Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~『アビドス高等学校』 "廃校対策委員会"部室~
side-ホシノ
「"皆、おはよう。...あれ?セリカとネイトが居ないね"」
「"先生"おはよ~。今日は自由登校日だから、登校するもしないも自由なんだ~。まぁ、大体皆
「編入されたばかりのネイトちゃんは兎も角、セリカちゃんが来ないのは珍しいですね~」
部室に入って来た"先生"は挨拶してすぐに二人が居ない事に気付く。―――『アビドス高等学校』では月に一度自由登校日を設定している。尤も、その裁量は
「二人とも『モモトーク』の既読が付きませんし、電話しても出ないので...寝坊でしょうか?」
「あの真面目なセリカちゃんと、口調に反して真面目なネイトちゃんが寝坊するかな~?確か昨日は長めにシフト取ってたと思うけど、夜更かしする程でもないはずだよ~」
「でしたら、私が直接訪ねてみましょうか?お二方のご自宅は
「じゃあお願いしよっかな~。状況が分かったらおじさんか"先生"に連絡お願いね~」
「了解です」
アヤちゃんの提案に頷き、彼女が部室を出て十数秒経つと外から羽ばたく音が聞こえて来る。
「"――それで、今日は何をするのかな?"」
「う~ん、特に決めてないんだよね~。自由登校日だから勉強する気分でもないし、二人の状況が分かったら決めよっか」
「ん、銀行強t「シロコちゃんめっ、ですよ♣」...んぅ」
"先生"の問いにそう答えると、シロコちゃんが挙手していつもの様に銀行強盗を提案するもノノミちゃんに止められる。相変わらずシロコちゃんは銀行強盗をしたがる。今も机に覆面と手順のチャートを書いたノートを広げているし、何がシロコちゃんに銀行強盗をさせたがっているのだろうかと時々疑問に思う。
―――閑話休題。
「...ん~...やっぱり反応ありませんね~」
「なんだ?二人に『モモトーク』送ってるのか?」
「それもあるんですけど~...実は、昨日のインタビューでアヤさんから
「ずっと連絡が取れなかったって...もしかしてノノミ先輩、誰かと付き合ってたの?!」
隣に座るモコウ先輩の問いにノノミちゃんがそう答えると、モエちゃんが目を輝かせて食い付く。
「うへ、モエちゃんってば年頃の女の子だね~。でも、おじさんも初耳だよ?一体どんな人なのかな~?」
「ふふ、ではどんな人物か当てっこしてみましょうか☆ちなみに、モエちゃんはハズレですよ~。ずっと『アビドス』で過ごしているので、残念ながらそういう関係の人には恵まれていませんから」
「ノノミちゃんのご両親?元々進路が違ったから喧嘩別れしちゃって、とか」
「小さい頃にお世話になった恩のある人...でしょうか?」
「姉妹か兄弟、とかか?」
ユメ先輩、アヤネちゃん、モコウ先輩がそれぞれ予想を挙げる。
「正解は――」
「――うへ、アヤちゃんからだ。ちょっと出るよ~。...もしも~し、おじさんだよ~」
『――もしもし、アヤです。ホシノさん、皆さんに聞こえるようにスピーカーにできますか?』
「...うへ、りょうか~い。――はい、おっけ~だよ」
おじさんのスマホから着メロが聞こえ、皆に断って電話に出ると
『――お二方のご自宅を訪ねた所、どうやら
「いや、まだ登校してないな。...どういうことだ?あの二人が連絡もしないで何処かに行くなんてことはしない筈だぞ」
「今日はバイトのシフトは入っていない筈です。それに、今日何処かに出掛けるという話も二人から聞いていませんし...」
「――まさか、
―――ユメ先輩の言葉で場が凍り付いた様に沈黙する。
『――周辺の住人に聞き込みしてみます。そちらの方で何か分かりましたら連絡を。では!』
アヤちゃんは通話を切り、規則的な切断音だけが部室に響く。
「...ゆ、誘拐って...そんなことするヤツは――」
「――"カタカタヘルメット団"なら動機は十二分にあります。
