Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
そして周年でフルアーマーホルスを実装する運営は人の心無いんか???そんでもってクロコ実装おめでとう!!!!!!
ということでセリカとネイトは未だ攫われたまま、再び『アビドス』に魔の手が...
~『ゲヘナ学園』 "風紀委員会"執務室~
side-??
「――皆さん、集まりましたね。急ではありますが...今回、皆さんには少々
すっかり聞き慣れた銃声や爆発音が外から聞こえて来る"風紀委員会"執務室。
「
"風紀委員会"の"切り込み隊長"『銀鏡イオリ』が少しうんざりしたような表情を浮かべながら尋ねる。
「――昨日、"情報部"より『シャーレ』の"先生"が"便利屋68"と共に『アビドス高等学校』自治区に居る、という情報が齎されました。単刀直入に目的を説明しましょう――皆さんには『アビドス』まで遠征してもらい、"『シャーレ』の"先生"の
目的を聞いて私達は互いに顔を見合わせる。―――『アビドス高等学校』。嘗ては三大校を超える規模の巨大校だったけど、急速な砂漠化に合わせて生徒と住人の人口が急速に減少。今では自治区の大半が砂漠に埋もれ、数年の内に滅びるのでは...と噂されていた筈だ。
しかし、態々そこまで遠征して保護と捕縛を行う理由が解らない。"連邦捜査部『シャーレ』"は
「――アコ。本命は『シャーレ』の"先生"ね?」
「――流石、すぐに気付けますか。えぇ、その通りです。"連邦捜査部"の活動を実現する、
アコは目的の意図に気付いた私を見て感心した様な微笑みを浮かべながら頷く。
「目的は理解しましたが...他校自治区へ侵入して大丈夫なのでしょうか」
"風紀委員会"の"医療担当"『火宮チナツ』が質問する。"連邦生徒会"というキヴォトスを統治する組織があるものの、キヴォトスを構成する各校の独立性はかなり高い。理由も無く他校自治区へ侵入するだけでも学校間問題に発展しかねない。アコもそれをよく解っている様に頷く。
「確かに他校自治区への侵入は例え小規模校相手であろうと問題になりますね――"風紀委員会"
「――『SRT特殊学園』と締結している"特定組織及び人物逮捕における相互協働協定"。"便利屋68"はこの協定を適用できる組織としてリストアップされているから、これを利用すれば
アコが『アビドス』へ合法的に侵入可能な手段として利用しようとしている"特定組織及び人物逮捕における相互協働協定"――通称"特逮協定"を挙げる。
―――『SRT特殊学園』は『シャーレ』設立より前に開校された、"連邦生徒会長"直轄で管理している特殊部隊を養成する学校だ。"連邦生徒会防衛室"管轄の『ヴァルキューレ警察学校』では対応出来ない、広域犯罪や政治犯罪への即時介入、対応を可能としている。
キヴォトスにおいて最も治安が悪いとされる『ゲヘナ』では、『ゲヘナ』所か
「――でも、この協定の適用には
「それについては問題ありません。私の方で
「兵は神速を貴ぶと言いますが...大丈夫ですか?『SRT』が協働を拒否した場合、我々は他校自治区へ侵入する正当な理由を失うことになりますが」
「大丈夫ですよ。"便利屋68"が活動しているということは、きっと犯罪を犯しているでしょうから『SRT』を動かせます」
アコの自信満々な答えに思わず私達はまたお互いに顔を見合わせる。―――相変わらず、彼女は"便利屋68"をとりわけ敵視している。私は"
「目的は理解したわ。投入する戦力は?」
「[Sd.Kfz.222*1]一個小隊三輌、[Kz8cm GrW42*2]三基装備の迫撃砲小隊一個、歩兵中隊一個を投入します。――"便利屋68"は憎らしい程に上澄みの実力を有していますから、この位は投入しなければ厳しいでしょう。『ハイランダー』には少々無茶を強いることになりますが、『アビドス』にできる限り近い最寄り駅まで列車輸送。その後は車両にて現地まで向かって展開してください」
