Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~『アビドス』砂漠 市街地跡~
side-セリカ
「...ぅ...ぐ...」
―――身体を打った痛みに呻く中で視界が少しずつ回復していく。未だに痛みが和らがない右足に加え、全身が痛む。砂地とは言え、目の前で起きた爆風で叩き付けられては流石にダメージが大きい。
「ぅ...この血...破片で切った...?」
それに、額から液体が頬を伝う感覚を感じて額を撫でれば手に血が付いている。破片か瓦礫が額を軽く切ったらしい。血が伝う感覚は気持ち悪いけど、致命傷では無さそうだ。
「...そうだ...!...ネイ――」
ネイトはどうなったのか。顔を上げて―――
「――目ぇ覚ましたか、セリカ」
「――ね、ネイト...!」
―――機械的な唸り声を上げ、私達を睨み付ける二対の黄色く機械的な眼光を光らせる『ビナー』。
―――それに立ち向かう様に、爆風やミサイルの破片であちこち裂けたり破れたらしい制服姿で、強奪した銃を片手に毅然とした立ち姿の背中を見せるネイトが私に顔を―――私と同じ様にあのミサイルの破片を掠らせたのか額に出来た切り傷から血を流しながらも落ち着き払った―――
「っ...その、傷...!っ
「動くと傷に障るぞ...額のは、多分破片か何かが掠ったんだろうな。ズキズキ痛むが、まぁ致命傷じゃねぇから安心しろ」
咄嗟に傍に寄ろうとして右足や全身の痛みが襲って来て動けず、ネイトに止められる。
「安心、なんて...!『ビナー』がすぐ目の前に居て...!」
「あぁ、正直言ってどうしようもねぇ状況だ。ほぼ丸腰の人間二人で、一人はマトモに動けねぇし、もう一人は戦えるがこんな銃であのデカブツをやれる可能性は低い」
「だったら逃げて...!」
「そうしてぇ所だが...見ろよあの眼。ありゃ逃がす気はなさそうだし、ミサイルやらレーザー砲やら砂嵐やら...範囲攻撃をこの足で逃げられるか?」
ネイトが『ビナー』を見上げると、『ビナー』はちょうど口を開いて口内の砲口に光が集まり始める。
「っ...まさか
「...へっ、態々手負いの人間二人にご大層だな。よっぽどお冠らしい、なッ...!」
ネイトが『ビナー』に銃を向けて撃つ。『ビナー』は驚いた様に身動ぎするけど、銃弾とは違う青い光弾は口内の砲口に幾つか当たっても傷一つ付かない。
「...ちっ、ダメか。アタシじゃ先輩二人みてぇにはやれねぇなぁ...」
「っ...ネイト...」
しかし二秒足らずで弾切れして、ネイトはため息を吐いて銃を投げ捨てる。
「これで抵抗する手段は無くなっちまったか。――セリカ、先に謝っとくわ」
「な...何を――」
―――『...なんで...やくそく、したのに...!』
―――『ごめん...でも、しかたないんだ...お金がないんじゃ...!』
―――そうだ。両親の稼ぎが厳しいせいで『アビドス』の外に引っ越さざるを得なかったから、お金を稼ぐ力を得ようと会計の技能を頑張って修めたんだ。
―――『またお前は...わたしはたよりないか?』
―――『...だって...!いつも助けられてばかりだもん...!一人でもやれるって見せたいのにいつも相手は...!』
―――『だったらわたしを、友だちをたよれよ。一人じゃむりなものだってあるんだぞ』
―――『でも...!いっしょでも、いつも助けられてばっかりで...』
―――『わたしとしては、お前といっしょだからいいんだ。弱くても強くても、友だちは助けるものだからな』
―――そうだ。いつも助けられてばかりで、けど一人で何とかしようと頑張っても上手く行かなくて、誰かと、友達と一緒である事の大切さを知ったんだ。
―――『...そうか。なら、わたしがお前の初めての友だちだな』
―――『え...?』
―――『わたしも、このアビドスをどうにかしたいって思ってる。でもまわりはすっかりあきらめてるから結局ひとりよがりなのかって思ってた。...でも、同じおもいを持ったやつと――お前と出会えた』
―――そうだ。周りに誰も『アビドス』を復興したいって思っている子が居なくて、諦めかけていた所で、同じ想いを持つ彼女に出逢って、初めて出来た友達でもあったから想いをより強くしたんだ。
―――思い出した。
―――なんで、忘れていたんだろう。
―――今の私の在り方に影響を与えてくれた、大切な人だったのに。
―――『水元ネイト。今日からアビドスの一年生として、"廃校対策委員会"新米委員として世話になる。今まで迷惑掛けてきた分、働きで償わせてもらうぜ』
―――あの前哨基地破壊作戦で再会出来ていたのに。
―――今になって、ネイトが忘れていた大切な友達その人だった事を思い出すなんて。
―――『...うーん...とりあえず、一発殴ってやろうかしらね。生活に関わる事情があったから強く言えないけど...『アビドス』に戻ってこないのはその程度の想いだったってことだろうし、私は諦めずに復興を頑張ってここまで来たって見せつけてやりたいわ』
―――アヤのインタビューであんな事を言ったけど、私は...
