…………アンケ取るか!!
必死にアビドス郊外まで逃げ、もう既に夜になっていたのでそれぞれ解散する事にした。
あのジョイミュータントは、オリーが倉庫でカープとギースと共に監視しながら住まわせておくらしいので昼間に外に出さなきゃ大丈夫だろう。
余談だが、行先がないカープとギースは二つ返事で加入した。
ギース・トンプソンが仲間になった!
カープが仲間になった!
だがオリーは借金を蒸発したいが為に隠れ蓑としてブラッドのチームに加入した。なんともはた迷惑な話である。
オリー・ニッケルズが無理矢理仲間になった…
リサの家まで帰り、リサはベッドに倒れ込みブラッドは壁に寄りかかった。
「なんて言うか、すごい一日だったな」
「はは、まさかブラッドを外に連れ出しただけでこんなになるとはな。ブラッド、まさかとらぶるめーかー?だったりしないか?」
「まさか、俺がそんな行く先々で……」
その時、ブラッドの脳内にはかつての旅の記憶が蘇る!
借りたテントから出た瞬間殴りつけられる記憶!野宿で蜘蛛に噛まれた記憶!その地のギャングチームに仲間を連れ去られた記憶!ハゲには厳しい記憶!!
「……否定できない」
「ほら!」
リサがやっぱりそうだと騒ぎ、ブラッドが髪をわしゃわしゃ頭をグリグリこねくり回す。
「ははは……はぁ…久しぶり…いや、初めてかな?こんなに2人だけで騒いだのは。なぁブラッド?」
「あぁ」
「これから殆ど、こんな日々が過ごせるんだな」
「そうだといいな」
「…………ブラッド」
「……なんだ?」
「ブラッドは、学校とか本当に行かなくていいのか?」
そう言われ、ブラッドは少し考え込む。だが既に答えは出ている。
「いい」
「本当に?」
「あぁ、今更こんなどこから産まれたか分からない奴を引き込む所なんかないだろうしな」
「そうか?」
「ろくに頭もよくないから勉強なんざ出来るはずもない。頑張ればいけるだろうが、どうせ中身はおっさんなんだから、周りの若い奴らに混じる事に妙に抵抗がある」
「もう男でも歳もとってないんだからいい加減考え方を柔軟させなよ。少しは自分の身も大切にするんだ」
「そんな事突然言われてもな…これでも俺は十分今のままでも満足だし、前よりは自分の身は大切にしてるぞ?」
ブラッドの言葉にリサは呆れたのかため息をついてブラッドの手にクレジットを手渡す。
「はい、気分転換に1人でどこか行ってきなよ。たまにはいいと思うぞ」
「……あー、そうだな…うん」
「遠慮しない」
「……はぁーわかったよ…行ってくる」
「よし。じゃあこれ鍵。風呂は沸かしとくから、布団は今日使ってた奴使って、日が昇るまでには帰って来てね。じゃ、行ってらっしゃい!」
リサがブラッドを立たせてそのまま家から締め出す。
ブラッドは何故か知らないが、リサの尻に敷かれている気がした。
「そう言われても…どこに行けばいいんだろうか……」
ブラッドが暗い夜道を1人で歩く。オレイサのように整備されていない道は少なく、誰かが道を通ってもすぐに分かる。
(物騒だが平和だ。矛盾だがそれが成立するくらい個人の力がデカい世界…)
必需品と言ってもいい程銃を日常的に見かける世界。自分も銃を使用すれば周りと溶け込めるだろう。だが、ブラッドは持てたとしても使用する事無く己の身一つでこれからも過ごすだろう。
空手は、ブラッドの根幹でもある。もし、空手を使わなくなればそれは
「みゃ〜ぉ」
「ん?」
どこからか声が聞こえ、ブラッドが耳を澄ます。
「みぃ、みぃ」
「な〜う」
「猫…か」
着いた先には子猫が数匹ダンボール箱に入れられていた。そして、その子猫達を2人の人物が見つめていた。
捨て猫だろう。となるとあれは捨てた人物だろうか?
