覇気使いの日記   作:パンツハキハキマン

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日記③

 ×月×日

 

 ランクアップ休み3日目。

 

 今日も変わらず魂の素振り1万回をこなす。

 今のオレにとって武装硬化なんて朝飯前。オレは2度目の死闘を経て、武装硬化100%の時代を迎えることが出来た。これによりオレの攻撃力は一段階上のモノへと昇華。今までの敵なんて一発首ちょんぱ、マジおちゃのこさいさいですわ。ガハハハッ!

 

 まぁ、ランクアップしてからダンジョンに潜ってないからその威力はハッキリとはわかってないけど…今なら何でも斬れる気がする。この前の真っ黒ワイバーンも何だかんだ三太刀くらいで死んでたし。

 

 

 遂に、次の修業に行ける所まで来た。

 次に目指すというか習得したいのは、やっぱり見聞色の覇気!

 

 相手の気配や感情を読み取る技術。

 極めていくと、相手の心の声や過去・未来を読むなど割と荒唐無稽。何でも「―――読めたぜ」みたいなこと言っとけば何とかなりそうな超技術。

 

 気配を読んで相手の位置を予測とか、攻撃してきそうな択を予測するみたいなことは分かるけど、過去とか未来を映像的なビジョンで読み取ることが技術ってどういうことっすか? 多作品における時間関連の唯一無二な能力設定がバカみたいじゃないっすか。未来予知とか過去視ってスゲー力なのに、覇気だったら頑張れば習得可能ってことかよ。

 

 ―――マジ最高すっわッ!

 

 

 

 

 ということで、目隠しした状態で同期に棒で殴ってもらった!

 

 普通にドン引きされたけど、修業だからという理由一つでガン押ししたら渋々やってくれた。結果は、たんこぶ6個とひびの入った骨が10本くらい!

 

 ランクアップしたけど、現実はハードでした。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ランクアップ休み最終日。

 

 午後、薬屋へ行く。

 19階層からの状態異常対策用薬品の購入。レベル2の時に苦戦した20階層。そこに潜る時の装備をリヴェリア様と同期、オレで揃えてきた。死ぬほど苦戦した約1年間。あの時のオレたちは、バカもバカでどうやったら攻略できるのかを家族に全く相談してなかった。それこそ、どの薬をどのくらい買ってどのタイミングで飲んだら良いとか、どういった戦闘は避ける、どうならないように立ち回るだとか、そういったアレコレをすべて省いて潜ってた。

 

 ソレを同期も危ういと感じたらしい。

 どう対処したら良いのかをしっかりとリヴェリア様に相談していた。

 

 ―――うん、最近感じてはいたが同期は変化してる。

 

 ソレもかなり良い方向に。ランクアップというか、あの真っ黒ワイバーンを越えたあたりからしっかりと周りを見るようになった。朝に会ったら一発目にあいさつするし、表情が柔らかくなったし、オレたちのパーティーのこともしっかりと考えて、しつこくお願いしたら了承してくれるようにもなった。

 

 そのお陰でこの前から割と無茶な修行に付き合ってくれてる。

 

 

 この変化をオレは良い流れだと思ってる。

 パーティーとして、いや冒険者として足りていなかった根本的な部分が今の同期にはある…と思う。なんか周りのことを視てるというか、物事を考えるときに自分以外の誰かを計算に入れてるみたいな? まぁ、そこらへんの心構えが今の同期にはあると思っている。

 

 今まで1人で考えていたことを2人で考えていく。周りに頼るってかなり違うよぁ。

  

 ということで、ロキに仲間探しを待ってもらうようお願いした。冒険者としてもう一度だけオレたち二人だけでダンジョンに挑戦させてほしいという無茶を。この前どころか数秒前に言っていたことと180度違うことを言っているバカ野郎ということはわかる。加えて同期と一緒にもう一度リヴェリア様の講義を受けたから二人攻略は無茶だってことはわかってる。

 

 