「っく...!――ネイトッ!!」
―――光が強くなっていく『ビナー』の砲口を睨み、足や全身の痛みに構わず立ち上がってネイトの下に駆け寄る。
「――セリカ?!お前何を――」
「っ...!!ネイトは、私が――」
―――砲口の光が一点に収束した瞬間、あるだけの神秘を身体に巡らせてネイトの前に―――
―――突然だった。いつかの解放作戦の時の様に砲口が爆発し、『ビナー』が悲鳴の様な咆哮をあげながら仰け反って近くの廃ビルを薙ぎ倒しながら倒れる。そのすぐ後に狙撃音の余韻が微かに響いたのを耳に留める。
「っ?!...な、何g
「セリカッ!!お前とんでもねぇ無茶をやろうとしやがって...!!」
―――気が抜けたせいで一気に痛みが襲って来て倒れかけるけど、ネイトが咄嗟に抱き留めてくれる。
「っ...ごめん、ネイト...でも...私も、
「友達になることに資格なんざ必要ねぇ!!それに何だ、盾になろうって!!んなことやっても自己満足にしかならねぇよ!!失格だなんて思うってんなら、生きてできることやるのが償いだろうが!!」
「ぅ...ご、ごめん...」
「...それに、今になって思い出したのはアタシも同じだ。ここはお互い様ってことで水に流そうぜ。――
「
「っ?!...って、あのヘリは...!」
「...へっ、やっぱりな。いいタイミングで来やがって...!」
―――頭上をヘリが通り過ぎる音が聞こえてハッと見上げると、『カイザーPMC』のロゴを描いた砂漠迷彩の[UH-60A]が十数メートル先の比較的平らな砂地の上で旋回し、降下をを始める様子が見える。ネイトはそれを見て察した様に安心した表情を浮かべる。
そして、開かれたドアに立っている―――
「――二人とも大丈夫ー?!」
―――『カイザーPMC』に雇われている"便利屋68"のアル"社長"が手を振りながら声をあげる。どうやら彼女達が救出部隊らしい。耳を澄ませばもう一機のヘリが飛行する音も聞こえる。
「おぅ、ケガはしてるが生きてるぞー!!...あの狙撃、やっぱり"社長"だったな。...さぁ、皆の所に戻ろうぜ。...っしょっと...!」
「わっ、ちょ...!」
ネイトは声を張り上げて無事だと応え、私をお姫様抱っこで抱え上げて歩き出す。急な動きに驚くけど、足をケガしている以上これが最善だろうと思い直して受け入れる。
「...へへ、おんぶは何度もやって来たが
「何よ急に...それに、あの頃と違って私も強くなってるのよ!こんな高校生になって、ネイトに助けられてばっかりじゃないのよ!」
「あぁ。戦闘じゃ確かにそう感じるが...明らか詐欺だって分かる単純な嘘にコロッと騙されるんじゃあな。そこはあの頃からまるで変わってねぇなお前」
「ぐっ...だ、だって『アビドス』復興を早めるなら一気に稼ぐしかないじゃない...!」
「大金でも何でも、デカい報酬の割に仕事が妙に簡単なのは大体詐欺か裏があるぞ。"急がば回れ"って言うだろ?」
「ぐぬぬ...」
そんな会話を交わしている内にヘリの下に着き、アル"社長"が降りて私達を出迎える。
「――二人とも大丈夫?!...いや、誘拐されていた上に砂漠に放り出されていたら大丈夫じゃないわよね...さぁ、乗って!『ビナー』が起きる前に戻るわよ!」
「あぁ。ありがとな"社長"。......よっと...あぁ、何か一気に疲れが出てきやがった...戻ったら、とりあえず飯食って寝てぇなぁ...」
「...うん...そう、ね...」
機内に入り、ネイトが先にシートに座ってから私を膝枕に乗せる形で下ろすと、安心感からか一気に疲れが湧いて来て―――