「...私が"カタカタヘルメット団"なら、業を煮やして報復するね。精神的ダメージを与えられるような方法で。誘拐は正にそうだね」
サキちゃんが冗談だと言いたげに口を開くもすぐにハッとして沈黙し、ミヤコちゃんがそう説明するとシロコちゃんが頷く。
―――確かに"カタカタヘルメット団"ならやりそうだ。厳しい状況に陥った時もあったけど、おじさん達は力を合わせてどうにか撃退を続けて来た。
「だ、だが...何で今になって誘拐なんてするんだ?」
「...考えられる理由としては、前哨基地が制圧されたことを受けてより効果的な――
サキちゃんの言葉にミヤコちゃんがそう予想を挙げると、皆表情が暗くなる。采配が酷かったせいとは言え、"カタカタヘルメット団"としてはネイトちゃんに報復したいだろう事が解ってしまうからだ。
「――ま、まだ誘拐だって決まった訳じゃないよ!でも、どうやって二人を探せば――」
「"――アロナ。セリカとネイトのスマホの位置情報を洗える?"」
『すーぱーAIのアロナにお任せください!――"サンクトゥムタワー"に接続。"黒見セリカ"、"水元ネイト"の携帯端末契約情報参照――特定。昨日からの位置情報ログを可視化、地図上に表示します!』
「なるほど~。誰もが持っているスマートフォンの位置情報を追って二人の行方を探すんですね」
「"アロナだからこそできることだからね。多分、既に電源を切られていて途中で追えなくなると思うけど"」
―――"先生"が"シッテムの箱"を取り出して机に置いて起動し、アロナちゃんを呼び出すと画面から住宅街――セリカちゃんとネイトちゃんの家がある区域だ――の地図のホログラムが浮かび上がり、おじさん含め皆が注目する。
住宅街の通りに二つの青い点が浮かび、並んで歩いているのか横並びで移動して―――
「急に動きが...一体――」
―――少しして、青い点が震えて移動を始める。途中で動きが止まり、十数秒して点の動きが速くなる。
「動きが速く...恐らく車両に乗せられたのでしょう」
ミヤコちゃんが呟いている内に青い点は住宅街を離れ―――放棄された工業団地に入って工場らしき大きな建物に入ると青い点が消える。
『電源を切られたのか、これ以上の更新は確認できません』
「この建物、位置...ネイトが言っていた"カタカタヘルメット団"の
「..."カタカタヘルメット団"が二人を誘拐したのはほぼ確定かな~?」
おじさんの言葉に皆の沈黙が返って来る。
「"
「確かに二人の安否を確かめるためにも行動は速いほうがいいと思うが...
シロコちゃんの提案にサキちゃんが懸念を挙げる。確かに"カタカタヘルメット団"の
「大切な生徒二人の安否がかかっているんだよ?!こうして話し合っている間にも何か酷いことをされてるかもしれない。――だからできる限りの準備をして、できる限り早く行動するべきだよ!」
「――今回は人命が掛かっているからな。ユメに賛成だ」
モコウ先輩の言葉に皆が頷く。―――制圧出来なくてもいい。二人の救出を優先して、達成したら離脱する事を優先すべきだろう。
「――今日の行動は決まりだね~。午前中は準備。午後から"カタカタヘルメット団"の
「"正直、話し合いで二人を解放できればと思うけど...要求も分からないし、散々撃退されて来た相手の言葉を聞くとは思えないし...仕方ないか。――皆、できる限りの準備をしてから出撃するよ!"」
~"カタカタヘルメット団"本拠地 『製造建屋』内のテント~
side-カヨコ
「...よし」
[
―――『"便利屋68"の皆さんには、"カタカタヘルメット団"の本拠地に運び込む予定の
―――脳裏に新たに依頼を持ち込んで来た依頼主の言葉を思い返す。乾坤一擲で仕掛けた『アビドス』の校舎襲撃が失敗し、事務所の備品や私物を売る事で何とか家賃と光熱費の支払いは出来たものの、今後の生活すら厳しい懐具合になってしまった時に再び持ち込まれた依頼。
