『青春にいちゃいけないやつがいる』   作:上条@そぉい!

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『私、参上!』

 神秘機械跋扈する、この地獄変。私はここにいる!

 どうも、好きなガンダムはνガンダム。化け物です。目が覚めたら……なんて言えたら楽なのだけど、『私』という自我が芽生えて数分。どうやら、『私』は無形生物のような化け物らしい。いやT-1000か私は?アイルビーバックされちゃう!

 ズルズル……と這いずるように移動して、落ちていた割れガラスに映る私の姿はどう見てもスライムとかそっち系。

 

「テケリ・リ!」

 

 発する声はとても人の物ではない。それどころか発しただけで周囲の温度が下がるのを感じた。いや肌なんてないから分からないはずなんだけどね。

 さぁ、脳内での自己逃避はそろそろ終わりにして現実を直視しなくてはならない。私は『私』が何なのか、その正体を知っている。理解するだけで発狂しかねない化け物。人智を越え、理の外に存在する怪物。その名を『ショゴス』という。クトゥルフ神話に登場する化け物である。

 

 しかし、その事実を認識した私の心は至って平穏。風一つない海の如く平らである。どうやら『私』が私を形成する過程で耐性がついたようだ。SAN値チェックは必要なさそうだ。

 次に必要なのは、周囲の状況確認だ。瓦礫や、廃棄されたであろう機械が転がるここは、どうやら放棄された廃墟のようだ。外が見えないここでは何も分からない。私は流体の体を動かしてスルスルと僅かな隙間を縫い視界の開けた場所まで移動した。

 そこに広がっていたのは所狭しと星が散らばる満開の空だった。まあそれはいい。星座の位置関係や、大気の成分からして地球、或いはそれと同等の場所である事がわかった。だがあの空に浮かぶ巨大な輪っかはなんだ?

 

 ここ……ブルーアーカイブの世界じゃねぇかぁ!!神話生物とか討伐対象では???総力戦『ショゴス』とか御免被るよ???

 


 

 と、まあここまでが昔、といっても数日前のお話。好きな吸血鬼はアーカード。どうもショゴスです。今この廃墟でそこそこ快適に暮らしている。

 と言うのも、ショゴスというのは万能なのである。そも原典においてショゴスはあらゆる生命の源*1、起源なのである。ショゴスの細胞から枝分かれ、動物、果てには人間すら生まれたのだ。

 つまり、逆説的に言えばショゴスはあらゆる万物の模倣が可能である……理論上はね?

 

「……ワカラナイ」

 現在私は人間を模倣し、動かしている。手元ではジャンクとして再利用した機械を組み合わせて武器を作ろうとしている。

 そんな知識がどこにあったのか?簡単。ショゴスは遥か昔から存在する生物だ。過去未来に存在した超文明*2の技術なども当然頭の中にあるのだ。他人事のように言っている私の脳内では悍ましい知識が駆け巡り、今も私の手を動かしている。

 

 ここがブルーアーカイブの世界である、とするなら人間に成り済ますだけではこの世界で生きていけない。この世界はまるで挨拶の如く銃弾が飛び交う野蛮な世界。武器の一つなく歩く人間など居ない。それで怪しまれて『有罪!没収!死刑!』なんて笑えないので怪しまれない努力はしようと思う。

 

 しかし、ここにあるジャンクだけでは完全な形にすることは不可能だ。この青春の物語が、今どこの時系列なのかは分からないが、こうして傍観者ではなく当事者となれる権利を得たのだから、首を突っ込んでみたいと考える私は俗なんだろうか?

 

「……シかシ、ナルようにしかナルマイ」

 片言の上手くない声で、呟く。頭上で主張するヘイローが不気味に輝いた。

 さあ、青春よ。今ここに理外の怪物が産声を上げる。その予兆を感じ取る者がはたして居たのかどうか──

*1
と言えば語弊があるかも

*2
例えばイス人とか




前作を見てくれた方、お久しぶりです。初めましての方は……好きなガンダムでも語って下さい(無茶ぶり)
今回は色彩の考察で「あれ宇宙からの色じゃね?」って言ってた人を見かけて思いつきで書きました。反応が良ければ、或いはまた思いついたら続きます。
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