Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~   作:八坂 義景

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 ライブで色々情報出てきて第二部始まったので初投稿です。第二部ですってよ奥様。まだまだブルアカの物語は続きそうでよかったですわ。それにしても第二部として連邦生徒会編、Ex.としてロア追跡編の同時進行とはボリュームすごい。
 遂に7thPV解禁!フィーナっぽい生徒顔見せ!消防局らしき娘達!FOX小隊!オデュッセイアっぽい娘達!ニヤニヤ教授とあk...ミリア!ただ...FOX以外が銃器を携帯していなかったり、一部生徒の振る舞いがおかしかったり...現実改変の匂いがする。
 当然あるよねピックアップ!遂にFOX小隊実装!第一号はニコ!!ママみすげぇ!第二号はクルミ!"先生"また変態になってない??そして報酬でオトギ!残るユキノは5.5アニバか...それとも臨戦エイミパターン?
 そして第二部PV!天神山オトギ!高倉クルミ!吉野ニコ!遂に姓判明!

そして執筆中に新ストーリー解禁ですよぉ...
 お久しぶりですねゲマトリア。でもゴルコンダ、フランシスはやはり...とか思ってたらテレビ頭お前かよ!失意のデカルコマニーと変なテレビががっちゃんこ!名前は『オーウェル』...Big Brotherは超好きな曲です。味方宣言したけど先生の塩対応で感心しながら画面土砂降りは可愛いなコイツ。そしてまさかのモモト枠!異常怪異があればコイツに報告かな?
 キーアイテムになりそうなシャーケードの杖はスマートウォッチ...元ネタ同様真実を見抜く力を持つみたいだけど...何か知ってるアロナ?というか会長一年生から就任してたの?!
 輝くトラペゾヘドロンってお前...クトゥルフ神話でもヤバい物を持って来るのかよ?!
 私服で尚分かるリンちゃんでっっっ。そして矯正局でカヤは反省して普通に過ごして...いや全然諦めてねぇわこの娘。流石カヤ。せめてクーデターはやめて選挙なりで真っ当に頑張れよ()
 "帰ってきた"連邦生徒会長...ユキノが対面前に違和感を抱いていたのに、対面すると一瞬で違和感が消えるのはやっぱり現実改変か何かが...一方リン、カヤは"覚えている"側!シャーケードの杖の認証で改変を免れたみたいで...そしてカヤの『私の超人(連邦生徒会長)』宣言?!公式がコレ出すの?!しかし連邦生徒会長は現状一貫して肩書だけで名前の開示なし...これを見抜くのが鍵になるかな。
 そしてFOX出所おめでとう。オトギとクルミの胸漫才。そしてユキノぇ...()そしてまさかの人力車のあの娘ネームド?!人力車部の浅草ナツキってもうまんまだな?!
 くねくねへの対処がいい...得体が知れない?暗視ゴーグルのサーモで見えるなら熱を持った塊ですね撃ち殺す。超常現象に対して理詰めで打ち倒すの好き。FOX小隊はRABBIT小隊と違ってしっかり居候か...地下に隠れる形とは言えシャーレが動かせる直轄戦力は素直にありがたいね。...しかし夜のシャーレに一人シャワー借りに来るのは卑しくないかい月雪小隊長?

さて、クーデター鎮圧後の事後処理です


File106.ET-16~陰鬱な翌日~

~"補習授業部"合宿所 教室~

side-"先生"

 

「"――では、これから"補習授業部"、第三回特別学力試験の採点結果の発表を行う"」

 

―――夜が明けた合宿所の教室。私の宣言を受け、ヒフミとコハルがドキリと肩を一瞬震わせる。第一回、二回では"ティーパーティー"経由で教員が採点したものだったけど、クーデター鎮圧後にナギサに頼んで認めてもらい、私が採点を行っている。

 

「――『阿慈谷ヒフミ』、()()()――()()

「...ほっ...」

 

―――ヒフミが安堵のため息を零し。

 

「――『白洲アズサ』、()()()――()()

「――ふぅ...ギリギリだったか。だが...合格は合格だ」

 

