Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
次なるメモロビはこの生徒!掲示板要素が出るので注意です。
【キヴォトス】射命丸アヤと"文々。新聞"ヤバいよな【最速】
1:名無しのキヴォトス生徒 ID:/ZejSRKKw
なんであんなに情報掴んで記事として出すの速いん?
2:名無しのキヴォトス生徒 ID:GBdmgW39W
記事出すのいつも速いよな。いつだったかウチの自治区から見えたあのバカデカい砂嵐。"文々。新聞"でアビドスで起きた事件が原因だって知ったぜ。記事のリンクも貼っとく。
【速報】巨大な砂嵐?!発生源で起きた事件とは
3:名無しのキヴォトス生徒 ID:1GBIk0ocE
>>2
多分ワイ、お前と同じ自治区か他のアビドス近隣の自治区臭いな。あんなにデカかったのに、なんで"文々。新聞"で実質独占できたんだろうな?
他のメディアはせいぜい"アビドス方面でデカい砂嵐が確認されたから状況調査中"ってしか書けない中で、あの新聞だけやたら具体的な情報出してたよな。
4:名無しのキヴォトス生徒 ID:XyA+jz6r3
出された情報が信じられなくて、落ち着いたかなって頃合いで噂に聞いてた『柴関ラーメン』食べに行くついでに一度アビドスに行ってみたんだが、マジで砂漠しかねぇぞあそこ。
"文々。新聞"がこれまた記事出してたけど、あの"鬼傑組"が狙った理由が益々分からんくなった。
【速報】アビドスを狙う悪意!神算鬼謀の『吉弔ヤチエ』の狙いとは
5:名無しのキヴォトス生徒 ID:t2di/fqQG
>>4
『柴関ラーメン』って店が爆破されて無くなってなかったか?それも確か"鬼傑組"の策謀だったとかなんとか。
6:名無しのキヴォトス生徒 ID:v7iCfxs+R
>>4じゃないが、ウチの自治区に来た『柴関ラーメン』食いに行った。
店が吹っ飛ばされたの事実で、今は屋台を出してアビドスを中心に気まぐれで回ってるらしいぞ。その稼ぎで後々店を復活させるつもりらしい。柴"大将"本人が言ってた。
7:名無しのキヴォトス生徒 ID:RqixZfMYf
>>6
情報thx
ワイも噂は聞いてたんだが、食べ行こうかと思い立った矢先に>>4の記事を見たんよ。無関係なラーメン屋を勝手な都合で吹っ飛ばしやがった"鬼傑組"が壊滅して清々したぜ!
8:名無しのキヴォトス生徒 ID:0AW8SsoaQ
それで逮捕された"組長"『吉弔ヤチエ』と部下連中が、護送中に脱線事故に巻き込まれて行方不明になったけどな。っていうか、これも"文々。新聞"が例によって最速で記事出してたな。
【速報】事故か事件か?!"鬼傑組"護送列車脱線!
9:名無しのキヴォトス生徒 ID:ZF1oi0qrc
>>8
マジで何者なんだ『射命丸アヤ』...ワイ事故現場近くに住んでるから、脱線した時の轟音聞いてすぐ現地に行ったが、既に『ヴァルキューレ』やら『SRT』っぽい生徒やらが展開して救助と捜査を始めてた中で救助活動手伝いつつ取材に走り回ってたぞ。ワイもサクッとインタビューされたぜ。
10:名無しのキヴォトス生徒 ID:kVtricjRm1
まさか『D.U.』近くであんな事故が起きるなんてな...行方不明者リストに逮捕された"鬼傑組"の連中が並んでたのが不安だ
キヴォトス人ならタヒぬなんてことはまずない筈だが、潜伏して犯罪活動再開されたら不味いぞ。主にワイの仕事量が。最近やった一斉検挙でも結局逃がしちまったし...
11:名無しのキヴォトス生徒 ID:ZQr9QFECL
>>9
気付いて現地に着くの速すぎない?多分外郭の方に居たんだろうけどそれでも異常だぞ。
12:名無しのキヴォトス生徒 ID:GD4DNKpkD
あの記者自力で飛べるからな。しかも低空飛行すると結構強い風吹かしていくからかなり速い。いつだったかビルの間を飛び抜けていく所を見上げたぜ。
13:名無しのキヴォトス生徒 ID:khO/zo5WU
>>12
見上げて見えたものはあったかい?教えてくれ。
14:名無しのキヴォトス生徒 ID:oih4t7hR2
>>13
一瞬だったし、スパッツ履いてたんで見えなかったよチクショウ。
15:名無しのキヴォトス生徒 ID:NoUB3/RzA
>>13
>>14
お前ら...
