転スラ書籍版購入できたので転スラ完結まで書きたい…!
魔王ゲルド討伐の翌日。
各種族の代表がリザードマンの城に集まり、戦後処理の話し合いが行われる。
僕もアウトサイダーの代表として滅らと共に参加する。
オークの代表として参加しているのは、あのゲルドの参謀的な立場の者だった。
昨日デザストによって捕らえられていたが、どうやら彼はゲルドの息子らしい。
「では、議長リムル・テンペスト始めてください。」
議長は森の管理人であるドライアドのトレイニーさんがしてくれるかと思っていたが、リムルさんがやることになった。
「えー、こういう会議は初めてで苦手なんだ。だから思ったことだけを言う。その後皆で検討して欲しい。」
上座の方に腰掛けるシオンの膝の上にリムルさんが鎮座し、話を始める。
「最初に明言するが、俺はオークに罪を問う考えはない!」
オーク達を許す、という言葉に最も驚き動揺しているのはオーク本人たちだった。
何か報いを受ける覚悟をしていた彼らからすれば、想定外の一言だったのだろう。
「被害の大きいリザードマンからしたら不服だろうが、聞いてくれ。そもそもの原因は飢饉による飢餓だ。同じ立場だったならば、他の種族のものであっても同じ判断をしていたかもしれない、というのは建前なんだけどな…」
「では、本音を伺ってもよろしいかな?」
リザードマンの首領がリムルさんの本音について問いかける。
オークを許す理由に関しては、そっちの方が大事だろう。
「オークの罪は全て俺が引き受けた。文句があるなら俺に言え!」
「お、お待ちいただきたい!いくら何でもそれでは道理が!」
オークの代表者が立ち上がり、遠慮した様子で言う。
「それが、魔王ゲルドとの約束だ!」
どうやら胃袋の中で、リムルさんはゲルドと対話をしたようで、オーク達のことを受け入れると約束した様だ。
彼の名を出されると、オーク達は口を閉じて椅子に座る。
「しかし、それは少々ズルいお答えですな。」
「まあ、簡単には受け入れられないだろうなぁ…」
だが、リザードマンの首領はまだ納得していない様子だ。
「魔物に共通する唯一不変のルールがある。"弱肉強食"立ち向かった時点で覚悟はできていた筈だ。」
と、ベニマルが前に出てリザードマン達に言う。
この世界の摂理というものではあるが、力無き者が淘汰されてしまうことも致し方ないのだろう。
「お前達も里を滅ぼされているけど、文句は無いのか?」
「無いと言えば嘘になりますが、次は同じ無様は晒しませんよ。」
ベニマル達もオークの被害者ではあるが、彼らの中ではオークを許す決心はついている様だ。
「なるほど、正論ですな。ですが1つ、確認させていただきたいことがありましてな。」
「なんだ?」
「オークをどうなさるのですか?オークの罪を問わぬということは生き残った彼ら全てを受け入れるつもりですかな?」
リザードマンの首領は、オーク達を許すことには納得してくれたが、彼らの処遇というところで疑問があるようだ。確かに20万いたオークはこの戦いで15万まで数を減らした。
だが、15万という数はかなり多く、元の住処は飢饉によって住める環境ではない。彼らをはたしてこの森で受け入れられるのだろうか?
「確かに数は減ったとはいえ、15万のオークがいる。それでだ、夢物語の様な話かもしれないが皆で協力できればと思っている!」
「協力…?」
「と言いますと?」
「リザードマンからは良質な水資源と魚を、ゴブリンからは住む場所を、俺達の町からは加工品を提供する!そしてその見返りとしてオークからは労働力を提供してもらう!」
種族間で手を取り合うというのは、中々良いアイデアだと思う。
各々提供できるものを分け合い、多数のオーク達は労働力となって街づくりなどに参加する。
良い関係性だ。
「ジュラの大森林の各種族間で大同盟を結び、相互に協力関係を築く!他種族共生国家とかできたら、面白いんだけどな。」
「わ、我々はその同盟に参加させてもらえると!?」
「食べるものも行く当てもないんだろ?居場所を用意してやるから働けよ。サボることは許さんぞ。」
「「「ハハッ!」」」
「勿論ですとも!命がけで働かせていただきます!」
その大同盟にオーク達も加わることを許されて、この場に居るオーク達は涙を流してリムルさんに頭を下げる。
「うん。」
「うむ、ぜひ協力させていただきたい。」
リザードマン達も大同盟に加わることを承諾してくれた。
「トレイニーさんとカイトも良いかな?」
「もちろん、私の守護するトレント族からも森の実りを提供いたしましょう。当面オーク達の飢えを癒すことができるかと思います。」
「ええ、僕らはシス湖北部の土地を提供、開拓します。今僕らの拠点があるので、その近くで数万ほど、オークを受け入れましょう。」
オーク達の受け入れという面で、15万という数を一気に引き受けるのはリムルさんにとっても大変なことではあると思うので、僕が数割ほど分けてもらうことにして、負担軽減をさせてもらうことにした。