 でも、だからこそ、もう一度だけ挑戦(ぼうけん)したい。

  

 

 最初、ロキとリヴェリア様も渋い顔をしていたが、二人とも今の同期が変わっていることやこの流れこそがオレたちに足りなかったモノであるということを感じ取っているのか、いくつかの条件を出したあと願いを汲んでくれた。

 

 

 明日から、パーティーでダンジョンに潜るぞー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 条件1:ダンジョンに潜る前にリヴェリア様と作戦会議をする。

 条件2:4日潜って2日休憩・1日作戦会議のサイクルを作る。

 条件3:無茶するな。

 

 

 

 ×月×日

 

 パーティー1日目。

 

 ダンジョンに潜る前に、リヴェリア様を含めた作戦会議を行い出発。今日の目標は、一度18階層まで慣らし攻略した後、リヴェラ横森林にてテントを張り1日目終了すること。

 

 結果は、圧勝。

 何一つ怪我なく踏破。18階層に進むまで全てのモンスターが雑魚。覇気も使うことなく最速で戦闘終了。ここまで成果が出ると心配はなくなる。今のオレたちなら19階層は越えられる。

 

 確かにランクアップによるステイタスの上昇は多少あれど、この実感は数値によるものじゃない。オレと同期の連携が今までにないレベルに達してる。これまでなら派手に動く同期にオレがアシストする形で戦闘を進めていたけど、今はそうじゃない。

 

 お互いが攻めを交互に行いながら、代わる代わるアシスト役もこなす。

 

 いわば最強の二人三脚システムが構築出来てると思う。

 互いに味方のミスを減らすこの動き。

 最高にマッチしてます。

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 パーティー2日目。

 

 今日は、20階層でモンスター狩り。

 出てくるモンスターは、基本的にはリヴェリアゼミで復習したモノ。今回は、かなり丁寧にゼミを受けた成果も出ており苦戦することはなかった。状態異常系に関しては、対象モンスターの出す胞子の色や距離に注意しながら進み、倒せる範囲内のモノは倒して魔石の回収という流れをある程度練習することが出来た。

 

 今回のダンジョン潜りに関して言えば、こういった地味な作業の部分を反復することが最大の目的。オレたちが苦手な座学による安全な行動をどれだけ意識し行動へ移すことが出来るか。

 

 コレは、リヴェリア様が基本だと今まで口酸っぱく言っていたこと。

 

 本来であれば、レベル1の時代に積むはずだった基本をオレたちは今からやる。文字にするとあまりにもバカすぎるが、オレたちにはそんなバカでもレベル3になるほどの才能があった。だから、こんな事態になってるが、オレはこれで良かったと思ってる。

 

 こんな面白くないこと、自分たちが必要だと感じないと真面目に出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 オレたちは、脳筋だ。マジで脳みそ作業キツイ。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 パーティー3日目。

 

 今日も20階層でモンスター狩り。

 

 今日は、地形に合わせた団体移動に関しても少し練習をした。森林であることを活かした3次元的移動。本来であれば、地面を歩いて進むことが基本であるが、森林という特殊な環境下であるからこそ出来る枝やら幹を使った機動力重視の動き。

 

 これは、22階層から多く出てくると言われる昆虫型モンスターに対してのカウンターを意識した動きになる。22階層以降は、昆虫型モンスターと言っても蟻系などの地面由来以外にも蜂やクワガタなどの羽を持ったモンスターが出てくると言われている。

 

 そういったモンスターに対しては、魔法や弓、魔剣による遠距離攻撃が有効だとされているが、うちのパーティーにそんな雑魚モンスターに出す安い商品はない。

 

 だからこそ、3次元移動による機動力の確保。

 それが、オレたちなりの攻略法だと考えた。幸いにもオレと同期は、敏捷ステイタスが高い。尚且つ、近距離戦闘においては、中層にてかなりの強さを誇っているとの評価も貰っている。なればこそ、ここで見せるべき作戦は3次元移動を取り入れた脳筋攻撃だとオレたちは導き出した。