16:名無しのキヴォトス生徒 ID:wCjGQDqWY
>>14
でもスカートが捲れて見えるスパッツってのも中々...
17:名無しのキヴォトス生徒 ID:04anhKhsT
>>16
もしもしヴァルキューレ?
18:名無しのキヴォトス生徒 ID:kVvAlpAm1
>>17
呼んだ?でもワイもスパッツが癖なんで無罪。あの人スパッツなのか...空飛ぶから、下から見上げられるの気にしてるんだな。いつかワイもお目にかかりたいな。
19:名無しのキヴォトス生徒 ID:Jmx9wrv4M
>>18
警察の面汚しがよ...風でスカートがフワッと捲れておパンツが見えるのがいいんやろがい!特に遠目でも目立つ真っ白なおパンツがよ!
234:名無しのキヴォトス生徒 ID:j1GL3hr6h
そろそろスレタイの話に戻そうぜ。お前らの性癖はよく分かった。
235:名無しのキヴォトス生徒 ID:gfwQMshMC
お、そうだな。
あの翼で飛べるってのはすごいよな。『トリニティ』にも翼持ちがそれなりにいるけど飛べる人居るん?
236:名無しのキヴォトス生徒 ID:KVtrijrCm
>>235
ワイ『トリニティ』生だけど飛んでる所は見たことないな。"正実"の羽川"副委員長"は翼が一際デカいけど、身体も相応にデカいしなぁ。あれで飛べるのかね...?お目にかかれたら興奮で尊タヒしそうだけど。
237:名無しのキヴォトス生徒 ID:Wi28PV9WN
飛べたとしても、キヴォトスの公共交通機関は充実してるからな。正直飛ぶより電車やらバスやらに乗った方が便利だと思うぞ。
238:名無しのキヴォトス生徒 ID:DYp94P0ag
でも『射命丸アヤ』はリニアより早いと思うぞ。いつだったか『ミレニアム』でリニアに乗ってた時に、一瞬だったけど窓からリニアより速く飛ぶ所を見たぞ。
239:名無しのキヴォトス生徒 ID:O8DvFAhmy
>>238
マ?だったら自力で飛ぶのも納得だな。情報を真っ先に得るにはスピードも大事だろうしな。渋滞もあるし、前の"連邦生徒会長"が失踪してから交通機関がハイジャックに巻き込まれる率も上がってるから、それで邪魔される位なら自力で飛ぶ方を選ぶよな。
240:名無しのキヴォトス生徒 ID:CX/noGxpA
リニアより速いってすげぇな...そりゃ真っ先に現着できる訳だ。正にスレタイ通り"キヴォトス最速"だな。
241:名無しのキヴォトス生徒 ID:urcE3xJVH
そういや"連邦捜査部"『シャーレ』の"広報員"として部員になったらしいな。ソースは下の公式サイトの告知。
連邦捜査部『シャーレ』からのお知らせ
242:名無しのキヴォトス生徒 ID:5GCVneAu0
>>241
正規の部員第一号は草。ここでも"キヴォトス最速"発揮してるのかよ。
243:名無しのキヴォトス生徒 ID:xlsAYtmmK
でも"文々。新聞"もあるのに兼務して大丈夫なんかね?あの新聞、ジャンルも取材先も多様だぞ。
244:名無しのキヴォトス生徒 ID:e4e+TVJCn
『シャーレ』は色々な学校で活動できるらしいから、それについて行けばネタが掘れるんじゃないか?それに『射命丸アヤ』自身速く飛べるしな。
245:名無しのキヴォトス生徒 ID:xlK5bl0Bm
ん?待てよ。『シャーレ』所属ってことは..."当番"になってビルに行けば出会えるのでは?!
