覇気使いの日記   作:パンツハキハキマン

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日記②

 ×月×日

 

 覇気とは、人に宿る意志の力のことである。

 誰もが潜在的に持っている気や精神力などの目に見えない感覚や力的なものを総称して「覇気」と呼ぶ。誰もが持つ力でありながら、その力に気付くものは少ない。そして、扱うには長期的な修行が必要になる。―――など聞けば聞くほどワクワクする設定。

 

 ソレが覇気である!

 そして、今回オレがその覇気習得に向けてやろうとしていること…それはひたすら木を殴るッ!

 

 体に見えない鎧を纏うイメージ。そして、大切なのは信じる心!!!!!

 そう信じて、中庭の木を殴ったら普通に指が骨折した。最近良いことしかなかったから忘れていたが、世の中はそんなに甘くない。しっかり身に染みた。

 

 

 

 

 リヴェリア様に治してもらった後は、同期と鍛錬しました。

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み2日目。

 

 昨日、身に染みたと言ったな。あれは嘘だ。

 俺は諦めていないッ! と言うよりも、そんな最初から覇気が出るほど簡単ではないことを知っている。原作では、才能を持っているルフィに最高級の師匠がついて2年。逆算しても覇気が出るまでに数か月は掛かってるはず。

 

 それを考慮すれば、俺が毎日修行を頑張っても1年から2年はかかると予想。だから、焦る必要はない。ただ、毎日積み重ねるだけ。まぁ、オレはこの前の地獄で武装硬化まで引き出すことに成功してる。あの時の感覚を忘れず、毎日魂の素振り1万回を頑張ってこう。

 

 

 

 

 大剣豪に俺はなるっ!!!!

 

 

 

 

 

 午後は、同期と鍛錬しました。

 

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み3日目。

 

 昨日から素振り1万回をしているが、ただ心を無にして素振りをするなんて面白くないしキツイことに修業開始2日目にして気が付いてしまった。そこで、自分の成りたい理想像の設定というか目指す先を決めることにした。なんか、ただ強くなりたいよりも「あの○○さんみたいな、カッコいい必殺技が出せるようになりたい~」みたいな目標があったほうが良い気がする。

 

 てか、前世での筋トレチャンネルでそう言ってた。 

 

 オレの目指す先。

 漠然と頭にあるのは、覇気ゴリゴリマッチョメンな大剣豪。見た目的な理想は、一番はリューマ。その次にゾロとかミホークとかシャンクスとかなんだけど…オレの中にある理想的な戦い方はカイドウなんだよなぁ。

 

 あの世界最強フィジカルと世界最高水準にある技術を組み合わせた全てが一撃必殺になる戦闘スタイル。正に最強の生物。中でも、カイドウの代名詞である「雷鳴八卦」は最高だった。前世で読んでいた時は、スリラーバークにて出てきたリューマと秋水に心を撃ち抜かれていたが、あのただ覇気を込めた棍棒一振りが一撃必殺になる姿にはさすがに痺れた。

 

 通常技でありながら必殺になりえる。

 

 オレもそんな大剣豪になりたい。

 目指すは、リューマとカイドウのハイブリッド車。

 一先ず、太刀と着物を買いに行こう。やっぱり大切なのは形から入ることだよな。

 

 

 

 午後は、同期と鍛錬しました。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み4日目。

 

 今日は、午前中に魂の素振りを行い、午後は買い物。なぜか、同期とリヴェリア様付き。最初は、一人で行く予定だったが、暇を持て余した同期がダンジョンにコッソリ行くと勘違いして付いてきた。ソレを見たリヴェリア様がキレて説教しながら付いてきた。

 

 いや、どうなってんだ?

 

 最初キレ気味だったリヴェリア様も少し話せば、誤解だと気付き落ち着いたが、今度は勘違いに気付いた同期がキレて来た。

 

 いや、どうなってんだ?