 

 

 

 つまり、力こそぱうわー。

 

 

 ×月×日

 

 パーティー4日目。

 

 相も変わらず20階層でのモンスター狩り。

 今日は、脳みそプレイと3次元移動を合わせた3次元脳筋動きを練習。移動時は、3次元移動を意識。接敵時には、ゼミで習ったことを同期と口に出し合い情報シェアしながら、最適な動きを互いに注意しあう。そして、最後に一閃を決める。

 

 この動きを反復。

 

 今日一の獲物は、ガン・リベルラ。

 巨大なトンボ型モンスター。素早い動きで空中を泳ぐ姿は、流石昆虫と言わざるを得ない。だが、今のオレたちはパーティーバフの掛かった脳みそを使う脳筋パーティー。つまり隙のない脳筋集団ということ。そんな最強集団の前では、ガン・リベルラもただのトンボ。

 

 二人で翻弄しながら、余裕で一閃。

 

 

 

 

 今日は、社訓2が適用される4日目。

 しっかりと言いつけを守るべくガン・リベルラを倒した後は、戦闘を引き上げた。その後は、上層に向かってひたすら移動。その間も脳みそプレイは忘れず行う。

 

 その姿、まるで戦う受験生。

 

 

 Lv.3    

 力:I0  →I59

 耐久:I0 →I40

 器用:I0 →I29

 敏捷:I0 →I55

 魔力:I0 →I0

 覇気:H

 耐異常:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 ×月×日

 

 ダンジョン休み1日目。

 

 魂の素振り1万回をした後、目隠し修行へと移行。同期は、まだ目隠ししているオレを殴ることに対して抵抗があるが、すんなりと参加してくれるようになった。

 

 最初は、殴る場所を同期に声掛けしてもらいながら避ける。その中に、何も言わず殴るフェイントを入れてもらう。そして、徐々に声掛け殴りとだんまり殴りの比率を変えていき…最後には、ただ黙々と殴る同期と頑張って避けようとするオレが完成する。

 

 これが今のところの目隠し修行。

 

 進行度合いについては、取っ掛かりの部分は触ることが出来てる。元々、ダンジョンに潜りモンスターを探す、気配を見逃さないよう気を張るなんてことは日常茶飯事だった。そう考えれば、今の修業もその延長線上にあるモノ。

 

 その成果は、しっかりと芽を出している。殴られている中に何かが来る感覚がたまに出てきて、それに従うと上手く避けれることは何度かあった。アレこそが、オレの求めている次のステップ。

 

 

 

 

 ―――見聞色の覇気だと思う。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 ダンジョン休み2日目。

 

 覇気とは、人に宿る意志の力。

 だいぶ前にも書いた気がするけど、あの時と違い今のオレには覇気の根本である意志の力を拙いとは言え扱えるようになった。では、扱えるようになった今。意志の力とは、どんなモノであるのかを初心者なりの意見を今のうちに書いておく。

 

 意志の力とは?

 ザックリ言うと自然エネルギー的なモノなんじゃないかと思う。もしくは、魔力とは違った精神エネルギー? ただ、それだと魔力との差別化がどう行われているのかは説明できない。

 

 確かに、覇気には何かを消費することで特殊効果を発動するという、魔力と魔法のような関係がある。エネルギーを消費することで、自身を守る武装色や先を予見する見聞色、そして圧を生み出す覇王色など。魔法でも同じようなことは出来ると思う。

 

 魔法と覇気で何が違うのか?

 それは、当たり前だけど魔力を消費していない部分にある。現に、オレのステイタスで魔力は全く成長していない。それこそがこの世界のシステムにおいて、覇気と呼ばれる超エネルギーが魔力との関係性を否定している部分だと思う。

 

 では、覇気とは何なのか?

