海斗がリムルの救援要請を受け、彼の援護に向かっていたのと時を同じくして、中央都市リムルも攻撃を受けていた。
「さあ、あなたもとっとと地獄に行くのです!」
「悪いが、そういう訳にはいかないな…」
その襲撃の中、仮面ライダー滅は1人の敵を刃を交えていた。白いスーツに黒のマント、両腕には青い炎の様な模様がある。
仮面ライダーエターナルと呼ばれるライダーは、中央都市リムルが悪意を持った転生者3人に襲撃された際に、彼らを助けようとした滅の前に立ちはだかった。
「何故ここにアウトサイダー以外のライダーがいるかは知らないが、ここで倒させてもらう!」
「覚悟しなさい。この勝負、私が勝つ運命は既に決まっているのですから…!」
滅のアタッシュアローと、エターナルエッジの刃がぶつかりあったかと思えば、今度はエターナルの蹴りが滅の腹部に撃ち込まれる。
『ヒート!マキシマムドライブ!』
攻撃を受けて少し引き下がった滅に対し、エターナルはエターナルエッジにヒートメモリを挿入し、炎の斬撃を飛ばす。滅はその一撃をアタッシュアローで受け止める。
「ハアッ!」
『ユニコーン!マキシマムドライブ!』
今度は、エターナルエッジにユニコーンメモリを装填し、滅の胸部を突こうとする。
「クッ…」
滅はその突きをアタッシュアローで防ぐ。
(厄介な相手だ!海斗にすぐ伝えねば…)
『ウェザー!マキシマムドライブ!』
滅は通信をすることで援軍を呼ぼうと試みるが、エターナルはその隙を与えないほどの攻勢を仕掛けていく。
26本のガイアメモリを活かすことで、エターナルの手数は圧倒的に増えていた。
「さあ、地獄に送ってあげましょう…」
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「クッ…強いわね…」
ヒナタ・サカグチは西方聖協会からテンペストを打倒するために派遣されていた。
彼女はリムル1人を狙って襲撃を仕掛けていた。ここでリムルを倒し、弱体化したテンペストをファルムス王国の軍で一気に攻め滅ぼす算段であった。
途中までは順調にリムルを追い詰めていた。結界で弱体化させ、7度切りつけられれば確実に死に至るという剣でリムルを6度切りつけ、後1撃加えれば勝てるところまで来ていた。
「そっちこそ、流石シズさんのお弟子さん…って言っても習ってたのはちょっとだけだっけ?」
だが、そこに仮面ライダーアークゼロが現れた。
それにより、一気にヒナタは不利になってしまっていた。
結界は海斗にはあまり効いていなかった。魔物ではあるため、多少の弱体化こそあるが、彼とアークオルフェノクの力の源は仮面ライダーや怪人の力であり、大きく力が減少するなどの被害は被っていない。
「お前も、シズさんを殺した犯人か?」
「言っとくけど、僕もリムルさんも彼女を殺してはいないよ。」
「ほう…お前も嘘を吐くか。やはり魔物の言葉は信用できないな!」
ヒナタがレイピアを振るい、アークゼロを攻撃するが、彼は2本のアタッシュカリバーと2本のアタッシュアローを使って剣戟を全て受け止め、受け流すことで1撃もその攻撃を受けていなかった。
そして、アタッシュショットガンから弾丸を放ち、彼女がそれを回避しようと下ことで再び距離を取る。
「やっぱり、話は聞いてくれないか…」
今度は、アークゼロとアークオルフェノクが同時にヒナタに向けて切りかかるが、彼女はそれを受け流して回避する。
「そこだ!」
だが、回避したヒナタにアタッシュアローから矢が放たれ、その矢は右腕を掠める。
(回避が読まれていた!?)