―――アズサは落ち着きつつも小さく安堵のため息を零し。

 

「――『浦和ハナコ』、()()()――()()

「――あら、一問落としていましたか。あの問題でしょうか...♡」

 

―――ハナコはいつも通りの思わせ振りな微笑みを浮かべ。

 

「――『久栗キクリ』、()()()――()()

「――思っていたよりミスがありましたか。満点も狙えたと手応えはあったのですが...」

 

―――キクリは落ち着いた様子で冷静に分析し。

 

「――『下江コハル』、()()()――()()

「...や、やったわ...!」

 

―――コハルが安堵と興奮で頬を上気させ。

 

 

 

 

「"――()()()()により、本日をもって補習授業を修了する。君達の退()()()()()()()()。――おめでとう。そして、よく頑張ったね"」

 

「やったぁ!やりましたよ皆さん!」

「ふふ、良かったですね♡」

「うん...!私もちゃんと合格できたわ...!これで委員会に...!」

「――あぁ。これで()()も果たせる」

「――"ティーパーティー"の()()()()()()をも跳ね除けての()()()()...皆様の弛まぬ努力の結晶と言えるでしょう」

 

―――私の宣言を皮切りに"補習授業の"の皆がお互いに喜び合い、労い合う。そんな光景を見ていると、依頼遂行の実感と共に、ヒフミ達の退()()()()()()()()安心が心を満たす。

 

「――最後に危機的状況に見舞われましたが、無事に依頼遂行できましたね」

「――"先生"、お疲れ様でした」

「"君達もお疲れ様。私のサポート兼護衛としての役目を果たしてくれてありがとう"」

 

 やれやれと頭を掻くアヤの言葉とミヤコの労いに対して微笑みながら謝意を伝える。

 

「...さて、後は"ティーパーティー"への報告ですが...」

「"うん。...依頼主の承認がないと真に依頼遂行とは言えないからね。多忙だろうけど、依頼遂行の報告には向かわないと"」

「――"ティーパーティー"、特に桐藤"ホストリーダー"代行は...大丈夫でしょうか。クーデター鎮圧時の出来事はあの方からしたら...」

 

 私の言葉にミヤコがそう言って目を伏せる。

―――昨夜はたった数時間の夜とは思えない程に濃密で激動の時間だった。ゲヘナ"風紀委員会"の協力で"補習授業部"の試験への妨害を跳ね除けて受験し、無事に終えた矢先に飛び込んで来た()()()()()()()()()()の情報。

 "補習授業部"の皆の見過ごせないという想いと、合格が確定だと分かっていた事もあり、"風紀委員会"の手を借りて『トリニティ』へ大急ぎで帰還して『シャーレ』として鎮圧に介入した。ヒフミ達は包囲の維持、再突入に加わった位だったけど、戦力としては彼女達の増援もありがたいものだった。

 

―――『...こんばんは。そして初めまして。――"サンクトゥス分派"首長(ホスト)にして"ホストリーダー"、百合園セイアだ』

―――『"...!――()()()()()()初めましてだね、セイア。...どうやら、決心を付けたようだね"』

―――『...!――これは驚いたな。夢でのやり取りを覚えていたのか...』

 

 何より驚いたのは―――近くにセーフハウスを持っていて、そこに籠っていたことでクーデターの騒ぎに気付いたというナギサの来訪と―――ミネに連れられた()()()()()()だった。今まではナギサやミカ達から名前や状況を聞いただけだった筈なのに、()()()()()()()()()()夢で邂逅した際のやり取りを一気に思い出し、セイアも少し目を見開いて驚いていた。

 

―――『...まさかセイアちゃんが無事だったなんて......あはは...これじゃあ、私の覚悟も無意味じゃん...』

 

 兎も角、ミカの抵抗を止められる幼馴染の親友二人を加え、ヒナタが爆破した側面からツルギを先頭に突入して制圧。一対一でミカを相手取っていたテンシがミカを取り押さえ、ナギサとセイアを見たミカが驚きと困惑が混ざった表情で十数秒硬直し、涙を流しながら自嘲する様に笑い、糸が切れた様に抵抗を諦めた。彼女は今頃―――

