Lisa: The Chaosful   作:〇〇総統

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難易度トマトの世界。

それと今回残酷描写注意ね。


赤く染まっていく青

アビドスのがらんとした住宅街のひとつ。そこに大型のトラックが停まっていた。

 

どうせ誰も居ないからと大音量でミュージックを流し、運転席でノリに乗ってるファーディは、音楽に混じってバイブ音がしたので音楽の音量を下げて電話相手…スティッキーの電話に出た。

 

「あーい」

 

『俺だ、アイツら何してやがる。お前が1番近くで見てただろ?』

 

「スティッキーか、あいつらは返済に勤しんでるよ」

 

『返済?』

 

「俺達飯食ったんだけどよ、なーんか急にオリーのカードが使えなくなっててな、それもつい最近だ」

 

『なんだと?』

 

「ブラッドは流石に食い逃げをする程再び堕てはなかった。手分けして先生を探しながら、その店の返済をしてたってワケ」

 

ファーディが前髪をクルクル弄りながらあからさまに俺は関係ないという雰囲気で話す。

 

『まぁ、アイツが常識を取り戻してきてるのはいい傾向だ。それが今だという点を除けばな。……だが、そうか……』

 

「んー?何かあったか?」

 

『いや、ただな…オリーは俺やブラッドみたいに指名手配されてるだろ?カードの情報も個人情報。そこからシャーレに潜伏した俺達に嗅ぎつかれる可能性が高いな……と』

 

「確かにな、その時は俺はトンズラこかせてもらうけどな」

 

『するなら勝手にしろ。だが今すぐ先生の元に向かわせるな、仕事が終わったら先生がアビドス高にいるってのを教えておけ。あとは…あぁそうだ、お前1回こっちに帰ってこい』

 

「あぁ?なんでだ?」

 

『クリスプって奴がトビーを探しにアビドス高に来たんだとよ。こっちに来て連れてってやれ』

 

「めんどくせぇ……」

 

通話を切り、ファーディはトラックから降りてコンテナを開ける。

 

「おい、起きろビーストボーン」

 

コンテナの中で寝ていたビーストボーンが顔を顰めて更に奥へ転がりながら逃げる。

 

「おい、俺は今からシャーレに帰らなきゃ行けねぇんだ。お前にはブラッド達の伝言を頼みてぇんだよ」

 

そう言うとビーストボーンがのそのそと起き上がる。少しこちらを睨んでいるのは睡眠の邪魔をされたからに違いない。でないと今コイツが歯をむき出しにしているのは自分を殺すつもりということになってしまう。

 

「いいか、アビドス高に先生がいるから、ブラッド達と合流したら向かえ。それとクリスプらしき奴がいるらしいから、その場に留めておけ」

 

そう言うとビーストボーンが理解したのか野生の身体能力で屋根を飛んで柴関ラーメンに向かっていった。

 

「……返事くらいしろよ」

 

小声で文句を言いながらファーディはすぐにトラックを発進させ、砂埃を巻き上げながら荒く走り出した。

 

「う゛ぇっほ!げほっ!き、気をつけなさいよ!!」

 

「ア…アル様に砂埃を…!?許さない許さない許さない許さない許さない!!!」

 

「ハルカ、ストップ。もう行っちゃったから」

 

「それで…アルちゃん〜ほんとにここなの〜?」

 

「えぇ!依頼主はどうやら……」

 

途中人に砂埃をかけてしまったようだが、ファーディは知らんぷりしてそのまま走行を続けた。

 


場面は変わってアビドス高等学校。

 

早速少女…クリスプと対策委員会のメンバーが戦闘を開始した。

 

ホシノが素早く駆けてクリスプの元へ接近する。クリスプはそこに合わせて刀を突き刺すように手を動かした。

 

ホシノは更に姿勢を低くし、足蹴りで刀を蹴り飛ばす。

 

「刃物、危ないから離した方がいいよ」

 

「ぐっ…」

 

キヴォトス人は並の銃で痕が残る程度であり、銃系統が最も一般的な武装だ。

 

だが、そんな彼女達にも死は存在する。

 

窒息死、凍死、溺死、餓死、出血死、病死……多くある中で今最も身近になるのは出血死だ。

 

クリスプは6本の刀を使って戦う。つまり、もしクリスプの攻撃が通れば大怪我どころではなく、小競り合いも大事になる可能性がある。

 

先生は、電話を終えた瞬間素早く移動しクリスプ達の元へ走った。

 

「え!?先生!!?」

 