「おぉ〜よしよし、可哀想に…こんな寒空の下に捨てられて…」
「酷いことするね」
いや、どうやら自分と同じように捨て猫を見つけた人達のようだ。
「それでヤザン、どうするのこの子達。ウチは…まぁ社長なら可哀想だから面倒を見るとか言ったりしそうだけど、今はカツカツだからさ」
「それは仕方がないなカヨコさん。ふむ…三匹全員迎え入れる事は出来るが…またビーストボーンに頼るか…?」
2人のうち1人は知っている人物、ヤザン・バルグーディがそこにいた。
猫と言えば、ヤザンと言われるくらいヤザンと猫は関係性がある。黒猫のカットと共に自分達の旅に着いてきた剣士。彼の探していた全ての猫科動物の楽園というものは見つけられなかった。そして黒猫のカットは今思えば自分達の癒しでもあった。
カヨコさんと呼ばれた少女…鬼方カヨコがコチラの視線に気が付いた。
「あー…なんか用?」
「あ〜どっちかと言うとそっちに用がある」
ブラッドがヤザンを指して言う。そうして初めてヤザンがコチラを意識した。
眼鏡をかけたポニーテール少女だ。腰には刀を添えて肩には黒猫がコチラを見つめている。
「あ〜…俺に用か?俺は君みたいな少女は知らないんだが……」
「ヤザン。こっちでは見つけられたのか?猫科動物の楽園は」
「!?その目標を知ってるのはオレイサのブラッド達だけだ!まさか!?」
「ブラッドだ、ヤザン。相変わらずだな」
「ブラッドか!なんというか…変わったな!」
ブラッドとヤザンが肩を組み合う。カットがカヨコの腕に飛び込み、カヨコはイマイチ状況を呑み込めないでいた。
「えっと…知り合い?」
「今の知り合いより前の知り合いだ。ブラッド、たまに一緒に猫を愛でてくれる鬼方カヨコさんだ」
「ん、よろしく」
「あぁ、よろしく」
「……私のこと恐いとか思わない?」
「いや、別に恐いとは思わないが…」
「そう、よかった」
「はっはっブラッドも無口で基本的に仏頂面だったから付き合い悪かったな!」
「もう今は昔のことはいいだろ」
その後、カヨコが昔のブラッド達の事をヤザンから聞こうとしてブラッドがそれを止めたりしながら、ついでだとブラッドを連れて捨て猫をビーストボーンの所に届けに行くことにした。
ビーストボーンは、リスに育てられた野生の男である。基本的に言葉を発さず、初めて会話が出来たのは最後の決別の時だけだった。
少し歩いて、木が多く生えてる場所に着いた。
「今日は運良くこの近くにいるらしいからな。近況報告を兼ねてこの子達を引き取ってもらう」
「へー、よく会うあの子もあんたらの仲間だったんだ?」
「…俺は最近来たからここでは初めて会うがな」
「そうなのか?俺は一年ほど前からだが」
3人で話し合っているとガサガサと草むらを揺らしながら1人の少女が姿を現した。
小麦色の肌に短く切り揃えられた茶髪、動物の毛皮だけで作られた服を着た八重歯が出てる野生少女が現れた。
「ビーストボーン、久しぶりだな〜」
「…………!」
ビーストボーンは来客がヤザンとカヨコだと分かるとコチラへぴょんぴょんと跳ねてやってくる。そしてブラッドを捉えると警戒心を露わにして威嚇し始めた。
「グルルルルルッッ!!」
「あー待て待て、ブラッドだ。分かるか?ブラッド」
「ビーストボーン、俺が分かるか?」
「……!…………ニンゲン」
初めて声を聞いたのかカヨコが目を見開く。ヤザンも驚いていた。
「こりゃたまげた。ビーストボーンが自分から話したぞ」
「やっぱり、仮にも1組織の長だったから?」
突然、ビーストボーンがブラッドに飛びかかる。ブラッドは冷静に受け流し、馬の構えを取る。
何度かビーストボーンがブラッドを襲い、ブラッドが受け流しながら時折反撃を入れる。結果、苦戦する事無く、お互い大した怪我もせず、勝ち目が見えないのかビーストボーンが降伏のポーズを取りブラッドが勝利した。
