転生したらアウトサイダーだった件   作:夢野飛羽真

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今月は東京旅行もあるので、あまり更新できないかもです。


第32話 決戦に向けて

宴会場での会議も長丁場を迎え、お盆の上には小鉢とちょっとした菓子が並んでいる。

とは言え、ユーラザニアを助けるのはテンペストとユーラザニアの条約により確定しており、軍に関してもリムルさんが先程開発したという転送魔法によって可能なため、2日後にユーラザニアを守るための戦いが始められそうだ。

魔法で軍を転送するにあたって、多少のリスクこそあるがそれも承知の上で皆作戦に乗り、ユーラザニアに向かうこととなった。

 

「それで、ソウエイ。別動隊って言うのはどんな感じなんだ?」

 

「別動隊は…奇妙な鎧に身を包んだ者達です。」

 

今度は思念伝達で別動隊の様子が映像として僕らの脳内に送られてくる。

そこにいたのは、奇妙な鎧、いやオーマジオウに付き従うカッシーン達と同じ形状の鎧を身に纏う1万の兵達だった。

 

(恐らく彼らが…)

 

『ハンドレッドの軍勢だ。個体名タソガレの記憶にも彼らの姿はあった。』

 

カッシーン軍団1万がハンドレッドの連中だったか…

 

「彼らが恐らく、ハンドレッドです。この鎧の者達も相当な実力者で、僕らのとこのヒューマギア軍と渡り合える程度には強力かも知れません…彼ら別動隊は僕らアウトサイダーズに任せてください!」

 

「ああ!なら、そっちは任せた!」

 

とは言え、1万のカッシーンに恐らく…エターナル同様に仮面ライダーもいるはずだ。

解析の結果、タソガレという男が使っていたロストドライバーもガイアメモリもハンドレッドの技術により再現されたものであると分かっており、他のライダーも再現されてハンドレッドの戦力となっている可能性は高い。ここは僕らで対処するとしよう。

 

「ヨウムさん、てことで僕らは一度クレイマンの軍、ハンドレッドと戦ってきます!その後すぐにファルムス王国に行きますが、最初の方は色々と任せましたよ!」

 

「おう!任せろ!お前らが安心して戦えるようにこっちもしっかりやる。ただし、全員無事に戻って来いよ!」

 

「はい!」

 

ヨウムさんとリムルさんの承諾を得て、僕らアウトサイダーズで1万のクレイマン別動隊…ハンドレッド勢との戦いに向かうことになった。

だがしかし、1万のカッシーン兵か…こちらのヒューマギア軍は出せても2000…さて、どう対処するべきか考えないとね…

ということで、会議は一度解散となりガゼル王らは寝所に向かいその代わり滅ら他のアウトサイダーが戻ってきてリムルさんの仲間達と僕らでまた少し話し合いをしていた。

ラミリスはトレイニーさん達にプリンを食べさせてもらっている。ちょっと羨ましい。

 

「クレイマンの居場所が特定できれば、空間転移で殴りこんで終わらせられるんだけどな…」

 

「ですが、クレイマンはワルプルギスに参加するのでは?」

 

シュナの膝の上で寛ぐリムルさんのふとした呟きにシュナが応える。

確かに、クレイマン本人を倒してしまえばある程度のことは解決しそうではあるが…

 

「はい!」

 

「シオン!」

 

「こちらがワルプルギスに乗り込んで!クレイマンと文句のある魔王達を全て切り捨ててしまうのはどうでしょう!」

 

「クレイマンだけならまだしも…他の魔王とまで揉めるのはダメだろう…」

 

元気いっぱいにシオンが提案したが、リムルさんの言葉に少し悲しそうな表情を見せる。

 

「けど、シオンのアイデア僕は良いと思いますよ。リムルさんがワルプルギスに乗り込んで、ミュウランさん殺害の件を含めたクレイマンの嘘を暴けば他の魔王からの敵意が無くなるかも知れません。弁明が上手くいけば、"文句のある魔王達"は減り、クレイマンを孤立させることができるかも知れません!それに、ミリムの一件も探らないと…」

 

ただ、僕は今回のシオンの提案は非常に素晴らしいと思った。

このままだと、僕らがクレイマンの作戦を阻止したとしても、ワルプルギスの結果次第で他の魔王との戦いにも発展しかねない状態だった。だが、ワルプルギスでリムルさんが弁明し、クレイマンが悪と他の魔王に知らしめることができればそのリスクは大きく減る。

 

「確かに、シオンとカイトの言う通り、乗り込むとは言うのは良いかもな!なあ、ラミリス。ワルプルギスに俺も参加できるか?」

 

「え、ワルプルギスに?」

 

「こっちまでクレイマンに会いに行ってみるのも面白いかなって思ってさ!流石に向こうも動揺するだろ?」

 

「多分大丈夫だと思うけど、付き添いは2人までだよ!昔色々問題があったから、そう決まったの!」

 

真なる魔王に覚醒したリムルさんであれば参加する権利はあるだろうが、付き添いに関しては制限があるらしい。

 

「どう思う?」

 