side-アル
「――こちらアル!『ビナー』が既に動いていたけど一時的に無力化、二人は救出したわ!これより帰還する!」
『了解。――こっちでも倒れる瞬間は見えていたわ。流石"社長"ね』
「賞賛は後で!目的は果たしたから早く帰還するわよ!そのまま空からの警戒、よろしく頼むわよ!」
『えぇ、了解よ』
もう一機のヘリに乗っているジョオンに救出成功を伝え、引き続きの警戒を頼みつつ機内に戻る。
「カヨコ!司令部に救出成功と治療の用意を伝えて!」
「了解」
「ムツキはドアガン展開して警戒!」
「はいは~い!...あ。アルちゃんアルちゃん、二人を見て」
「ん?」
操縦士の隣に座って通信を受け持つカヨコと
「...zzz」
「...ん...zzz」
―――二人に目を向けると、揃ってヘイローが消えていた。でも呼吸している様子は見えるから、疲れと安心感から眠ってしまったらしい。
「あら...誘拐されていた上に、砂漠に放り出されて『ビナー』にまで襲われかけたんだもの。間に合ってよかったわ、本当。――ムツキ、そこの救急キットをお願い」
「は~い。せめて目に見えてる傷で治療できるものはやっておきたいね~」
ムツキが機内に備えられた救急キットを取り出して私に手渡す。
「えぇ。治療は私に任せて、ムツキはさっき言った通り警戒お願いね」
改めて指示を出しながら救急キットを開き、二人の額にある切り傷から応急処置を始め―――
「――っ?!この咆哮...!」
「うわうわ!起き上がった『ビナー』からミサイル射出!ひのふの...あぁ、数え切れないくらい沢山!」
「迎撃と回避!――ジョオン、そっちも見えてるわね?!ミサイルの迎撃と回避をしつつ基地へ戻るわよ!」
『了解!――ハルカ、姉さん、頼むわよ!』
ジョオン達の方にも指示を飛ばし、手早く処置出来る傷を治療していく。
「いっくよ~!」
「ぅ...zzz」
「...っ...zzz」
「...ごめんなさいね。すぐ終わらせるから......よし、できるのはこれくらいね。掛けるものは...これじゃ一人分ね。なら...」
ムツキが[
「――二人の応急処置は終えたわ!カヨコ!司令部から何か返事はあった?!」
「――兎に角帰還を最優先。情報通りなら、このまま
「――でも『ビナー』変だよアルちゃん!何と言うか...このまま
「まだ『ビナー』的には
カヨコの返事に続いて[
―――咆哮を上げ、開いた口の中に光がどんどん収束して行くのが見え―――
「っ?!」
「きゃぁっ?!」
―――瞬間、
「――"社長"、大丈夫...?!」
「閃光はギリギリ防げたわ!...あれって確か"アツィルトの光"ってレーザー砲よね?!――ジョオン、そっちは大丈夫?!」
腕を離してカヨコに大丈夫だと答え、そのまま手をインカムに移してジョオンに通信を繋ぐ。
『こっちは大丈夫よ!多分二機共纏めて落とそうと狙ったんでしょうけど、奇跡的に射線を外れてたみたいね...!』
「無事なら良かったわ!――ミサイルを撃ちまくっても充分効果的でしょうに、"アツィルトの光"で纏めて消し飛ばそうとするなんて...!」
「くふふ、アルちゃんの狙撃がクリーンヒットしてブチ切れてるんじゃな~い?」
「あんな口を開けてたら狙うでしょう?!砲口は弱点だって聞いてたし...!兎に角司令部に状況を伝えないと――カヨコ、司令部に伝えて!"『ビナー』が想定より攻撃的で振り切れるか怪しい"って!」
「了解...!」
「またミサイル撃って来たよ!
