Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~???~
side-???
―――『...なんで、みんなアビドスを出ていくのかな...砂ばっかりだし、観光できるところもないし...でも...それでも...!』
―――『...お?ここに人がいるなんてめずらしいな。しかも同じ学校のヤツか』
―――『...!誰...?』
―――『っと、驚かせちまったか。わたしは――』
~アビドス砂漠のどこか~
side-セリカ
―――パパパ...!
「...ぅ...何、が...」
―――銃声らしき音や破壊音、
「ここって...『アビドス』n
―――右足に激痛が走って砂に膝を付いてしまう。右足を見れば靴下のせいで外傷は分からないけど、血痕は見えないから出血は無さそうに見える。感覚的に折れてはいないけど、痛みは足首辺りから感じられるからひねったか何かしてしまったらしい。
「っ...ここが『アビドス』なら、場所によっては――」
「っのぉ...離し、やがれッ!!」
[Gi...?!]
「――ッ?!ネイト!!」
―――トラックの向こうからネイトの声と機械的な声、砂地に倒れる音が聞こえ、右足を引き摺りながらトラックを迂回して反対側に向かう―――
「――おら、くたばれッ!!」
[Gi...Ga...]
「...っはぁぁ...これで、何体殺った...?」
―――ネイトに足で押さえ付けられている、砂漠で稀にに見かける
「...ね、ネイt
「――セリカッ?!」
思わず駆け寄ろうとして負荷が掛かった右足の激痛に呻いてよろめいてしまい、私に気付いたネイトが咄嗟に駆け寄って来て私を支える。
「大丈夫か...?」
「っ...大丈夫、とは言えないわ。折れてはいないけど、走ったりはできないかも...」
「最低限動かせるならまだマシだ。...つっても、砂漠のど真ん中じゃ致命的だが」
ネイトに右足の状態を伝えると、まだマシだと励ます一方でこの状況ではマズいと言って眉を顰める。
「...やっぱり、ここって『アビドス』の砂漠よね?」
「あぁ。座標はまるで分からねぇが、この砂漠が『アビドス』のだってのは分かる。――空見てみろ」
言われて見上げれば、キヴォトスの何処からでも見られる巨大で重なり合うヘイローと共に、見慣れた満点の星空が広がっていた。
「...あの星空は『アビドス』のそれね」
「だろ?...なんだって
「そうね...って、そう言えばトラックのドライバーは?」
「...
「...だからあの時あんなに揺れて、その末に横転したってことね。無人だったってことは...
ネイトの答えを聞いて"鬼傑組"の意図を何となく予想出来てしまい、手を握り締める。―――『アビドス』に戻って来れたとは言え、目印が殆ど無い砂漠では私達が何処に居るのかも分からない。ましてや、今の私達は丸腰。ネイトがオートマタから強奪した銃を持っているけど、食料や砂漠の夜を凌ぐ為の―――
「――ネイト。私達、これからどうしたら...食料も、寒さを凌ぐものもない状況なのに...」
「...