アコは表情を顰めて私の質問に答える。私怨を含んでいるものの、戦力評価は"行政官"らしく的確だ。"風紀委員長"が
「随分と...いや、確かにこれくらいは必要か。アコちゃん、この遠征については"委員長"に伝えるのか?」
「――"委員長"が"副議長"と共に過ごしている
「...その役目は本来イオリでしょう。私はあくまで"
イオリの問いにアコはそう答えながら私を見るけど、そう言い返して警告する。―――『ゲヘナ』の治安を維持する実働組織ではあるものの、常にほぼフルメンバーで鎮圧活動を行わなければならない程に『ゲヘナ』は治安が悪い。今頃は"
その負担を軽減する為に私は"
「き、急に言われても...事前に言われたなら多少覚悟はできるけどさ...」
「私は兎も角、アコと
「全く、そんな弱気だから"委員長"が
「分かったわ」
「...わ、分かったよ。できる限りのことはやる」
私とアコに軽く叱られ、イオリは少し気弱な表情を浮かべるもすぐに覚悟を決めた様な真剣な表情に切り替える。
「では、早速準備をして出撃してください。――戦果を期待していますよ」
アコが締め括り、私達は執務室を出る。
「――イオリ、チナツ。先に人員を集めて車庫に向かってて。私は
「分かった。...遅れないでくれよ。アンタなしで現場指揮は流石に自信がない」
「分かりました」
執務室を出てすぐ、先に二人を準備に向かわせる。―――ずっと胸中に不安が渦巻いている。この遠征には
「――
スマホを取り出して『モモトーク』を開き―――
~『アビドス高等学校』校舎 "廃校対策委員会"部室~
side-"先生"
―――重苦しい空気と沈黙が支配する部室を見回すと"対策委員会"の面々が並んで座っている席に
「――では、皆さん集まったので"対策委員会"会議を始めます。今回の議題は――"『黒見セリカ』『水元ネイト』両名の誘拐について"です」
アヤネが音頭を取って議題を挙げると、皆の表情に影が差す。
―――依頼主を裏切って私達の側に寝返った"便利屋68"と共に"カタカタヘルメット団"
「なお本日は、
「"社長"とジョオンは『カイザーPMC』で
部室には"便利屋68"の四人も居て、カヨコが代表して挨拶する。彼女が言った通り、"社長"のアルと"会計士"のジョオンは今頃『カイザーPMC』でトオルと契約について話し合っている筈だ。
―――『これでもお尋ね者だから、一所に留まるのはリスクがあるんだけど...貴女達の学校の生徒誘拐事件の一端に巻き込まれた以上、協力するのが筋ってものよね。契約の内容次第では色々手伝えるかもしれないし、あのラーメン大サービスの恩を返すチャンスでもあるしね!』
―――契約が成立すれば、"便利屋68"は暫く『アビドス』に滞在する事になる。アルは以前の校舎襲撃の際の恩を仇で返した事を気にしていたらしい。その恩に報いるチャンスだと意気込んでいた。
―――閑話休題。
「...まず、"カタカタヘルメット団"
アヤネの言葉を受けて皆の視線が机に置かれた二つのスマホに集中する。
「まるで私達がスマホの位置情報を追って居場所を特定しようとしたのを
モコウが腕を組みながらそう意見を挙げると、カヨコが挙手する。
「カヨコさん、どうぞ」
「...私の推測だけど、
それから..."社長"が依頼を蹴って寝返ったことを態々
「態々寝返ったって伝えたのか...だが、そこまで想定しているってことはその
「うん、それはほぼ確定だと思う。...でも、私達も
「『亀竜』...変な偽名だね~」
カヨコはサキの言葉に頷き、申し訳なさそうな表情を浮かべて依頼主―――『亀竜』なる人物について話す。どうやら接触手段を最低限に絞り、且つ偽名も使って素性を探られるリスクを限りなく減らしていた様だ。――偽名とは言え、名前が一応判明しただけでも良かったと思うべきだろうか。
「"カタカタヘルメット団"を支援してたのもその『亀竜』で確定だろう。――だが、私達が