「引き続き迎撃して!」
「は~い、まっかせて~!」
カヨコに司令部への報告を指示し、ムツキには引き続きミサイル迎撃を指示する。
「...でも、どうしたものかしらね。このまま基地まで連れて行く訳にも――」
「――"社長"、司令部から指示!"そのまま『ビナー』を基地方面まで引っ張っても構わない"って!」
「――ど、どういうことよ?!」
「
「
~『カイザーPMC』基地 司令部~
side-"先生"
<「そうだ、
<「"デカグラマトン大隊"は出撃!基地東側に展開!」
<「『アビドス』が受け入れた支援部隊は一度こっちで受け入れる!」
「――む、お主らも来たのか」
「――マミゾウさん?」
「"どうして貴女がここに?"」
―――イナバ達『SRT』のヘリで合流したホシノ達を連れて『カイザーPMC』の司令部に入ると、通信手や司令部員が通信を交わしたり忙しなく動き回る喧騒の中で司令席の傍に立つマミゾウが私達に気付いて振り向く。
―――校舎に着いて早々留守を守っていたユメから聞いた、『ゲヘナ』と『トリニティ』から送り込まれた支援部隊が砂漠で戦っているという話。私達が取ったルートは戦場から離れた所だったからユメから話を聞いた時はモエとレイセンと揃って本当に驚いた。
詳しい状況を知ろうと指揮車両を走らせて現場指揮を受け持つ『カイザーPMC』に向かい、途中でホシノ達からの通信を受け取って二校からの支援部隊の事を話し、通信の後で一度戦場に降りて事情を聞いていたというホシノ達と基地で合流し、こうして司令部に足を運んでいる。
「トオルに頼まれてな。儂は
「...マミゾウさん、指揮執れるの?『カイザーローン』の社長だから金融専門だと思ってたけど...」
「確かに金勘定の方が得意じゃが、これでも学生の頃は頭脳を見込まれて参謀として活躍しとったこともあったんじゃ。専門のトオル程ではないが、代行する位はできるぞい」
ホシノの問にマミゾウは眼鏡を指先で上げながら答える。どうやら彼女は『カイザーPMC』での司令官を代行出来る資格も持っているらしい。彼女に指揮を一時預けるなんて、トオルは一体何をしているのだろうか。
「――して、お主らは何故ここに?"鬼傑組"拠点に救出に向かったはいいが、そこで罠に嵌められたとは聞いておるが」
「"私はトオルに"鬼傑組"の罠のことを伝えてホシノ達より先に戻っていたんだけど、校舎に着いたら留守番のユメから『ゲヘナ』と『トリニティ』からの増援を受け入れたって聞いてね。それで、状況を知りたくてここに来たんだ"」
「私達はどうにか離脱して、戻って来た時にはその増援部隊が"鬼傑組"とそれに協力してる
私とホシノでそれぞれ『カイザーPMC』に来た経緯を説明する。―――私は校舎から来たから、まだ支援部隊とは会っていないけど、まさか『トリニティ』の娘達まで来るとは思わなかった。『ゲヘナ』については"風紀委員会"による攻撃の件があったからその償いの一環だと解釈出来るけど、『トリニティ』についてはヒフミとの出会い以外に接点が無い。ユメの話ではそのヒフミが『トリニティ』の行政組織たる"ティーパーティー"に掛け合って支援部隊を出してもらったらしいけど...まさか彼女にそんな人脈があったとは驚きだ。
―――気になる事はあるけど、二校が送った増援のおかげで"鬼傑組"の『アビドス』制圧の野望を粉砕する事が出来た事には感謝しなければ。そして―――
「――まさかあの『ゲヘナ』と『トリニティ』が揃って支援を送り込むとはのぉ...じゃが、そのおかげで
「――マミゾウ司令代理!間もなく高高度偵察ドローンが空域に到着します!」
