転生したらアウトサイダーだった件   作:夢野飛羽真

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構成としては、カイトらの戦いとワルプルギスを交互に出していこうと思います。


第34話 ワルプルギス

ベニマルらの軍、ソウエイら別動隊、そしてアウトサイダーズが各地で戦いを繰り広げていた頃、リムルとラミリスらは緑髪の悪魔ミザリーに案内されて魔王達が集うワルプルギスの会場に来ていた。

リムルが腰掛ける椅子の後ろにはシオンとランガが、ラミリスが座る椅子の後ろには滅とベレッタが待機している。

 

(ヤバい…アイツはヤバい…明らかに別格…!最古の魔王の1人、ギィ・クリムゾンか…!)

 

リムルは自身の正面に腰掛けるギィという男に圧倒されていた。赤い髪に露出した引き締まった肉体が印象的な男で、彼とラミリス、そしてミリムは最古の魔王として知られている。ラミリスはギィと何やら親しげに言葉を交わしているが、リムルにはその余裕はなかった。

 

(あの巨体にエネルギー量は巨人族か…名はダグリュールだったか。)

 

次にこの地に入って来たのは筋骨隆々で身長も他の者より高い男であった。その男の方を見ながら、滅はヴェルドラやラミリスから教わった情報を元にその男がダグリュールであると考える。

 

(あの歯…ヴァンパイアか?つまり魔王ヴァレンタイン…)

 

次に入って来た男も大柄な体格で、口から除く牙を見てリムルは彼がヴァンパイアの魔王ロイ・ヴァレンタインであると確信する。

 

(ん?ちょっと待てよ…あの従者は…)

 

『解。解析鑑定の結果、対象者の方がロイ・ヴァレンタインよりもエネルギー量が多いと推定されます。』

 

(やっぱりな…あのメイドが真なる魔王なのかも…)

 

リムル達は、ロイに追従するメイドの方が魔素量が多いことに気が付き、彼女こそ本物の魔王なのではないかと推測する。その後入って来たディーノという少年の魔王がラミリスに話しかけ、ラミリスがベレッタという従者を連れていることにディーノは驚いている様子だった。

ラミリスはディーノにベレッタを自慢し、力を誇示しようとしていた。

 

(三獣士の話に出てきたハーピーの魔王フレイか…なんという…何という溢れ出るエロス!)

 

フレイはアルビスらの話にも出てきた、カリオンを連れ去った魔王ではあるが、そのことよりもリムルは彼女の肉体の方に注目していた。大きいサイズの胸に引き締まった太腿が良く見える衣装にも興奮気味だ。

 

「リムル様…」

 

「ど、どうしたシオン!?」

 

(まずい、怒ってるかな…)

 

そしてシオンに声をかけられ、リムルはフレイをいやらしい目で見ていたことを怒られると怯えている。

 

「後ろの従者の男、なんだか気になりませんか?」

 

シオンが注目していたのは、ライオンの頭に白い翼を持つフレイの従者であった。

 

(あの魔素量…どこかで感じたことがあるような…)

 

それは滅も同じであった。魔王並みの魔素量を持つその従者にリムルも滅も注視していた。

 

(これはまさか…!)

 

『解析鑑定による推定…』

 

(いや、万が一カリオンだとしてもこんなバレバレの方法で参加するわけないし、別人だな。)

 

『フンっ…』

 

リムル達はその者が失踪中のカリオンではないかと推測するが、リムルは流石にそれは無いんじゃないかと否定する。

 

「お前がリムルか?」

 

「そうだけど…そうか、お前がレオンか。」

 

次に、リムルに声をかけたのは金髪を長く伸ばした美しい印象の男だ。

その男こそ、シズをこの世界に召喚した魔王、レオン・クロムウェルである。

 

「何か用でもあるのか?」

 

「いいや、その姿を見て…ふと懐かしく思ってね。」

 

「レオン…シズさんは死んだぞ。」

 

レオンはリムルの姿に、今は亡きシズのことを重ねていた。

 

「知っている。死ぬのは当然だ。なんせ彼女は、イフリートを受け入れず魔人になるのを拒んだのだから。」

 

「彼女から頼まれたわけじゃないが、一発殴らせろ…」

 

「断る。自らの生を選択する機会を与えた。彼女は人間として生きることを望んだのだ。イフリートを餞別にくれてやったのに、殴られる筋合いはない。」

 

シズに対してドライな反応を見せるレオンに、リムルは内心苛立ちを覚えている。

 

「だが、お前にも少し興味がある。文句があるのならば俺の城に来るがいい…罠だと思うなら拒否してくれても構わない。」

 

「分かったよ、受けてやるから招待状でも送ってくれ。」

 

「ああ、そうしよう。もっとも、お前がこの場で生き残れたらだがな…」

 

