勇者と王女のぶるーごーすと   作:ひつまぶし太郎

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この話は本日2話目。
メインで更新している方の小説分も含めると本日三話目の更新になるため、中身はなく更に短いです。



さんわめ。

 

少年は、美しい黒髪と青い瞳。

そして《貴族シリーズ》の服を着た美女を前に、口をあんぐりと開けてかたまっていた。

 

“だれ…?”

 

『ふふーん!化粧したらこんなもんだよ!まぁ蛍光色全裸ハゲももちろん私が気合い入れたメイクなんだけどね』

 

“けしょうはぜんしんのはだとかかみとかめのいろはかわらない…”

 

『よく言うでしょ?女は化粧で化けるって!』

 

“ばけもの”

 

『こら!お口が悪いぞ!めっ☆』

 

“おげええええ…”

 

『ちょ、本気で吐くって失礼すぎない!?』

 

目の前の人物と、つい5分前まで会話していた蛍光色全裸のハゲが脳内で一致せず、現実との齟齬で少年は嘔吐した。

 

『君もやればできるはずなんだけどなー。なんなら頑張れば性別も変えれるよ?』

 

“にんげんじゃねぇ…”

 

 

 

 

《拒絶》

 

二本指を信じる者たちの祈祷

 

周囲を弾き飛ばす、衝撃波を生じる

タメ使用で衝撃波が大きくなる

 

褪せ人よ、導きを信じ貫くのなら

他のすべてを拒絶せよ

 

 

 

 

いつまでも全裸だと忍びないからとミドリが推定ホスト…もといアリスと命名された少女に服を着せたところ意味不明な言葉を話しながら目を覚ました。

同時に、少年は明るくなった辺りを改めて探ってみたが、足元に落ちていた筈の《白い秘文字の指環》すらも消えており、もはや少年は自分が呼ばれた原因究明は出来そうにないと諦めていた。

 

そして、どうやらモモイにいい考えがあるとかでホストである少女を連れ帰るらしいという話になり、行く宛もない少年もついていくことになった。

 

『いい?これがパンツ』

 

“ぱんつ…ふんどしじゃない…”

 

『?????』

 

『そうそう偉いね!ふんどしは一般的な下着じゃないからね!ちょっとニッチかな』

 

『ちょっと私達が戦ってる間に何教えてるの先生!』

 

『ねぇねぇ君が被ってるそのバケツって息苦しくないの?というか見えてるの?』

 

“なれた。それにぐれーとだからもんだいない”

 

『グレート?よくわかんないけどお気に入りなのは伝わってくるなぁ…じゃあそのクロスボウは?』

 

“もらいもん。へんなおじさんにもらった”

 

『?????』

 

『もうお姉ちゃんまで!…ほら、いっぱい戦って喉乾いたでしょ?飲みかけで悪いけどジュース飲んで?』

 

『ミドリも甘やかしてるじゃん!』

 

“げほ、あっっま”

 

『?????』

 

『そういやさー、クロちゃん?…くん?』

 

“おとこのこ”

 

その帰路で少年が『ロボット』とやらを銃弾を躱して剣で瞬殺していく光景にドン引きされたり、逆に双子の頑丈さに少年がドン引きしたり、その他先生が無知な少年に対してキヴォトス?の常識を軽く教えるなんて場面もあったが、とりあえず無事に彼女たちが拠点として普段過ごしているという『部室』へと帰ってきていた。

 

「?????」

 

「って、ちょっと!?お姉ちゃん子どもを2人も部室に連れてきてどうするの!?」

 

「げほ、ごほっ、首絞めないでって!苦しっ!」

 

部室についた途端喧嘩を始めた双子と、ずっと疑問符を浮かべ続けている少女に続いて足を踏み入れた少年は、何やら部室の隅においてある縦に長い棚の前で立ち竦む。

 

“ひとのけはい…”

 

じぃぃぃーっと少年が見つめればガタリ、とその棚が揺れ、その直後モモイのスマホが揺れる。

 

「ん?モモトークから通知…?って、あぁー…ね、ねえクロくん。あんまりそのロッカーさんのこと見つめないであげて?その人恥ずかしがり屋だから…男の子とまともに目を合わせたことないだろうし…」

 

“たなが…せいめいたい?”

 

「ううーん、その、中の人的なね?とりあえずしばらくそっとしといてあげて」

 

“わかった”

 

モモイの言葉に少年は素直に頷き、モモイがほっと胸をなでおろした瞬間に少年は棚の扉を開けた。

 

「───!?」

 

「な、なんで!?ねえなんで!?今わかったって言ったよね!?…ってああ!ユズ大丈夫?…し、しんでる」

 

“ん、さっきのはおわらいのまえふり。せんせいにおそわった”

 

ロッカーの中にいた少女は、少年と目があった瞬間に気絶し駆け寄ったモモイの誤診で冷たい床の上の住人にされてしまう。

 

「ちょっと先生!子供に変なこと教えないでください!」

 

「あはは、いやごめんまさかこんなことになるなんて。でもこの子結構頭いいね、教えたことを応用して覚えてる」

 

「せ〜んせ〜い〜?」

 

「ごめんってばミドリ!反省してるよ!ほんとに!」

 

片方の子どもにかかりきりになれば、もう片方の子どもが問題を起こすのは世の常というもので。

 

「(もぐもぐ)」

 

「ああっ、私のWeeのリモコンを口に入れないで!ペッしてペッ!」

 

少年に気を取られたらアリスが問題を起こす。

方や無口で自由すぎて行動の読めない少年、方やその少年よりも無口で無知な少女。

2人の子どもに振り回されるこの惨状を前にモモイはポツリと呟いた。

 

「…やっぱりあそこに放置はできないでしょ…」

 

「…それはそうだけど…今からでも連邦生徒会かヴァルキューレ辺りに連絡したほうが良くない?それかせめてユウカとか…」

 

「それはそうだけど、それは私達がやるべきこと終わってからだよ」

 

自信満々に言い切るモモイに、ミドリはもう目をそらし続けるのは無理とばかりに、恐る恐るといった様子で口を開いた。

 

「ねぇ…さっきから薄々そうなんじゃないかって嫌な予感はしてたんだけど…まさかとは思うんだけど…お姉ちゃん」

 

「お、ミドリもわかった?そうだよ!この子…あ、女の子のほうね?この子を新たな部員として迎え入れるんだよ!」

 

「やっぱり!」

 

あっけらかんと言い切る姉を前に、常識人のミドリは思わず頭を抱えてうずくまった。

そんなカオスになってきた部室の空気を入れ替えるように先生は咳払いすると、少年の肩を抱き寄せてから言った。

 

「とりあえず女の子しかいない部屋に男の子を泊めるのもあれだし、この子は一旦シャーレ預かりってことにしとくね」

 

“あんまほすとのそばはなれたくない…”

 

「でも私たちよりあとからアリスのところに戻ってきたあたり、ずっと側にいなきゃいけない訳でもないんでしょ?」

 

“むぅ…とりあえずいちにちだけなら”

 

「大丈夫大人の私に任せて!ちゃんとアリスの側に入れるように取り計らうよ。でも今日は遅いから私と帰ろうね」

 

そして、翌日。

 

「この子、実は私の子なんだ」

 

「「「「!?!?!?!?」」」」

 

“ひとのこころがない…”

 

少年は、先生を信じたことを早くも後悔していた。

 

 




最後まで読んでくださってありがとうございました。

最低限皆さんの暇つぶしになっていたら幸いです。
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