「メインに映せ。――トオルから聞いたが、"鬼傑組"はセリカとネイトを捕らえているように見せかけ、実際は砂漠に放り出していたという実に卑劣な策を講じていたそうじゃな。じゃが――"便利屋68"を救出に向かわせ、無事救出はできた。しかし――」
―――司令室のメインディスプレイにドローンの空撮映像が映し出されると、二機のヘリに向けてミサイルを放ちながら猛然と追い掛ける『ビナー』と、チャフやドアガンの弾幕でミサイルの回避や迎撃を行うヘリ二機の様子を捉える。
「――『ビナー』は救出に向かったヘリ二機が
「そっか...二人は助かったんだね。でも...」
「どういうことだ...?地図だと既に
「あれが『ビナー』...現行の兵器とはまるで違う、正に古代兵器の類って感じね」
「そういや"便利屋68"を雇っているって言ってたね。指名手配組織だけど、実力は流石だね。でも、明らか物凄い追撃を受けてるのは不味いね...」
マミゾウの説明を聞いてモコウやイナバ達が映像を見ながら困惑や驚きの言葉を漏らす。―――『ビナー』は基本的に
「"――"何がなんでも排除する"。そんな感じに見えるね"」
「やはり"先生"もそう思うか。『ビナー』は高度なAIを搭載しておる。何が要因になったかはまだ分からぬが――少なくともセリカとネイト救出に絡む一連の動きの中の何かが、『ビナー』の逆鱗に触れてしまったのであろうな」
「"マミゾウ、どうするんだい?このままだと基地が襲撃される可能性が――"」
「――マミゾウ司令代理!"
「――電源をサブと非常用に切り替え。メイン電源リソースの供給を開始せよ」
―――マミゾウが指示を飛ばすと司令部の電灯が赤くなる。
「灯りが...マミゾウさん、何をするつもりなの?」
「まぁ見ておれ。――何も無策で『ビナー』を引っ張りながらの帰還を認めた訳ではない。しっかり
マミゾウはホシノの問に答えつつ私達にそう話しながら指示を出す。メインディスプレイに新たな画面が展開されると―――
「...ありゃ確か、[ゴリアテ]だったか?だが頭のアレは...」
「だね。『カイザー』位でしか運用できない代物だから間違いないよ。でも...」
「...主砲が妙だね。デカいし
―――基地屋上に聳え立つ、迷彩を施していない[ゴリアテ]。でも―――その頭頂部に据えられた主砲は異質だった。円筒形ではなく
「――こちら司令部。......ふぅむ。やはり"技術課"の試算通り基地のメインリソースだけでは
「...そういえば、トオルさんが居ないね。...マミゾウさん、もしかして――トオルさんはあの[ゴリアテ]に?」
「うむ。――トオルは学生の頃、戦車乗りとして名を馳せておってな。特に砲撃をやらせれば百発百中、大体は一撃で弱点を撃ち抜くもんじゃから"トオルが砲手の戦車からは逃げろ"とまで言われておった。――ぶっつけ本番、しかもシステムは最低限。じゃがトオルなら
「"...でも、あんな巨大な蛇に砲撃が通用するのか..."」
通信を交わしたマミゾウはホシノの問にそう答える。―――どうやら[ゴリアテ]にはトオルが乗り込んでいるらしい。学生の頃のトオルはは戦車乗りだった様で、その経験を活かすつもりみたいだけど―――
「――間もなく"
「実証はこれが初めてじゃが...まぁ、見ておれ。――トオル、もうすぐ来るぞ」
―――オペレーターが報告を挙げる。ディスプレイの地図を見れば、東側の端からヘリを示しているらしい青い光点二つと、それを追いかける『ビナー』を示す赤く大きな光点が出て来て、それを見たマミゾウはトオルに報告する。
「――こちら司令部。アル、左右に散開しとくれ。射線をできる限りクリアにしたい」
続いてマミゾウはヘリに指示を出すと、映像でも光点でもヘリ二機がそれぞれ左右に動き出し―――