あくまでこの場におけるリムルの敵はレオンではない。

そのことをレオン自身も分かっているようで、また機会を設けると言い席に戻る。

 

(ミリム!?良かった、元気そうで…)

 

(あの女の顔の模様は…)

 

そして次に、入って来たのはミリムと狐のような生物を両手に抱く紳士風の男、そして日本刀を持つ女性だ。リムルはミリムが健在であることに安心し、滅はその女の左目付近の模様を見て解析を開始する。

 

(アレはやはり、ハンドレッドの手の者か…俺がこの場に来ておいて正解だったな。)

 

その女の名はミメイと言い、ハンドレッドに属する者だ。

タソガレの顔にあった模様と、同じ模様が顔に入っており、滅は彼女がハンドレッドの者とすぐに判断し警戒を強める。

 

「さっさと歩け、このウスノロ!」

 

その時、会場に衝撃が走った。ミリムと共に歩いていたクレイマンが突如彼女を殴ったのだ。全魔王が彼らの方を見て、驚きや怒りと言った表情を見せる。

 

「皆さん、お待たせいたしました。」

 

(クレイマン…俺の友達を殴った報い、きっちりと支払わせてもらう!楽に死ねると思うなよ!)

 

席に着くクレイマンを、リムルは静かに睨みつけ、殺意を自身の中で沸き立たせるのであった。

 

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魔王達の紹介の後に繰り広げられたのは、クレイマンの主張と言う名の長い演説だ。

自身の部下が死んだことを悲しむような演技をしつつ、主張をしている。海斗から言わせれば演技派なのだろう。その演説の内容だが、魔王カリオンがリムルをそそのかし、魔王を名乗らせたというものだ。自身が行ったファルムス王国への扇動もカリオンが行ったと罪を擦り付けていた。カリオンがリムルを魔王にする後ろ盾となり、それは魔王間の協定違反であるらしく、怒ったミリムがカリオンに制裁を下したと言っているが勿論それも嘘だろう。さらにリムルがクレイマンの配下のミュウランを殺したとも言っている。彼曰くミュウランの最後の報せは"リムルとカリオンが組んでクレイマンを殺そうとしている"とのこと…

 

「…以上です。」

 

(アーク、この主張の録画は出来たか?)

 

『解析鑑定の結果、全て偽りだ。作り話としては上出来だ。』

 

クレイマンの演説を俺を通じてアークにも聞いてもらっていたが、当然クレイマンの言っていることは嘘だ。

 

「それでは次に来客からの説明です。」

 

クレイマンの主張が終わると、次は青髪のメイド服の女によりリムルが主張をする番が来た。

クレイマンの言っていることを、リムルは嘘であると主張して他の魔王を説得するだけだ。

 

「クレイマンだっけ?お前、嘘つきだな。」

 

「何?」

 

「ぶっちゃけ、俺は魔王なんてどうでも良いんだよ。ファルムス王国は勝手に欲かいて攻めてきただけだしね。」

 

「そんな言い訳を誰が信じるというのだ。私は手下を殺されているのだぞ!」

 

リムルには魔王になりたいという欲も無ければ、ファルムス王国とカリオンは何の関係も無いと言えるだろう。

そして、ミュウランは殺されておらず今も生きている。それに、リムルの保護下にあり傍にはヨウムもいるからクレイマンが手出しすることはできないだろう。

だが、クレイマンは中々往生際が悪い男で、ミュウランが生きている件に関しても悪霊を遺体に取りつかせて偽造しているとも主張している。

 

「まあ、お前が何を言っても信じないとは思ってたさ。だから直接ぶちのめそうと思っていた訳だが、少し気が変わった。この宴が始まるまでに、俺の仲間達が証拠を集めてくれてたんでね。」

 

「何が言いたいのです?それほど死にたいのならそう言えば…」

 

「だから慌てるなよ、クレイマン。証拠があるって言ったろ?」

 

どうやら、カイト達以外は既に戦いを終えており、クレイマンの悪行の証拠を集めていたそうだ。

リムルがテーブルの上に大きな水晶を生成すると、そこには様々な映像が映し出される。

オークジェネラルとの戦いでの、ゲルミュッド視点の映像、クレイマンの部下がカリュブディスへ変化する様子、それにピエロのような姿をした者達の会話など様々である。

オークロード、ヒナタによるリムルへの襲撃、ファルムス王国の侵攻、そして今回のクレイマンの行動は繋がっていると分かってくる。

 

「これが証拠ってもんだよ、クレイマン。」

 

勝ち誇ったように笑うリムルに対し、クレイマンは焦りを隠せない様子だ。

 

「ば、バカな!こんなものは出鱈目だ!魔法で作った偽の映像をハッタリに使うなど、程度の低い真似をするなよスライム!」

 