次の家賃や光熱費の支払いまではどうにか食い繋げる生活費を前金として支払うという提案を受けて"社長"はもの凄く悩んだ末に『"社長"として、社員は養わないとね...そう、社員の為よ...!』と依頼を引き受け、こうして"カタカタヘルメット団"
「――お疲れ、カヨコ。昼の配給もらってきたわ」
「ありがとう、ジョオン」
―――紙袋を片手に提げたジョオンが戻って来たのを見て一度思考を止める。
「はい、中身見ておいて」
「うん。......相変わらず缶詰ばかりだね。依頼主から何か言われたのか一般団員よりマシだけど...ハルカとシオンは?」
「食べられる雑草を探してる。生鮮食品は幹部連中が独り占め状態だから、こうでもしないと野菜が食べられないのは問題ね」
ジョオンはそう答えながらため息を吐く。―――"カタカタヘルメット団"は団員の格差が酷い。
「...全く、こういうのに慣れてるのが功を奏するなんてね」
「そうだね。...でも、今回の依頼である
「確かにねぇ。数は多いのに『アビドス』の連中相手に全く勝てない、幹部連中だけが美味しい思いをしてる不良集団なのに、未だに見限らず支援を続けている理由が分からないわね。私ならさっさと縁を切って別の有望な組織を探すわ」
ジョオンは私の言葉に頷く。―――この依頼を受けた時からずっと、胸に得体の知れない不安が渦巻いている。ジョオンも、何なら程度の差はあれ皆不安を感じている様で、今頃は屋上で監視している"社長"もいつもの様に前向きに振る舞いつつも内心では不安に感じているみたいだ。
「それに...あそこにあるらしい
「定期的に偉そうな幹部が誰かしら出入りしてるけど、何があるのかしらねぇ」
―――私達が
「...依頼を受けた以上、得体の知れないものでも護らないとね。前金のおかげでなんとか生活費は工面できてるけど、懐は寂しいままだしね」
「
「「――っ?!」」
―――突然外から大きな爆発音が聞こえて来て、団員達も談笑を止めて何事かと立ち上がる。
生きている火災報知器を利用した警報と、団員が拡声器で叫ぶ声が聞こえ―――私は[
~"カタカタヘルメット団"本拠地 屋外道路~
side-モコウ
「――ふっ...!おらッ!!」
「うわ?!取り付kグワーッ?!」
跳躍して走り寄って来たテクニカルの屋根に取り付き、
「――借りるぞ!返す気はないが、なッ!」
「ウワーッ?!」
そのまま銃座から車内に入り、ドアを開けて運転手を落としてテクニカルを
「――おい、銃座任せるぞ!」
「は、はい...!」
ちょうどこちらに走って来ていた元団員の生徒を見付けて傍に寄せ、銃座に乗せて走り出す。
―――『突入後、モコウにはテクニカルと対空砲の排除をお願いするよ。やり方は任せるけど、あまり無茶はしないようにね』
―――脳裏に作戦会議で私に与えられた役割を思い出す。対空砲も多少俯角が取れる為、対地で運用しても充分脅威だ。敷地内に据えられた六基の破壊と、残り三台のテクニカルの破壊をまずは行う。
「――前方テクニカル!やれ!」
「はい...!う、うぉぉぉ!!」
早速テクニカルが走ってくるのが見えて指示を飛ばすと、銃座に据えられた[M2 Browning]が射撃を始め、前方が穴だらけになって爆発して乗っていた団員二人が吹き飛ぶ。恐らく味方だと思っていたのだろう。応射が無くて幸いだった。
「いいぞ!このまま対空砲陣地に向かう!」
「はい!」
元気な返事を聞いてそのまま近くの対空砲陣地にテクニカルを走らせる。
「前方、陣地が見え――あれ、誰も居ない...?」
「おいおい奇襲が決まったとは言え、陣地の連中まで迎撃に出ちまうとはな。だが好都合だ、ぶっ壊せ!」
私の指示に[M2 Browning]の射撃で応え、[Flak36]が破壊され、近くに集積されていた弾薬にも被弾誘爆して爆発する。
「いいぞ!このままどんどん破壊して――」
『こちら"RABBIT1"!現在"製造建屋"前で急ごしらえの陣地に阻まれて交戦中――ですが、"便利屋68"のカヨコさん、ムツキさん、ジョオンさんの姿を確認しました!』
『うおっ?!こちら"RABBIT2"!