 

「――"先生"!顧問としての授業や指導、本当にありがとうございました!」

「――退学はサリエル様への献身が不可能になるだけではなく、社会的悪影響も甚大...私としても"補習授業部"は自らを見つめ直す試練となりました。試練を与えたもうた主に、そして私達を導いて下さった"先生"に心より感謝を」

「――"先生"、『シャーレ』の皆さん。私達への指導、サポートありがとうございました♡...退学を避けられた以上に、この『トリニティ』にも心から信じられる、ありのままに接することができる人が居ると気付けたのは、偏に"補習授業部"のおかげです」

「...ほ、本当なら試験なんて一発で合格できたんだから!でも...皆のおかげで助かったこともあるわ。...その...ありがとう、"先生"」

 

―――ヒフミを皮切りに私達『シャーレ』に謝意を述べていく。そして―――

 

「――退学を避けられた。これでヒフミ達ともまだ一緒に過ごせる。...だから、()()を果たそうと思う。偽った私ではなく――()()()『白洲アズサ』を皆に知って欲しい」

「"――"全員合格したら君の本当の素性を明かす"。そういう約束だったね。君達の交友関係、繋がりは"補習授業部"が解散になっても消えることはないけど...皆が集まっている今だからこそ、だね"」

「そうですね...これからも皆とはプライベートでも仲良くしたいですが、いつでも全員集まれるわけではありませんからね。――アズサちゃん、貴女のことを教えてくれますか?」

 

 ヒフミは私の言葉に頷いてアズサに確認すると、彼女は頷いて私達に向き直る。

 

「――勿論。...まず、私が何処から来たか。私は『ヴァンダル分校』所属生徒として身分を偽装して、聖園ミカの手引きでトリニティ(ここ)に来た。...私の本当の故郷は――」

 

 

 

 

「――『アリウス分校』。嘗て、『トリニティ』がバラバラだった時に独立していた学校で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()学校だ」

 

 


~『ティーパーティー会館』 首長(ホスト)専用テラス~

side-セイア

 

「...君達には、私の我儘で色々と負担を掛けた。――本当に、すまなかった」

「――無事に、五体満足で戻って来てくれて、心から安心しました。...あの事件からずっと消えなかった不安がやっと、解消されました」

「えぇ、全く...本当に大変だったのよ。色々と、ね。貴女が居ない分、私がどれだけフォローに回ったか...」

 

―――ミカのクーデターを鎮圧した後の朝、『ティーパーティー会館』首長(ホスト)専用テラス。私の席の向かい側に座っているナギサと、"サンクトゥス分派"首長(ホスト)である私の復帰によって"ソーサーナイツ"へ戻った事で護衛として彼女の傍に立つテンシに対して頭を下げれば安心した言葉と、心底呆れ返った言葉が返って来る。

 

「...大変だったのは私もですよ、テンシさん。セイアさんを見付けたなら私にも伝えてくれてもよかったのでは?」

「――その言葉、そっくりそのまま返すわ。薄々違和感は感じていたけど...まさか『シャーレ』を巻き込んでの"補習授業部"設立は、()()()()()()()()()()()()が目的だったなんてね。"ティーパーティー"を脅かす存在を見出し、()()するのは"ソーサーナイツ"の役目の一つよ。それにすら頼らなかったなんて...」

 

 半目でテンシを見やるナギサにテンシも半目を返して反論し、二人の間に険吞な雰囲気が俄に湧き上がり―――

 

「...駄目ですね。()()()事態が解決したというのに、疑心暗鬼を拭えないのでは...」

「...結果としては解決。でも――その経緯、動機は()()()()話し、聞かなければならないわ。あの娘にも、ね」

 

―――お互いフッと息を吐き、揃って私に目を向ける。

 

「...そうだね。――まずは、私から話そう。結論から言ってしまえば...私の臆病さ故に、君達に多大な迷惑をかけた訳だが――――」

 

 

―――昨日の朝―――

~ミネのセーフハウス~

 

「――おはよう、セイア。見たところ五体満足みたいね」

「...テンシ...まさか、君が気付くとはね」

 

―――ミネとメディスンの間からテンシが姿を現し、目を細めて私の下に歩み寄って来る。カツカツと白いブーツのヒールが床を突く規則的な音が近付き―――

 

 

 

 

―――ガッ...!