ヒナタの持つ2つのスキル、
さらに、アークゼロのファンネルとして宙に浮くアタッシュアローとアタッシュショットガンもアークの演算によって動いていた。先程アタッシュアローから矢を放ったのもアークの演算によるものであり、それが急所を捉えず腕に掠っただけで済んだのも、アークの意図によるものだ。
「八ッ!」
さらにヒナタに向けて、アークゼロとアークオルフェノクからそれぞれ剣による攻撃を仕掛けられていき、ヒナタは防戦一方になってしまっていた。
「来い!ドラグブラッカー!」
さらに、海斗がミラーワールドから呼び出した黒龍、ドラグブラッカーがその攻撃に加わる。
「精霊召喚!」
ヒナタはアークゼロ達に対抗すべく、5体の上位精霊を召喚する。
「よし!他の子達も頼むよ!」
さらに、ドラグレッダーとダークウィング、ゴルトフェニックスに加えて…
「祭りか?」
仮面ライダー王蛇もミラーワールドから呼び出され、ヒナタと上位精霊に攻撃していく。
「さて、どうする?そっちは手詰まりじゃない?」
ヒナタが召喚した精霊たちはミラーモンスターによって封じられてしまっただけでなく、ヒナタに降伏を促すようにミラーモンスターをさらに召喚して彼女を取り囲む。
ミラーワールドは魔素ではなく、ゲームの世界由来の力であるためか、結界による弱体化の効果を受けてはいるが、その効力は他の魔族よりもその影響は少ない。
「悪いけど、そういう訳にはいかないわ…」
「ほう、ターゲットももういないのに?」
「!?」
ヒナタは1つのことを失念していた。
目の前のアークゼロらと対峙し、彼との戦いに集中している間にリムルがこの場から離脱していた。
「どうやって、結界を抜けたの…?」
冷静に問いかけるヒナタだが、内心では動揺しつつリムルがこの場から離脱できた理由を聞く。
「僕はさっきこの結界を突破してこの場まで来れた。1時間前までブルムンド王国にいたんだけどね。ま、そういう芸当ができちゃうんだから、リムルさんを逃がすのもおちゃのこさいさいって訳…」
「それで、彼はどこに?」
「それは言えないけど、まあ、僕の仲間達を倒して反転攻勢に出てもおかしくないね。君がここでもたもたしていたら、君の国も滅ぼされるんじゃないかな?」
アタッシュショットガンの銃口と、アタッシュアローの矢をヒナタに向けつつ、アークゼロはそう語る。
「それが本当なら、この場であなたを殺してすぐに国に戻る!」
ヒナタの撤退という結果を導き出したかった海斗だが、その意図から外れ、ヒナタは剣を振るいながらアークゼロに突っ込んでいく。
(速いッ…!?)
縦横無尽に振るわれる剣を、見抜きアタッシュカリバーなどの武器で防いでいくが、相手の剣は先程よりも速く、防戦一方になる。
「仕方ないな。こうなったら!」
ここで、アークゼロが反転攻勢に出た。
アタッシュショットガンの弾丸をヒナタに向けて放った。
「…ッ!?」
ヒナタ・サカグチは転生者だ。
転生し、シズに弟子入りしてその後すぐに彼女の下を離れた。
その後は神聖法皇国ルべリオスで自身の地位を向上させていった。
そんな彼女だからこそ銃の危険性は理解しており、その銃口が自身を狙っていると分かった瞬間から回避行動をとり、銃弾は1発も彼女を掠めなかった。
「僕を殺す気なら、僕も、殺す気で相手しないとね!」
今度はアークゼロの方からヒナタに向けて駆け出し、剣で切りつけようとするが、ヒナタはその剣を受け止める。
「ハアッ!」
だが、もう1本のアタッシュカリバーがヒナタの腹部目掛けて突き出された。
「…ッ!?」
「これも避けるか…」
ヒナタの数学者もアークほどでは無いが演算能力に優れ、腕の動きを一瞬で読み取ってすぐに後ろに後退してみせた。
「中々鋭いね!」
さらに剣で何度か切ろうとその刃を振るうが、ヒナタは回避や自身の剣による防御で凌ぐ。
「けど、こういうのはどうかな!?」
「しまった!」
避けられ続けて埒が明かないと考えた海斗の行動は、剣を捨てて腹部にパンチを撃ち込むというものであった。