 

 

 

 

 まぁ、ソレも次のダンジョン攻略で必要だからと説明することで落ち着いた。

 そして、今回転生史上最も幸運なことが起きた! それはリヴェリア様のランクアップおめでとうキャンペーン。その名も―――リヴェリア様の奢りで一本武器が買える!

 

 一先ず、なんか見た目が良さそうな太刀を一本購入してもらいました。

 着物に関しては、リヴェリア様に「お前は、まだ軽装でダンジョンに行けるような冒険者じゃないッ!」と超正論で横殴りにされたので諦めました。

 

 確かに、ランクが1個上がった程度じゃ防具に遊び心を入れるなんて余裕出来ないよな…。

 

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み5日目。

 

 午前の素振り後、今日も暇を持て余した同期が来た。

 振り返ってみれば、同期と出会ってから1年以上が経過している。あの頃と比べて、オレたちは身長とか強さとか色々変わったが、根の部分が何も変わってない。オレは、同期以外にまともな友達というか知り合いがいない。同期も同期で、リヴェリア様やオレ、ロキ以外の奴と話してる姿を見たことが無い。

 

 ここまで聞くと二人ともボッチみたいだが、ハッキリ言って違う。

 

 これに関しては、同世代が誰もいないのが悪いとしか言いようがない。オレは、別に前世含めると他団員と年齢的には変わらない。けど、前世の30歳と今世での30歳は価値観とか色んなことが違いすぎてあんまり話が合わない。

 

 ソレに向こうから見たらオレはガキだし、ガキが大人の真似して話すのは少しかわいい部分もあるかもしれないけど、しつこいとウザがられる。加えて、そこまで苦労してまで話し相手を作ろうとも思わない。こういったコミュニケーション的なものは、オレが合わせに行くよりも向こうに合わせてもらう方が断然楽だし。

 

 

 

 

 

 

 鍛錬して思ったけど、必殺技を作ろうと思う。

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み6日目。

 

 オレは、この前「これから目指すのはリューマとカイドウのハイブリッド車だ」的なことを書いたが、そのうえで大切なことをまだしていないことに気が付いた。ソレが、昨日も最後に書いた必殺技である。やっぱりオレもめちゃくちゃ強いモンスターを倒す時は、必殺技を叫びながら倒したい。

 

 ―――雷鳴八卦(らいめいはっけ)ッ! とか

 ―――獅子歌歌(ししそんそん)ッ! とか

 ―――神避(かむさり)ッ! とか

 

 戦ってる最中に叫びやすい、単純にカッコいい、覚えられやすいのかっけえ技三種の神器をマスターした必殺技を作りたいと思い、昨日から悩みに悩んだ結果。名前とこういう技にしたいっていう願望をある程度まとめることが出来た。

 

 名前は「一閃(いっせん)」。

 名前の由来は、相手を一太刀で戦闘不能にさせるカッコよ技にしたいっていう願望。

 

 まず必殺技を考える前に、オレの中で一番カッコいいと思ってる技を書きだした。その上で参考にしようとしたときに出てきたのが、あのカイドウさんの雷鳴八卦。やっぱり通常技の磨きが掛かりすぎて即死技になるっていう理論値を突詰めたところにある技がカッコいいのよ。そしたら、あら不思議必殺技が出来ていた。

 

 つまり、オレの必殺技「一閃」の全貌は、ただ全力で力を籠めた一振り。

 刀版「雷鳴八卦」。

 

 一先ず、明日から素振り1万回の時に叫びながらやろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 午後は、同期と鍛錬しました。

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み最終日。

 

 今日も午前中は、素振り一万回。

 今日から新しく始めた必殺技叫び。周りから変な目で見られたが気にせず行う。天才のやることは、常人には理解できないともいうし、周りが何と思おうと遂行した。その上で、同期に少し嗤われたのにはキレそうになったが、アイツもいつか驚く日が来るんだと思いながら、一振り一振りに覇気が宿るよう集中した。

 

 午後は、同期との鍛錬。

 こいつとの鍛錬も今やお手の物。勝手知ったる暴走機関車に合わせながら打ち合う。こうして打ち合うことが出来ているのも同時にランクアップ出来た恩恵だ…とは思わない。普通に考えて鍛錬しすぎだろ。

 

 こいつ、この1週間の休みの意味を知ってんのか? オレたちが異例のスピードランクアップが余りにも非現実的すぎて肉体的な疲労を落とすためにやってんだよッ! なんで、毎日毎日お前と鍛錬しないといけねーんだよッ!!!

