Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~『ティーパーティー会館』
side-ミヤコ
「――"先生"、ご足労いただき心より感謝申し上げます」
「"先生"、忙しい中よく来てくれたね」
―――
「"生徒が困っているなら手を差し伸べる。それが『シャーレ』だからね。――態々私を呼んだということは、『アリウス』絡みだね?"」
「用件はその通りだが...まずは掛けたまえ。恐らく長くなるだろうからね」
「"分かった。お言葉に甘えよう"」
「――失礼致します」
百合園"ホストリーダー"が手で空いている椅子を指し示し、"先生"が座る。護衛である私は座らず、先生の右斜め後ろに立つ。
「おや、君は座らないのかい?」
「――今回は護衛ですから。...会館に入ってからの道中、
「私も遠巻きな視線を感じていたけど...やはり、『シャーレ』に降伏した『アリウス』の娘が居るのは事実なのね」
百合園"ホストリーダー"の言葉にそう返し、私と同様彼女の傍に付く比那名居総長に目を向け、対する総長も肯定して"先生"に目を向ける。
「"君達に呼ばれずとも、彼女達については話すつもりだったけどね。
――昨日の時点で『シャーレ』への要請という形で『トリニティ』生から引き渡しの要求が出ていた。それを拒否したから、隙を見て私に直談判でも狙ったんだろうね。...申し訳ないけど、君達から引き渡しを求められたとしも拒否するよ。『シャーレ』の保護下に置く。それが――"アリウススクワッド"からの要求だから"」
"先生"が答えると、百合園"ホストリーダー"が申し訳なさそうに目を伏せる。
「『シャーレ』が保護、監視下に置くと言うなら、
...恥ずかしい話だが、我が"ティーパーティー"内には『
百合園"ホストリーダー"は『トリニティ』側の事情をそう話して紅茶を啜って喉を潤す。―――謀略、政争の為の意図的な情報操作や歪曲。式典で『アリウス』が、『魔創シンキ』が語った
「――ご多忙にも関わらずご協力して下さっているというのに、我が"ティーパーティー"の者が少なからず御迷惑をお掛けして申し訳ございません」
「"大丈夫、気にしていないよ。今の所実害はないし、その娘達が焦る理由も分からない訳ではない。――古聖堂で『魔創シンキ』が挙げた内容は、仮に事実なら他校から、最悪『ゲヘナ』から糾弾されてもおかしくないものだからね"」
桐藤
「その真偽を明らかにする為にも、『シャーレ』が得た情報について聞こうか」
「"分かった。まず――――"」
百合園"ホストリーダー"に促され、"先生"が"アリウススクワッド"の四人、アズサ先輩、
『アリウス』が式典を襲撃した目的について。封緘命令について。"アリウススクワッド"の降伏の動機と協力の対価について。そして『アリウス』そのもの、『魔創シンキ』について。百合園"ホストリーダー"、桐藤
「"――――以上が、私達『シャーレ』が得られた情報だ"」
「ふむ...『魔創シンキ』は彼女達にとっては偉大な救世主という訳か。彼女が撃たれた時に苛烈な報復に出たことも頷ける」
「封緘命令については
百合園"ホストリーダー"と桐藤
「作戦の目的と言い、作戦失敗時の指示と言い――本当に『アリウス』の娘達を大事に想っているみたいね。教師と生徒所か親子関係も同然。...だからこそ、不可解ね」
「...テンシさん、何か疑問に思うことが?」
一方、少し眉を顰めて目を伏せる比那名居総長がそう言葉を零し、桐藤
「『アリウス』が撤退に移った時、『カタコンベ』の出入口は尽くが爆破で塞がれた。退路の封鎖は追撃対策として当たり前の戦術だし、作戦失敗での撤退では体制が乱れて命令、指示が伝わらず混乱することもままあること。
