傷だらけな多重人格の青年は泥臭くもVtuberとして呼吸をする   作:村上トオル

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人狼ゲーム 発狂編

「皆さん本日はお日柄も良いなか、お集まりいただきありがとうございます」

 

 珍しく玲菜が敬語を使いながら挨拶を済ませていた。

 今回俺達が集められたのは流行っていたゲームであった人狼ゲーム。このゲームのルールは所謂人狼ゲームと呼ばれているもので、民間人と呼ばれている陣営は様々なミニゲーム……。タスクと呼ばれているものを熟していくことになる。

 人狼つまり、人狼は簡単に言えば民間人側を妨害しつつ殺害することもできるのだ。また、会議と言われているものがこれは誰が人狼であるかという話し合いをしたり、疑い合いということになる。

 

 メンバーを見る限り、何人かはすぐにでも人狼とバレたらいい反応をしてくれそうだ。

 

「どうもNoA(ノア)でーす、本日はお誘いいただきありがとうございます」

 

 この声間違いなく恵梨だ……。

 まさかVtuber兼イラストレーターになっていたとは驚きだった。

 

 

 

 

 それぞれの自己紹介を終えて、ゲームが開始された。

 貴方は……。

 

 

 

 

 貴方は人狼です。

 

 

 

 

 まさか初手から人狼とはな。

 なら、最初にやることは決まっている。民間人を殲滅するのみ……。もう一人の人狼は……。

 

「マジか……」

 

 コメント欄を見えていないが賑わいを見せていることだろう。

 もう一人の人狼は獅童であった。獅童がこの手のゲームが得意とは思えない。獅童がどう動くか分からない以上怖いもの見たさというものようなものがあった気がしていた。

 

「は?」

 

 鳴り響いたのは、通報の音であった。

 

「え?まさかもう殺したのか……!?」

 

 殺された相手はメアだった。

 開始されてほぼ数十秒と言ったところで緊急通報されている。これは間違いなく獅童は吊るされること間違いないだろう。安心しろ、獅童お前が追放されても俺が頑張ってやる。

 

「怪しいのは玲菜じゃないか、お前もそう思うよな神無月!」

 

「はぁ!?待ってよ、下僕なのに私に盾突く気なの!?大体なんで私が怪しまれているの、おかしいじゃない!」

 

 怪しまれていたのは何故か玲菜であった。

 と言うのも玲菜とメア、獅童が重なったところでちょうど事件が起きたようで誰が犯人なのか分からない状態になっていたようだ。獅童の奴、ちゃんと考えて行動していたんだな。良かった……。

 

「あーいや俺は……ほら殺人とかやらないからさ」

 

「それ反論出来てないぞ」

 

 NoAは獅童のことを完全に疑っている。

 獅童は反論できるような内容が思いつかず、どうやら完全に何も言えない状態になっていたのだ。

 さっき言った発言は撤回しよう。獅童はもう駄目だ……。

 

「玲菜、NoAさんまだ獅童さんが人狼と決めつけるのは早いですよ」

 

「な、なにが早いのよ……!」

 

 玲菜が反論しようとするなか、奏多が言葉を続けようとする。

 

「それは獅童さんが……このゲームが」

 

 

 

 

 

「初心者だからです!」

 

 俺はこのとき気づいた。

 この人狼普通の人狼ゲームではないということを所謂、パッション人狼というものだということを……。激しい感情に身を任せて「俺は悪くねえ!」みたいな言い方をすれば大体乗り切れるかもしれなというゲームだ。

 

「な、なにを言って……あー私はわかっちゃった!隷属の契約貴方だけしてないから拗ねてるのね」

 

「いや、別にいらないです、本当にいらないんで……あっでも様呼びはして欲しい……かも」

 

 奏多はマジで要らなさそうな声を出しながらも拒否をしていたが、相変わらずの様子の奏多を見て苦笑いしていた。

 

「くだらない話している場合?」

 

 NoAは呆れている様子であったが会議は終了された。なんとかこの会議を乗り切ることに成功した。この様子なら獅童を生存させながら民間人側を殺害することが出来るかもしれない。

 

「さっきの絶対獅童だって気づかれたと思ったんだけどな……」

 

 NoA、玲菜辺りは完全に怪しんでいたが蓮司が玲菜を怪しいと言っており、奏多と俺はどっちにも付かず様子見を選んだことが原因だろう。次から本格的に会議に参加しなくては駄目だろう。俺も今から一人を殺すことになるんだからな……。

 

 ナイフが刺さる音が聞こえてくる。

 俺はマップ下辺りで一緒になっていた倒した。倒した相手はNoAであった。俺は人狼ではないと踏んでいたんだろうが、少し詰めが甘かったな。

 

 

 

 

「ぎゃあああああ!!人殺し!!」

 

 会議に入り、玲菜の叫び声が聞こえていた。

 この会議が俺にとっては重要になるだろう。殺されているのはNoAのみ。残されているのは、玲菜、蓮司、奏多のみであった。後一人を殺せば俺達の勝ちだな。

 

「見た!見ちゃった!!NoAの死体、この眼で間違いなく……!一応聞いておくけど、獅童は何処に居たの?」

 

「え?俺はマップの右の方に居たけど……もしかして俺また疑われてるのか?」

 

「この場で怪しまれても仕方ないのは分かってるでしょ?」

 

 それに反論出来ず、獅童は言い返すことができなかった。

 此処まで来れば後一人殺せば大丈夫だ、後は任せ……いや、この戦い俺はさっきから獅童を捨てることしか考えてない。矛先を俺に向けられてない今、偽の報告だけして黙っておくのも一つの手だがそれはどうだろうか。