 

 

 ×月×日

 

 遂に、ダンジョン解禁!

 今日は、慣らしで軽く12階層まで潜った。同期は、早く先に行きたいと駄々をこねていたが、オレはそこまでの死にたがりではないので中層への進行は断固拒否の姿勢を譲らなかった。そのかわり、明日は絶対に行くとの約束を取り付けられた。

 

 ま、まぁ、いいさ。これも制約と誓約。

 明日から頑張るからさ。今日は、落ち着けよな。

 

 そう言いつつも、今日は12階層でうろついていたインファントドラゴンを殺しました。1年程潜って初めてのインファントドラゴン。同期が狂ったような笑顔で斬りつけに行っててあんまり印象に残らなかった。

 

 

 

 

 

 アイツのほうがモンスターだよ。

 

 

 Lv.2    

 力:I0   →I28

 耐久:I0  →I12

 器用:I0  →I10

 敏捷:I0  →I24

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 ×月×日

 

 初の中層進出。

 13階層からは、最初の死線(ファーストライン)と呼ばれるほど危険で、上層とはモンスターの質や遭遇率などが格段に跳ね上がる。また上層以上に徒党を組むモンスターや魔法のような遠距離攻撃を使ってくる奴がいるなどバラエティにも富んでくる。基本的には、レベル1のみではパーティを組んでも攻略不可能とされレベル2でもパーティを組んでからと言われる程である。

 

 そんなところへオレたち二人は、他の冒険者と組むことなく突っ込んでいった。

 

 まぁ、最初は少し無理なら諦めるかと思っていたけど、案外簡単だった。

 色んなモンスターがいたけど、今日一危なかったのは真っ黒犬型モンスターのヘルハウンドだな。あの巨体の割に、俊敏だし口から火炎放射出すしあまりにもやりたい放題だった。けど、ゼミで習ったところだったし、二人で対処可能な範囲内。今のオレらは、犬一匹に甘えを許すほど優しくねーんだわ。

 

 

 

 

 明日、火炎耐性のある防具買おう。

 

 

 Lv.2    

 力:I28   →I36

 耐久:I12  →I16

 器用:I10  →I13

 敏捷:I24  →I30

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 ×月×日

 

 ダンジョン中層攻略中。

 今日で中層に潜り始めて1週間以上経った。こうしてステイタスの伸びを見てみると、レベル1の時よりも伸びているのが分かる。やっぱり上層とは違って全ステイタスが攻略するうえで重要になっているのを肌で感じるのと同時に数値にも表れていると思う。

 

 中層では、戦闘にパワーもスピードも大切になってくるし、ある程度の耐久力や器用さだって戦闘の勝敗を分けてるように感じる。オレと同期の二人だけで攻略してるっていう甘えを許さない環境にも要因はあると思うけど、この限界のところで戦っている感じがたまんねぇ。

 

 それにしても、強くなることが目的とは言え、持てない分の魔石を道端に捨てんのは勿体ないな。だからと言って、サポーターを雇っても足手纏いだし守り切れない。他の冒険者と組もうと思っても、何か周りに避けられてる感もあって頼みづらいし、今更同期以上に連携組めるような奴がいるとも思えない。

 

 

 

 

 うーん、世知辛い世の中だなー。

 

 