その可能性を考慮しての降伏指示なのでしょうけど――『アリウス』のあの結束力を見れば、全員が撤退するまで遅滞戦闘することもできた筈よ」
「"確かに、"アリウススクワッド"の娘達も全員撤退を確認できるまで戦うことはできたと言っていたね。――やはり、降伏の指示は撤退し損ねた『アリウス』の娘達の身の安全を確保することだけが目的ではなさそうだ"」
「その"アリウススクワッド"でも『魔創シンキ』の真意が分からないなら、直接彼女に問い質すしかないね。――しかし、彼女達の情報はある意味古く頼りにはできない」
百合園"ホストリーダー"は懸念を挙げる。―――『カタコンベ』は『アリウス』で長く過ごしてきた者でも全容を把握出来ていないと言う。彼女達が知っていたルートも、比那名居総長が言った通り出入口が塞がれていて利用出来ない。
そうなれば、まだ利用出来る『カタコンベ』の出入口を探すか、『カタコンベ』以外の『アリウス』に繋がる道を探すしか無い。
「私達も
「今日、『シャーレ』を呼んだのは、その場所に向かうに当たって君達にも人脈構築を兼ねて共有しておきたかったんだ」
「"成程...そんな場所があるんだね。一体どんな部活動なんだい?"」
「――"図書委員会"。我が学園の蔵書貸し出しや整理を行う一方、歴史的古書の回収、修繕や保存を行う組織でもあります」
~古書館 玄関前~
side-セイア
―――『トリニティ中央図書館』から少し離れた片隅に立つ古く年季が入った建物。この『トリニティ』でもかなり古くから存在している建物だが―――建物を囲み、接近を拒む様な
「――ここが『古書館』。我が『トリニティ』でも古い蔵書が保管されている場所だ」
「"...物々しいね。建物を囲んでバリケードを置くなんて"」
「...今の委員長が外部との接触をできる限り断ちたくて実質私物化した結果よ。古書に関する知識、技能はトップクラスなんだけど...人、他者との接触を嫌う引き籠り気質なのが玉に瑕ね。
入学早々"図書委員会"に入って、能力を認められて古書館を任されるようになってすぐにコレよ」
―――私の護衛兼、現"図書委員会"委員長の
「他人との接触を嫌がる引き籠りですか...自らの領域を作って閉じ篭もるような者を相手取る際、正面から無理矢理接触を図るのは悪手になりやすいですが...」
「幸い、そんな委員長の
テンシがミヤコにそう答えながら足を進め、彼女に続いて古書館の正面玄関の扉の前に向かう。外から見れば年季が入った古い様式の木造扉だが、その内側には古めかしい見た目に反する、破壊されない為の過剰とも言える頑強な補強や施錠の強化が施されている事を知っている。
テンシが扉の傍にある呼び鈴に手を伸ばして鳴らす。分厚い扉は鈴の音を吸収してこちらには何も聞こえないが―――
「はーい...わぁ、比那名居総長にセイア様ではありませんか。...おや、そちらのお二方は...?」
―――十数秒後。グラデーションが掛かったオレンジ色の髪をツインテールで結い上げ、眼鏡を掛け、白い制服を纏う"図書委員会"一年生『円堂シミコ』が顔を出し、私とテンシに続いて"先生"とミヤコを見て首を傾げる。
「"連邦捜査部『シャーレ』顧問、"先生"だよ。初めましてだね"」
「――同指揮下、『SRT特殊学園』一年生。"RABBIT小隊"小隊長、"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「『シャーレ』...あぁ、思い出しました!キヴォトス中で活動されている"連邦生徒会"の部活動でしたか。"先生"のお噂は聞き及んでいます。――『トリニティ総合学園』一年生、"図書委員会"所属『円堂シミコ』です」
二人の自己紹介を受けて成程と頷いたシミコは自己紹介して礼儀正しく頭を下げる。
「"よろしくね、シミコ"」
「はい、よろしくお願いいたします。――それで、本日はどのようなご用件で?」