「その代わり、向こうはセリカちゃんとネイトちゃんを手中に収めちゃったけどね。
モコウの言葉に対してユメは不安そうな表情を浮かべながら返す。学校を襲う武力は無くなったものの、二人を人質にして何を求められるか分からない以上、私達は下手に行動出来ない状況に置かれている。
「二人を誘拐した犯人――『亀竜』の狙いが不明な現状、私達が取れる行動は限られるでしょう。続いて、今後の活動方針についての話し合いに移ります。――ミヤコちゃん、どうぞ」
「"RABBIT小隊"より――情報を求める方法として、現在『ブラックマーケット』で潜伏及び犯罪監視を行っている"Кролик小隊"への接触を提案します」
ミヤコが挙手して挙げた意見に何人かが驚いた表情を浮かべる。―――確か、『SRT』本校で顔合わせを行った時にそんな配置を命じられていたっけか。特殊部隊を配置させる辺り、普通の場所ではないんだろう。
「私達は現地に殆ど行ったことがないので、先輩達から聞いた情報になりますが...『ブラックマーケット』は、"連邦生徒会"の手も早々及ばない闇市場の中心とも言える場所です。キヴォトス各地で起きる犯罪や闇取引の温床でもあり、各校非認可の部活動が多く活動しています。独自の法秩序と治安維持組織をも有し、実質
「"Кролик小隊"の先輩達は、少しでも『ブラックマーケット』で犯罪捜査や現行犯で逮捕を行えるようにって潜伏して監視活動を行っているんだー。...短絡的かもだけど、違法行為や犯罪行為が合法同然なあそこに居そうな気がするんだよね。で、潜伏していて情報を沢山持っていそうな"Кролик小隊"の先輩達に頼ろうって訳」
「本来なら他校の生徒に情報を明かすことはできませんが...誘拐事件の当事者である"対策委員会"の皆さんや、"先生"が居れば情報を得られるかと」
「"確かに『シャーレ』の権限なら...分かった。『ブラックマーケット』に向かう時は私も呼んでね"」
確かに、『シャーレ』の権限があれば特殊部隊相手でも情報開示を求められる。そういう強権発動は余り行使したくないけど、生徒二人が誘拐されている以上、出来る限り早く助ける為には手段は選んでいられない。私はそう言って頷く。
「では――意見、異論がある方は居ますか?」
アヤネの問に皆は沈黙で返す。
「――ないようですね。では、"『ブラックマーケット』での情報収集"を活動方針として追加します。他に追加すべき方針がある方は居ますか?」
アヤネがホワイトボードに方針を書きながら私達に問う。
「――は~い。おじさんから一ついいかな?」
「ホシノ先輩、どうぞ」
ホシノが手を挙げ、アヤネが発言を促す。
「二人を救出できるまでは、生徒全員
「確かにそれがいいな。三十人位増えても未だに教室は有り余ってるしな」
「わぁ、皆でお泊り会...は二人が居ない今言うべきではないですね。でも、皆集まって過ごすことには賛成です☆」
「それから、外で活動する時も一人じゃなく
ホシノの意見に皆賛意を示し、サキが追加で外での集団行動を提案する。二人が同時に誘拐されてしまった以上、集団行動でも一網打尽にされるリスクは排除できないけど、それでも集団による相互監視や行動の分担はメリットが大きい。
「では、"誘拐事件解決までの校舎生活、及び外での活動時の集団行動"を方針として追加します。――意見、異論がある方は居ますか?」
アヤネの問に沈黙を返す。
「ないようですね。では、"誘拐事件解決までの校舎生活、及び外での活動時の集団行動"も方針として確定します。――他に追加する方は居ますか?」
続く方針追加の問にも皆は沈黙を返す。
「――では、"『ブラックマーケット』での情報収集"と"誘拐事件解決までの校舎生活、及び外での活動時の集団行動"を今後の活動方針とします。――以上で本日の会議を終了します」
アヤネが会議終了を宣言し、各々席を立ち始める。