「ハッタリ?ハッタリじゃねーよ、馬鹿。お前の軍は潰したぞ。次は、お前の番なんだよ…」

 

「み、皆様、騙されてはダメですよ!このリムルと言うスライムは、ハッタリを得意としているのです。ヴェルドラの封印を解いてファルムス軍を滅ぼしておきながら、それを自分の力として誇示しているだけの小物なのですよ!こんな奴に、栄光ある魔王を語らせるなど言語道断ではありません!」

 

リムルのことをハッタリが得意な者と断定し、他の魔王に訴えかけることで自身を何とか正当化しようとしてる。そうやって舐めてくるのは、リムルの作った筋書きが上手く働いている証拠ではある。

 

「おい、クレイマンよ。貴様はさっき、そこのスライムがファルムス王国をたきつけたと言っただろう?ヴェルドラの復活が事実として、何故そんな回りくどい真似をする必要があるのだ?」

 

「そ、それはですね…」

 

他の魔王達もクレイマンの言ってることを信じられなくなったようで、ダグリュールからクレイマンに質問が飛んでくる。

クレイマンはその答えとして、リムルがファルムス王国を騙し、ヴェルドラを利用することでファルムス王国軍を虐殺して魂を得ることで真なる魔王への覚醒を試みたと主張する。

 

「だからよ、証拠を出せよ。出せないだろ?お前のはな、だったらいいなっていう願望なんだよ。そんなんじゃなあ、誰も納得しないって言ってるだろ?」

 

「クッ…舐めるなよ、邪龍の威を借りるスライムが!貴様如きが魔王になれる訳が無いのだ!」

 

リムルの言葉に、クレイマンは憎々しげに彼のことを睨むが、これは全てクレイマンの自滅だろう。

謀略を使うなら、せめて他の魔王達を納得させれる証拠を作っておくべきだったな。

 

「スライムがどうとか関係ないし、ヴェルドラは友達だし。お前のクソつまんねー話を聞きに来てるんじゃねーんだよ。そろそろいいだろう?認めろよ、お前の指示でカリュブディスを復活させた証拠は、そこに映っているフォビオって魔人が証言してくれるぜ?"あの道化達から提案された"ってな。そして今、お前の配下がカリュブディスへと変身して暴走した。これが、明確な証拠ってもんだ。ハッタリと思うならそれでもいいさ。そう思ったまま、死ね。」

 

リムルはここでクレイマンとのケリをつけるべく、円卓を消滅させると、クレイマンと向かい合う。

クレイマンの部下である狐のような魔物が咄嗟にクレイマンの前に立つ。

 

「皆さん!こんな奴の暴挙を許してもいいのか!?コイツは魔王を舐めている。全員で制裁すべきではないですか!?」

 

ここで他の者達に訴えかけてくるとは、中々の小物だな。

 

「確かにな、さっきも言ったけど俺は魔王なんざどうでもいいんだ。俺は俺が楽しく過ごせる国を作りたいだけでね、それには人間の協力が必要不可欠だし、だから人間を守ると決めた。それを邪魔するものは、人も魔王も聖教会も、全て等しくお前の敵だ。クレイマン、お前の様にな…」

 

クレイマンの野望に比べると、リムルの野望はかなり壮大だ。

魔王としての力を誇示する以上の大きな夢だ。

 

「何を!?」

 

「それに暴挙だと言うなら、ワルプルギスでは喋りながら精神支配を仕掛けるのはアリなのかよ。」

 

クレイマンの多くの手数を仕掛ける姿勢と言うのは良いのかも知れない。だが、卑怯と言う一言で片づけられてしまう。話の最中にもリムルに精神支配を仕掛けていたのだという。

 

「否。この場では全員に公平なように、自分の言葉でのみ、相手に訴えることを是とするよ。」

 

赤髪の魔王ギィが、クレイマンの行動を否定するような言葉を述べる。

 

「しかしギィよ、コイツは魔王を侮辱…」

 

「黙れよ、俺が気に喰わないっていうなら、これは俺とお前の問題だろ?」

 

「その通りだな、クレイマン。お前も魔王なら、お前自身の力でもって、そこの魔人を倒してみせよ。そしてお前…魔王を名乗るつもりはあるのか?」

 

「ああ。既に既にジュラの大森林の盟主を引き受けているし、人からすれば俺は魔王だからな。」

 

「ならば良し。丁度ここには見届け人が揃っている。俺達の前でクレイマンに勝てたなら、魔王を名乗ることを許そう。」

 

ギィの取り計らいで、この場でリムルとクレイマンが戦い決着をつけることで話がまとまりそうだ。

勝った方が認められる。そんな戦いが始まろうとしていた。

 