「――
シミコにそう答える。―――外では誰が聞き耳を立てているか分からない。少なくとも、引き籠る為に外部との接続、接触を断っている館内ならば話しても問題無いだろう。
「成程...分かりました。中で詳しくお話を聞きましょう。――どうぞ中へ。大したおもてなしはできませんが...」
「――失礼する」
「"失礼するよ"」
シミコが扉を大きく開き、私達を迎え入れる―――
~古書館 書庫~
「――あぁシミコ、戻ってきたわね...って、随分大所帯じゃない。知らない顔も居るし...」
―――書庫に入ると古紙やインクの匂いが混ざった香りと、年季が入った書架が並ぶ空間が私達を出迎える。そして淡い青のメッシュが混ざるショートヘアの側頭部に一枚の赤い小さな翼を伸ばし、頭上に赤いヘイローを浮かべ、青いベストの上に黒の上着を重ね、背から一対の赤い翼を伸ばし、腰に淡い青のリボンを飾った黒いスカート、タイツ、ブーツを履いた生徒―――二年生『
「"初めまして。――連邦捜査部『シャーレ』顧問、"先生"だよ"」
「――『シャーレ』指揮下。『SRT特殊学園』一年生、"RABBIT小隊"小隊長"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「『シャーレ』...あぁ、キヴォトス中で活動してる部活だっけか。――二年生、"図書委員会"所属『
"先生"とミヤコ、トキコが自己紹介を交わす。
「――それで、『トリニティ』の重鎮二人まで来て何か重要な用事?用がある相手は察せるけど」
「察しが良くて助かる。――委員長に頼みたいことがあってね。彼女は
「えぇ、いつも通りね。――でも、あと少しで終わるからタイミングが良かったわね」
トキコは私の問にそう答える。―――
「兎に角、委員長に用があるなら少し待ってもらうわ。シミコ、適当に飲み物とお茶菓子を――」
「――シミコ、さっきの呼び鈴...は...」
―――パタパタとスリッパの足音が聞こえ、ヘアバンドを留めた長い黒髪を結い、黒いインナーの上に白い制服とウールのジャケットを羽織った、目元に隈をこさえた気怠げな表情を浮かべた、少し猫背の生徒―――"図書委員会"現委員長、通称"古書館の魔術師"『古関ウイ』が姿を現し、私達を見るなり瞳を点にして固まる。
「な...なんで"ティーパーティー"がここに...?!」
「本当、ちょうどいいタイミングね。――"先生"、ミヤコ。彼女が"図書委員会"現委員長の『古関ウイ』よ」
「わ、私は昨日何もしていませんよ?!この古書館には『アリウス』なる勢力の人間なんて一人も来ていません!」
トキコがウイを紹介するが、私とテンシが―――
「来ていなかったならよかったわ。――『トリニティ』でも貴重な、過去の文献を高品質で、厳重に保管できる場所、古文書の高度な復元ができる娘が脅かされていたら気が気じゃなかったから」
「...へ?...私に尋問とかする為に連行しよう、とかではないんですか?本当に?」
テンシがそう返すと、ウイは拍子抜けした表情で私達を見つめる。
「"君に用事があることに変わりはないけど、そんなことをするつもりは毛頭ないから安心して。――改めて、『シャーレ』顧問、"先生"だ。知己を得られて嬉しく思う"」
「――同指揮下、『SRT特殊学園』一年生、"RABBIT小隊"小隊長"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「...へ、ぁ...その...よ、よろしくお願いします...『古関ウイ』、です...」
続いて"先生"とミヤコが自己紹介すると、拍子抜けした表情のままウイも自己紹介してオドオドと頭を下げる。
「――それで..."ティーパーティー"の重鎮二人を連れて何かご用ですか?いえ、まぁ...