「私の方でイナバ先輩に連絡を取ってみます。忙しくなければいいんですが...」
「他の皆も隣の教室に居るし、私が方針を伝えてくるよ」
「とりあえず、昼までは空いてる教室の掃除だな。三十人くらい増えてもまだ校舎の清潔を保つには手が足りないな、全く...」
「"カヨコ達はどうする?"」
「ジョオンは昼までかかるかもしれないって言っていたから、昼食も兼ねて『柴関ラーメン』で集合する予定なんだ。それまで暇だから、何か手伝えることがあれば手伝うよ。皆もそれでいいね?」
「オッケーだよ。『アビドス』の娘達と仲良くなれるチャンスだしね♪」
「わ、私は大丈夫です...!」
「うん、それで大丈夫...」
「"じゃあ、モコウ達と校舎の掃除をお願いするよ。毎日やっても手が足りなくてね..."」
「分かった」
カヨコ達はお昼まで手伝いをするつもりの様だ。校舎の掃除はいくら人手があっても足りないから丁度いい。カヨコは頷き、三人を連れてモコウの下に向かう。
「うへ、契約次第ではあるけど"便利屋68"が味方になるのは心強い限りだね~」
「"そうだね。前の校舎襲撃の時は危うく突破されかけたから、その実力は身に沁みて解ってるしね。――ホシノはこれからどうする?"」
私の傍に寄って来たホシノにこれからどうするか尋ねると―――
「――"先生"、
普段ののんびりとした雰囲気を払った、真剣な眼差しで私を見つめながら彼女はそう答えた。
~『柴関ラーメン』店内~
side-カヨコ
「へいらっしゃい!」
出入口の引き戸が開き、ジョオンと"社長"が入って来て厨房から"大将"の快活な挨拶が聞こえて来る。
「――来たね。首尾はどうだった?」
「無事、契約締結よ。これでしばらく安定した稼ぎが入るわ」
「『カイザーPMC』の待遇の良さは噂に聞いていたけど、保障も手当もあんなに手厚いのは初めてだわ」
私の問にジョオンは安心した表情を浮かべ、"社長"は驚きの余韻が残る表情を浮かべながら向かい側に座る。
―――『"ちょっといいかな?君達のことをトオルに――"カイザーPMC"に話したら是非君達を雇いたいって言われてね。彼の話だけでも聞いてくれないかな?"』
―――昨日の"カタカタヘルメット団"
「――それで、契約内容は?」
「"任意期間中の『アビドス』治安維持活動及び対『ビナー』関連作戦への参加"よ。...特に前者は昨日の件でトオル"理事"もかなり心を痛めてるみたいで、私達以外にも傭兵を使って警備や治安維持をより強化するつもりみたい。前者の契約があるから『アビドス』滞在になるけど、『カイザーPMC』の指揮官級向けの宿舎を借りて過ごすことになるわ」
「トオル"理事"は『アビドス』卒業生らしいからねぇ。後輩が誘拐されちゃ気が気じゃないでしょ。ま、こっちとしては安定して収入が入るからいいけど。――はい、これが契約書。カヨコ達も確認しておいて」
ジョオンが鞄から取り出し、テーブルに置いた契約書を三人と共に流し見る。
「任意期間だから日当方式だけど...それでも相場よりかなり高いね」
「治安維持活動だけでこの額はすごい高待遇だねぇ。勿論荒事が起きた時の手当や保障もバッチリ完備。しかも『ビナー』とかいうヤツに関わる作戦に参加すれば更に報酬くれるみたいだし..."理事"さんってば、かなり私達に期待してるね」
「こ、こんなに高い報酬初めて見た...」
「こ、こんなに貰っちゃっていいんでしょうか...?」
契約内容を見て私含め皆驚きの声をあげる。これ程の高待遇は起業以来初めてだ。報酬も長い目で見れば
「契約取りに行く前に確認はしたけど、改めて皆に聞くわ。――『カイザーPMC』との契約はこれでいいわね?」
"社長"の問に私含め皆頷く。
「よろしい。――じゃ、契約締結祝いでパーッと食べましょ!皆、好きに頼みなさい!懐は温まってるから!」
私達の答えを確認した"社長"はパァッと明るい笑顔を浮かべて早速メニューを手に取って見始める。
「...