「...っ...!」

 

―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、白いグローブに包まれたテンシの手。その手首を力強く掴んでいるのは白いグローブに包まれたミネの手。

 

「――なりません。テンシ総長のお怒りは理解しますが...患者を傷付ける行為を目の前で行われて、見逃す道理はありません」

 

―――目を細めてミネはテンシを窘めるが、テンシは何も答えず私を射抜く様に紅の鋭い眼差しを向け続ける。

 

「...ミネ、止めないでくれ。暴かれないよう努力は尽くしたが...私の行動は許されることではない。打たれる位は甘んj「テンシ様共々()()されたいのですか?」

 

―――家族ぐるみでも懇意にしている幼馴染の親友の怒りを受けようとミネを窘めようとするが、語気を強くしたミネの迫力に気圧され、更にはテンシの背後でいつのまにか()()()()()()注射器を構えているメディスンを目の当たりにして押し黙る。

 テンシの手が私の襟首を掴むか。ミネとメディスンの()()を受けるか。一触即発の緊張が寝室を支配し―――

 

 

「――はぁぁ...一気に馬鹿馬鹿しくなったわね。怒りのままに打ったって過去は取り返せないんだから」

 

―――張り詰めた空気感を破る呆れ返ったため息。ミネが手を離すと同時に、私の首元に迫っていたテンシの手も離れ、テンシは頭の帽子を取る。

 

「...さっきも言ったけど、五体満足ではあるみたいでよかったわ。――全く、偽装するにしても真に迫りすぎよ。()()ナギサの振る舞いを()()()()でしょう?ミカも何処か()()()()し」

「...こうするしかなかったんだ。私が()に居ることで、未来が良くない方向に流れてしまうと視えたからね。――しかし、よく私とミネの()()に気付けたね。私も"ティーパーティー"首長(ホスト)を務めた身。その手の謀略は得意だという自負はあったのだが...」

 

 テンシの言葉にそう返す。―――彼女が"ソーサーナイツ"を立ち上げて率いるだけの聡明さと実力を併せ持つことはよく知っている。政治的立ち回り、策謀は私も得意とするし、今回の隠匿には自信もあった。どうやって彼女は気付いたのか...

 

「――事件が起きた当初は、貴女の治療を行っていた"救護騎士団"の証言、状況証拠を全面的に信じていたけれど、それを改めて疑って見直してみたの。だけど、証言や証拠には何ら矛盾は見出せなかった。それでも一度抱いた疑念を拭えなかったから、"ソーサーナイツ"と見知った娘達を使って"救護騎士団"の動向を探ったら――()()()()()()()()()()()()()()()に気付いたの」

 

 テンシはそう答えて二人を見る。

 

「それが――このセーフハウスへの出入り。所有者は"救護騎士団"OG。目的は緊急時の野戦病院としての運用とされていたけど...医療品の管理や設備の保守を目的としても、ミネとメディスンが出入りするのはおかしいのよ。"救護騎士団"としての経歴もミネ程()()ではなくとも真摯で優秀な人物だったし、独力で維持管理は可能に見えた。

 そこで目を付けたのが、ミネが持つ"ヨハネ分派"首長(ホスト)としての資格。"救護騎士団"としての活動が最優先故に、その資格を行使することはなく、周囲にそれを謳っていたからこそ――何故、"救護騎士団"OGだったとしても現役生徒ではない人物と交渉するという、政治的繋がりが必要になる行動を取ったのかしら?OGが元所属分派のコネクションを使うのはよくあることだしね。"ヨハネ分派"首長(ホスト)の資格は強力なカードよ。