「クッフッフッフ…素晴らしい案です!その時は是非私がお供を…」

 

「馬鹿めディアブロ!お供はこの私です!譲りません!」

 

「とは言え、戦いになるならば打ち破れば済む話。そもそもリムル様お一人で十分です。」

 

「その通り!馬鹿かと思っていたが新参者にしては中々見所があるぞ!」

 

と謎にリムルさんの秘書コンビが意気投合しているが…

 

「ただ、流石にリムルさんとラミリス、それぞれ2人ずつ付き添いは付けておいた方が良いですね。」

 

「そうだな…ディアブロにはファルムス王国を任せるし、シオンとランガを連れて行こう!」

 

「ありがとうございます!」

 

「お任せください!我が主!」

 

ということで、シオンとランガがリムルさんの付き添いとして行くこととなった。

その後、ヴェルドラも行きたいと立候補したが彼はこの町の防衛を任されることになった。

万が一の場合はリムルさんのスキルで呼び出せるらしいし、リムルさん単体で行くことで警戒心も少し溶けるだろうという考えだ。

 

「それで、ラミリスの従者枠が1人はベレッタだとして…もう1人はどうするんだ?」

 

「それなら、僕のとこから滅を付けよう。彼は戦力としても優秀で、しっかりラミリスのことを守ってくれるだろうし、僕と通信することで状況を色々と把握しつつtサポートできるかもしれないし。」

 

「ああ、任せろ。」

 

と言うことで、僕からはその残った1枠に滅を推薦した。

 

「リムル様、カイト様、私もそのお役目を務めたいところではありますが、ラミリス様を守るということなら、滅様の方が適任です。なので、そのお役目を滅様にお譲りします。」

 

「トレイニー!あんた…」

 

「ああ、その想いは俺が受け止めた。ラミリスもリムルも俺が守ろう。」

 

「よろしく頼むわ!滅!」

 

トレイニーさんとラミリスの了承も得て、滅がラミリスに帯同してワルプルギスに行くことが決まった。

さあ、戦いの準備を始めようか…

 

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「よし、滅はラミリスに付いて行ったが、他の皆は集まったな。」

 

「やるかあ…」

 

会議から一夜明け、今はテンペストの本隊がベニマルらを中心に編成されている。

そして僕らも、ハンドレッドと戦うための策を考えるために集まっていた。

 

「これまで集めた情報や、ソウエイからの報告によると、今回僕らが戦う軍勢は1万近いカッシーン兵と恐らく数人の仮面ライダーだ。」

 

「面白い祭りになりそうだ…」

 

「ワクワクするな!」

 

敵の数は多いが、寧ろ暴れられるとワクワクしているのが約2名。

1万近い敵兵に圧倒されそうにはなるが、いつも通りの浅倉威とデザストを見ていると少しその緊張もほぐれる。

 

「しかしながら、それほどの数の敵を相手に勝算はあるのでしょうか?」

 

「問題ない!神である私の才能を持ってすれば!その程度の兵、どうと言うこともない!」

 

「私を誰だと思っている!このゴルドドライブに不可能なことなどない!」

 

ブレンは少し不安そうにしているが、黎斗・神とバンノさんは自身に満ち溢れている。

確かに、僕はここに居る皆の力があれば1万の敵との戦いも上手くいくと思っている。

けど、対策はそれだけじゃない。万全の状態で戦いに挑むとしよう。

 

「それだけじゃないさ。僕にある作戦があるんだ。」

 

「というと?」

 

「最後のアウトサイダーを呼び出す…」

 

アウトサイダーの最後の1人。

それはかなり危険な人物で、急にこの世界を滅ぼしてしまってもおかしくはない。

だが、これから勝ち続けてファルムス王国やリムルさん達を守るため…そしてハンドレッドを打ち破るために僕は覚悟を決めた。

 

『最後のアウトサイダーは危険な男だ。彼を抑えるには皆の力が必要だ。』

 

「そういうことなら、話は早い。この神である私の力を持ってすれば!どのような者も私の敵ではない!」

 

「マスターの為ならば、私も少し体を張りましょう。」

 

警戒の手を緩めるつもりはないが、皆が居れば問題ないだろう。

 

「それじゃあ、呼び出すよ…」

 

誰が来ようと、皆は誰が来ようと問題ないと言った様子で心の準備ができている様だ。

と言うことで、召喚魔法を発動して地面に魔方陣が現れる。

 

「出でよ!エボルト!」

 

基本的に魔法の詠唱や手順はアークがやってくれるので、僕はアークドライバーを腰に巻いて手をかざすだけで召喚魔法ができてしまう。

 

「俺を呼んだのは…お前達か?」

 

魔方陣から光が放たれ、その上に仮面ライダーエボル・コブラフォームが立っていてこちらを見ている。

 

「ああ、僕らに協力して欲しいと思ってね、宇宙で旅をしている最中だったかもしれないけど、呼び出させてもらったよ。」

 

「ほう…協力を断ると言ったら?」

 

「なら、全力で叩き潰すだけだ!」

 