「"...?!"」
「な、何が起きたんだ?!」
―――一瞬だった。[ゴリアテ]の主砲が僅かに動いて止まった瞬間、『ビナー』の左眼二つとその周りを
「――命中。時々戦車に乗って教導はしておったが...久方ぶりの砲手にも関わらず見事な腕じゃ」
「...何だ?一体何を撃てばあんな傷を作れるんだ?」
「...マミゾウさん、何を撃ったの?」
「――[KWX-01 試作100mm電磁投射砲"
―――驚く私達に振り向き、マミゾウは[ゴリアテ]が載せている主砲の名前を挙げた。
~『カイザーPMC』医療棟 病室~
side-ホシノ
「――治療は終わりました。切り傷、打撲、捻挫といった外傷に加え、中程度の栄養失調も患っていましたが、命に別条はありません。外傷に関してはできる限りの応急処置もなされていたので我々としても助かりました」
「うへぇ...よかった~」
「"よかった...ありがとう、軍医さん"」
―――『カイザーPMC』基地内にある医療棟の病室の一つ。オートマタの軍医さんからの報告を受けてホシノと揃って彼にお礼を述べる。
―――アル達"便利屋68"に救出された二人はすぐに
「医療従事者として当然のことをしたまでですよ。トオル"理事"からも治療に全力であたれと厳命されていましたし」
「「...zzz」」
軍医さんはそう言ってベッドを―――点滴を繋ぎ、包帯やガーゼを顔や腕、首等々あちこちに巻いたり付けたりして安らかな寝息を立てるセリカとネイトを見る。
「――さて、お二人の意思次第で前後する可能性はありますが、経過観察も兼ねて入院は一週間程必要と見ています。あぁ、費用についてはトオル"理事"が支払う形で受け取っていますのでご安心ください」
「ちゃんとおじさん達で払うつもりだったのに...つくづくトオルさんには頭が上がらないね~」
軍医さんから治療費は要らないとも言われ、ホシノは頭を掻く。相変わらず、
「報告は以上になります。...私は診察室に戻りますが、お二人はまだ病室に残られますか?」
「そうしたいけど...
「"私もホシノと同じくトオル達に呼ばれているから、そっちに行くよ"」
「分かりました。...限りなく可能性は低いと思いますが、容態の急変等ありましたらすぐに連絡しますので」
診察室に戻っていく軍医さんにそう答えて立ち上がり、病室を出る前にホシノと共に二人の傍に歩み寄る。―――近くで見ると、包帯やガーゼ、少しやつれた頬は二人がどれだけ辛く、危険な状況に遭っていたのかを物語っている。
「...セリカちゃん、ネイトちゃん。ゆっくり休んでね。その間に――おじさん達は
「"二人共、お大事に。しっかり怪我を治して、元気になってから学校に戻ってきてね"」
ホシノに続いてそっと二人の頭を撫でてから病室を出る―――
「――やっぱり、全然治まってないね。
「"――まさか撤退した『ビナー』が
―――廊下の窓から見える、砂が舞い散って濃霧の様に外を包み込む光景を見て呟いたホシノの言葉に私は頷く。
―――『ビナー』の撃退は出来たけど、その翌日である今日の『アビドス』そのものの状況は厳しい状況にあった。
という事で、セリカとネイト誘拐は忘れかけていた絆を思い出すこともできて解決。そしてブチ切れて追いかけて来た『ビナー』を撃退したと思いきや...
"
某ゲームの影響もあってレールキャノンを出しました。なのでこれから起きる決戦も...ンフフ
今は大分現実味を帯びてきた夢の兵器、いいよね...
で、らいぶおーたむの方偶然見たんですが...まさかアイドル系で来るとは思わんやん???団長スタイルすごいな???てか3人ともクッソ好きなんだが??????