「"便利屋68"だと...?!」
『"どうして"便利屋68"が...雇われたのかな?――こっちはまだ特定中だ。無理に攻めず慎重にね!"』
『了解しました!』
―――インカムに屋内の銃撃戦の激しい音を背景にしたミヤコの報告が入って来る。"先生"の方は"シッテムの箱"での二人の居場所特定がまだ済んでいない様で、慎重な攻め方をする様に指示を出す。
「――まさか、また"便利屋68"とやり合うことになるなんてな...!行くぞ!」
アクセルを踏み、視界に入った対空砲陣地を目指して走り出す―――
~"カタカタヘルメット団"本拠地 正門ゲート警備員詰所跡~
side-アヤネ
「モコウ先輩がテクニカルを一台奪取!陣地攻撃に向かっています!」
「流石モコウ先輩、仕事早いねー!――あ、ミヤコ達がもうすぐ突破して『製造建屋』に入れそうだよ!」
「"よし、奇襲で動揺している今の内にできる限り...!アロナ、二人が囚われていそうな場所の特定は?"」
『"倉庫棟"、"事務所棟"にそれらしい場所はありません!残る"製造建屋"を索敵中ですが、建屋が大きいのでもう少し時間がかかります!』
"シッテムの箱"から展開された複数の仮想画面に映る戦闘の様子を見ながら"先生"、モエちゃんと共に指揮を執る。奇襲が決まり、"カタカタヘルメット団"は動揺していて私達の攻撃に対応出来ていない。後はアロナちゃんが
『――こちらおじさんとユメ先輩。これから"事務所棟"を攻撃するよ~。二人は居そうかな?』
「『事務所棟』に二人は居ないようです。状況はどうですか?」
『おじさん達の奇襲で完全に動揺しているね~。幹部っぽい娘達は建物に籠るつもりかな~?あれは自分の身を守ることしか考えてなさそうだね~』
「――"先生"、どうしますか?」
「"ホシノ、ユメの部隊は無理に攻めず制圧に専念して。まともに指揮が執れない状況なら数が多いことが寧ろ足枷になるはずだ"」
『うへ、了解だよ~』
ユメ先輩と数人の生徒を率いるホシノ先輩に"先生"はそう指示を出す。動揺を治めて指揮を執るべきなのに、幹部級の団員は自分の身を守る事しか考えていないらしい。ネイトさんの証言では支援物資も独占状態だったらしいし、やはり数が多いだけで質は低い様だ。
「――にしても、まさか"便利屋68"が居るなんてねー。"カタカタヘルメット団"よりもずっと脅威だよ」
「"校舎襲撃の時は危うく突破寸前まで押し込まれたからね。油断はできない"」
"先生"はモエちゃんの言葉に頷く。
「――ですが、何故"便利屋68"の皆さんが
「確かにねー。偶然にしてはタイミングが妙な気がするよ。"カタカタヘルメット団"が二人を誘拐したって分かって、こうして攻撃を仕掛けたタイミングで居合わせた。――まるで私達が救出に動くって分かってたみたいじゃん?」
「"...あくまで私の推測だけど――――"」
~"カタカタヘルメット団"本拠地 『製造建屋』屋上~
side-アル
「――っぶな?!」
再び飛んできた狙撃を、役目を終えて久しい空調設備の室外機の影に咄嗟に身を隠して防ぐ。
「あぁ、もう...!なんでまた『アビドス』の娘達と戦わなきゃならないのよ...!」
身を隠したまま[ワインレッド・アドマイアー]のマガジン残弾を確認しながら愚痴る。
―――『アビドス』の生徒達が攻撃を仕掛けて来てからそれ程時間は経っていないものの、形勢はこちら側が不利だ。
―――工場敷地内では、テクニカルが一台奪われた様で対空砲や他のテクニカルを破壊して回っている。既にテクニカル二台、対空砲陣地が五つ破壊されていて高火力の支援攻撃は期待出来ない状況だ。このまま全部破壊されれば、その火力が私達に向く可能性もある。
―――『事務所棟』には
―――『倉庫棟』には