246:名無しのキヴォトス生徒 ID:yQ08/fEf0
>>245
お、ファンか?でも新聞記者なら文字通りあちこち飛び回るだろうし、ビルに常駐ってことはなさそうだぞ。
247:名無しのキヴォトス生徒 ID:FI+a+QQO6
でも今"当番"の空き一ヶ月以上先だぞ。『アビドス』での活動実績もあるし、宣伝も相まって皆興味を持ったみたいだ。
連邦捜査部『シャーレ』当番予約状況
248:名無しのキヴォトス生徒 ID:upAjujnl5
>>246
>>247
マジか...取材とは関係なく、スケバン達に因縁付けられて囲まれてた時に空から助けられたことがあったからそのお礼を直接したかったんだが...
249:名無しのキヴォトス生徒 ID:IG3mOTLHI
>>248
何それkwsk。もしかして空飛んだ?
250:名無しのキヴォトス生徒 ID:1+ROaLwy9
>>249
一分ちょいだけどね。鳥の視点ってこんな感じなんだなって実感したわ。
~『シャーレ』オフィスビル 部室~
side-"先生"
「"ふむ..."」
掲示板を一通り見終え、マウスから手を離してコーヒーを啜る。
―――『シャーレ』始業時間前。ネットサーフィンをしていたら偶然見付けた掲示板サイト『かべちゃんねる*1』。ここキヴォトスにも掲示板文化がある事に親近感を覚えつつスレを漁っていたら、これまた偶然目に入ったアヤの話題を語り合うスレ。
スレ内では彼女の行動範囲の広さや、その原動力である空を飛ぶ事の特異性が挙げられていて、時折話題が脱線しつつも記事や目撃情報、アヤと接触した出来事を共有している。
「"翼を持っているからと言って誰しも飛べる訳じゃない、か...そういえば、ハスミもそんな感じだったっけか"」
私がキヴォトスに来たばかりの時、このオフィスビルを奪還する際に協力してくれた生徒達の一人である『トリニティ』生『羽川ハスミ』の事を思い返す。ビルの前で戦車と相対した時に、彼女は上方からの狙撃を行ったけど、移動はビルのエレベーターで、そして降りる時は窓から飛び降りて翼を使って速度を和らげる様な使い方をしていた。
「"あんな大きな翼を持っていながら飛べないのか、或いは飛べるけど飛ぶ必要がないか――"」
「――おはようございます、"先生"」
「"――おはよう、アヤ。今日もよろしくね"」
―――部室の扉が開き、アヤが入って来てにこやかな笑顔で挨拶する。タブを閉じて椅子から立ち上がり、同じ様に挨拶を返す。
「――おや、"RABBIT小隊"の皆さんは?」
「"ミヤコ達は朝部室に来てすぐに、『ヴァルキューレ』から電話で入った緊急の依頼の対応に向かってるよ。この外郭地区内で同時多発でコンビニ強盗が起きたらしくてね、手が足りなくてミヤコ達が応援に向かってるんだ"」
「あぁ、なるほど。いつにも増して銃声が多いと思ったら...全く、キヴォトスの中心地も随分治安が悪くなったものです」
アヤは部室にミヤコ達"RABBIT小隊"が居ない事に気付き、今朝方入った『ヴァルキューレ』からの緊急の依頼について話すと、アヤは困った様な表情を浮かべる。
―――『シャーレ』に出勤した際、このビルで寝泊まりしているミヤコ達が"朝から銃声が多い"と伝えて来て何事だろうと思った矢先に『ヴァルキューレ』から入ったコンビニ強盗鎮圧の応援依頼。
私も指揮で出向こうかと思ったけど、依頼入った時にはアヤも来ていなかったから誰かが『シャーレ』で留守番するべきだったし、強盗鎮圧程度なら"RABBIT小隊"だけでも対応できると言われ、ミヤコ達を信じて私は留守番をしていた。
「"...前の"連邦生徒会長"が