 そこで最初に出てきた自然エネルギー説を出したい。イメージとしては、NARUTOみたいなやつ。ただ、エネルギーの溜め方が違うんじゃないかと思ってる。NARUTOだと自然エネルギーを集めるために自然と一体化することが第一鉄則。だからこそ、一切の動作を省いた座禅から入ることが重要とされていた。

 

 でも、覇気では違うと感じてる。

 ただ扱い方、エネルギーの発散方法を知っているかどうかが鍵になっていると思う。意図して覇気を溜めているんじゃなく、エネルギーを発散した分が自動で回復していく。ソレが覇気の原理だと予想してる。

 

 誰もが潜在的に持っている気や精神力などの見えない感覚。ソレが実は自然の中に溢れていて見えないけど、人の身体を通すことで初めて力として変換される。そんなあやふやなエネルギーなんじゃないかと思ってる。そうじゃないと、覇気を極限まで使用したルフィが意図的に覇気を回復させるなんてことは出来ないと思う。

 

 覇気と肉体の結びつきは強い。

 ソレは、常に作中でも描かれていたし、実際に扱う身になると分かる。だからこそ、疲労困憊で連戦を重ねたルフィが意識して回復なんて出来ないことも感覚的にわかる。あの回復速度は、覇気を消費した分が自動で補填されていくシステムだからこそできる芸当。

 

 そして、その回復速度こそが才能や覇気の練度によって変化するんじゃないかと考えてる。

 

 長々書いたけど、つまり覇気は自然エネルギー(仮)ということ。

 

 

 色々まとめようと思って書いたけど、よくまとまんなかったし無駄に解釈を広げてお終いになっちゃった。しかも、ここまで書いて気付いたけど別にコレ自然エネルギーじゃなくても良さそう。魔力とは別系統の精神エネルギーシステムがあるっていう話でよくね?

 

 

 あーあ、もうよく分かんねぇし、めんどくせー。

 

 なぐられんのきもちー。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 パーティー大体6か月?

 

 今日は、遂に24階層へと進出。

 進出早々デッドリーホーネット君が進出祝いに来ていた。二つ名は上級殺し(ハイ・キラービー)。なんとも物騒な名を持ったモンスターだが、その名に恥じない危険度を誇る。人間大の蜂で毒針はたとえレベル2でも即死させると噂の代物。そして、制空権を我が物顔で泳ぐ機動力の化身。加えて強固な甲殻も持ち合わせるというダンジョンの神に愛されたモンスター。

 

 今回は、単体だったから同期との3次元脳筋アタックがぶっ刺さりだった。

 

 特に、今回は同期の風魔法が火を噴いていた。風なのに。やっぱり、同期の風を纏った超速機動力と瞬間火力の大きさは、何度見ても憧れるものがあるなぁ。アレを見ちゃうと魔法ほしーってなるもん。一発で戦況を変えるというか決めきる必殺技であり、見た目の派手さも十分。その上で火力以外のカッコいい使い道もある。

 

 ―――うん、完璧やね。

 

 

 

 まぁ、オレも魔法じゃないロマン必殺技があるからなぁ。流石にトントンか。カッコよさに関して言えば、オレの圧勝だけど。最近の「一閃」は、武装硬化によるカッコよさとパワーを最大限に引き出すことが出来るため、最早魔法になってる。

 

 

 Lv.3    

 力:D556  →D562

 耐久:F346 →F350

 器用:G277 →G280

 敏捷:D511 →D518

 魔力:I0 →I0

 覇気:H

 耐異常:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

 

 

 

 ×月×日

 

 パトロール1日目。

 

 最近、闇派閥とかいうヤバい集団がイケイケらしく、大手ファミリアの一員としてパトロールするようロキと団長に言われた。何でもパトロールに参加することで市民に顔を売ることが出来るらしい。確かに、若手かつダンジョンに潜る以外のことを全くやらないオレたちにとっては、周りに顔を知ってもらう良い機会なのかもしれない。

 

 でも、街を歩くだけだしぁ。

 

 ただ、街を歩くだけでは暇なので買い食いしながら散歩する。今日もジャガ丸くんは最高だった。やっぱり激辛ソース味は、最強。マジであの辛さは癖になっちゃうよ。

 

