聞こえるかわからない声で言うと玄関で靴を脱ぎ星屑に案内されながら少し廊下を歩くとリビングについた。
「まだ寝てるな。勝手に冷蔵庫の物使っていいのか?」
コクッと星屑が頷く。
「なるほど、昨日あんだけ食ったんだから作れと、ならさっさと作るか」
キッチンに立ち朝食を作り始めたのだった。
赤嶺友奈はいつもとは違う音で目が覚めた。
“ジューーー”っと何かが焼ける音が聞こえてきたのだそれにいい匂いもしてくるのだ気になりドアを開けるとそこには
「おう、おはよう、すまないが台所使わせてもらってるよ、そろそろ朝食出来るから顔洗ってきな」
「ふあー、ふぁーい」
そう言われると赤嶺友奈は急いで洗面所に向かい顔を洗う。
「うん?」
目が覚めるにつれ思考が冴える。そしておかしい事に気づく。身だしなみを整え急いで戻る。
「なんで、朝食作ってるの!?鍵かけたはずなのに入れたの?」
朝食を作っていることもそうだが、鍵をかけたはずの所に人がいることに疑問に思い聞いてみる。
「あぁ、星屑に案内してもらったんだよ、そうしたら鍵が空いてたから、今、朝食つくってる、もう少しでできるから」
「ふ〜ん、(また造反神様がなんかしたんだ)」
部屋にいた事を不思議に思っていると朝食ができたのだった。朝食は焼いたパンにベーコンエッグ、サラダと蒸し鶏それにスープだった。
「いただきます」と言い二人で食べはじめた。
「そうだ、日用品とか買いに行きたいんだけど、買えるところある?」
「それじゃあもう少ししたら買いに行こうか」
「そういえば、学校とか行かなくて大丈夫なのか?」
「う〜ん、行けないかな、敵対してるしなぁ」
「なら、俺が教えようか、いちよう教師だし、それにもし敵対しなくなった時、大変にならないように」
「そんな事ないと思うけどなぁ、でも・・・お願いしようかな」
「じゃあ、片付けたら始めようか」
食べ終わった食器を片付けている間に赤嶺友奈はパジャマから私服に着替え、授業が始まった。
時計の針が10時30分をさした頃、三教科分の授業が終わった。
「よし、これでとりあえず終わりかな、どうだった?」
「・・・すっごくわかりやすかった!!こんなにわかりやすいの初めて!!」
授業はとても好評だった数学から英語までの三科目、一人だったのもあったが丁寧にわかりやすく教えた。教科書を片付けていると
「この後はどうする?先に買いに行く?」
「そうだな、ついでに町も見てみたいし、早速行くか」
外に出ようとしたその時
「まって、その格好で行くの?」
「?あぁ、そうだけど」
外に出る直前に赤嶺友奈が呼び止める。
「他の服は?」
「これと着てきたスーツだけしか」
「うーん、さすがに目立ちすぎるからスーツの方がいいかも」
そう言われカプセルハウスに戻ると、綺麗に畳まれた洋服と靴が置いてあった。
「また勝手に侵入してる。・・・いいや、着替えるとしよう」
カシューはジーパンと白い半袖、そしてスニーカーを履く。そして外に出ると赤嶺が待っていた。
「あれ?服あったんだ」
「造反神」
「なるほど」
全てを察した赤嶺は「またかぁ」みたいな顔になっていた。
「ここから遠いのか?」
「うん、結界を越えないと行けないから」
そう言うと目的地の方を指さす。
「なら早く行こう」
「うん、任せ、きゃ」
いつも通り造反神の力を使おうとした途端、突風が吹いた。
「もう、あれ?カシューさん?」
気付けばカシューがいなくなっていた。
「おい、何してるんだ?先に行くぞ?」
「えっ?はぁ!?まって!!」
声のする方を見ると、空中に浮かんだカシューを見つけた。そして驚いているうちにものすごいスピードで飛び去って行った。
「あれ?来ない?何かあったのか!?」
しばらく飛んでいたカシューは赤嶺が来ないことに不思議に思い気を探ると先ほどの位置から動いていないことに気づいた。急いで戻る
「どうした!?大丈夫か!?」
そこには目を丸くし、ぽかーんと呆気に取られた赤嶺がいた。
「まさか攻撃されたのか!?」