「何せ"超人"と謳われた程の方でしたからね。まるで
今現在、先代から引き継いで"副会長"から昇格就任した『八雲
「"犯罪を抑止する程の影響力...本当にすごい娘だったんだね"」
アヤが語る
―――閑話休題。
「"――さて。始業時間には少し早いけど、業務開始と行こうか"」
「はい。今日も一日頑張りましょう!」
デスクに置いた時計を確認し、アヤは笑顔で頷いて自分のデスクに向かう―――
~『D.U.』第二商業区~
「ありがとうございました!またのご来店をお待ちしております!」
パグ獣人の店員の挨拶を背に受けながら外の大通りに出る。
「いやぁ、"先生"が同行してくれたおかげでどうにか出された料理は全ていただけましたし、いい記事が書けそうです」
「"少し早いお昼になったけど、美味しかったね。商業区故にチェーン店があちこちにある中、個人営業で五年以上続けていることがよく分かる味だったよ"」
お昼時が近く、人通りが増えてきている大通りを歩きながらアヤと会話を交わす。
―――『"先生"、午前中お時間いただけますか?第二商業区の方で取材依頼が一件あるんですが、これが個人営業のレストランの新作数種類のレビューと宣伝なんです。折角なので男性視点での意見も欲しいのもありますが――私、少しお腹が小さいので食べ切れるか怪しいんですよねぇ...』
―――午前分の業務を終わらせ、ミヤコ達が受けた『ヴァルキューレ』からの緊急の依頼の完了報告の受領と後処理を済ませて小休止を取っていた頃に提案された取材への同行。私は快く受け入れ、留守をミヤコ達に任せてアヤと共に『D.U.第二商業区』へと足を運んでいる。
食通ではないけど、レストランの店主が欲しかったのは一般的な人の意見だった様で、店主自ら考案したという新作料理をアヤと共に試食して率直な意見を提供した。結構な品数で少しお腹がキツいけど、出された料理は残さず食べるのが基本であるし、男として――"
「あの量を食べ切るのは流石"先生"――大人と言った所でしょうか」
「"出されたものを残してしまうのは失礼なことだしね。...今朝寝坊して遅刻しそうになって通勤中にゼリー飲料しか飲んでなかったから、そのおかげでお腹に余裕ができていたこともあったよ"」
「おや..."先生"も寝坊することがあるんですねぇ」
朝に遅刻しかけて朝食を大して取れなかった事を明かすと、アヤがネタを得たと言いたげにニヤリと笑う。
「"はは、大人として恥ずかしいことだけど..."
苦笑しながら寝坊した理由を明かす。―――
ここキヴォトスに来てからもその癖は改善されず、"シッテムの箱"とアロナいう非常に便利な存在もあるから寧ろ
「...職務に忠実なのは結構ですが、誰しも心身には限界があります。ましてや"先生"は私達キヴォトス人より遥かに脆い。限界に達して倒れられては、私含め多くの方々が迷惑を被ることでしょう。
そうですね...趣味を持って公私を分けることも精神的な余裕に繋がりますよ。日中は仕事に励み、帰宅後、休日は趣味に興じる。"先生"も趣味はお持ちでしょう?――一昨日、ユウカさんに『宇宙戦艦ムサシ*2』に登場する艦艇のプラモデルのレシート見られてお説教貰ってましたが。あれ
「"...き、聞いてたのか...格好良かったし、最新だったからどうしても欲しくてつい、ね..."」
アヤに呆れた眼差しを向けられ、苦笑しながら言い訳する。―――キヴォトスでは、私が
『シャーレ』の"先生"―――"連邦捜査部顧問"としての給料が
「――"先生"、あちらの人だかりを」
「"――ん?...確かに、沢山集まってるね』"」
ガヤガヤ...