「君が先程勘違いで挙げた『アリウス』についてだ。――もし、
ウイに用件を伝えると、彼女は
「...『アリウス』について、ですか。――昨日の事態もあったので、それをきっかけに幾つか
少しの間を置いてウイはそう答え、委員二人にそう指示を出して
「...相変わらずね、彼女」
「えぇ、相変わらずです。――委員長は、権力者や初対面の人相手の場合、私達が居合わせている時はあんな風に
そそくさと離れていく背中を見送ると、ため息を吐いたテンシの言葉にシミコが苦笑して頷き、"先生"とミヤコにウイの
「ちなみに、私やシミコが居なくて古書館に
「"気難しい...というよりは、典型的な引き籠もり気質だね。閉じ籠り、他者が居る時は別のことに逃げる...彼女は本当に委員長なんだよね?"」
「えぇ。引き籠もりのおかげで古書館内の蔵書数、位置を完璧に把握しているのは今の所委員長だけよ。あんな性格でも本への愛着は勿論、特に――状態が悪い古い文献、古文書の保存、修復技能は私とシミコじゃ
トキコは"先生"の問にそう答え、やれやれと肩を竦める。―――カビ、破れに塗れたおよそ読めそうにない古文書すらも
「――とりあえず、委員長が戻ってくるまで待ちましょうか。こちらへどうぞ。来客は稀なので大したおもてなしはできませんが、どうかご容赦ください」
「"こちらもアポイントメントなしで訪ねているからね。おもてなしの質は気にしないよ"」
シミコに先導され、片隅にあるソファやテーブルが並べられたスペースへと足を向ける―――
side-"先生"
「ふぅ...お待たせしました。この
―――館内の片隅にあるソファに座り、シミコが用意したアイスアメリカーノ――シミコ曰く、ウイは『トリニティ』でも稀有なコーヒー党らしい――を飲みながら古書館の歴史や仕事について聞いていると、ウイがやって来て両腕に抱えていた大小数冊の本をテーブルに置く。
「"...見た目からしてかなり古い本だね。触っても大丈夫かい?"」
「ページを普通に捲れるようにその
「"そうならないように丁寧に扱うよ。...果たしてどれだけ情報があるか..."」
ウイの忠告に頷き、一番上に乗せられている小さな本をそっと手に取る。深緑の革製の装丁に金箔で細やかに装飾が施された表紙に表題は無く、下部に人名らしき文字が記されているものの、判読が難しい筆記で読めない。
「その
...原文を変えてしまうのは、嘗ての持ち主に申し訳ありませんから。敬意を表する為に、表紙の人名だけは金箔の乗せ直しに留めています」
「ふむ、随分用意がいいじゃないか。君もその実『アリウス』に興味があって、調べる為に翻訳したのかな?」
「...そんなことはありませんよ。他の
ウイの説明に耳をピクリと揺らしたセイアが尋ねると
でも、今の目的はあくまで『アリウス』に関する情報収集。ウイの返答に対して湧いた疑問は頭の片隅に置いて表紙をゆっくり開く。―――古い見た目に反し、貼り付いた紙が剥がれる感触や、劣化で破れる事もなくすんなりと開かれる。
「"おぉ...普通に開けた。まるで
「それが"古書館の魔術師"の腕が成す業よ。――時間は要するけど、ページが装丁の背表紙からバラバラに破れ落ちた本すら完璧に復元してしまうの」
テンシの説明に頷きながら、ページを捲って中身を読んでいく。
〇〇〇年✕月△日
新しい日記帳を買って最初に書く内容としては気分が良くない。私の学校が、アリウスの攻撃に晒された。この四半期でもう三度目だ。あの学校は何故ああも過激なのだろうか。あの複雑怪奇なカタコンベに隔てられた秘境の如き立地故に、伝道も歪んだ形で行われたのだろうか。
パテルの様に、その攻撃性をゲヘナの野蛮人共に向けてくれればいいのだが――――
「"...嘗てのアリウスは、今の『トリニティ』構成校に対して度々攻撃を仕掛けていたみたいだね"」
「どうもそのようだね。...私が読んでいるのは、"サンクトゥス分派"が独立校『サンクトゥス神学校』だった時の議事録だが、
――『トリニティ』成立前は宗教観の違いから学校間で激しく対立し、紛争が頻繁に起きていた時期があったことは歴史として学んでいたが...『アリウス』に関しては
少し大きな本を開いて読み進めているセイアが頷く。『トリニティ』で記録され、学ぶ歴史では存在しなかった『アリウス』。しかし、その情報がこうして古文書に残っているという事は、確かに『アリウス』は統一前の『トリニティ』の中に一学校として存在していたのだろう。
「"ただ、この時の『アリウス』は攻撃的な学校だったことが気になる。今の『アリウス』の娘達の強さは、軍事訓練を受けていたからだ。その動機も『魔創シンキ』が企画した作戦を成功させる為。そこに宗教的意義はない。数百年も時間が経てば思想も変化するだろうけど..."」
推測と疑念を挙げながら日記を読み進める。―――学校間紛争だけではなく、校内での政争や陰謀も『トリニティ』成立前から当たり前の様に行われていたらしい。その一方、友人と遊んだとか、成績が良くなったとか、日常でのささやかな幸せも幾つか綴られている。数百年の情景は思い浮かばないけど、青春を過ごしていたのだと感心しながらページを捲る―――
〇〇〇年✕月△日
今日、学校に"アリウス生徒会"の人間が来た。少し前からこの学校を含めた他校への攻撃がピタリと止んでいたけど、先日『謝罪と話し合いがしたい』と要請されたことには驚きを禁じ得なかった。これまでの行動故に信用できないけれど、話だけは聞いてみようと生徒会は判断を下し、今日を迎えている。
でも、生徒会の代表として生徒会長当人が来た事と、大人を連れ添っていたことには更に驚かされた。大人は『アリウス』の卒業生で、生徒会から要請されてキヴォトスでも稀な教職として校長に就いたという。名前は『魔創シンキ』。私が知る大人とはかけ離れた、真摯で親身、献身的な印象を抱かせた。
「"こ、これは...!"」
「"先生"、どうしたの?」
「"このページの内容を読んでみて。この内容が事実なら...!"」
思わず声をあげた私に気付いて、読んでいた本から顔を上げたテンシにそう答え、皆にページを見せると、各々驚いた反応を見せる。
「これらの書物は『トリニティ』成立前後のもの。つまり――
「――
「...