 同期が小豆クリームと抹茶クリーム食べてた…。

 

 

 

 それだけはないだろ。

 

 

 ×月×日

 

 パトロール2日目。

 

 今日は、運命へ感謝。

 

 パトロール2日目にして、オレたちは事件と遭遇した。真っ黒集団による魔石製品工場への破壊行為。建物・人関係なく破壊の限りを尽くすという大事件。そこへギリギリ間に合ったオレたちは、一人ずつ駆除していった。初めての対人だったが、そこまで緊張することもなく斬ることが出来た。最初は二人で対処していたが、いつの間にかいた金髪エルフが一緒に戦ってくれた。

 

 会話する暇もなく戦っていると、女集団がやってきて事態は解決。

 初仕事初勝利という大戦果を収めた。

 

 途中、乱入してきた金髪エルフと女集団は、名をアストレア・ファミリアと名乗っていた。金髪エルフに赤髪リーダー、着物黒髪、ピンク髪小人族などその他メンバーも設定森杉集団。どっかの漫画の主人公集団っぽいキャラ付けだった。

 

 中でも、団長を名乗る赤髪は元気溌剌で頭が正義というTHE主人公タイプ。少し苦手なグイグイ系に翻弄されながらも会話を試みると、衝撃の事実が発覚する。

 

 着物黒髪さんは、刀をメインに使っている極東出身の人らしい。名をゴジョウノ・輝夜。極東の刀をメインに剣士としてアストレア・ファミリア一の白兵戦能力を誇るらしく。赤髪によると刀使いだけに関して言えば、オラリオ内では彼女の右に出る者はいないと豪語できるほどの実力者だと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 着物を着て、刀で戦う? ふーん、最高じゃん。

 

 

 

 

 

 とりあえず、土下座して師匠になってくださいとお願いした。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 土下座1日目。

 

 めちゃくちゃ嫌そうな顔された。あんまり歓迎されていないことを感じながらも一発土下座をすると拒否の一言。何でも違うファミリア間での師弟関係は、推奨されていないらしい。師弟関係を組むということは、互いに手の内を晒しあうこと。ソレが違うファミリア間で行われれば、関係の悪化は必須。

 

 組んだ先に見える未来が最悪だと言われた。

 

 ソレを聞き、確かになーと思ったが、そんな理由でオラリオ一の刀使いの弟子を諦める程オレの覚悟は甘くない。師匠(仮)によると、師弟関係を組む分には問題はないが、組んだ後の対処が大変だということ。

 

 では、組んだ後の問題とは?

 ソレは、今のどちらの上にも相談していない状態で手の内を明かすこと。自身の商売道具を貸し借りする状況を誰も把握していない+トップに許可を取っていないことが元々の問題であるということ。

 

 まぁ、整理してみるとソレはそうみたいな話ではある。だから、オレがやるべきことは闇雲に師匠(仮)に土下座をすることではなく、上に許可を取り土下座することが最優先ッ!

 

 

 

 

 ロキえもーん! 頼むー!

 

 

 

 ×月×日

 

 土下座2日目。

 

 ロキからは、すぐに許可を貰えた。

 怒られるかなとも思ったが、相談できて偉いと褒められた。いや、ガキかよと思ったけど、まだガキだった。まぁ、そんな訳で今日は、ロキとリヴェリア様とオレでアストレア様へ師弟関係お願いのお菓子を渡しに行った。なぜリヴェリア様も? と思ったが、先生役として当たり前だと言われた。

 

 アストレア様からの返事は、輝夜が良いのならという好返答。

 そこからは、とんとん拍子に話が進んでいき無事に刀の扱い方を教えてもらえることに。最終的には、修業場所や指導の中で生じる怪我やアイテムの管理・情報の扱い・謝礼金などについて話し合いが行われた。

   

 もうロキとリヴェリア様には足を向けて眠れないと思う。

 

 

 