―――ふとアヤが足を止めて指差した方を見れば、一件のビルの前に人だかりが出来ている様子が見える。目を凝らせば―――
「"――『ヴァルキューレ』の娘達も居るね。何か事件が...?"」
「行ってみましょう。...よく見ればビルの屋上に誰か居ますね」
アヤに続いて歩き出し、人だかりが見上げるビルの屋上を見上げれば―――
「ビルに近付くんじゃない!下手に刺激したら何が起きるか――って、"先生"?!それに"文々。新聞"の...!」
「"あぁ、君か。四日前の"当番"ありがとう。おかげで書類作業が捗ったよ"」
「――あやや、"先生"と面識がある方でしたか」
―――人だかりに近付くと、人だかりを制止している『ヴァルキューレ』の娘達の一人―――四日前に『シャーレ』"当番"として来てくれた娘が振り向くなり私とアヤだと気付いて驚いた声をあげる。
「"仕事中にごめんね。――一体、何が起きてるんだい?"」
「それが――」
「――いつになったら要求が果たされるんだ?!コイツがどうなってもいいのか、アァン?!」
「...っ...!」
―――上方、ビルの屋上から大声が聞こえて見上げれば、スケバンらしき娘が、左手で首根っこを掴むようにして捕まえている――長い黒髪の上に赤いヘイローを浮かべた、私服らしき服装の少し小柄な生徒らしき娘*3に[
「――あの通り、スケバンが『トリニティ』生を人質に取っているんです。要求は"仲間の解放"。実は二時間程前に近くのファミレスで強盗が起きまして。我々"第二商業区分署"の部隊で鎮圧した際に――あのスケバンを取り逃がしてしまったんです」
「"なるほどね...当然、要求を飲むつもりはないんだね?"」
「当たり前です!...ですが、あの通り人質を取られていては我々の装備では狙撃も難しく...現在"公安局"からの応援部隊の到着待ちです」
彼女は困った様に頭を掻きながら答える。どうやら装備が不足していて、"公安局"からの応援を待っている状況の様だ。
「"――状況は分かった。説得は試しているかい?"」
「はい。ですが、何を言っても"うるせぇ!仲間を解放しろ!"の一点張りで――」
「"――アヤ...?"」
―――ふと背後で
「――ガッ...?!」
「きゃっ...?!」
「――ッ?!」
「"――?!"」
―――突然、屋上の方からスケバンらしき声と人質の娘の声が聞こえて来てハッとして見上げると―――
「...っと...」
「」
「...あ、ぇ...?」
「...は、え...?」
「"...あ、アヤ...?"」
―――左肩に気絶しているらしいスケバンを担ぎ、戸惑った表情を浮かべている人質にされていた娘を右腕で抱えたアヤが風を起こして人だかりを散らし、空いた空間に降り立つ。私と『ヴァルキューレ』の娘、そして人だかりの野次馬達は揃って目を点にしてアヤを見る。
「――あんな屋上の縁ギリギリで銃を向けられて怖かったでしょう。...大丈夫ですか?」
「...!あ、ぅぅ...」
―――アヤは人質にされていた娘に優しい眼差しを向けるけど、彼女は戸惑った様に小さくか細い声を漏らす。
「...まだ戸惑っていますか。とりあえず『ヴァルキューレ』に保護してもらいましょう。――こちら、犯人のスケバンと人質にされていた娘です」
「――ご、ご協力に感謝します!...おい!この娘を近くのベンチか店の中で軽くやすませておけ!」
「り、了解です!」
「...わぁ...か、かっこいい...!」
「しっかりケアしてあげてくださいね」
アヤは私達の下に近付き、担いでいたスケバンを降ろし、人質にされていた娘を呼び出された別の『ヴァルキューレ』の娘に引き渡す。人質にされていた娘はアヤの右腕から『ヴァルキューレ』の娘の両腕に抱かれて運ばれていき、少し頬を赤らめながらアヤに目を向け、アヤは優しい表情で軽く手を振って見送る。
「"――アヤ、どうしてあんな行動を?"」
「――犯罪対応としては素人目線からしても悠長だったからですよ。見たところ、部隊全員で野次馬の制止と監視と説得をしていたようですので。...説得で声掛けを続けている間に、別働隊をビル内から屋上に上がらせて背後から鎮圧する手があったでしょう?野次馬の制止や説得に態々全員を投じる意味はないと思いますよ」
「...!」
気絶したスケバンを拘束する『ヴァルキューレ』の娘にアヤがそう指摘すると、彼女は手を止めて"その手があったか"と言いたげな驚いた表情を浮かべる。
「...確かにそうすべきでしたね。すみません...自分、訓練課程を終えて
「なるほど、新人でしたか...しかしこの対応力の低さは...
