「へえ、リザードマンが…」
「蜥蜴に近い魔物ですか、実に興味深いですね。」
リムルさんの町に着いた翌日。
町にリザードマンの使者がやってきたとのことで早速様子を見に行ってみることにした。
リムルさん、リグルドさん、ベニマル、シオン、ハクロウさんに加えて僕らアウトサイダーの一行もリザードマンに会いに行く。
「で、誰が使者何だろう?」
ということで、早速リザードマン達の前まで来るとそこには10数体ほどのリザードマンが居た。
3人のリザードマンの後ろに彼らよりも軽装なリザードマン達が20名ほど並んでいる。
全員武器として槍を持っている。1人のリザードマンが槍で地面をたたくと、それを合図に彼らが道を開け、デカイトカゲに乗ったリザードマンがやって来る。
「あれが、リザードマンの使者か…」
他のリザードマンが槍で地面をたたき、地鳴らしを起こしながら登場する使者のリザードマンを、滅はじっと見ている。
「フッ…トウッ!」
そのリザードマンは自信満々な様子で飛び上がり、華麗(?)に地面に着地する。
「吾輩は、リザードマンのガビルである!お前らも配下に加えてやろう…光栄に思うがいい!!」
「何だアイツ?切っていいか?」
「それは…やめとこう。」
部下のリザードマンが盾で太陽光を反射させて、ガビルと名乗るリザードマンを照らし、他の者達が拍手をしながら歓声を浴びせている。如何にもアホな集団に、デザストが思わず剣を構えそうになるが流石に止めておいた。
「ご尊顔をよーく覚えておくといいぞ!この御方こそ次のリザードマンの首領となられる戦士!頭が高い!」
「「「は?」」」
何ていうか、部下も上司も全員アホだ。
リムルさん達はこんな奴の配下絶対になりたくないって顔してるし、僕らもその心は同じだ。
シオンに至っては怒りでリムルさんのスライムボディーを強く抱きしめてしまい、後で謝罪する羽目になっていた。
「恐れながら、ガビル殿と申されましたかな?配下になれと突然申されましても…」
と、リグルドさんが冷静にガビルの言葉に応える。
「やれやれ、皆まで言わんと分からんか?貴様らも聞いておるだろう?」
「何を?」
「オークの豚共がこのジュラの大森林を侵攻中だという話だ。」
偉そうな態度のガビルだが、目的は僕らと同じくオークの大軍対策のようだ。
「しからば、吾輩の配下に加わるがよい。このガビルが!貧弱なお前達をオークの脅威から守ってやろうではないか!貧弱な…貧弱…?」
ガビルは貧弱なこの村を救いに来たとのことだが、ここには貧弱なものは1人もいない。
何ならリグルドさんやベニマルなんかは恵まれた体格をしているし、ブロンズドライブとデザストは既に怪人態であるためリザードマン達よりも驚異的に見える。
「ゴブリンが居ないようだが…」
「あれ~?」
「ここは確かにゴブリンの村のはず。」
「ていうか、貧弱な奴が誰もいないよ。」
恐らく彼らは、ここが少し発展したゴブリンの村ぐらいの気持ちで訪れたのだろう。
だが、ここに居るのは見るからに強そうな面々で、想定外の付近に面を喰らっている様子だ。
とりあえず、彼らと組むべきはといえば僕はNOかな…
まあ、リムルさんの判断に任せるけど。
「ゴホン!聞けばここには牙狼族を飼いならしたという者がいるそうだが、ソイツは幹部に引き立ててやる。連れてくるがいいぞ。」
僕らやベニマル達がいるこの状況で、偉そうな態度をし続けられている度胸だけは認めてやろう。
「コイツ、殺していいですか?」
「俺も手伝おう。」
「うん、いいよ。」
ベニマルが満面の笑みで殺害宣言をして、デザストと一緒に歩き始めるのに、リムルさんも一瞬承諾するが冷静に戻って彼らを止める。
流石に、オークの侵攻もある中でリザードマンとは敵対したくないということだろう。
「えっと、牙狼族を飼いならしたっていうか、仲間にしたのは俺なんですけど…」
「スライムが!冗談を言うでない…!」
リムルさんが口を開き、彼らに伝わっているであろう噂について説明しようとするが、ガビルは信じていないようだ。
「ランガ」
「ハッ!ここに!」
リムルさんの一声と共に、シオンの影からランガが出てきてガビルの前に立つ。
ここまでの彼の言葉が聞こえていたからだろうか、ランガからも怒りを感じられる。
「お前に話があるそうだ、聞いてやれ。」
「御意!」
と、唸り声をあげてランガがリザードマン達を威圧する。
「主よりお前の話を聞く命を受けた。聞いてやるから話すがいい…」
「貴殿が牙狼族の族長殿かな?」
しかしながら、ガビルとかいう奴はメンタルが強いのだろうか?