 帰りがけにロキやリヴェリア様にしっかりとお金は返すと話したけど、子どもは気にするなと頭を撫でられた。

 

 

 

 ―――かっけえ。

 

 

 

 

 でも、しっかりお金は返す。

 ソレが出来なきゃここまでやってもらった意味がない。

 

 

 

 ×月×日

 

 強化月間0日目。

 

 まず、同期に1か月ほど休みが欲しいと打診。

 流石に戸惑っていたが、強くなるために修業がしたいというと少し勢いが治まる。どうやら同期も少し自分の技術面での不安というか誰にも師事せずに進んで良いのかは不安に思っていたらしい。なら、この機会を使って一度技術強化月間をやってみないかと提案するとすんなり乗ってくれた。

 

 なんかオレの所に付いてきて、一緒に修業しようとしていたが流石に止めておいた。アストレア・ファミリアには、かなりの無理を言ってお願いしたし、これ以上の迷惑はかけたくない。ただ、だからと言ってここで同期を突き放すのは流石に良心の呵責のウルトラブリザードが起こりそうなので、団長へ直談判。

 

 “こんな未来ある団員をほっとくの不味いですよ!”

 

 “流石に師匠必要!”

 

 “でも、オレ見つけられない!”

 

 の三種の神器を振り回し、団長へ華麗にパス。

 なんか複雑な顔してたけど、今まで無茶しても何とかしてくれたし、今回も何とかなるだろ。

 

 

 

 ということで、オレは明日から修業だぁっぁぁぁあああ!

 

 

 ×月×日

 

 強化月間1日目。

 

 まず、師匠の前でいつもの闘い方を披露。

 気持ちが上がりまくって、今までで一番の一閃も出せた。そんな最高の滑り出しに心もルンルンだったが、ソレを見た師匠からはダメ出しの嵐。刀の持ち方や立ち回りのダメ出し。変な溜めを作っている部分があるとか動き出し一歩目の足の位置、腰の使い方、刀の振り方すべてがダメ。

 

 色々言われることは覚悟していたけど、渾身の一閃を棒切れ振ってたほうが様になると言われたときは、流石にへこんだ。アレは、その場にいたアストレア・ファミリアの応援がなかったら泣いてたと思う。

 

 でも、今言われた部分を直せたら格段に強くなるとのお墨付きも貰えた。

 

 

 今日は、刀の持ち方から教わった。

 

 

 ×月×日

 

 強化月間5日目。

 

 今日は、この4日間で習った基本のテスト。

 まずは刀の持ち方。そこから振りのテスト。真向切りや袈裟斬り、一文字斬りなどの基本8種の振りを確認。それぞれが極東に伝わる伝統的な剣術であり、その基本的な振りをしっかり体に染み込ませることが、基本にして奥義とされるらしい。

 

 テスト後、師匠からは才能があるの一言を貰えた。

 普通は、年単位でもっと練習するらしいけど一旦は合格。

 

 今のオレの振りは、形になってはいるとのこと。形になっているとは言われても、今のガキの年齢にしては振れている方という意味であって、決して一人前になったということではない。多分、今のオレは下の下ぐらいだろう。ただ、この形をとることが出来たら剣士としてスタートラインに立てたということらしい。

 

 あとは、実戦形式で学んだ方がオレの性に合ってると師匠は言ってた。

 

 テスト後は、アストレア・ファミリアがお祝いしてくれた。

 いや、あったかすぎだろ。

 

 

 

 ×月×日

 

 強化月間10日目。

 

 最近、師匠の人となりが分かってきた。

 師匠は、ドSで口が悪い。なんか正論パンチというかネチネチした感じがめんどくさい。確かに言ってることは的を射ているけど、もう少し言い方を優しくしてくれた方が良いと思う。でも、褒めるときは何かドS味が減る。優しい雰囲気が出る。

 

 今日も師匠との稽古。

 型テストが終わってからは毎日コレ。師匠と打ち合いながら学んだ型を戦闘に落とし込む。実際に師匠と対峙することで学ぶ。ソレが今の日課。

 