 Lv.2    

 力:I99   →H112

 耐久:I75  →I81

 器用:I66  →I70

 敏捷:I93  →H100

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 中層攻略1か月。

 今日、初めてミノタウロスに出会った。

 前世でも見たことのあるミノタウロス。前世でも見たことあるは誤解を生むけど、中学生のころに図書館にあったギリシャ神話漫画でよく見たヤツ。あの頃は、図書館に行くと漫画にしか興味なくてギリシャ神話なんて興味もなかったのに漫画だからって理由で読んでたなー。

 

 そんなミノタウロスだけど、普通に強かった。

 あの見た目通り、パワーと耐久力が凄くて決定打を与えるのに少し手古摺った。でも、ああいう近距離パワー型こそ我が一閃の餌食。相手の間合いに気を付けながら、一閃を決めるだけの簡単なお仕事でさぁ。

 

 まぁ、なんだかんだ言って直近では一番闘いがいがある相手というか、戦闘していて面白い相手でもあった。最近のモンスターは、すぐ遠距離から攻撃とか、素早さをメインにちょこまか動いたり、群れて動いたりとめんどくさかった。

 

 

 みんなもっとミノタウロス君のこと見習いなよッ!

 

 

 Lv.2    

 力:G291   →F303

 耐久:H136  →H144

 器用:H119  →H125

 敏捷:G282  →G292

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 ×月×日

 

 今日、初めて狩人の恩恵を目の当たりにした。

 昨日ぶりのミノタウロスとの戦闘。明らかに昨日よりも同期の動きが良くなってた。あれは、ステイタスの更新があったからとかではない。1日のステイタス更新であんなに変わるならオレも変わってる。確かに能力値補正が入ってる動きだった。発展アビリティすげー。

 

 あれは、どういう原理なんだ?

 2回目だから緊張せずに動けるとか? 意味が解らん。

 

 とりあえず、オレの発展アビリティも仕事しろ。

 今のところは、5分の1くらいの確率で武装硬化が纏えるようにはなってる。早く成功率100%にしたい。

 

 Lv.2    

 力:F303   →F313

 耐久:H144  →H151

 器用:H125  →H130

 敏捷:G292  →F301

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、ダンジョン休み。

 週に1回の休日。これでもかなり少ないほうだとは思うけど、同期はそうじゃない。アイツは、もうあのキラーアント発覚事件を忘れたのか、週1回休みが来るごとに荒ぶってる。

 

 ランクアップしてから2か月ほど経ったが、日に日に同期が荒れているように感じる。何かを焦っているようにさえ見えて来るほど、ダンジョンに憑りつかれている。オレも週に1回の休みを少しもどかしく感じることはあっても、あそこまで荒れはしない。

 

 それに、オレがもどかしく感じるのはダンジョンに潜れないことじゃなくて、未だに武装硬化を使いこなせていない俺自身だ。

 

 あの地獄の中で掴んだ感覚をまだ自分のものに出来ていない。

 

 

 

 

 

 今日も魂の素振り1万回をした。

 

 

 ×月×日

 

 今日は、久々に冷や冷やした。

 15層で遭遇したライガーファング。パワー・スピード・耐久性その全てがオレたちが相手出来るギリもギリの存在。今回は、かなりの無茶をした。

 

 同期の奥の手は温存してもらいながら、オレの武装硬化を決め手に戦闘を進めた。すれ違いざまの攻撃や掠る程度の攻撃では、あの剛毛には決定打には成りえなかった。だからこそ、アイツが油断したところで出せた渾身の一閃が上手く刺さった。

 

 日頃の素振りに感謝。

 

 

 

 

 渾身の一閃ラストアタックきもちぃぃ!!!