「――何ですって?」
ミヤコとセイアの言葉に対し、ウイがそんな言葉を漏らすと、私含めて皆が彼女に注目する。ウイの口振りだと、私達より前に
「な、何ですか皆さん一斉に私を見て...」
「――ウイ。その口振りでは、私達とは別の人物がこれらの文書を読んでいたことになるんだが。...誰なのか教えてくれるかい?」
「...話してもいいですかね。口封じもされていませんし。...彼女からの依頼をきっかけに『アリウス』についての情報が記された
~自治区内 天城家のセーフハウス~
side-サリエル
「...あぁ。...あぁ、分かっているとも。――こちらも忙しい。それ以上内容が変わらないようだから切るぞ」
―――スマホの向こうで、焦りを多分に含んだ
「全く...キャンキャンと催促して解決できる事態ではないんだがね。『トリニティ』が隠し通してきた歴史の一端が明かされてしまった以上、調べ始めるのは自然なことだ。行動が始まってしまった今、それを止めろなどと...まぁ、これで
書架の前に立ち、一冊の本を手に取って開きながら言ちる。―――『アリウス』の人間を捕らえる事は出来たが、軒並み黙秘を徹底していると聞いている。押収品から『アリウス』の一般的な生徒である可能性は分かったが、それでは黙秘してなくてもあまり情報は得られないだろう。
一方、『シャーレ』に降伏した『アリウス』の人間四名は精鋭の様で、引き渡しを求めたものの梨の礫で終わった事も聞いている。今日、『シャーレ』の"先生"が"ティーパーティー"に呼ばれているのはその精鋭四名についてだろう。
「――今のところ唯一の『アリウス』に繋がる道である『カタコンベ』の出入口は、『アリウス』撤退の際に軒並み爆破で塞がれている。だが...全てが塞がれた訳ではない。あの不定形で複雑怪奇な構造で、全てを把握できる筈がない。――
―――『トリニティ』は途中で調査を諦めて封鎖を徹底している為比べる程ではないが、『アリウス』とて『カタコンベ』の全ては把握出来ていないだろう。だが―――
「――そろそろ行動すべきだな。"ティーパーティー"も『シャーレ』もあの場所に頼る筈だ。そして――
―――『休暇ですか?――構いませんよ。サリエルが居なければ、我が"シスターフッド"が回らないということもありませんから。どうぞゆっくりプライベートをお過ごしください』
―――サクラコには休暇を取ると伝えて『大聖堂』を離れてここに居る。このセーフハウスは天城家として所有し、幼馴染の親友であるサクラコも知らない秘匿した場所。問い質され、サクラコが
読んでいた本を閉じ、改めて己に誓う様に呟く。
ということで、古い記録を探すなら図書委員会でした。朱鷺子は当初副委員長に就ける予定でしたが、原作にて大分ヤバい副委員長が出てきたので一委員になりました。
~登場生徒紹介~
名前:
所属校:トリニティ総合学園
学年:二年生
部活動:図書委員会
装備:HG(