「
表情を強張らせるネイトの言葉でアビドス砂漠に何が居るかを思い出して声を上げる。『アビドス』を砂漠化させている元凶であり、最近陽動作戦で幹線道路解放の為に相手をした―――
「――救助を待つなら遭難地点から動かねぇのが一番だが、
ネイトは身をかがめて私に背中を向ける。
「...市街地跡に行くのは賛成だけど、おんぶなんてもっと体力を消費することは...」
「市街地跡まで辿り着いて休みゃぁいいさ。お前を置いて行くつもりはねぇぞ。――ほら、オートマタ共がまた来る前に早く!」
足を痛めている私を気遣ってのおんぶの提案なのだろうけど、同じ様に弱っているネイトに無理をさせたくないと難色を示すけど、ネイトは大丈夫だと言って急かして来る。
「...っ...重かったり疲れたりしたらちゃんと言うのよ!」
「分かってる、さ...!」
『ビナー』以外にも、砂漠をうろついているオートマタやドローンも今は充分な脅威だ。疲れや限界を隠さない様に忠告してからネイトにおぶさる。ネイトは気を吐いて立ち上がり、右手にオートマタから奪った銃を、左手で私を支えながら歩き出す。
「...片手だけで大丈夫?」
「何だかんだ料理で鍋やらフライパンは振ってきてるからな。この程度大丈夫さ。――だが、妙だな...」
「...妙って?」
私の気遣いに大丈夫だと答えたネイトが不思議そうな声で漏らした呟きを聞いて尋ねる。
「聞こえてたか。...こうしてお前をおんぶするのは初めての筈なんだが...なんでだろうな――
「...それって――」
―――『ぐすっ...うぅ...』
―――『またお前は一人で...そうやってぐずるなら誰かにたよれよ。わたしも居るしさ』
―――『っ...怖くなんか、なかったもん...!』
―――『はいはい、そうかよ。...わたしだけは、お前の夢を一緒に――』
「...どうしたセリカ?やっぱり足が痛むか?」
「...なんでもないわ。大丈夫...」
―――脳裏を過った断片的な記憶で少し呆然とするけど、ネイトが気遣う声で我に返って何でもないと答える。でも...
「...(やっぱり...
~"鬼傑組"拠点 屋外~
side-ホシノ
『――居たか?!』
『いや、こっちには居ない。向こうはどうだった?』
『それが、向こう側もまだ見付けてないらしい』
『クソ、何処に隠れやがった...!拠点の外に出られる所は全て抑えてるんだ、逃げられる筈がない!』
『隠れられそうな所は虱潰しに探せ!逃がしたら後が面倒だぞ!』
―――会話が終わり、足音があちこちに散っていく音が聞こえて来る。
「...」
十数秒して、ミヤコちゃんが
「...ふぅ。上手く隠れられたね」
「はい...まさか
「そうだね。――ミユちゃんのアイデアが上手く嵌ってよかったよ」
「...あ、ありがとうございます...!」
―――緑色の
―――『...ら、"RABBIT4"から提案!このまま逃げてもその内追い詰められるだけ。だから――』
―――いくら追撃を迎撃しても構成員達はどんどん追ってくる中で、ミユちゃんが
「...さて、やり過ごせたとは言えあくまで一時凌ぎ。その内戻ってくる前にどうする?」
「...私達は運がいいですね。あれを見て下さい」
私の問に対してミヤコちゃんは前を指差す。その先を見れば―――
「...マンホール...!」
「なるほど、下水道から拠点の外に逃げるってことだね。...でも大丈夫?あの"組長"ヤチエなら何かしら対策してそうだけど」
「カメラや扉位は備えている可能性はありますが――水路そのものの改造まではしていないでしょう。自ら構築したなら兎も角、嘗ては違う企業のものだった場所です。そのような場所の地下構造を大きく弄る危険は犯さない筈です。...っと...」
ミヤコちゃんはマンホールから下水道に入って拠点外へ離脱する理由を答えながら蓋を開ける。殆ど使わず放置していたのか、ハシゴには錆が目立つけどまだ大丈夫そうだ。
「...では、私達は下水道を通って"鬼傑組"拠点外へ離脱。マーケット近郊にある"Кролик小隊"のセーフハウスに向かいます」
「了解。...イナバちゃん達に連絡は?」
「したい所ですが...戦闘、若しくは離脱の邪魔をする訳には行きません。セーフハウスまで着いたら一度通信を試みてみましょう」
「"先生"達が離脱する前の通信だと、かなりの強敵が居るらしいからね...でも、イナバちゃん達と――モコウ先輩ならきっと大丈夫。"先生"が私達を信じてくれたみたいに、
私達もモコウ先輩達を信じて先に離脱しよう。...じゃあ、お先に。あ、この奪った銃器は隠れてたボックスに捨てておこうか」
「了解です。――"RABBIT4"、銃器の処分ついでに殿をお願いします」
「"RABBIT4"、了解...!」
奪っていた[
「...(モコウ先輩、サキちゃん。そして"Кролик小隊"の三人...無事に離脱してよ...!)」
~"鬼傑組"拠点 ボイラー室~
side-モコウ
「――っと、また無粋なウサギが...!」
「――っく...!」
―――隙を突いて離脱ポイントである地下通路へのドアへ走り出した、
「――っ!」
相対する私から視線を外した隙を突いて肉薄して蹴りを―――
「っ?!スピンコックで――」
「この距離なら外さん!」
「っちぃ...!」
―――しかし、
「ほぅ、これも躱すか...!ハッハッハ!いいぞ!それでこそより私を愉しませる!!」
「全く、勘弁してくれ...私はお前と正面から戦うつもりで来た訳じゃないんだが」
右頬を血が伝う感覚を感じて手の甲で拭いながら言ちる。だが
「そうつれないことを言うな。その戦闘能力に加え、
「――お断りだ。確かに『アビドス』は砂漠の侵食で滅びかけている。だが――かけがえのない
―――
「...そうか...