 

 

 Lv.2    

 力:E422   →E442

 耐久:G270  →G282

 器用:H196  →G210

 敏捷:F391  →E410

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、16層探索。

 ここでは、群れたミノタウロスに初めて遭遇した。今までは、何だかんだ1体ずつでの戦闘が多かったが、複数体ミノタウロスとの戦闘は初めて。正直言って、何も語ることはない。立ち回りで上手く1対1の状況を二人で作りながら各個撃破していく流れ作業だった。

 

 あのライガーファングを倒してから武装色が纏いやすくなっているような気がする。成功率も3分の1くらいになっているような感覚がある。一閃を出す時に限って言えば、100%に達している…と思う。今のところ、ここぞという時で出す一閃の武装硬化はすべて纏うことが出来てる。

 

 

 これが、極限状態で開花するってやつか…。嬉しい。

 

 Lv.2    

 力:E460   →E469

 耐久:F301  →F307

 器用:G216  →G220

 敏捷:E426  →E435

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 ×月×日

 

 初めての18階層。

 今日は、丁度昨日ゴライアスが倒されたとの情報が入ったため、急遽18階層へ駆け込み乗車した。初めての18階層は、本当にダンジョンにいるのか自分の目を疑った。

 

 綺麗な水晶と大自然が広がる世界。

 しっかりと回らないと全貌を知ることが出来ない広さや地下世界だと思えない自然、そして最後は冒険者の街「リヴィラ」があるなど、普通にダンジョンだとは思えない光景だった。でも、リヴィラの物価は鬼高だった。

 

 あの街では買い物は無しだな…。

 

 Lv.2    

 力:E469   →E478

 耐久:F307  →F313

 器用:G220  →G224

 敏捷:E435  →E442

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 今日は、週1休暇。

 ランクアップしてから半年以上経ってる。大体10か月とか? まぁ、それなりに時間が経ってきたけど、今のオレたちは、20階層で足止めを食らってる。足止めと言っても誰かに邪魔をされているとかではなく、単純に2人という人数では、攻略できないところまで来てしまった。

 

 19階層から「大樹の迷宮」と呼ばれる森林が広がっているが、そこから出てくるモンスターが状態異常攻撃や罠による攻撃など、今までの戦闘とは趣向を変えてきてから攻略が難しくなってる。これまでの戦闘は、1回の戦闘で受けた傷は回復薬1本で治るor問題ない程度の傷のどちらかだったが、19階層からは放置できる傷が基本的にない。

 

 見た目上問題が無くても毒の可能性を考えて解毒剤や回復薬を使わないといけない状況になってきた。放置していると、後々に響くことが分かってからは、そこら辺をかなり慎重にしている。それに加えて、分かりづらい罠など単純な戦闘力では解決できない問題が増えてきた。

 

 そのせいもあって今までの思い切った戦闘が出来ておらず、フラストレーションが溜まる日々が続いてる。正直言って、2人だけで20階層まで行けたことすら普通に考えたら凄いことだとは思ってる。でも、やっぱり少し悔しい。ここまで来たからこそ、そのまま2人だけでもう少しだけ先まで行き切りたかった。

 

 

遂に他のメンバーを募集する日が来たのかもしれない。

 

 

 

 同期はかなり荒れてる。

 ここまで順調に進んでた分、思うように攻略出来ない現状に苛立ってるのが見ただけで分かる。最近は、そんな姿を見かねたリヴェリア様やロキが積極的に話しかけてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 仲間探し1か月。

 組んで3日経ったイルルさんからパーティを組むのは難しいとの話があった。どうしてもオレたちの攻略スピードに合わせるのは難しいとのこと。それに、オレたちが戦闘中にイルルさんを守る意識が低くて、何度も身の危険を感じたことが理由らしい。

 

 今まで2人きりのワンマンチームで来た弊害がかなり出てる。

 オレたちの攻略スピードは、やっぱりレベル1にはキツイものがあるとは思う。だから、これまでレベル2で組める相手がいないかを探してたし……結局見つからなかったけど。それでも、今回はスピードを意識してはいた。だから、今回の本音は仲間のことを守る意識が全く足りてなかったってところだろうなぁ。

 

 今まで仲間を守るという意識よりもどう戦闘で息を合わせるかに重点を置いてたし、守る必要がないほど頼りになる人しか組んでなかった弱さが出てる…。

 

 

 最近、上手く行ってないなぁ。

 

 

 Lv.2    

 力:A851   →A855

 耐久:B743  →B746

 器用:D544  →D547

 敏捷:B799  →A802

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 ×月×日

 