「生活費込みで貰ったあの前金は『こんな汚いお金使えないわ!』って格好付けて"社長"が捨てたけど、トオル"理事"から『アビドス』の娘達に協力してくれたからって謝礼を貰ったのよ」
「寝返ったのは途中からだったのに...本当に気前がいい人だね...」
「校舎襲撃の時の傭兵契約塗り替えの件は許せませんが...契約も補償も手厚いのは素直にありがたいですね...こんな契約を取り付けるなんて流石アル様です!」
「くふふ、今回は一杯を皆で分け合う羽目にならなくてよかったね~」
私の問に対する"社長"の答えに三人は嬉しそうに反応する。
「へいらっしゃい!」
「"大将"、七人だ」
「――あ、アルちゃん達が居るってことはトオルさんと契約結べたんだね」
「ん、"社長"の機嫌も良さそう。トオルさんが結ぶ契約は色々手厚いしね」
―――メニューを見て注文を考えていると、出入口の引き戸が開く。目を向ければ、"廃校対策委員会"のモコウ、ユメ、ノノミ、シロコと、『シャーレ』のミヤコ、サキ、ミユの七人が入店してくる。私達に真っ先に気付いたユメがにこやかな笑みを浮かべ、七人は私達の傍の空いている席に各々座る。
「――何人か居ないけど、何かあったの?」
「ホシノ先輩と"先生"は二人して
「へ~、あのピンク髪の娘は"先生"と
"対策委員会"の部室で見た娘が何人か居ない事に気付いて問えばノノミからそんな答えが返って来る。それを聞いたムツキが悪戯っぽい笑みを浮かべて尋ねる。
「ん~...あれはそういう感じではありませんでしたね。二人とも
「会議で集団行動するように決めて、二人だけでの行動だが...ホシノの実力は充分だし、"先生"にも"
ノノミの心配そうな返事に対してモコウは大丈夫だろうと付け加える。
「そんな心配ばっかりしてると
「...塩ラーメンにしようかな」
「味噌にしよっかな~」
「醬油にしようかしら」
「わ、私もアル様と同じ『柴関ラーメン』で...!」
「どうしよう...前に食べた『柴関ラーメン』は美味しかったけど、他のラーメンも食べてみたいし......やっぱり『柴関ラーメン』にしよう」
"社長"が注文を決めたのを皮切りに私達も各々注文を決める。
「皆決まったわね!――"大将"!『柴関ラーメン』大盛り一つと普通盛り二つ!塩、味噌、醬油それぞれ普通盛りで一つずつね!」
「はいよ!」
"社長"が注文を伝えると、厨房に立つ"大将"が快活な返事を返して手早く注文票に注文を書いて奥へと移動していく。
<「...ねぇモコウ。アルちゃん、白目剝いちゃうんじゃないかな?」
<「まぁ、"先生"の時よりかは加減するだろ...多分」
―――私達の注文を聞いたのか、背中合わせで向かい側の席に座っているモコウとユメが小声で何か話している。大盛りで注文すると何かあるみたいだけど...
「...ん、"大将"。味噌ラーメン一つと餃子一枚。...それから一つ気になったんだけど、従業員入口傍のあの
カウンター席に座るシロコが注文し、"大将"にそんな質問を投げかける。そういえば、確かに店舗横の路地の方に段ボール箱が積まれたカートが置かれていた気がする。
「はいよ!...ありゃァ今朝方業者が持って来た
~『アビドス』自治区 商店街区近郊の砂丘~
side-??
「..."便利屋68"に続いて『アビドス』生らしき容姿の生徒七名が入店しました」
「私も確認したわ。...今のところ何かする気配はないわね。単に昼食でラーメンを食べに来ただけかしら」
砂丘の縁ギリギリに位置取り、偵察手と共に"便利屋68"が入店した『柴関ラーメン』なる飲食店を監視していると、偵察手の報告通り『アビドス』生らしき人影七つが入店する様子を捉える。その中には―――
―――ピピッ!
