「ここがミラーワールドか…」
文字や造形物が反転した世界、ミラーワールド。
その地に新たに1人の男が立つ。
グラファイトという名の青年は、左手に付けたガシャコンバグヴァイザーを構えながら進んでいく。
壇黎斗が新たに作ったバグスター10体は村作りの作業を終えた後、ミラーワールドに送り込まれていた。
「不思議な場所だな…ゲームの世界でありつつ、どこか現実の世界に近いしものもある。」
ゲームの世界という形で完全に再現されたミラーワールドは、海斗が生前いた世界とほぼ変わらない。強いて言えば文字などが反転していたり、ミラーモンスターが生息していたりという違いがある。だが、あくまでもゲームの中であるこの場で、グラファイト含む10体のバグスターはあることを行うことになっていた。
「ほう…お前が新しい獲物か…」
グラファイトに向けて歩いて来る1人の男。
その男は蛇柄のジャケットに身を包む浅倉威という男だ。
グラファイトらに与えられた使命、それは浅倉を始めとするミラーワールドの者達と戦い己のレベルを上げるというものだ。
「早速始めるか、培養」
『インフェクション!』
『レッツゲーム!バッドゲーム!デッドゲーム!ワッチャネーム!?ザ・バグスター!』
グラファイトは手に持つガシャコンバグヴァイザーのAボタンを押して、バグスターの姿へと変化する。
「変身!」
浅倉威もカードデッキをVバックルへと装填し仮面ライダー王蛇へと姿を変える。
『ソードベント』
仮面ライダー王蛇とグラファイトは互いに向けて駆け出し、己の剣を交える。
グラファイトらバグスターにとっては自分達のレベルを上げる修行のための戦いが、王蛇にとっては新たな獲物との祭りが始まった瞬間であった。
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『海斗、残りのアウトサイダー達に関して報告しておきたいことがある。』
職業型ヒューマギアの量産と多次元プリンターの増設を終えて、オーク達を待ちながら兵士型ヒューマギアの量産に移っていく。
その間にヒューマギア達は街づくりを進めていってくれている。
その作業中、アークが僕に語り掛けてくる。
確かこの前話したところ、残りのアウトサイダーは2人いるとのこと。
その内の1人は誰か分かっているが、あまり呼びたくはないな。
『君が考えているのは恐らくあの男だろう。その男と、今回呼び出すアウトサイダーは少し特殊な方法で復活させる必要がある。』
「特殊な方法?」
『ああ、彼らの場合身体が未だ現世に残っている。ここで身体を作るのではなく、その身体を召喚する必要がある。』
うん、少なくとも僕の思い浮かべてる例のあのアウトサイダーに関しては死から復活して今も宇宙を元気に飛び回っている。ところで、もう1人のアウトサイダーって誰だろう?身体が残ってるって…
『言い忘れていたな。今回呼び出すアウトサイダーはアークオルフェノクだ。』
アークオルフェノク!?ってあのオルフェノクの王様…
「彼もアウトサイダーなんだね…」
『彼もアウトサイダーの条件を満たした者だ。』
メタい話をすれば、アークオルフェノクも仮面ライダーアウトサイダーズのep.0に出ていたし、財団Xに復活させられたとのことであったから、アウトサイダーの条件を満たしているとも言える。
確か彼はファイズに倒されたはずだが…そういえば灰化まではしてないのか。
「それで…アークオルフェノクを復活させるというか、肉体をこちらに召喚する方法って言うのはどうすれば良い?」
『それにはまず、魔法について書かれた本が必要だ。この世界に関して足りないデータと、魔法の仕組みのデータをそこから得て私の持っているデータと掛け合わせて召喚の術を完成させる。』
なるほど、実際にこの世界で使われてる召喚魔法とか世界の構造をある程度ラーニングする必要があるのか。
「必要な本の種類は?」
『分からない。なので色々と読んでみる必要がある。』
とは言え、必要な情報がどの本に乗っているか分からないので色々とかって調べてみる必要がありそうだ。
やはりどこかの国と大きな取引をしないと…
「海斗、そろそろオーク達が着くようだ。」
「了解、それじゃあ一旦行きましょうか。」
なんてことを考えていたら、オーク達が付いたとのことで黎斗さんが僕を呼びに来る。
一旦オーク達を出迎えるとしよう。
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「お疲れ様、バンノさん。そしてようこそ!オーク達!」
山の麓の森の木々を伐採して切り開き、出来た土地に次々と家を建てた。
切った木々は木材として利用し、ここの住民となるオークやゴブリン達の住む家やちょっとした飲食店や商店となる場所も用意した。
湖の近くからは水を引いて田畑を作っていく予定だ。
「カイト様。この度は我々に住処を与えてくださり感謝します!ありがとうございます!」
オーク達のまとめ役であるオルドという名のオークが、僕に深々と頭を下げる。
「ううん、気にしないで。その代わりしっかりと働いてもらうからね。」
ということで彼らに早速住処を案内した。
この村での生活を支えるヒューマギア達を紹介しつつ、各々の家へと案内していく。
さて、彼らに与える仕事だが大きく4つに分けてある。
農業、畜産業、商業、工業の4つである。