『ヴァルキューレ』の娘は申し訳ない表情を浮かべて自分が配属間もない新人だと明かす。それを聞いたアヤは何か呟いてから『ヴァルキューレ』の娘に謝罪する。
「いえいえ!何分新人なのでそういうアドバイスはありがたいです。――改めまして、ご協力ありがとうございました!また『シャーレ』で"当番"に付く機会がありましたら是非お礼をさせてください」
「こちらとしても、
「"そうしようか。――『ヴァルキューレ』としての仕事、頑張ってね"」
"公安局"の名前を側面に描いた『ヴァルキューレ』の輸送トラックが近付いてくる様子を確認し、スケバンの拘束を終えた『ヴァルキューレ』の娘のお礼にそう答えてアヤと共に現場を離れる―――
747:名無しのキヴォトス生徒 ID:kVtricjRm4
アヤさんに助けられた!やっぱり空飛べるってすごいな。
748:名無しのキヴォトス生徒 ID:IQiPvBHnC
>>747
多分『D.U.第二商業区』で起きた人質事件のことだろうけど、詳細キボンヌ。
749:名無しのキヴォトス生徒 ID:kVtricjRm4
自分今日部活動が非番で買い物に来てたんだけど、突然誰かに後ろから殴られて気絶させられて、気が付いたらビルの屋上の縁ギリギリで銃突き付けられてスケバンに人質にされてた。
自分の銃は奪われてて何もできなかったし、縁ギリギリで落ちそうで怖かったんだけど...いつの間にかアヤさんがスケバンと自分の背後に忍び寄っていて、スケバンをハンドガンで殴って気絶させた上で担いで、私を右腕で抱えてビルの屋上から直接降ろしてくれた!
野次馬も『ヴァルキューレ』の人達も皆、展開が急過ぎて目を点にしてたね。
750:名無しのキヴォトス生徒 ID:wNNtO+3XP
>>749
詳細thx
遠目で見てたがすごかったなアレ。降りる瞬間に風起こして野次馬散らしながらフワッて優しく降り立つ様子は絵になったな。スマホで写真残せばよかった...!
751:名無しのキヴォトス生徒 ID:JQqRMvdDs
>>749
詳細thx
>>750
そんなあなたにこちらを...若干ブレてるのはすまんな。
[アヤが左肩にスケバンを担ぎ、右腕で人質の娘を抱えて降り立つ瞬間の写真]
752:名無しのキヴォトス生徒 ID:yEh4kDTVe
>>751
写真助かる。あの野次馬の中に居たのか...人質にされてた娘と言い、写真あげた>>751と言い、やはりスレ民は意外と近くにいるんだな。
753:名無しのキヴォトス生徒 ID:po1wRe6dM
>>751
写真マジ感謝。
モモッターのトレンドにも『射命丸アヤ』で急浮上してるぞ。これでまた『シャーレ』の株も上がりそうだな。
754:名無しのキヴォトス生徒 ID:kVtricjRm4
>>751
写真ありがとう...やっぱりカッコイイ!今度『シャーレ』"当番"で会ったらお礼言わないと...!
755:名無しのキヴォトス生徒 ID:lGerWa3JD
>>749の詳細を見るに、空飛んで屋上に降りて背後から忍び寄ったっぽいな。自力で飛べることのアドバンテージだな。っていうか『ヴァルキューレ』は何してたんだ...犯人が一人だけならビルの中上がって屋上に向かわせて背後から鎮圧できたんじゃないか?
756:名無しのキヴォトス生徒 ID:paZIxrDjq
>>755
『ヴァルキューレ』は前任の"防衛室長"の汚職で酷い予算不足だったらしいからな...多分訓練課程の質も落ちてるぞ。
757:名無しのキヴォトス生徒 ID:CKdx+cRYr
あの汚職か...確か去年、今の"連邦生徒会長"が"副会長"として就任した時だっけか。
758:名無しのキヴォトス生徒 ID:qEl+1k/yg
汚職の瞬間を写真に納めた記事ですっぱ抜いたのも"文々。新聞"だったな。そこから"副会長"がすかさず動いて逃げられる前に証拠突き付けて逮捕したんだったよな。
759:名無しのキヴォトス生徒 ID:bL2Vt9axg
>>758
確かこの記事だな。これが"文々。新聞"の名前をキヴォトス中に広めるきっかけにもなった筈。
【速報】防衛室長汚職の瞬間!連邦生徒会に腐敗の兆候?!
760:名無しのキヴォトス生徒 ID:kvCSndcm1
>>759
記事リンクthx
やっぱりすごいな『射命丸アヤ』...『クロノス』も凄まじい人材を得たよな。
~『シャーレ』オフィスビル屋上~
「"...ふぅ..."」
缶コーヒーを飲み干し、夕焼けが見え始める空と、灯りが点き始めるビル群を眺める。
―――午前中にアヤが人質事件を鎮圧した出来事はあっという間にSNSで話題になった。鎮圧、保護して降り立つ瞬間を捉えた写真や動画が幾つも出回り、空を飛ぶ技能が羨まれたり、アヤのファンが増えたりしていた。そんなアヤ本人は午後からまた取材依頼に応えて―――
「――ただいま戻りました。お疲れ様です、"先生"」
「"――アヤもお疲れ様。取材はどうだった?"」
「取材自体はつつがなく終わりましたが...午前のアレでちょっと話題になりすぎましたね。他メディアの記者やらファンだと名乗る方々やらが絶え間なく寄り集まってきましてね...