『こちら仮設指揮所のイオリ。――アコちゃんから
「
「了解しました!」
―――後方の小さなオアシスの傍に設けた指揮所で待機中のイオリから通信が入り、報告を聞いて嫌な予感を感じつつ回線を切り替える。
『――皆さん、聞こえていますね?..."SRT"が実働部隊の人員払底を理由に"特逮協定"による
『――は?』
『――はぁ...』
「――まぁ、あり得た可能性ね」
回線が繋がったアコの報告にイオリとチナツがそれぞれ驚きと呆れを含んだ声で反応し、私は何となく予想していた可能性が的中して思わずため息を吐く。―――やはり、自信満々なアコの判断はこういう形で覆される。
『全く酷い話です!"特定治安脅威組織"でも上位の組織相手だと言うのに人員を出せないとは...!』
「落ち着きなさい。『SRT』の行動範囲を考えれば人員を全て使うこともあり得るでしょう。それに設立されて五年も経ってない新興校だもの、特殊部隊養成の側面もあるから使える人員は限られるわ」
理不尽だと言いたげに怒気を含んだ声で不満を漏らすアコを窘める。―――しかし、"特逮協定"が発動出来ないのでは不味い。同意の無い他校自治区への侵入は例え小規模校相手でも大きな問題になりかねない。ここは―――
「――アコ。『アビドス』の娘達に気付かれる前に早急な撤退を提案するわ。現状"便利屋68"は何もしてないようだし」
『なッ?!"ハイランダー"にも無理を言って、折角遥々ここまで来たんですよ?!得るものなしでは"委員長"に申し訳が――』
―――ドゴォォォォォンッ!!!!
『ッ?!』
『爆発...?!』
『ッ?!何が起きたんです?!』
―――突如響き渡った爆発音。アコ達が驚きの声をあげるのを他所に爆発音が聞こえた方―――砂丘から見下ろせる『柴関ラーメン』の方へ顔を出して双眼鏡で見ると―――『柴関ラーメン』の店舗があった所に煙が立ち込め、瓦礫が散乱しているのが見えた。
「――"便利屋68"と『アビドス』生が入店していた飲食店が爆発したわ。爆発の規模、煙的にガス爆発ではない...恐らく
『"便利屋68"が入店していた...?――現行犯です!
『んなッ?!む、無茶苦茶な言いがかりだ...!』
イオリがとんでもないと声をあげる。―――しかし、彼女はあくまで現場指揮者であり、"風紀委員長"を代行しているアコがこの遠征全体を指揮している。その為上位者である彼女が命令だと言えば従うしかない。
『...あぁ、もう!どうなっても知らないからな!"風紀委員会"、出撃するぞ!規則違反者共を捕らえろ!』
『...迫撃砲小隊、砲撃準備。"便利屋68"がまだ動けるようであれば砲撃を行い、制圧します』
イオリがやけくそ気味に出撃指示を飛ばし、チナツは迫撃砲小隊に砲撃準備を命じ、後方が俄かに慌ただしくなる。
「『アビドス』の娘達をできれば...いえ、向こうからしたら私達が襲撃しているように見えてしまうわね。...はぁ。これは流石に
装甲車三台のエンジンが唸りをあげる中、私はため息を吐いてスマホを取り出す―――
「――ごめんなさい、『ノノミ』。貴女との再会がこんな形になってしまって」
―――そんな個人的な呟きは慌ただしく動く部隊の騒音の中に消えた。
ということで、『柴関ラーメン』爆破からは逃れられなかった...そして次回も引き続き風紀委員会戦です。SRT存続、カイザー味方という改変の結果このような介入事由となりました。ちなみにアコちゃんを擁護すると日々の激務で大分脳が疲れています。
ライブ翌日からとは、思ったより三章Part5解禁早かったですねぇ。伏線回収しきれなかったのか尻切れトンボ感が所々にあったものの、おじさんが過去を胸に前を向けるようになってよかった(ホロリ
そして最後の最後で全部壊された地下生活者のキレっぷりと怒涛の語録提供は草。んでマコトがヒナと共闘してまで痕跡を破壊するって"雷帝"何したんだ...?
そしてアリスク夏ストーリーもすげぇ。七囚人追加(七囚人プレイアブル実装は未だ一人だけなのに...!)でゴリマッチョ巨乳スケバンお嬢様という属性てんこ盛りで草。んで...ニヤニヤ教授の正体が犯罪コンサルタントでまさかのロリだと?!某陰陽部部長に目を向けさせる為のブラフだったとはやりおる...!