―――そして、『製造建屋』では私はまたも『アビドス』の
―――奇襲効果もあるだろうけど、少なくとも総勢四十人程度の攻撃で"カタカタヘルメット団"は辛うじて統制が取れているだけにまで陥っていた。
『こ、こちらハルカとシオン...!"倉庫棟"に集まっていた団員が全滅しました!こ、このままでhうわぁ?!』
『――こちらカヨコ!"製造建屋"の主力部隊の攻撃が苛烈になってきた!明らかに
インカムに通信が入り、更に状況が不利になりつつある事が分かる。『事務所棟』に居る幹部級の娘達からの指示は未だに無い。数を活かして前線を作れば跳ね除ける事は出来る筈だけど、このままでは各所で分断されて各個撃破に遭ってしまう。
「ハルカとシオンは厳しいなら『倉庫棟』は諦めて『製造建屋』に加勢しなさい!カヨコはそのまま戦線維持!――"カタカタヘルメット団"がこんなにも脆い組織だったなんて...!これなら傭兵達と戦ってた方がマシだわ!でもなんで...まさか『アビドス』の娘達が、
指示を出してまた愚痴っているとそんな思考が湧き上がる。『アビドス』は生徒も住人も少なく、"カタカタヘルメット団"以外には極々小規模な不良集団しか居ない。
そして"カタカタヘルメット団"は『アビドス』の生徒を追い出そうと今まで攻撃を仕掛け続けていて、明確な敵対関係にある。だから"カタカタヘルメット団"を完全に追い出すべく
『――"社長"、こちらカヨコ!
「――は?」
すぐまた通信を繋いだカヨコの報告に一瞬呆然とする。
―――
―――"カタカタヘルメット団"が
―――
『――"社長"?聞こえてる?』
「――あぁ、そういうことね。要素が繋がったわ」
『"社長"?』
『あ、アル様...?』
~"カタカタヘルメット団"本拠地 『製造建屋』内~
side-"先生"
<「大人しくしろー!」
<「ほらほら、大人しくしてないと蜂の巣だよー?」
モエとアヤネを連れて『製造建屋』に入ると、生徒達と"便利屋68"の面々が"カタカタヘルメット団"団員を一か所に集めている光景に出くわす。総勢凡そ二百人となると凄い数だ。アヤが"ヘルメット団は一応組織報奨金が掛けられているので、『ヴァルキューレ』に突き出せば借金返済の足しになるでしょう"という提案を受け入れ、彼女が『ヴァルキューレ』への通報を行っている。
―――"便利屋68"が突然"カタカタヘルメット団"を裏切り、
「――"先生"、やっぱり貴方も来ていたのね」
「"生徒達を指揮しなきゃだからね。――まさかアル達が居たことにも驚いたけど、急に私達と共闘を始めたことにはもっと驚いたよ"」
「
アルに話しかけられ、そう驚きを伝えると彼女は当然の事だと鼻を鳴らす。
「――って、あんまり長話していると二人を待たせちゃうわね。さ、こっちよ」
「"ありがとう、アル"」
アルの先導で建屋の二階にある制御室に向かう―――
~"カタカタヘルメット団"本拠地 『製造建屋』制御室~
「――ここよ。...やっぱり鍵が掛かってるわね」
「ここは私が。少し離れてください」
制御室のドアの前に着くとアルが施錠に気付き、アヤネが私達を下がらせて[
「...敵は居ないね。
「監視カメラの類は完全に死んでたから、様子が見られないのがもどかしいわね。――じゃあ、入るわよ」
アルの言葉に私達は頷き、アヤネとモエを先頭にして中に入り―――
「――これは...」
「...誰も、居ない...?」
「あるのは...これだけ、だね...」
「"...まだだ。皆に探してもらおう。もしかしたら別の場所に囚われているかもしれない...!"」
―――無人の制御室。真ん中に据えられた机には
今回で取り戻して終わると思った?残念ながらまだなんじゃ。ということで次回は事後処理と...あの組織がやって来ます。