「何で・・・何で空を飛んでるの!!」
「?何を驚いてるんだ?これくらいできるだろ?」
「普通は飛べないです!」
「マジかよ、それは悪かった」
(なるほどこの世界には“気”があるが使えないのが普通なんだな)
そう思いながら地面に降りる。
「ならいつもどうしてるんだ?」
「造反神の力で近くまで送ってもらってます」
「なら先に移動してくれ、そういうのは複数で行くと位置がずれるかもしれないからな」
「でも結界を抜けるには一緒に行かないと」
「そうか・・・なら」
するとカシューは背中を向けて屈んだ。
「?」
「ほら、乗ってくれ」
「えぇ!」
「一緒に行くならこっちの方が早い」
「いいの?」と思いながらもカシューの背中に乗った。
「しっかり掴まってろ」
そう言うと白い気をまとうと先程よりゆっくりと上昇、そして加速していった。最初は目を瞑っていた赤嶺も目的地の近くに行く頃には少し目を開けることができた。
「どうだった?」
「うん!すごかった。ビューてなってガァーって感じで・・・」
そんな事を話しながら二人は結界を抜け目的地に向かって行った。しばらく歩くと大きな建物が見えて来た。
「此処がそうか?」
「うん、そうだよ」
赤嶺に案内されイネスというショッピングモールに来ていた。入り口を見つけ中に入ると中には様々なお店が揃っていた。
「へぇ、いろんなのがあるんだな」
「この辺だと最大級のところだからね」
色々なお店を周っていると
「そうだ、お金は」
「あぁ、此処での支払いは任せて、この魔法のカードで」
お金は神様もちということでどんどん買っていく。そして赤嶺のセンスが爆発するというハプニングがあったなか、二人は買い物を一通り終えて二人はフードコートで遅めの昼食を食べていた。
「いやー、一通り買えたな」
「そうだね、目的の物も買えた?」
「あぁ、二つも目的達成できた」
「二つ?」
「そういえば話してなかったな・・・うん?」
「どうしたの?」
何か話そうとした時、ふとカシューの視線が別の所を向いた。目線の先には赤と青の六面分けで構成されたタイトなミニワンピースに白衣を着た一人の女性がこちらに歩いて来ていた。
「あの人は!」
「知ってるのか?」
「うん最近勇者部の顧問代理になったって人」
「どうやら三つ目の目的も達成できそうだ。赤嶺、一旦離れていてくれ。彼女は俺に用があるみたいだ」
「でも・・・わかった」
一緒にいようと思ったが、カシューの顔には出ていないが緊張がはしっていた。緊急事態とわかると赤嶺は急いでその場を離れた。
「あら?彼女はいいんですか?」
「あぁ、用があるのは俺だろ」
「ふふ、それじゃあ自己紹介から、私は人造人間21号、あなたと同じ別世界から来た存在です」
「人造人間!・・・・21ごう?」
「えっ?知らないんですか!?」
「すまん、気を感じないから人造人間って事はわかったんだが、21号は聞いたこともない」
張り詰めていた空気が一変にして和らいだ。同じ世界のはずが思わぬところで食い違いが起こっていた。
「嘘ですよね!本当に知らないんですか!神樹様から別世界から来たって」
「それは本当でもごめん。本当に聞いたことない」
「はぁ、わかりました。まぁ今回はどんな人物が来たのか確かめに来ただけですし」
「あぁ、俺もそんなところだ」
「彼女・・・待たせているのでしょ、早く行ってください」
「・・・そうするよ」
カシューは食べた物を急いで片付けると21号から呼び止められた。
「そう言えば名前、なんて言うんですか?」
「まだ言ってなかったな、俺の名前はカシュー、しがない元タイムパトローラーさ」
そう言うと片付けを終え急いで赤嶺の所まで戻って行った。
「カシュー・・・おいし、覚えました」
「あっ、カシューさん、大丈夫だったの?」
「何とかな」
「そう」
こうしてカシューの町での買い物を終えて、帰路につくのだった。
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