「では、森の管理者として私トレイニーが宣言します。リムル様をジュラの大森林の新たなる盟主として認め、盟主リムル様の名の下に、ジュラの森大同盟は成立いたしました。」
こうしてリムルさんを中心とした大同盟が築かれ、森の魔物達は協力関係を結び、共に生きていくこととなった。
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話し合いの末、僕達は森の北部の守護を担当することになった。
砦がある山を拠点とし、森の北や東の驚異からリムルさんやリザードマン達を守りつつ、時々アウトサイダーや僕自身を派兵することにした。
「じゃあ、僕はこれだけ連れて帰りますよ。」
「おう!頼んだ!」
話し合いの後、僕は1000のゴブリンと2万のオーク達を連れ帰ることになった。
今回、多数の魔物達への名付けを行ったが、結構体力を使った。
名前はアークと協力し、名字のシステムを導入することで名前が被らないように名付けすることができた。
「疲れた~」
数日程かけて名付けを終えて、流石に体力を使ってしまった。
名付けでの魔力消費は、これまであまり感じることはなかったが、数万人分の名付けは流石に多くの魔力を使ってしまった。
「さあ、早く帰るぞ。」
「え?」
さて、名付けも終わったしゆっくり休憩してから帰ろうなんて思っていたら、ブロンズドライブが僕の片腕を握り連れて行こうとする。
「黎斗・神やゴブナリ達が待っています。さあ、早く。」
ブレンとブロンズドライブは僕を休ませる気が無いらしく、新たな仲間達と共に早く帰るように促してくる。砦の方は黎斗さん達いるしそこまで心配は要らないと思うんだけどなあ…
「海斗、少し良いか?」
「どうしたの?滅」
と、ブレンらに引きずられて帰らされそうになっていたところ、滅が僕を呼び止める。
「俺はしばらくここに残ることにした。ハクロウの剣技をまだまだ学びたいからな。」
「俺もそうさせてもらう!ここには興奮を掻き立てる匂いがいっぱい漂ってるからな!」
滅と彼の横にいたデザストの申し出は、リムルさんの村に残りたいというものであった。
その理由としては、ハクロウさんやこの村の人達と共に剣の腕を磨きたいと言ったところか。
「そうだね…まあいいよ。2人が強くなってくれるのは、僕からしても嬉しいことだからね。」
まあ、断る理由もないだろう。
人手という面に関してはオークたちも居るから問題はないし、アーク曰くまた1人アウトサイダーを生み出せそうとのことなのでここで2人を止める必要はない。
「感謝する。」
「いっぱい楽しめそうだ!」
「あ、これも持っていってね。」
ということで、僕は滅にデザストのアルターライドブックを渡す。
一緒にいるのなら、彼にデザストの保護者役をしてもらおう。
しばらくは彼らとはお別れだが、恐らく今後僕もこの町に来る機会が増えそうなのですぐに会えるはずだ。
「さ、ということでバンノさんとブレンには新たに仲間になったゴブリンとオーク達を僕らの拠点まで案内して欲しい。2万人いるから時間もかかると思うし、マシンは使えないと思うけどまあ、頑張って。」
「ええ!?我々だけですか!?」
さて、ブロンズドライブとブレンの2人にはオーク達を拠点まで連れて帰る任務を任せることにした。今回の戦いで2人はかなり関係性ができてきているし、僕自身ブレンをかなり信頼している。ブロンズドライブはまだ怪しいが、ブレンがいるなら何とかなるだろう。
「うん、僕は先に戻って皆を受け入れられる体制を整えないと行けないからね。」
ブレンとオーク達がゆっくりと帰ってくる間に、僕は一足先に帰って拠点を整備することにした。あの砦だけでは2万人を養いきれない。ということで、麓に彼らが住む城下町的なものを建てようと思う。
「まあ任せろ!私たちがいればこの程度!造作もない!」
「なら、頼みますよ。」
ブレンは少し不安そうにしているが、ブロンズドライブは自信満々に引き受けてくれたのでこのまま任せることにした。
名付けやら仲間達への指示をしているリムルさんと少しだけ言葉を交わし、僕はライズホッパーに跨ってまたこの村から去るのであった。
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リムルさんの村を出発してから2日、一足先に僕は拠点に到着していた。
そこで一番最初に耳にしたのは、黎斗さんからのゲームの開発報告であった。
「君がここを出ていた約1ヶ月の間に、これだけのゲームが完成した。」
彼が見せてくれたのは10本のガシャットであった。それぞれマイティアクションXやシャカリキスポーツ、ドラゴナイトハンターなどエグゼイドの物語の最初に登場した10本のゲームであった。