今すぐにでも腹部を抑えて悶絶したくなるような鈍い痛みがヒナタの身体を駆け巡る。
「私の剣が!?」
更にアークゼロの掌から放たれた赤いレーザーがヒナタの剣の刀身を焼き切ってしまう。
「さあ、今だ!」
そして、アークオルフェノクから伸びる触手が彼女の身体を拘束する。
「もう一度言う、結界を解除してここから去るんだ。そうすれば君の命は奪わないし、君の国にも攻め込まないよ。」
先程手放した剣を拾い、その刃先をヒナタに向ける。
一度殺意を向けることで、剣での攻撃や頭部への攻撃を相手に警戒させつつ、実際は動きを止めるための腹部へのボディーブローだけを狙っており、それを喰らってしまったヒナタは一瞬にして攻撃手段も失い、相手に対して手も足も出ない状態だった。
「つまらねえ連中だった…」
更に彼女が召喚した精霊たちは王蛇サバイブとミラーモンスターにより倒されてしまい、彼女からすれば四面楚歌の状況となってしまっていた。彼女は切り札として強力な神聖魔法も使えるが、目の前のアークゼロ達は詠唱する暇すら与えてはくれないだろう。
「私の負けね…結界を解除するわ…」
攻撃手段を完全に失ってしまったヒナタは、あっさりと負けと認めて、この周囲を覆う結界を消し去った。
「ただ、勘違いしないで。いつかあなたたちのことは殺すから。」
「悪いけど、そうはさせないよ。僕らもここで死ぬ気はないからね。」
ヒナタは刀身が焼き切れてしまった自身の愛剣を拾い上げ、転移魔法でこの場を去る。
攻撃手段をほぼ失い、劣勢と判断したヒナタは一度撤退して体制を立て直してから挑むことが最良と判断し、一度は海斗達を見逃すことにした。さらに、もし仮に彼らが自身の国に攻めてきたらと考えて防衛のことも頭に入れていた。もっとも"彼女が参画する計画が滞りなく進めばリムルらが反転攻勢に出るのは難しいのかも知れないが…"
「行ったか…もう大丈夫ですよ。リムルさん。」
「ふう…危なかったなあ…」
ヒナタが去ったのを確認すると、海斗は変身を解除してリムルに声をかける。
すると草むらからスライムの姿をしたリムルが現れる。
海斗は初めから、この場からリムルが離脱したかのようにヒナタに語っていたが、それは嘘でありリムルはスライムの姿になって戦いの最中隠れ通していた。
「ようやく出ることができました!ご無事でしたか我が主!!」
更に結界が解除されたことで、影からランガが飛び出してきてリムルの身体をペロペロと舐める。
「大丈夫!大丈夫だって!」
「それよりリムルさん!早く街に戻らないと!さっきから滅との連絡も取れない!」
「何だって!?急がないと!皆ランガに乗れ!」
リムル、海斗、アークオルフェノクがランガの上に乗る。
因みに浅倉威とミラーモンスター達は既にミラーワールドに戻っている。
「テンペストへ!」
とリムルが転移魔法を発動しようとするが、彼らはまだこの場に居る。
「ん?」
「どうしたんですか?」
『解。個体名リムル・テンペストの転移魔法が失敗。恐らく中央都市リムルが結界により隔絶されているためと考えられる。』
先程のリムル同様に街が結界で隔絶されてしまっている。
海斗は内心ミラーワールドを使って移動しようかと考える。
「いくぞ!」
どうやら、別の転移先をリムルが見つけた様子でそこに向けて転移する。
滅や町のことを心配しつつ、海斗達は中央都市リムルへと向かうのであった…
解説
結界が海斗に及ぼした影響
ステータス
名前:萩原海斗
種族:ヒューマギアⅡ型
称号:なし
魔法:元素魔法、召喚魔法→使用不可
技能: 『仮面ライダーアウトサイダーズ』→影響無
『アーク』→影響無
『ミラーワールドマスター』→影響無
『バグスターウイルス』→影響無
『電気操作』→弱体化したので長期戦になれば電池切れしてた可能性アリ
『収集者』→影響無
『不死身』→影響無
『自己修復』→弱体化
耐性:『痛覚耐性』→影響無
仮面ライダーや怪人由来のユニークスキルが多かったため、結界の影響が少ない状態でヒナタと戦えました。