ランガの威圧感に、他のリザードマン達が委縮しているのに対し、ガビルは動じることなく話を続けている。
「美しい毛並み、鋭い眼光。流石威風堂々たる佇まい!しかし、主がスライムであるとは拍子抜けだな!どうやら貴殿は騙されておるようだ!よかろう、この吾輩が貴殿を操る不埒者を倒してみせようではないか!」
「あっソレ!」
「「「ガビル!ガビル!」」」
リザードマン達がガビルコールをして煽てているが、こりゃ彼は死んだな。
ランガ含めてリムルさんの仲間達が全員さっきを放っている。
なんなら一度共闘した僕と滅も思わず武器を取り出しそうになった。
「ふっふふっふふ~ん♪おおっ、何やってんすか?」
と、丁度その時鼻歌交じりのゴブタがこちらにやって来た。
「ゴブタ!」
「お前生きてたのか!?」
「またまた~酷いッス。ちゃんと生きてるッスよ。」
後に聞いた話だが、彼はシオンの料理とも呼べないような手料理を食べてしまい犠牲となったと思われていたが、この通り元気に現れたそうだ。確か、毒耐性を得たとのことだった。
毒耐性を手に入れるって、どんな飯なんだ?
「良いところに来たな。」
「え?」
やってきたゴブタの服の襟をランガが噛んで持ち運び、彼をガビルの前に立たせる。
「何すかこの状況!?」
しかもいきなり槍を持たされて、これから戦わされるというような状況になってしまった。
「トカゲ!この者を倒せたら、その話一考してやろう。」
「な、なんで…?」
ランガが提案したのは、ガビルがゴブタを倒せば話を聞くということだった。
これ即ちゴブタがリザードマン達を追い払うという役割を任されたということだ。
ランガ自身が出てしまえば恐らく、ガビルの命はなくなり、リザードマン達との敵対を生んでしまうから、代理を立てるのはいい選択だ。
「構いませんぞ!部下にやらせれば恥はかきませんからなあ…スライム殿。」
「ゴブター!遠慮はいらん!やってやれー!」
ただ、ゴブタが相手ということで本当に大丈夫だろうか…
アークはどう見る?
『解。ゴブタ以外の者がガビルと戦闘した場合、殺害してしまう可能性95%』
うーん、高い!
まあ、リムルさんを慕うベニマルらが手加減できるとは思えない。
やるとなれば本気で殺してしまうかもしれない。
こちらのアウトサイダーも基本的に手加減ができない連中だ。
戦えばガビルの命はないだろう…
さて、結局ゴブタは勝てばクロベエから武具プレゼント、負ければシオンの料理という条件にやる気を出し、ガビルと戦うこととなった。
「「「ガビル様~!!」」」
「準備は良いかな?」
「うおおおおおおおお!」
「では!始め!」
ガビルとゴブタが相対し、ランガが開始の合図をする。
しかしながら、ゴブタの気合の入りぐらいが尋常ではない。
シオンの料理をどんだけ食いたくないんだ…
「「「ガビル!ガビル!」」」
「偉大なるドラゴンの末裔たる我らリザードマンがホブゴブリンなんぞに…」
「フンッ…!」
「…ッ!?」
ゴブタが選んだ一手目は、まだ油断しているガビルに向けて一直線に槍を投げるというものであった。
その狙いは正確で、ガビルが避けるのが遅れていればその身が槍で貫かれていた可能性がある。
「おのれ!小癪な!」
槍を避けてから、今度はガビルがゴブタに向けて槍を振るうが、その場からゴブタの姿が消えていた。
「馬鹿なッ…!消えッ…うわああああああああ!!!」
ゴブタもどうやらランガ達と同じように影移動を使いこなせる様になったらしい。
自分の影に潜り込むことで、攻撃を回避してからガビルの影から飛び出てきて、彼の頭部に蹴りを入れる。
影移動を活かしたゴブタの攻撃を頭部に受け、気を失ったガビルがバタンと地面に倒れる。
いつの間にか影移動まで取得しているとは、ゴブタは恐ろしい男だ。
「終わりだな…勝者!ゴブタ!」
「よし!」
「やった!」
ガビルが完全に気絶してしまっていることを確認し、ランガがゴブタの勝利を告げる。
「はっはー!はっはー!」
「わっしょい!わっしょい!」
リグルドさん、ランガが勝ったゴブタを胴上げしているが、なぜかそこにブロンズドライブとブレンも参加している。
リムルさんサイドから絶賛の声を投げかけられるゴブタは非常に嬉しそうだ。クロベエさんの武器も貰えることになって彼は大満足だろう。
「お前ら!勝負はゴブタの勝ちだ!オークと戦うのに協力する話なら聞くが、配下になるのは断る!!今日の所はそいつを連れて帰れ!」
「い、いずれまた来るぜ!」
「これで終わりではないぞ!」
「逃げろ~!!」
一先ず、リザードマン達は気絶して伸び切ったガビルを担いで逃げ去っていった。
人騒がせな奴らだったな。
「さてと、今後の方針を立てないとな。」
こういうことをしている間にも無数のオークたちがこちらに向かっている。
早く対策を立てて動かねば…
ステータス 名前:萩原海斗
種族:ヒューマギアⅡ型
称号:なし
魔法:なし
技能:
『仮面ライダーアウトサイダーズ』
『アーク』
『
『
『電気操作』
『収集者』
『不死身』
『自己修復』
耐性:『痛覚耐性』
次回はお待ちかねの戦いです!
お楽しみに!