 この稽古かなり面白い。

 感覚的には、ハンターハンターの攻防力組手みたいな、型による後出しジャンケンに近い。相手の繰り出そうとしているチョキの動きに対して、グーの動きを当てるみたいな。逆に自分のパーの攻めに対して、師匠はどのチョキを繰り出そうとしているのか・どういった動きを最適解として選ぶのかを練習でありながら実践的に学ぶことが出来る。

 

 

 その上、自分の型の動きが滑らかになるのを感じると脳汁が止まんない。

 

 

 

 …やべぇ。オレマジでサムライに近づいてるわぁ。

 

 

 

 ×月×日

 

 強化月間17日目。

 今日は、午前中に師匠と稽古、午後は金髪エルフと稽古。最近は、師匠以外との経験も積んだ方が良いとのことで、よく金髪エルフに赤髪団長、ピンク髪さん、褐色狼さんなどその時に時間があるアストレア・ファミリアの団員に稽古をつけてもらっている。

 

 正直言って、ここまで全面協力してくれると思っていなかったので、アストレア・ファミリアという脳筋正義集団に恐怖を禁じえなかった。

 

 報酬があるとは言えやりすぎじゃね? とピンクさんに聞いたら、どうやら報酬が相場の3倍くらいあったことと赤髪団長が期待してくれているとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かあったかすぎる。

 

 オレには勿体ない気しかしないけど、貰えるもんは全部貰っておこう。何より今の環境はオレの中のサムライスピリッツが成長する絶好の機会だし。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 強化月間25日目。

 師匠から極東基本剣術の免許皆伝(仮)を貰った。基本剣術については、一旦教えることはないらしい。あとは、オレが身体に落とし込む作業を生涯通してやること。それこそが剣術と向き合うことの本質とのことだった。

 

 今のオレは、基本を体に馴染ませたフラットな状態。

 そこから、派生していくには一度馴染ませた型を破る必要があるらしいが、流石にそこまでにはオレは至れていないとのことだった。先に進むには、圧倒的に経験が足りていない。

 

 ただ、先の技を一つ見せて貰った。

 

 『 ゴジョウノ一刀流 一閃 』

 

 ソレは居合の太刀。

 刀を鞘に納め、腰を少し落とす。その構えに隙はない。いつの間にか柄に添えられた手がぶれる。気が付くと師匠の目の前にあった木が両断される。

 

 あまりにも美しい所作。

 今でも脳裏に焼き付いている。あの流れるような構えから放たれた居合。名前もオレと運命を感じると言わざるを得ない。

 

 

 

 ―――オレはアレがやりたい。

 

 

 

 

 ×月×日

 

 強化月間31日目。

 師匠の一閃を見てから、もう一度見せてほしいと何度もお願いしたが見せてくれない。師匠は、やっぱりお前には早すぎたとか、もう少し剣士として成長したらとか言って逃げられる。

 

 結局ここ数日は、アストレア・ファミリアのみんなとの稽古しかしてない。

 

 最終日だから最後に…とお願いしてもダメだった。

 まぁ、オレもまだサムライとしての道を進み始めたばっかのガキ。上を見すぎるのが良くないことは、この1か月で身に染みた。だから、これ以上ダダはこねない。でも、最後にこの願いだけは無理を通した。

 

 

 師匠との全力稽古。

 

 

 結果は、敗北。

 当たり前ではあるけど、悔しかった。でも、ソレ以上に明確に使い手として上がいるのは気持ち良い。オレの脳裏にある幻想の目標じゃなくて、実像の目標があるのは目標がハッキリしていて嬉しいな。

 

 

 Lv.3    

 力:D589  →C644

 耐久:F371 →E450

 器用:G289 →E422

 敏捷:D538 →C613

 魔力:I0 →I0

 覇気:H

 耐異常:I

《魔法》

《スキル》

【覇気】

・任意発動

・習熟度によって効果上昇

 

 

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