アヤネが遅れて先生を呼び止めるが、先生は静止を聞かずに2人の元へ走る。

 

ホシノは、もう片方の刀を手放させ、クリスプを拘束して首元に刀を突き立てていた。

 

「もういいでしょ?さっさと帰ってくれたら、面倒くさくなくてこっちも助かるからさ?」

 

ホシノは刀を近づけて脅迫し、降参を促す。

 

「…断る!」

 

「…だから、もうこの状態じゃ君はもう______」

 

「こんなもの!どうにかしないで本気とは言えないだろう!俺は…!トビーの為ならなんだってする!一度は、救えなかったが……!今度は!同じ過ちを繰り返さないように最後まで足掻くんだ!」

 

クリスプの魂の叫びに、ホシノは僅かに怯んだ。目に映るのは対策委員会の皆。そして、ユメ先ぱ_________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると突然、世界の時が止まったような感覚になる。周りを見渡すと、赤い…腸のような赤く、体内と思わせるぐちゃぐちゃとした空が見える。

 

「ホーシノちゃん♪」

 

背中から声をかけられる。聞きなれた声だ。

 

「大丈夫、ホシノちゃんは…しっかり皆を守るようにしてるのは理解してるよ」

 

そのまま背中に抱きついて、あやす様に、頭を撫でながら優しく欲しい言葉をくれるユメ先輩

 

「今ここできっちりしとかないと、皆だけじゃない。先生にも迷惑がかかるかもよ!だから……ね?」

 

 

「もう、殺しちゃおっか」

 

 

 

(あぁ…やはり、ユメ先輩もそう思いますか…)

 

それなら仕方ない……

 

ホシノの手に持つ刀に力が込められる。

 

「腕の一本、首のひとつなんて些細なもんだ!俺は__________」

 

「あぁ、もういいよ」

 

ホシノが刀を振り上げる。

 

異常を感じたクリスプは、初めてホシノと目が合い、そして瞬時に理解した。

 

「!?……お、お前…まさか……!?」

 

「そんなこともうきにしなくていいから」

 

「ホシノ先輩!!」

 

「ダメッッ!!!」

 

「ひいっ!!?」

 

ノノミが静止の声を上げ、シロコはホシノを止めるために走り出し、セリカが怯えて目を瞑る。

 

ホシノが躊躇いなく、クリスプに刀を振るう。

 

ザシュッ……ぐちゃっ…

 

肉が切れ、グチグチと肉が擦れる音が聞こえる。

 

「いやああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ノノミが悲鳴を上げる。振り下ろした先を見ると……

 

「……ぁ」

 

そこに居たのは、クリスプではなく、刀を背中に突き刺されながらも、クリスプを守っている先生だった。

 

「あ、あんた…なんで…」

 

「"大丈夫…"」

 

「……ぁあ…あ、ち、違っ…せ、先生…お、おじ…私…その、こんな…」

 

「"いいんだよ…ホシノ。私は、大丈夫だから…"」

 

「こ、こんなの大丈夫な筈が…!シロコちゃん…ノノミちゃん、誰か…っ誰…ユ、ユメ先輩ユメ先輩?…どこですか…どこに…行っちゃったんですか…?」

 

ホシノはパニックになってしまったのか、徐々に目の焦点が合わなくなり、そのまま気絶してしまった。

 

「"…っ"」

 

「お、おい!しっかりしろ!!」

 

「先生!!しっかり!!」

 

「んっ…!下手に動かすと悪化するから、ノノミはその姿勢維持させといて」

 

クリスプはすぐに自分の懐からハンカチを取り出し先生の傷に当てて少しでも止血しようとする。ノノミは先生を支え、シロコがすぐに応急処置をしようとする。

 

「"私は…大丈夫だから、先ずはホシノを…"」

 

「今はあんたが先だろ!!おい、そこの猫!」

 

「な、何!?」

 

クリスプがセリカを指さす。

 

「どこでもいい!早く医療機関に電話しろ!」

 

「それは私がやっておきました!セリカちゃんはクロさんと一緒に校舎から担架になりそうな物を探してきて!」

 

アヤネが大量の救急キットを持ってきた。セリカは言われた通りに、素早く校舎へ戻った。

 

「先生!もうすぐです!気をしっかり持ってください!!」

 

「いいか!諦めるなよ!?」

 

対策委員会とクリスプが先生に声をかけて気を持たせようとする。

 

だが、先生は脱力感を感じながら徐々に意識が沈んでいった。

 