「………………ニンゲン、ヤハリツヨイ」
ビーストボーンは猿のような身のこなしで起き上がり、ブラッドに自分の匂いを付ける為に身体を擦る。だが中身がビーストボーンなので(ry
「これはまた格付けが完了したってことか?」
ビーストボーンが頷く。どうやらまたブラッドのチームに入るつもりらしい。
「あぁ、そうだビーストボーン。ちょっとこの子達を頼みたいんだが…」
ヤザンがダンボール箱に入った子猫をビーストボーンに渡す。
ビーストボーンが少しその猫を見つめ、木に登りそのまま姿を消した。
また少し時間が経ち、ビーストボーンが木から降りてきた。
「猫はどこ行ったの?」
カヨコがビーストボーンに聞く。ビーストボーンは木々の奥を指さした。
「もしかして、他の猫に親を任せたの?」
頷いた。ここら一帯の野生動物は、どうやらビーストボーンの配下らしい。
「こういう事だよ、ブラッド。俺の猫科動物の楽園はビーストボーンという協力者のおかげで徐々に作られている。後々ライオン等もここに送るつもりだ」
「それは近隣に迷惑だからやめよ?」
カヨコが突っ込むが、そんな常識的な考えではオレイサの連中は止められない。
「そうか、夢が叶いそうなんだな」
「あぁブラッドは何をしているんだ?あの娘と一緒に来たのか?」
ブラッドは今日1日の出来事をヤザン達に話す。ヤザンは特に驚いた様子もなく冷静にブラッドの話を聞いた。
「そうか…俺も何か力になりたいが……俺はここの猫達が心配だから離れたくないんだ」
そう言うとビーストボーンは指を立ててグッドポーズをした。すると独特の鳴き声を発すると周りから猫や犬や包丁を持ったミレニアムのそっくりさん等が集まってくる。
ビーストボーンが指示のようなものを出すと集まった動物達が散らばった。
「…………モウ、ジユウ」
「まさかさっきの動物達にここら辺を守るように命令したのか?」
ブラッドの問に頷いたビーストボーン。ここら辺を統治するビーストボーンだからこそ出来る荒業だ。
「……オマエモ、イクゾ」
「わぁ!?分かった分かった!行く!行くから降りてくれ!」
ビーストボーンが仲間になった!
ヤザン・バルグーディが仲間になった!
ビーストボーンがヤザンにのしかかる。2人が騒いでいるのを後目に離れていくカヨコに声をかける。
「帰るのか?」
「ん、あんまり遅くまで出歩くつもりもないし」
お互い少し無言になる。
「一応、ジョイミュータント?とかの怪物が出るのとかは社長達に言っとくから。あと青い薬」
「そうしてくれ」
「それじゃまたどこかで」
カヨコが手を振り去っていく。
「また、か」
オレイサでは1度別れたらもう二度と会えないと思った方がいい。
それは治安がすごく悪く、ある日ふと殺されたり、集落ごと爆破されたりと様々だ。
だからブラッドはもう二度と会えないものだと思い、カヨコと別れた。
近いうちにまた再開することになるのをここにいた4人は今はまだ知る由もなかった。
実は1度このクロスオーバーを作ろうと決めた原点となる裏裏ボスと絡めたブルアカ×Lisaのシチュエーションがあるんす。
怒られそうだし、細かい構成がないから大雑把な展開しか書けないですけど。
この作品は曇らせか?
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当たり前だよなぁ?
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こんなの曇らせのうちに入らんぞ!
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ウォリーズへようこそ!