 そして――このセーフハウスに出入りする時、騎士団内には往診と断っていたみたいだけど。ミネとメディスンだけが出入りしていることも違和感があったわ。あちこちの往診自体は"救護騎士団"の仕事の一つだけど、"救護騎士団"団長と、薬の専門家たるメディスンの二人だけが出入りするなんておかしいのよ――セイア、()()()()()()()()()()()でもなければね」

「...見事なものだね。政治的能力が高いナギサ、鋭い感覚を持つミカに頼らず、独力でそこまで至ったのか」

 

 テンシの推理を聞き終え、感心して彼女を褒める。―――実力主義ではあるが、家柄や血筋も多少必要となるこの『トリニティ』に於いて、貴賤出自に拘らずに広く交友関係を築いているテンシ。その交友関係を情報網として利用することで、些細な違和感にも気付いてここまで推理出来てしまう。それに何度助けられた事か...今回はそれで隠匿を見破られてしまったが。

 

「...それで、私とミネの隠匿を破ってまで私を尋ねたのは何故かな?」

「貴女は()()()()()()んじゃない?――()()()()()()()()()()()()()()、こうして隠れているのでしょう?」

「...半分正解だね。前者については()()()()()()()()()さ。隠れた者に接触する目的など――()()()()()()()()()()()()以外にあるかい?」

「――なら、後者の理由について教えてもらおうかしら」

 

 私の答えに対してテンシは瞳を細め、後者―――隠れた理由を答えるように促す。テンシとは家族ぐるみでの付き合いがあり、()()()()()()についても()()()()()()()()()()知っていて、不気味がらずに()()()()()くれている。故に話すべきは―――

 

「――『シャーレ』の"先生"。彼の来訪で()()()()()()()()()()()んだ。...私ではどれだけ行動を起こしても()()()()()()()()()()がね」

「"先生"が...どう変わったの?」

「――『エデン条約』調印式典を襲う何者か達。それによって『トリニティ』が混乱と戦火に包まれる。そんな未来が、"先生"が何処かの礼拝堂で、赤いローブを纏った銀髪の大人の女性――変化する前の襲撃で先頭に立っていた人物と相対する未来に変わったんだ」

 

 "先生"の来訪で変わった未来をテンシに明かす。私がどれだけ行動しても変えられなかった未来が変わった。それは能力が発現してから初めての事で、それ故に―――

 

「――故に、私が動くことでそれをまた変えてしまうのが怖かった。...初めてなんだ、示された未来が変わったのは。だが、示された未来が変わると知ったとしても、私はどうすればいいのか。行動していいのか...そうして悩んでいたある日――私が襲われたあの事件の日。『白洲アズサ』が侵入してきた。ソーサーナイツ(君の所の騎士達)の様な精鋭ではないが、それでも護衛に長じた娘を付けていたのだけどね...『ヴァンダル分校』、『トリニティ』所属とは思えない技能の持ち主だったよ、彼女は」

「...!」

 

―――隠匿の動機と、その為の行動を起こす切っ掛けになった『白洲アズサ』の侵入について明かし、テンシが目を見開く。事件後の調査で彼女が容疑者として浮上しない様に、私が事件の偽装に協力したのだ。『白洲アズサ』本人と、()()()()()()()()()が自ら明かさない限りは疑えないだろう。

 


~"補習授業部"合宿所 教室~

 

「――私が『トリニティ』に来た()()()()()()()()は"()()()()()()()()()"。...彼女が持つ()()()()は"()()()"――『アリウス』にとって脅威だった。だから、未来予知が()()()()()()()()()――その為に、彼女の抵抗次第では()()()()()()を――()()()()()()()()()()()()ことも決めていた。...その、筈だったんだ」

「...何があったんですか?」

「――百合園セイアは、未来予知で()()()()()()()()()()()()。その上で...()()()()()を持ちかけてきた」

「――道理で犯人が見つからなかった訳ですね。周囲から見れば、アズサちゃんはどう見ても無関係な生徒だったでしょうから」

 


 

「だが、彼女は...私を()()しようとしていることに()()を抱いていると感じ取ってね。そこを突いて――()()()()()()()()