「――この"漆黒の
―――
「モコウ先輩!」
「はっ、この程度の弾幕で私は捉えられんぞ!そらッ!」
「っち...!」
少し後ろに位置取るサキが弾幕を張って援護するが、怯まず突っ込んで銃床で殴り掛かって来る。咄嗟に腕を翳していなすが、神秘を纏わせていたのか思っていたより強烈な衝撃で腕が痺れる。
「――隙あり!」
「ぐっ...!」
―――怯んだ隙を突いて[
「傷は付かずとも痛いだろう!格闘戦は私も――」
「――っ?!」
―――
「――意識を逸らしたと思ったか?お前のリーダーにも言ったが何かをしようとすると気が大きくなるものだ。邪魔しかしない上、学ばないウサギは――こうだッ!」
―――[
「セイラン!」
「このッ...!」
イナバがセイランの下に駆け寄って行くのを一瞥して再び
[
「――ウサギ共が私の邪魔をするのが悪い。大人しく私とお前のタイマンを見届ければいいものを...!」
「こちとらそんなつもりはない...!さっさと
「っおぉ...?!」
力任せに
「――おらッ!」
「がッ...?!」
―――腹目掛けて神秘を纏わせた回し蹴りをお見舞いする。
「――ぐッ...?!」
「イナバ!今の内にドア開けろッ!」
「――お前ッ...!」
―――うつ伏せから起き上がろうとする
「ぐ...!まだサイドアームが――」
「させるかよ...!」
―――[
「ぬぅぅ...!折角の強者との戦い...未だ不完全燃焼なんだぞ?!ここで終わって堪るかッ!!」
「ぐッ...しつこいヤツだなお前も...!こっちにゃその余裕はないって言ってるだろうが...!」
「――モコウ!ドアは開けたわ!」
「よし!先に皆を行かせろ!」
背中からイナバの声が聞こえ、先に皆を行かせる様に指示を出す。
<「い、いいのか...?!このままじゃモコウ先輩が...!」
<「先に行かせるってことは何か手があるんだよ!ほら、先に行ってルートの案内!」
<「"Кролик2"、"Кролик3"および"RABBIT2"離脱する!――"Кролик1"、モコウを忘れないでよね!」
<「えぇ、勿論よ!」
抑え込みながら、サキ達が離脱していくやり取りを耳に入れる。後は...ここからどうやって
―――背後で何かが
「――なッ...?!」
「――煙幕...?イナバ、一体何を――」
「――そういうことか...!さようならだ、"漆黒の
「なッ?!待て――」
ありったけの神秘を込めた拳を一発打つ。煙幕で狙いは定められていないが、
―――地下通路へ飛び込み、イナバが扉を閉めてすかさず傍のドラム缶を引き寄せて扉の前に置く。動きが重そうだったから実入りのドラム缶らしい。
「――お誂え向きに実入りのドラム缶があったか...」
「これで私達を見失わせる時間は稼げる筈よ。さぁ、離脱しましょう」
「あぁ。さっさと
構築したルートの案内を兼ねて先行する。ホシノ達も離脱出来ていればいいが...