呼び出しておいて申し訳ないが、この世界で彼を野放しにするわけにはいかない。

僕らアウトサイダーに入らないのであれば、ここで倒してしまわないといけない。

 

「面白いことをいう奴だな。なら、やってみろ!」

 

「致し方ないか…変身!」

 

『アークライズ!オール・ゼロ…』

 

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エボルトの誘いに乗り、アークゼロに変身した海斗とエボルトの戦いの火蓋が切られた。

アークゼロとエボルの2人が拳を交える。

 

「ほう…筋は良いなあ。」

 

「当然…!」

 

エボルに関するデータも、既に有しているアークは彼の動きを予測演算して、攻撃を回避しつつ、しっかりと自身のパンチや蹴りをエボルに当てていく。

さらに、エボルはトランスチームガンとスチームブレードを手に持ち、トランスチームガンから弾丸を放っていくが、アークゼロはそれを避けていく。

 

「アイツ、結構強くなってんな!」

 

エボルがスチームブレードで切り付けてくるのに対し、アタッシュカリバーを構えて防いでから、今度は互いが振り回す刃をぶつけ合う。だが、何度か刃を交えていくうちに、アークゼロがエボルの動きをラーニングしていき、一太刀、二太刀と浴びせていく。

アークゼロの剣さばきに、デザストも感心した様子を見せる。

 

「腕はいい…だが、パワーがまだまだだ!」

 

だが、戦いの中で放たれたエボルトの前蹴りがアークゼロの腹部に刺さり、アークゼロの身体は大きく吹き飛ばされる。

 

「流石の破壊力だ…けど、こっちだって!」

 

と今度はアークゼロの周囲にエイムズショットライザーが多数生成されて、アークゼロの身体の周りを浮遊してその銃口から放たれた弾丸がエボルに浴びせられていく。

 

「ほう…面白い技を使うな…だが!」

 

エボルが手を翳すと、弾丸が全て爆散し、自身に向かってくるものが無くなればエボルはアークゼロに向けて駆け出していき、パンチを放とうとする。

 

「朧・地天轟雷!」

 

そのエボルへのカウンターとして、アークゼロはエボルが自身に近付いた瞬間を狙い、アタッシュカリバーを下から上に振り上げる。

 

「!?」

 

その一撃を回避することができたエボルだが、今度は剣が上から下に振り下ろされて、エボルの胸部装甲を切りつけた。

 

(ねえ、アーク。ずっと気になってたんだけど、なんで彼はブラックホールフォームとかの力使わないのかな?本気を出す気が無いのか、出せないのか?)

 

『理由は不明だが、揺さぶりをかけてみるのも良いかも知れない。』

 

この戦いの中で、終始エボルはコブラフォームのままで戦闘を行っている。

ブラックホールフォームや怪人態などの強化形態に変身せずに戦っていることに、カイトらは疑問を覚え始めた。

 

「ところでアンタ、なんで本気で来ないんだ?まだ力を持ってるだろ?」

 

「ほう、お見通しか。なら、この力も使ってやろう。」

 

そう言ってエボルは、黒と白のエボルトリガーを取り出す。

 

(やっぱ持ってたか…!)

 

「さあ、見せてやろう…俺様の本気を。」

 

エボルは単純に遊び半分でエボルトリガーを使わないでいたが、カイトに煽られてそれを取り出す。

 

「…」

 

その様子を見て、黎斗らは腰に自身のベルトを巻いて静かに警戒する。

 

「ん…?」

 

だが、エボルが何度もエボルトリガーのスイッチを押しても、それは起動せず音も鳴らなかった。

 

「さて、続けるか…」

 

エボルは何度かエボルトリガーを押したが、起動しなかったためそれをしまい、再びファイティングポーズを取る。

 

「もう、誤魔化せないよ。」

 

アークゼロがアタッシュカリバーの剣先を向けつつ、エボルに向けて歩み寄っていく。

 

「どうする?続けても良いけど、ここで1つ交渉したい。」

 

「交渉?どういう要件だ?」

 

アークゼロが剣を置くと、エボルもそれに合わせて武器を投げ捨てる。

 

「アンタのそのエボルトリガー、僕なら使えるようにできるかも知れない。だから僕に協力して、僕のチームに入ってくれたらエボルトリガーが動かせるようにしてあげるよ。」

 

「ほう、俺を強くしても良いのか?お前らを滅ぼすことになるかも知れないぜ。」

 

アークゼロから、エボルにされたのは、動かなくなったエボルトリガーを引き合いに出した取引で、笑いを零しながら話に耳を傾ける。

 

「アンタが強くなった時には、僕らももっと強くなってるさ。裏切ろうモンなら全力で叩き潰すさ!」

 

「フッハッハッハ!やはり人間は面白い!良いだろう、その取引に乗った。人間といると、面白いものが見れそうだ!」

 

エボルはカイトからの取引に応じ、握手をしようと手を差し伸べ、カイトもそれに応じる。

こうして、アウトサイダーのラストピースが埋まり、彼らは強大な敵との戦いに向かっていくのであった。




次回はいよいよ大決戦!
お楽しみに!
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