アヤは少し疲れた表情を浮かべて答える。―――あの人質事件の現場は野次馬も大勢居たし、人通りも多かった。更にSNSで話題になったことも相まって注目を集めてしまった様だ。
「"それは大変だったね...自力で空を飛べるっていうのも良し悪しだね"」
「まぁ、この翼のおかげで色々助かっていますし――"キヴォトス最速"たる所以ですから。手放すつもりなんて毛頭ない、私の象徴且つ誇りですよ」
アヤは翼を軽く揺らして答える。大変ではあるけど、彼女自身誇りに思っていて翼を手放すつもりは一切無い様だ。―――そうだ。折角だし聞いてみよう。
「"――アヤは、どうして新聞記者を志したんだい?"」
「...いきなりですね。――元々、ニュースやらテレビを見ていて漠然とした反感があったんです。利権か買収か...多くのメディアは、"真実を伝える"と謳いながら結局忖度したり、"報道しない自由"を盾に都合が悪い情報を隠し、視聴率や購読数の為に挙ってネタに集っては根掘り葉掘り聞きだそうとして相手を疲弊して追い込み、誇張捏造を当然のように使います。まぁ、営利企業の側面もありますから利益を求めることは理解しますが――果たしてそれは真っ当なメディアなのか?漠然と疑問に思っていました」
アヤは私の隣に移動し、フェンスに腕を乗せて頬杖を突きながら『D.U.』の景色を眺めて語り出す。―――キヴォトスのメディアは
「――そんな時、『クロノス』の入学生募集の広告を見て新聞記者になろうと思ったんです。――この翼の飛行能力を持て余してもいたので、この翼でキヴォトスを飛び回ろうと決めたんです。利益や利権なんて関係ない――ただ
アヤはまた翼を軽く揺らして『クロノス』に入学した動機を語る。
「最初は兎に角ネタを集めてはバンバン記事を書いていましたが、やはり好き放題
しかし――『アビドス』がそうだったように、真実の公表が不利益を被る方々も確かに居ることを知り、ある程度の自制と情報の扱い方を学びました。情報というのは、世間に出すタイミングによっては銃弾や砲弾よりも高い効果を与えるんですよ」
アヤはそう言ってニヤリと笑う。
「それに...活動をネット記事やSNSをメインにしていたことも大きいですね。SNSは凄いものです。様々なソースの情報が集まるからこそ、テレビ、新聞の情報源としての一強が崩れたんです。手軽に情報を得られるからこそ、それを見比べる力も重要ですが――ネタには困らなくなりましたよ」
「"SNSは沢山のユーザーが居るからね。嘘やネタもその分多いけど、皆手軽に情報を得られるようになったのはいい時代だね"」
アヤの言葉に頷く。―――
「それから、
「"――そう言えば、『シャーレ』所属を提案してきた時に言ってたっけ"」
アヤはフェンスから離れて私に向き直る。
「えぇ。――
アヤは赤い瞳を細めて私を見つめ―――
「――"先生"、これからも自分のやりたいこと、すべきことを全うしてください。勿論、無茶をされては私も困るので控えて欲しいですが...私はどこまでも、写真と文字で以て貴方を追い続けましょう」
「"――そういうアヤも無茶は控えるんだよ。踏み込み過ぎると大きなしっぺ返しを食らうものだ。自分の能力を過信しないようにね"」
―――夕陽が照らし始める屋上で、アヤと握手を交わした。
ということでアヤのメモロビでした。色んなブルアカ二次創作で掲示板要素があるからやってみたかった!
それからSuno AIで射命丸アヤのテーマソングも作ってみたので合わせて聞いてみてください。
https://suno.com/song/7837d6b7-4723-4a23-a92f-5b00a08a8ed7
追記:2025年2月9日
原作持ち曲の風神少女を用いて新たに作ってみました。
https://suno.com/song/88bc5fed-550a-4fd0-bee0-da98f9dce5f7