~"鬼傑組"拠点 ボイラー室~
side-
「...逃がしたか。あれ程の強者だというのにノリが悪いヤツだ」
地下通路からボイラー室へ戻り、頭を掻きながら呟く。
―――ウサギ共と"炎のベンヌ"が地下通路へ逃げたのはすぐに察せたが、スモークグレネードを何個も使ったのか煙幕の範囲が広かったせいで一時前後不覚になってしまい、どうにか地下通路への扉を見付けたはいいが実入りのドラム缶で抑えられていて無理矢理蹴り破る他無く、それで開けた先には既にウサギ共と"炎のベンヌ"の姿は無かった。
「...うーむ...しかし不味いな。
~♪
「――やはり見ていたか。...もしもし」
スマホの着信音が鳴り、取り出して通話を繋ぐ。相手は―――
『――
「"炎のベンヌ"のノリが悪かっただけだ。アイツが私との戦闘に真面目に臨んでいれば留められていた」
―――吉弔のヤツは通話が繋がって初手から不機嫌さを隠さず私の失敗を責める。どうやら吉弔のヤツの部下共も別のウサギ共を逃がしてしまったらしい。
確かに今回は私が悪いが、ここで縮こまっては
『酷い言い訳ですね。世の強者全てが貴女のような脳筋、戦闘狂ではないというのに。――
「高々拠点の一部の構造を明かしただけだろう。私は裏をかいて背後から襲うなんてまどろっこしいことはしないからな」
『貴女自身はそうでも、貴女の部下がその脳筋ぶりを見かねて...まぁいいです。
「...らしくもなく浮かれているな。まぁ、
普段ならもっとネチネチ責めてくる筈だが、今頃は攻撃中の
私は吉弔のヤツと違って頭がそれ程良くは無い自覚はあるが、そんな私でもあの大戦力で負ける事は無いだろうと確信出来る。
―――『...珍しいな。立ち上げ当初からそうだったが、最近はそれ以上に争うことも多かったというのに。そんなお前が話をしたいとは...』
―――『本当なら
―――ここ『ブラックマーケット』で"鬼傑組"、"剛欲同盟"と共に
「とりあえず、速い足はあるか?
吉弔のヤツに『アビドス』へ向かう手段を要請しながら、心の中でこれからの戦略を考える。『ブラックマーケット』の領域はそれなりに広いが、それでも覇権を争う組織が三つでは手狭な状態。だからこそ、
故に―――制圧した後は
―――私としては不本意だが、制圧後を考えれば正面戦闘は吉弔のヤツとその大戦力に任せて
『...今回の作戦、計画について話した、マーケット近郊の格納庫を兼ねたセーフハウスへ。ダメ押しでヘリも展開しますからそれに便乗してください』
「あぁ、あの倉庫か。分かった、すぐに向かおう」
吉弔のヤツの言葉に頷き、通話を切る。ヘリを持っているのは
~♪
「――む?ちょうどいいタイミングだな...」
―――また着信音が鳴り、画面を見れば
「...もしもし。私だ」
『"組長"、大変です!アビドスの連中――――』
~『アビドス』自治区 『カイザーPMC』作戦司令室~
side-カヨコ
<「"だーかーら!C中隊"は待機だ!出撃したい気持ちは分かるが落ち着け!」
<「...よし、校舎方面に着いたか。そのまま警戒待機に移れ」
『――こちらアル!検問所当直班は離脱を始めるわ!』
「了解。上空偵察および触接はこちらで引き継いだ。――"社長"、気を付けて」
あちこちで通信のやり取りや指示が飛び交って騒がしい司令部。インカムに"社長"の離脱報告が入り、了解と共に
―――基地から上げた偵察ドローンのカメラが、砂煙を巻き上げながら砂漠を走る
「...『アビドス』を取り巻く状況、これまでの出来事を考えれば...十中八九"鬼傑組"の部隊だね。本当に攻めて来るなんて...」