 遂に、同期がキレた。

 久しぶりに上層で怪物進呈(パス・パレード)を食らった。同期が、というかオレも一緒になって八つ当たり気味にモンスターを殺しまくった。ここ最近の仲間探しが上手く行ってない流れや中層に行っても自分の得意な戦闘を出来ていないフラストレーションだったり、その他諸々の八つ当たりをした。

 

 一通り戦闘が終わった後、なんでランクアップ出来ないとか20階層以上の攻略が上手く行ってないこと、一緒にパーティを組んでくれそうな人がいないことだったりの言い合いになった。

 

 

 

 

 

 どっちが悪いとか色々言い合ったけど、一旦休みを取ることにした。

 

 

 Lv.2    

 力:A855   →A865

 耐久:B746  →B751

 器用:D547  →D561

 敏捷:A802  →A810

 魔力:I0  →I0

 覇気:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 喧嘩休み1日目。

 午前中は、鍛錬。休みの日は、しっかり素振り1万回をやる。どんな状況でもこういった鍛錬が実を結ぶのをオレは知ってる。それに少しでもステイタスが伸びる分の経験値稼ぎは怠らない。やっぱり頑張った分がしっかり伸びるのは良いこと。

 

 鍛錬後、ロキに最近の様子を聞かれた。

 いつも週の半ばに休みを入れるオレたちが、週初めに休みを入れてるのを奇妙に思ったらしい。一先ず、ここ最近の流れを話した。ロキは、何でもっと早く相談しないと怒ってた。そういうパーティを組むのは、ファミリア内で調整できる問題とのこと。逆に他ファミリアと組むと向こうの主神に確認だったり金銭配分などでややこしいことがあるらしい。それにそういった問題は、先に家族を頼れとしっかりと叱られた。

 

 話を聞いて、確かにと納得した。

 なんで身内に頼らずに、オレたちは自分たちで解決しようとしたんだろう。オレたちは、まだガキなのに…。自分たちがランクアップしたからと調子に乗ってたかもしれない。いつも周りに相談できる人はいたのにな。

 

 

 

 とりあえず、問題は解決したけど同期に伝えるのは1週間後にする。

 休暇は大切。今年もかなり大急ぎで駆け抜けてる感じがあるから、休めるときにはしっかりと身体を休めよう。それに、昨日の今日で同期に話しかけに行くのはちょっと気まずい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ㊗必殺技は、叫ぶと威力が上がるらしい。

 

 

 

 ×月×日

 

 喧嘩休み2日目。

 午前中は、日課の素振り1万回。昨日で問題が解決したおかげもあって、久しぶりに気持ち良く素振りが出来た。思いのほか覇気のノリも良かったし、今日はかなり調子が良かった。鍛錬後には、ジャガ丸くんを買いに行き、広場の噴水で食べるという最高のモーニングを過ごせた。

 

 ホームに戻ってくると、リヴェリア様から話があった。

 内容的には、最近のオレたちの様子を心配していたや同期が怪しい雰囲気を醸し出していて心配、しっかり2人でコミュニケーションを取れてるのかなど色々聞かれた。それに対し、昨日ロキに話したことと同じ内容を話すと、しっかりと周りを頼れと叱られた。

 

 叱られた上で同期の相談を受けた。

 なんでも最近というかここ数か月前からランクアップの方法やステイタスの効率的な上げ方などを周りに聞きまくっていたらしく、そのことで同期から話はあったかの確認だった。確かに、オレもはじめダンジョンに潜ってる時に色々とそういった話を聞かれてはいたけど、オレも詳しく知らないことに気付いたのかここ最近は聞かれなくなった。

 

 

 

 そう思うと、アイツは去年からずっと思い詰めてたかもしれない。

 

 

 ×月×日

 

 喧嘩休み3日目。

 あのバカがやらかした。同期が1人でダンジョンに潜っていたことが判明した。まぁ、そこまではギリギリ許容範囲内というか、アイツなら今までもやるポテンシャルがあった。でも、そこから先がダメだった。