「…………」

 

その光景を、モニター越しから見ていた人物がいた。

 

「……クックックッ…」

 

黒いスーツに黒い顔。全身が黒くコーデされている人物。

 

ゲマトリアの黒服だ。

 

笑ってはいるが、感情には喜の部分が感じられなく黒服の癖のようなものだろう。

 

顔も。いつもの笑っているような顔はしておらず、ニヤリとしていた口は一の字を結んで全く笑っていなかった。

 

「……また、いつもの笑い声が出てしまいましたか…笑える状況なんて、もう過ぎ去っているというのに…」

 

黒服はモニターを後目にひとつのファイルを取り出す。

 

そこにあるのは、ジョイ使用者のリスト。

 

目まぐるしく増えては、別のリストに移動することもある現代の閻魔帳とも言えるそれをパラパラと捲りある1つのページに辿り着く。

 

その書類には、小鳥遊ホシノについてのジョイ使用情報が書かれていた。

 

「彼女が1年の頃に接触を図り2年程の月日が経ちますか…最初の頃は、キヴォトス最高の神秘として、とてつもなく貴重な存在でした…が」

 

いつ頃からか、彼女がジョイを服用し始めたのを確認したのは。

 

最初は憤慨したし、自身の研究の計画が潰れたのもあって落ち込みはした。

 

他の対象を狙えばいいが、それはとても難しい状況でもある。

 

「如何せん、彼女の身体は神秘と共に蝕まれた。最早最高の神秘と呼べるものは…無に等しい」

 

せめて、まだ神秘が残っているのならジョイの進行を強制的に()()は出来るが…いや寧ろあれだけ経ってもここまでの進行なら流石は最高の神秘だったと称せるのだろうか。

 

「いけませんね…私としては受け入れがたい物の筈なのに、研究者としては調べたくなる」

 

ジョイは…一度服用すると戻れない。いわば覚醒剤のようなものだ。

 

こちらの製造を中止しても、尚服用者、現物共に増え続ける一方。医療従事者も抵抗を試みるが、未だ嘗て特効薬等の開発に目処はない。

 

「私個人で対抗策を作ってみても…焼け石に水でしたし」

 

勿論、黒服個人も指を加えていた訳では無い。ワクチンを作ってみようともした。

 

だが、どれも失敗続き。服用者を用いた実験を行っても意味は無い。

 

「せめて…()()()()()()のジョイのサンプルが少しでもあれば…マエストロやデカルコマニー達と共同でどうにか…いや…」

 

黒服はブツブツと呟きながら考える。だが先程も言った通りジョイ対抗の内容の進展もなく、そして今のゲマトリアはほぼ()()()()()。余程のことがなければ集まることは無い。

 

何より、そんなここで作られる前に作られた元となるジョイを服用した人物、または物が見つからないのであればそんな計画も夢物語だ。

 

「…あとは、カイザー理事についてですか」

 

あれらは放っておいた方がいいと判断する。その方が面倒事にならなくて済むからだ。

 

アビドスで宝探しをしているカイザー理事から引き取る予定だったジョイミュータントは、シャーレ預かりになり、今も特に何も問題を起こさず過ごしている。

 

滅多なことでは人を襲わないジョイミュータント。それを研究すれば、服用者は止められなくとも、服用後に成り果ててしまうジョイミュータントの無力化ができるのではないかと、カイザーから適当に確保して貰った個体がまさか本当に大当たりだったとは…

 

「とにかく…」

 

今このキヴォトスは殆ど詰みが決定している。先生は真面目に責務を果たすつもりだろうが…

 

「今のままでは…早いうちに問題どころか死んでしまう」

 

その為には、少なくとも表だけではなく、キヴォトスの裏も知ってもらう。それが最善だろう。

 

「アポイントメントを取りますか…」

 

黒服はすぐに用意を始めた。




ジョイの幻覚を表現するのは難しいよね。
なんなら禁断症状もあるってね、これが1粒で2度美味しいってやつ?



マッドドッグ

タンク。TPキャラなので被弾やお茶や酒呑んでTP貯めて…っていう工程が必要になるが、この男、なんと初めから挑発持ちである。しかも挑発の後TPも自分で貯められる優秀さ。ここから敵のダメージガンガン受けて増えたTP消費してファイアボールや釘バットをぶん回せ。そう、火属性攻撃ある為油まみれ編成にも入れられる、物理も低レベルから1,000ダメ近い攻撃も出来るという序盤から頼れる父ちゃんである。
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