「"第二戦車大隊"の内"A中隊"と"B中隊"は出撃した。[Sho't *2]装備の二線級部隊とは言え、練度に自信はあるが...数は脅威だな。歩兵戦力を乗せてるらしいハーフトラックの方が多いが、車輌の規模だけは二個装甲大隊と同等だ」
「..."デカグラマトン大隊"は出さないの?あの戦力なら充分正面から迎撃できると思うけど」
私が座っている通信手席の傍にある司令席に座っているトオル"理事"の少し不安そうな言葉に
―――最近命名され、装備更新が行われたという『カイザーPMC』最高戦力"デカグラマトン大隊"。[Merkava Siman 4 Baz*3]に加え、歩行戦車[ゴリアテ]も装備した強力な装甲部隊だ。
―――でも、トオル"理事"はこの大隊を
「"デカグラマトン大隊"は対『ビナー』部隊だ。早々出すことはできない。ヤツは以前の幹線道路解放作戦から復活してこれまで通り砂漠を徘徊している。"鬼傑組"は知ってか知らずか外縁部を通っているおかげで脅威判定は受けていないようだが...それでも、AIではない人間の俺達から見ても充分脅威なのに『ビナー』が迎撃に動かないのが妙だ」
「...『ビナー』は確か、
「...まさか。何も備えず広大な『アビドス』の砂漠の
「――"理事"!『シャーレ』の"先生"から通信です!」
「――"先生"からだと?...分かった、通信を回せ」
―――私とは別の席に座る通信手が"先生"から通信が入ったと報告し、トオル"理事"が通信を回す様に指示を出し、インカムに触れる。"先生"は『アビドス』の娘達の一部と共に『ブラックマーケット』にある"鬼傑組"拠点に潜入して
「――こちら『カイザーPMC』"理事"だ。"先生"、救出の首尾はどうだ?......何?確かか?......分かった、こちらから部隊を抽出する!"先生"は生徒達にもその情報を共有すると共に校舎に向かってくれ!」
―――"先生"から報告を聞いたらしいトオル"理事"の語気が強くなる。...どうやら救出が成功した訳じゃ無さそうだ。
「――レーダー手!長距離偵察ドローンを追加で
「...急にどうしたの?」
トオル"理事"の言葉を聞いて嫌な予感が強めつつ尋ねる。その行動は『ビナー』を確実に刺激する。そんな行動を起こすという事は―――
「――誘拐されたセリカとネイトが
「――分かった。"社長"ももうすぐで着くだろうから、皆で向かう」
―――嫌な予感が的中した。トオル"理事"の言葉に頷き、席を立ちながらインカムを"社長"に繋ぐ。
『――こちらアル!もうすぐ基地に着くけどどうしたの?』
「――こちらカヨコ。"社長"、トオル"理事"から緊急の依頼を受けたよ。"鬼傑組"に誘拐された二人が――――」
司令部の出入口に向かいながら事情を話す。"社長"に伝え終わったら次はムツキ達だ。皆トオル"理事"からの指示で待機中だったのは都合が良い。
『――――状況は理解したわ。私が着いたらすぐ発てるように準備しておいて!『ビナー』相手は初めてだけど、"鬼傑組"の思惑通りにはさせないわよ!』
「了解。準備は済ませておく」
連続での任務となるのに尚意気軒昂な"社長"に安心しながらインカムの通信を切り、足を速める。
「...今度は校舎、アヤネからだと?次から次へと目まぐるしいな...こちら『カイザーPMC』、"理事"だ――」
背後から聞こえるトオル"理事"の慌ただしいやり取りを聞きながら、司令部を出てムツキ達が居るブリーフィングルームに―――
「――は?」
―――トオル"理事"が信じられないと言わんばかりにあげた大声の内容を聞いた瞬間、私も足を止めざるを得なかった。
ということで、ホシノ、モコウ達はどうにか離脱。そして次回、アビドスは...