 

 いち早く気付いたオレとリヴェリア様は、ロキに報告した後すぐダンジョンに探しに行った。かなり急いだのが功を奏して、思いのほか早く見つけることが出来たけど、アイツは探しに来たオレたちを見てめちゃくちゃ怒ってた。しかもあろうことか探しに来たリヴェリア様に向かって、「貴方は私の母親じゃない」と吐き捨ててもう一回ダンジョンに潜るなんていう大暴挙をかました。

 

 それを聞いたリヴェリア様が凄い落ち込んでたけど、そこはやっぱり100年近く生きた賢者。すぐに立て直して探索を再開した。

 

 

 

 

 そうして再度、同期を見つけたら黒いワイバーンと戦闘してた。

 

 いや、どうなってんだ?

 

 最初は、同期も1人でやる雰囲気だったけど、2体目が来てからはオレも参戦しての戦闘になった。正直言って、リヴェリア様にすぐ助けてほしかったけど、なんか気付いたら壁付近で後方腕組み師匠面してて助けてくれなかった。しかも、なんかめちゃくちゃ同期のこと応援してたし、同期も応援を聞いてから変な風でバーみたいな感じでワイバーン倒してた。

 

 最後には、リヴェリア様と抱き合って泣きながら仲直りしてた。

 

 

 

 

 

 

 

 オレは、応援なく1人で倒しました。

 

 

 ×月×日

 

 今日、同期がクソ怒られてた。

 怒られる同期を横目にとる昼食は最高。同期は、自分が悪いのをしっかりと理解していて、今回は反論も特になく受け入れてた。

 

 今日の同期は、いつもとふたあじくらい違ってた。

 あの無表情で他人に興味を示さない傍若無人の同期がオレに謝罪した。「昨日はごめんなさい」と謝った。はい、明日は槍が降ってきます。これマジです。しかも、表情も申し訳なさそうにしてた。

 

 いや、どうしたん?

 

 少し怖くて、あんまり反応できなかった。そしたら、横にいたリヴェリア様に「素直に受け取っておけ」と言われながら頭をなでられた。

 

 いや、どうしたん?

 

 この恐怖は、すぐに離れないですよリヴェリア様。あの人を顧みない性格をした同期が誰かのためを想って謝罪するなんて、花京院の魂を賭けても良い100%ないね。

 

 

 

 

 

 そういえば、ランクアップしてた。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 祝ランクアップ!

 遂に、レベル3まで駆け上がってしまった。これでオレたちも立派な中堅だ。前回に引き続き今回も1年でのランクアップということで、マジで世界がオレたちの凄さに気付いてしまった。遂に、オレも明日からは歩いてたらサインを求められるかもしれない。

 

 今回の発展アビリティ!【剣士】・【耐異常】。

 流石に【耐異常】一択だった。今回ランクアップは出来たが、オレたちの最高到達階層は、20階層。あまりにも状態異常攻撃に苦しめられた1年だった。それを考えると、【剣士】なんていう脳筋アビリティを取っている暇はない。それに【剣士】は、もう少し必殺技に磨きが掛かってから取りたい。

 

 ロキ曰く【耐異常】は、状態異常の症状をある程度防ぐことの出来るアビリティとのことで、多少の状態異常であれば我慢できるようになるという今のオレたちが一番欲しいアビリティだった。

 

 

 

 

 

 

 

 今回のランクアップ祝いは、豊穣の女主人で行われた。

 

 あの同期がリヴェリア様の横で嬉しそうにご飯を食べてた。

 

 

 

【レベル2最終ステイタス】

 Lv.2    

 力:A880  

 耐久:B763 

 器用:D574 

 敏捷:A830

 魔力:I0

 覇気:I 

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

【祝レベル3】

 Lv.3    

 力:I0

 耐久:I0

 器用:I0

 敏捷:I0

 魔力:I0

 覇気:H

 耐異常:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

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