「...今の状況を作るための協力、ということね?――キヴォトスにおいて()()()()()()()()()()とも言える程に恐るべきこと。()()()()()()を取ると覚悟を決めることは難しい...僅かでも抱く筈の迷いに、貴女は賭けたのね」

 

 テンシの言葉に頷く。

 

「――その通りさ。...()()()()()()()()かもしれないという不安はあったが、私は賭けに勝った。彼女が持ってきていた爆薬を設置して、離れた所に退避してから寝室を吹き飛ばし、()()()()()()()()()()()()()()()を証拠として持たせてアズサを逃がし――いの一番に駆け付けたミネに事情を説明して協力してもらった。――こうして、今の状況になったのさ」

「――あの時は我ながら困惑しました。爆発音が聞こえてきた瞬間即座に駆け付ければ、無傷のセイア様に"()()()()手伝いを頼む"と頭を下げられたのですから。――思うところはありましたが理由の詮索はせず、私が持てる政治力を用いてこのセーフハウスへの隠匿を行いました。

 偽装に持ち込んだとはいえ、襲撃の為に侵入されたことは事実。別の者が()()()襲撃する可能性もありましたから。――しかし、こうしてテンシ様に見破られた訳ですが」

 

 事件の偽装について明かし、ミネが目を伏せてあの時の事を補足する。

 

「ミネは悪くないわ。貴女はセイアに協力しただけ。――今まで彼女を診ていてくれたこと、感謝するわ」

「私とメディスンはただ、各々ができることを尽くしていただけです。――それでも、()()()()()()()()()()()()までは遂に()()できませんでしたが。...抽象的になりますが、解決に導けるのは幼馴染にして親友たるテンシ様なのでしょう。隠匿を見破り、私を詰問された時にそう確信しました。セイア様との約束を破ってまでテンシ様を手引きしたのはそれも理由です」

 

 テンシの謝意にミネはそう返して私を見る。―――やはり、私の説得が目的だった様だ。()()()()など使わずともそれは分かり切っている事だが―――

 

「――貴女が、百合園家が持つ()()()()。基本的には()()()()()()()()()()()()からこそ、人は()()()()()()()()()()()()()()を夢想し、求める。...その実態は貴女自身がよく知っているわね?」

「...どう行動しようが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。二、三度だけならまだ可能性を信じられたさ。だが――未来予知(この能力)を発現して以来、私がいくら行動し、介入しても()()()()()()未来の変化を視ることはできなかった。

 未来予知(この能力)について知った時はワクワクしたものさ。未来を先んじて知ることができれば、それに合わせて行動、介入することでより良い未来を得られる――そんな希望的観測は砕かれてしまったが。しかし――先程言った通り、"先生"の来訪で()()()()()()()()()()()んだ。彼の行動でこの先()()()()()のか。彼は()()()()()()()()()足りうるか。それを()()する為にアズサの()()を利用して――」

 

 

「――それも理由なのでしょうね。でも、もう一つ...()()()()()()()()()()()()()()()()()も理由でしょう?寧ろ――こっちが貴女の本音じゃなくて?」

 

―――私の言葉を遮り、彼女が腰に佩く"緋想の剣"の如く鋭い刃の様に反論をぶつけられて沈黙する。

 

「――()()()()()()()()()()()、貴女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()迂遠な言い回しは昔からだけど...()()()()()()()()()()酷くなってること、気付かないと思った?

――長く話してると()()()()()()()だから、訪ねた目的を話しておくわ。...今、()()()()()()()()()()()()()()()()を起こそうとしている可能性が高い。それを止める為に――セイア、貴女が必要なの」

「「――?!」」

「――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()は、そういうことだったのか」

 

 テンシが明かした目的の中に混ざった()()()()()()()()にミネとメディスンが驚きを示す一方、私は()()()()の中にあった情景の一部の意味を把握して一人合点する。

 

「...それも視えていたのね。兆候に気付いて、決行前に逮捕したかったけど...逮捕に持ち込むには()()()()()()()()()()()し――()()()()()()以来、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ナギサに明かした所で()()()()()()()()()()()()()()可能性が高い。