田畑で作物を育てるだけでなく、近くにいた羊や牛に似た魔物達を家畜として育てて食料を得る。
それだけでなく工業も発展させ、建築やものづくりでこの地を豊かにしていく。
商業担当にはここでできたものの売り買いなんかを任せていきたい。
この辺のサポートや指導もヒューマギア達が持っている知識なら問題はない。
「さて、兵士型も配備していこう。」
この町の防衛などは全てヒューマギアで行う。
レイドライザーを所持した兵士型ヒューマギアのうち、ここの防衛用に作った1000体は量産完了し、次にリザードマンやドライアドに配備するためのヒューマギアから作っていく。
この区域を開発し、生活を安定させるのに数カ月ほどかかり、僕が次にリムルさんの村を訪れることになったのは三ヶ月程経った頃だった。
「ほう、ジュラ・テンペスト連邦国か。」
「いつの間にか大同盟から国になっちゃいましたね。」
僕と黎斗さん、ブロンズドライブとブレンの4人で会議室に集まり滅からの報せとリムルさんからのメッセージを受け取った。ここ最近ペガサスの軍勢がこの辺の空を往復していたが、彼らは北にある武装国家ドワルゴンの王達であった。
ドワーフの王、ガゼル・ドワルゴとリムルさんが仲良くなり同盟を組むこととなったらしい。
その時ここは正式に国を名乗ることになった。ジュラ・テンペスト連邦国となったお祝いのために僕らはリムルさんたちの町、その名も首都リムルへ向かう。
「ここの管理は僕らに任せてください!」
「何かあれば、彼らを通じて連絡しよう。」
「任せてください!」
ゴブリンのゴブナリ、オークのオルド、ヒューマギアの警備員マモルがこの場を守ってくれるそうだ。
ということで黎斗さん、ブロンズドライブ、ブレンに加えてミラーワールド内にいる浅倉威を連れて行くことにしよう。
「それじゃあ、行ってくるね。」
「お土産、待っててくださいね。」
「はい!お気をつけて~」
僕とブレンは住民達に手を振り、首都リムルへ向かうのだった。
途中からリムルさん配下のオーク達が街道を整備してくれていたので走りやすくなっていた。
お陰様で移動時間が短縮されて1日半ほどで街に到着した。
「すごい!本格的に発展してる!」
僕らの町は江戸時代の日本の様な雰囲気があり、道もまだ舗装されておらず木造の建物が並んでおり、もう少し外観にこだわれば時代劇の撮影ができてしまいそうな雰囲気だが、ここは中世ヨーロッパに近い雰囲気だ。それに道も舗装されていて歩きやすい。
「あれは、リムルさんかな?おーい、リムルさ…って!何だあのオーラの少女は!!」
発展した街を見て回っていると、リムルさんを見つけた。
その隣には、何やら異様なオーラを放つ少女がいた。
何というか…隣のリムルさんよりも魔素の量が多い気が…
いや、ちょっとどころじゃない。10倍ぐらいはある。
「おお!カイトじゃん!また来てくれたんだな?」
「なんだ?リムルのお友達か?」
と、僕に気付いたリムルさんと謎の少女がこちらに向けて走って来る。
「こちらのお嬢さんはどちら様かな?」
「こんなちびっ子前にいたか…?」
「ム…誰がちびっ子なのだ!!」
その少女をちびっ子と呼んでしまったのがブロンズドライブの運の尽きだった。
先程まで笑顔だった少女の表情は一瞬で殺意で満ち溢れ、走るスピードが速くなったかと思えば拳を振り上げブロンズドライブを殴り飛ばした。
「バ!馬鹿な!」
金属でできたブロンズドライブの身体は紙風船のように数十メートルも飛んでいき、舗装された道を一部壊しながら地面に落ちる。
「お、恐ろしい…」
「おいミリム!言ったじゃないか!暴れたらダメだって!」
「あ!しまったのだ!」
明らかにこのミリムと呼ばれた少女の方がリムルさんよりも強く、オーラの量も多い。
だが、何故かリムルさんの方が力関係が上とも言えるようなやり取りをしている。
「昼飯抜きだからな!」
「そんな!酷いのだ!」
「まあまあ、バンノ1人殴り飛ばしたところで問題はないので、ここは許してあげてくださいよ。」
「おい!私の扱い!」
まあ、これしきのダメージ、詩島兄妹が受けた心の傷に比べれば大したことはないだろう。
まあこれは、彼らの分として取っておこう。
「それで、結局こちらの方は?」
「ああ、紹介するよ。こいつは魔王のミリム。」
「魔王!?」
魔王と言えば、この世界でも特に強い方の魔人としてお馴染みだが…
こちらの少女が魔王なのか…見た目的には魔王っぽくないがリムルさんが言うのなら間違いはない。
となると、あのオーラの強さには納得だな。
「ていうか、どうやって出会ったんですか?その…魔王の方に。」
「それがまあ、なんか色々会ってきたって感じだ。」
「今ではマブダチなのだ!」
ミリムとリムルさんの話によると、ゲルド討伐の件でミリムがリムルさん達に興味を持ってやって来たとのこと。ミリムはちまちま蜂蜜の様なものを舐めているが、どうやらリムルさんに貰った様子でその虜になっている。まあ、色々あってこの蜂蜜で買収されたってとこだろう。
「ところでリムル、この人は?」
「ああ、僕は海斗って言います。」
「カイトって言うのか!よろしくなのだ!」
まあ、結局僕らも魔王ミリムと交流し、しばらくこの発展したリムルさんの町を堪能することとなった…
ついにミリム登場です!
次回もさらに色んなキャラたちが出てくるのでお楽しみに!