「そして、各ゲームのバグスターも培養に成功した。」
と言ってガシャットを黎斗さんがガシャコンバグヴァイザーに挿入し、銃口から粒子を出すとそれらはバグスターのものに変わった。マイティアクションXならソルティ、タドルクエストならアランブラとそれぞれのゲームの悪役たちがバグスターとなって登場する。因みにドレミファビートならポッピーピポパポが呼び出せるのか聞いてみたところ、彼女だけ再現ができず、コラボスバグスターで代用しているらしい。
「なら、ちょうど良かったです。今人手が必要なので彼らの力もお借りします。」
「ああ、存分に経験を積ませてレベルを上げてやってくれ。それに私からも神の手を貸そう。ありがたく思うがいい!」
「はい!ありがとうございます!」
黎斗さんのゴッドマキシマムマイティの力を借りれるだけでなく、バグスター達の人手も借りられるので居住区作りは捗りそうだ。
だが、これでもまだ人員は足りない。
「アーク、収集した魂の数を教えて欲しい。」
『オークとの戦いを経て、収集者のスキルで君は5613個だ。』
僕達アウトサイダーはこの前の戦いで5000体近いオークを葬り去ってしまった。
改めてこの数を把握すると、心が痛む。名前を付けられて嬉しそうにしている彼らの顔を思い浮かべると、しっかりこの地で受け入れて快適な生活を提供し僕が奪った命に報いなければいけないと感じる。
「それじゃあ、多次元プリンターを起動しよう。アーク、どんなヒューマギアが作れる?」
『様々な職業に対応したヒューマギアのデータを用意してある。町を1つ作って回すのに十分な数がある。』
「OK!それじゃあまずは、街を整えるためのヒューマギアを1000体作ってしまおう。」
『ああ、多次元プリンターにデータを送信開始…』
アークは悪意のデータだけでなく、一般のヒューマギアに関するデータも持っているとのことで、早速1000体のヒューマギアを多次元プリンターで作ってそこに様々な職業のヒューマギアのデータを入れていくことにした。
「それじゃあ、最強匠親方!街づくりを頼みます!」
「「「「「おう!任せてくれ!」」」」」
特に大工型ヒューマギアの最強匠親方は量産しておいた。
建築に関しては僕はど素人なので、データもあるヒューマギアの皆に任せることにした。
衣食住の確保は全て彼らに丸投げしよう。
ということで、僕は町作りに必要なヒューマギアを多次元プリンターを動かして次々と作っていく。
作られたヒューマギアは次々と町の区画に向かっていく。
彼らは自分の意志で動きつつ、区画に関して設計してくれたアークの指示を受けて町作りを進めていく。
『ついでだ、彼らが危機に瀕した場合はアークマギア化する機能を付けておいた。』
アークは非常事態に備えて、彼らにマギア化の機能を仕込んでいる。
どこまでもぬかりのない奴だが、オークの大侵攻みたいなことがあった時に自分で自分を守ることができる。
「後は…戦闘特化のヒューマギアも作りたいね。」
先日のジュラの森大同盟結成の話し合いで、僕は各種族に派兵することを申し出たので自衛用と派遣用の戦闘特化ヒューマギアを作ってしまおう。
『ならば2つの案がある。1つはソルドタイプのヒューマギアを作成すること、しかしこちらはデータが不足している。もう1つは兵士のデータを持つヒューマギアにレイドライザーを持たせることだ。』
なるほど、ソルドの方はあまり活用されることはなかったが、レイドライザーはあちらの世界では一般に普及するまでに至っている。ザイアスペックの代わりにヒューマギアのAIを使うことで起動できるとのことだ。
まあ、プログライズキーも使えるしレイドライザーも多次元プリンターを使ってしまえばすぐに作れてしまいそうだ。ということで、職業系ヒューマギアの作成の後は兵士型ヒューマギアを作っていくとしよう。
「そういうことなら、派遣用のヒューマギアとして兵士型ヒューマギアを作って傭兵家業をするのが良いだろうね。」
と、部屋に入って来た黎斗さんが提案してくれる。
確かに今後外貨を得ていく必要もある。リムルさんの村の加工品なんかを買っていきたいものだ。
「よし、そういうことなら兵士用ヒューマギアを量産していこう。ここの街を守るのは1000体、他のジュラの大同盟に派遣するのが1000体、そして他国などに雇ってもらうためのが1000体の合計3000体を作ろう。多次元プリンターも量産開始だね。」
ということで、今後の量産計画も決まっていった。
兵士用ヒューマギアを並行して作るためのプリンターと、プログライズキーとレイドライザーを量産するためのプリンターも作ろう。
プログライズキーは基本インベイディングホースシュークラブにしておいて、隊長格の者にはダイナマイティングライオンとかクラッシングバッファローを使ってもらおう。
ヒューマギアが量産されていよいよ街づくりへ
次回には完成してると思います。