――だから、()()()行動を起こさせ、()()()()()()()()()()。その時に...セイア、貴女が必要なの」

「...何故、私が必要なのかな?鎮圧ならば"正義実現委員会"でも、"ソーサーナイツ"でも可能だろう」

 

 テンシが言わんとする事は察しが付くが、敢えて理由を尋ねる。

 

「――覚悟を決めたミカはそう簡単に止まらないわ。...貴女が行方不明になって、彼女のせいじゃないというのにまるで()()()()()みたいに思い込んでいるみたいだから尚更ね。止めるには、幼馴染の親友――()()()()()()()()()()()貴女が姿を見せることが重要なの。これはナギサに対しても有効でもある。

――クーデターを起こすかもしれない幼馴染の親友。疑心暗鬼を拗らせてらしくない行動ばかりの幼馴染の親友。『エデン条約』調印式典の前に、解決しておくべき問題よ」

「...そうか。二人の動向はミネ、メディスンから聞いていたが...成程解決できるならそれに越したことはないのだろう。だが...はたして急を要するものだろうか?『エデン条約』締結目前だからこそ、行方不明だった私が姿を見せることによる混乱は大きくなる。"ホストリーダー"代行――ナギサの決定に不満な者が、()()()"ホストリーダー"である私の意思を求めて反対意見が再燃する可能性も――」

 

 

「――そうやって逃げていても、()()()()()()()()()

「っ...分かって、いるさ...!とっくに分かっているさ!そんなことは!」

「セイア様、落ちt「ミネは黙っていてくれ!」っ...?!」

 

―――テンシの言葉に、そう指摘される事は分かっていた筈の言葉に心の中で()()が俄に湧き上がり、身を乗り出して声をあげる。ミネが窘めようとするがそれも剣幕で黙らせる。他方テンシは落ち着き払った表情を変えない為、益々()()が強くなる。

 

「私が何をやっても未来は変わらなかった!なのに未来予知(この忌まわしい能力)は何度も同じ未来を示し続ける!()()()()()()()()だと言わんばかりに!...だが、"先生"が来たことで未来が変わった。最悪の未来が変わったんだ。――あぁ、そうさ!怖いんだよ私は!私が行動を起こすことで、折角起きた変化をまた変えてしまわないか!寧ろ()()()()()()を齎してしまわないか!だから彼を、"先生"を見守って――」

 

 

「――()()()()()()()()()()()()ならいいことじゃない」

「何を言って――」

 

 

 

 

「――"先生"、外的要因によるものとは言え、()()()()()()()()()()()ということは...()()()()()()()()()()()()()()ということでしょ?」

「...は...え...?」

 

―――テンシの言葉で、自分で証言しておいて気付けなかった事実に頭が真っ白になる。

 

「――セイアの()()()()が示す未来に変化を齎すなんて、流石"先生"ね。...だからこそ、貴女も()()()()()()()()()()なのよ、セイア。

――()()()()()()()()()()なんて、()()()()()()()()()()()()()って言ってるようなものじゃない。()()()()()()()()ね。未来()が分からないからこそ――私達は()()()()()()()()()を希求して努力する」

 

 呆けた脳内にテンシの言葉がスポンジに含まれていく水の様に浸透していく。

 

「"()()()()()()より、()()()()()"――既に起こした行動は、選択は変えられないけど、その結果から次はどう行動するべきか。どう選択するべきか。それを考えて、()()()()

 傍観も、行動しないことも時には良い結果になるけど――それは()()()()()()()()()()()()から。行動することを、選択することを()()()()()()()()なら、それは――()()()()()()()()()()()()()()()よ」

 

 テンシは一度言葉を切って私を見つめ―――

 

「――私達には、()()()()()()があるのよ。その結果がどうなるにせよ、選択した結果は()()()()()()()()()()()()()()()()()()。なら――()()()()()()()()()()でしょう?」

「...君も、彼と――"先生"と同じことを言うんだね。君もそう言うなら...私の今までの行動は()()()()()()()だったのだろう」

 

―――締めくくる様に告げた言葉を噛み締める様に瞑目する。"先生"にも同様の事を指摘されていた事も相俟って、心にすんなりと彼女の言葉が沁みていく。

 