 獅童と一緒に勝ってこそのエンタメではないだろうか。

 見せてやるか……。

 

「ちょっと待ってくれ玲菜、今回も誰なのか覚えてるのか?」

 

「えっ、えっ?そ、そう……よ」

 

「じゃあなんではっきり見たと言わないんだ?曖昧な言葉で濁す必要はないんじゃないのか?」

 

 あの様子だと誰がNoAを殺したかなんて見ていないだろう。

 俺が殺したのはマップの下の方、恐らく誰か違うエリアの方へ移動したのは見えていても名前までは見ていないはずだ。

 

「そ、それは……そうね、確かに……言われてみれば」

 

「え!?なんで丸み込まれてるの!?」

 

 奏多は結局様子見でどっちつかずでいたがどう出てくる。玲菜たち同様獅童が怪しいと疑ってくるのか……。今のこの状況俺が怪しまれても仕方ないことをしているが、此処は踏み込むしかなかった。

 

「そういうロウガはなにをしていたんだ?」

 

「俺はマップの上の方で作業をした後、右のエリアに向かったよ」

 

「マップの上の方……だと?神奈月、それは本当か!?」

 

 蓮司が素早い反応をする。

 嘘報告として上の方だと告げたが、間違った選択をしてしまったか。だが、俺を失っても後二人を殺せばその時点で俺たちの勝ち此処は俺を切り捨てでも勝て、獅童……。

 

 

 

 

「いや、俺はロウガのことを間違いなく見たよ」

 

 獅童、俺のことを庇おうとしてくれているのか。

 だけど、その行為はダメだ。庇えば庇うほど俺の仲間だと思われるぞ。自分が今疑われていることを忘れるな。

 

「ん?そうなのか!?俺の見間違えただったのかもしれないな。じゃあ、必然的に謎の殺人鬼の正体は奏多になるのか!」

 

「は、はぁ!?」

 

 

 

 

「ちょっと待ってくれよ、俺がいつNoA……ママを殺したんだ!?俺だってタスクしながら脱出に向けて頑張っていたんだぞ。メアが殺されたときだってNoAママと一緒にいたんだぞ!?なんで俺が疑われなきゃいけないのさ!?確かに今は単独で行動してたのは認めるけどさぁ!でもこれ犯人の一人はロウガでしょ!?さっき上の方にいるとか言ってたのに蓮司一人だったじゃん!!後なんで怪しまれてた獅童を誰も警戒してないわけ!?おかしいでしょうがぁ!?俺が犯人だって言うなら証拠を見せてみてくれよ!証拠をさぁ!!おい笑ってないで言ってみてくれよ!!聞いてるみんな!?」

 

 

 

 

 俺以外全員が奏多の熱弁を聞いて笑っていた。これがプロゲーマーを目指している16歳の少年と思うと、少し可愛らしいなと言う感情が芽生えていた。因みにだがママというのはアバターを制作してくれた絵師のことを指すことが多い。更に後になって知ったが青空奏多はNoAがデザインしたものである。

 

「息子がこれだと母親がヤクザっぽいのも頷けちゃうわね……」

 

「はぁ!?よくもNoAママのこと馬鹿にしたな!?確かに刺青入ってて「二人共時間がないぞ!!」」

 

 全員笑ってるなか、蓮司が二人のことを止めようとするがどうすることもなく再び時間が終わる。すると、奏多に一票入ってるような状況になり怒号に近い声で「はぁ!?」と言っているのが聞こえてくる。因みに一応フォローを入れておくが恵梨は実際に刺青は入れていない。アバターの方に刺青を入れているのである。多分入れている理由は極道が主人公のゲームが好きだからだろう。

 奏多、お前が長く喋ってくれていたおかげで時間が稼げた感謝する。

 

 

 

 

 俺は最後に通りかかった蓮司を殺して勝利となった。

 

「おい蓮司ィ!!」

 

 通話に戻ってきた奏多が枯らしたような声で蓮司を呼んでいた。

 

「いやぁすまんすまん!まさか本当に神奈月と獅童が人狼だったとは気づかなかったんだ!」

 

 声は震えているようでかなり笑うのを堪えている様子。

 

「はぁ!?おっかしいでしょ、あの状態でまず疑うべきはロウガなんだ!おい、なに笑ってんだよロウガ!!」

 

 先ほどからずっと叫びっぱなしの奏多を見ていて俺もとうとう笑ってしまった。

 パッションも此処まで来ると凄いものだな……。

 

「お、落ち着こう?奏多君」

 

 声を出したのは自己紹介以来ようやく喋ることが出来たメアであった。

 獅童にすぐ殺されて会議に参加できなかったからな……。

 

「これが落ち着い……あー試合進まないからいいか……あーもうぜったいおかしいでしょ」

 

 いつにもなくテンションが高い奏多の姿を見ながら16歳っていいな……。と頭の中で思っていた。

 

 

 

 

 次の試合……。

 それは波乱の展開が待っていた。

 

 通報ボタンが押されたことにより、誰が押したのだろうとなっていたなかそのボタンを押した玲菜はある発言をするのであった。

 

 

 

 

「玲菜、俺は見たぞ!!奏多を殺すところを……!」

 

 俺は民間人になり殺人鬼のレッテルを貼られることはなくなっていた。

 今度は蓮司が玲菜を人狼だと疑っているようだったが、玲菜の様子が何処かおかしかったのである。

 

「私、お花掴みに行ってくる!!」

 

 

 

 

「え!?」

 

 思いがけない玲菜の行動に俺は「え!?」と言ってしまった。




青空奏多の紹介4

FPSでのオーダー等や勉強等は出来るのだが、頭の使うゲームはあまり得意ではなく視聴者からの指示でラジコンになることが多い。
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