「クックックッ、やれやれです。策を弄して、自分の手を汚すのを嫌ったばかりに、余計に面倒なことになってしまった。本当に失敗でした。」

 

リムルと戦うとなり、吹っ切れたのだろうか?クレイマンは笑い始める。

 

「出番ですよ、ミリム。」

 

彼が余裕を保てていたのは、彼の手中に最強のミリムがいるということだ。

彼の奥の手であるミリムが椅子から立ち上がり、クレイマンの横に立つ。

 

「よく言うよ、お前。それだけ言っておいて、結局は他人頼りか?しかも、従わせるために殴ったりしたミリムまで巻き込むとはね。」

 

「下らんな、勿論だが、私も戦うさ。ギィよ…文句はあるまいな?」

 

「構わないさ、クレイマン。ミリムが自分の意志で君を手伝うというのなら、俺が止めることもしないさ。」

 

「まあ良いさ、俺としてはミリムを助けるつもりだったし、力づくでもお前の洗脳を解くとしよう。」

 

恐らく、ミリムは何らかの術でクレイマンに操られているのだろう…

彼女と戦うことになるリムルにとっては、ピンチだが、その洗脳を解くチャンスではあるかもしれない。

 

「ほざくなよ!貴様は絶望して死ぬんだ!」

 

「死ぬのはお前さ、クレイマン!どうせお前相手じゃ俺の部下ぐらいが丁度いい相手になるだろう。俺が出たんじゃ、弱い者いじめになるからな。」

 

リムルから弱いと言われたクレイマンは、顔を歪ませ睨みつける。

それに対し、リムルが後ろにいたシオンに目配せすると、一瞬でシオンはクレイマンの眼前まで肉薄し、一瞬にしてオーラを纏う拳を30発ほどクレイマンに叩き込む。

 

「よろしいのですか?」

 

シオンよ、それは殴る前に聞くべきことなんだが…

 

「きき、キサマ!貴様ーー!!」

 

クレイマンは激昂しつつ、黒いオーラを濃くすると、傷が瞬時に再生していく。

オークロードのような回復能力も持っていると言えるのだろうか。

 

「望み通り、皆殺しにしてやる!」

 

というと、狐のような魔物がクレイマンの前に立ち大きくなっていくと、尾から従者と思われる魔物を2体召喚する。それに相対するように、巨大化したランガが魔物の前に立ち、従者の狼2匹を召喚する。

さらに、クレイマンの影から人形のような魔物が出てくる。従者を1人隠し持っていたのだろうか?クレイマンは従者を3人連れて来ていたということか?いや、彼の従者の枠はミリムを入れて4人だったか…

 

「…」

 

クレイマンが連れてきたと思われるが、扱いはミリムの配下になるであろうハンドレッドの女は、刀に手をかけて、円卓からは下がった位置で立っている。俺はその女を警戒するように刀に手をかけて構える。

 

「!?」

 

とその時だった、リムルとクレイマンらはギィが作った結界の中に閉じ込められる。

この結界の中で誰にも干渉されることなく、決着をつけろと言うことか…

しかしながら、クレイマン、狐の魔物とその従者、ミリム、人形の6人に対し、こちらはリムル、シオン、ランガとその従者という5人のみ…数ではやや劣るだろうが、問題はもう1人だ。

 

「ところで、なぜお前はクレイマンと共に戦わないんだ?」

 

「それは、他の目的があるからよ。」

 

『VISION DRIVER』

 

その女が、腰にベルトを巻きつけると同時に、俺もフォースライザーを腰に付ける。

 

「邪魔する気?」

 

「当然だ。」

 

『GLARE LOG IN』

 

『ポイズン!』

 

その女は、ベルト上部のスイッチを指で押し、カードの様なものを取り出す。

 

「「変身!」」

 

『INSTALL』

 

『DOMINATE A SYSTEM GLARE』

 

そして、女がカードをベルトに通すと、紫色の仮面ライダーに姿を変える。

 

『フォースライズ!スティングスコーピオン!Break down.』

 

俺も、仮面ライダー滅に姿を変えて日本刀・滅豪を構える。

 

『彼女が変身したのは仮面ライダーグレアだ。洗脳能力を持つライダーだ。気を付けろ…』

 

(アークよ、助言を感謝する。ところで、そちらの戦いは?)

 

『時間はかかっているが問題はない。君は気にせずあのライダーを倒せ。』

 

(了解)

 

アークからの助言を聞き入れ、静かに頷く。

洗脳が得意なライダーか…と言うことは、彼女の目的はここに居る魔王達の洗脳だったのだろうか?

なら、俺はそれを止めるだけだ。

 

「いざ、勝負だ!」




次回はまたアウトサイダー達の戦いになります!
お楽しみに!
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