「...昔の貴女は、()()()()()()()()()()()貴女は()()()()()()()()()だったわね。結果がどうなろうと、私やナギサの心配や不安もお構い無しに、好奇心のまま突き進んで、時には私達も巻き込んで...()()()()との付き合い方もそれでいいと思うの。

 どう足掻こうが変えられない()()()()()()なら。()()()()()()()()()()()()なら――行動し、選択する意義は、意味は大いにあるわ」

「...そうか。あぁ、そうだね。――今更ではあるが、()()()()()()()()()まだ間に合うだろうか」

 

 テンシの言葉に頷き、()()()確認する様に尋ねると彼女はフッと微笑む。

 

「行動すること、選択することそのものが大事なのよ。その結果を次の糧にすることで、未来へ――先へ進めるのだから」

「――なら、私のせいでらしくないことをしている幼馴染の親友二人を止めるとしよう」

 

 テンシの返答を受けて決心を付け、毛布を剥いでベッドから降りる―――

 


~『ティーパーティー会館』 首長(ホスト)専用テラス~

side-セイア

 

「――――そうして、クーデターが起きた時に"救護騎士団"が野戦病院を設置する動きに同行して、鎮圧に介入するチャンスを伺っていたのさ。...まさか近場にナギサが居たことは予想外だったけどね。一部の()()()()()()()()()()()()()()()()()()の情景を映していたのだが...」

「...セイアさんはセイアさんで思い悩んでいたんですね。...私も、ミカさんとテンシさんを守ろうと、周囲を疑うあまり結局一人で事態を解決しようとして...テンシさん。改めて、謝罪させてください。――疑心暗鬼を拗らせ、幼馴染の親友を守ろうとするあまり、結局誰にも頼らず一人で事態を解決しようとして、テンシさんの信頼を裏切ってしまい――申し訳ございませんでした」

「――私も改めて謝罪しよう。...()()()()という特異な能力が周囲には受け入れられにくいものを抱えていたとはいえ、一人で悩み、苦悩を抱えて...行方不明に見せかけて君達に不安を与え続けてしまった。――本当に、申し訳なかった」

 

―――私が身を隠していた事を話し終え、ナギサと共に改めて謝罪を交わす。

 

「――私も謝罪するわ。それぞれが悩みを抱えていて、幼馴染の親友として寄り添って解決すべきだったのに...結局昨夜の事態を引き起こしてしまった。――ごめんなさい」

「――テンシさんが謝る必要はありません。貴女は今まで何度も、それとなく私達を気にかけてくれたのですから。その気遣いを拒絶した私達に非があるのです」

「――ナギサの言う通りだ。君は"ソーサーナイツ"や周囲の交友関係を積極的に利用して身を隠していた私をも見破り、ミカのクーデターの兆候にも気付いた。一人で抱えて何とかしようとしていた私達とはまるで違う」

 

 続いたテンシの謝罪にはナギサと共に謝る必要は無いと返す。―――一人ではなく、自らの人脈を活用してテンシは独自に動いていた。一人で出来る事に限界がある事を誰よりも理解しているのは彼女だろう。

 

「...お互い駄目だった判断、選択があった。今はそういうことにしておきましょうか。これを糧に次の最善を目指すべきね。――最善は導けなかったけど、クーデターを阻止できて、セイアの無事を確認できたことは大きな成果。とは言え...」

「――『エデン条約』締結目前にクーデターが起きたのはタイミングが不味い。当然、クーデターを起こしたことに対して処罰は必要だが...」

「――裁定を下すには、まだ情報が足りません。...もうすぐ()()です。そろそろ行きましょうか。()()がどれだけ知っているのかにもよりますが――」

 

 

 

 

「――『アリウス』。『トリニティ』がこの学校に何かしらの繋がりがあるなら...見て見ぬふりをするべきではありません」

 

 

―――to be continued―――

 

 




ということで"補習授業部"解散と、セイアとテンシの接触でした。次回はミカとアリウス接触のお話になると思います。

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