Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
前回、アクシデントが起きつつも何とか『G.Bible』手に入れたモモイ達。しかし...
~『ミレニアムサイエンススクール』 "ゲーム開発部"部室~
side-"先生"
「――お、来たね"先生"、"RABBIT小隊"の皆。さ、入って入って!」
―――"ゲーム開発部"部室のドアをノックするとモモイが顔を出し、私達を中に迎え入れる。
「――おはようさん"先生"、"RABBIT小隊"。昨日の疲れは取れたか?」
「"何とかね。君達も大丈夫かい?"」
「あぁ。万全という訳でもないが、しっかり寝て疲れは粗方取ったぜ」
「わ、私もゲームはやらないで休みました...」
「昨日帰って来た時はゲームをやる気力もなかったからね...お姉ちゃんも『G.Bible』獲得の
「...そのこと掘り返さないでよミドリ。思い出すとまた泣きたくなっちゃう...」
部室に入ればマリサ達が私達を出迎え、私の問いに各々疲れは取れたと答え、続くミドリの言葉に対してモモイは項垂れる。
―――昨日の『廃墟』探索で、
―――『アリス、撃ちます!炎よ――!』
―――『おぉ、敵がまとめて吹き飛びました![
―――『当然なのです。[120mm滑腔砲]の火力は絶大なのです。...本当ならその背中の[
―――『"...それは...ちょっと申し訳なくなるね。でも、アリスはもう手放さないだろうし..."』
―――『分かっているのです。無理矢理奪うほど薄情になるつもりはないのです。次の予算を取りに行く時に、ついでに"部長"に頼んでレールガンの技術か設計図でも融通してもらうのです』
―――しかし、どうやら警報音はリカの下まで響いていた様で、私達を救援する(のはついでで、オートマタやドローンを相手取って実戦能力を測ろうとしていた)べく独断で動き出し、全速力で私達の下に駆け付けて来てくれたおかげでオートマタやドローンを蹴散らしながら突破、離脱することが出来た。しかし―――
「あ、私も勿論バッチリ元気だよ!...これで『G.Bible』が
そう言ったモモイは悔しそうな表情を浮かべる。
―――『うーん...むむむ...あー無理無理!こんな
―――『...これはダメね。持ち合わせの機材じゃまず無理だし、多分
―――『そ、そんな...!』
―――『そりゃ遥か過去の文明の遺物から回収したからな。明らかに規格や仕様が違う筈の[
―――『廃墟』から離脱し、『監視サイト01』で休憩のついでに『G.Bible』に施されていた暗号やセキュリティの解析と解除を試みたものの、"RABBIT小隊"のオペレーターとしてコンピュータ機器のハッキング技能を持つモエも、探索中のデータ回収で手際よくハッキングや解析を行っていたユメミも解析すら出来ない程に暗号やセキュリティは難解だった。
「――だが、今朝方"ヴェリタス"から連絡があってな。『G.Bible』のデータについて話したいことがあるってんで、顔合わせも兼ねて"先生"達にも話を共有しておこうかと思ったんだ」
「"ヴェリタス"は『ミレニアム』どころかキヴォトス全体でも群を抜いたハッカー集団だからね。きっと解析できてる筈だよ!...恥ずかしい話、"教授"が提案するまで"ヴェリタス"の存在は忘れちゃってたんだけど」
マリサが私達を呼んだ理由を説明しモモイは少し恥ずかしそうに頭を掻きながら楽観的な見通しを挙げる。
―――『――餅は餅屋。
―――『あ、そっか!
―――『...あぁ、確かに"ヴェリタス"なら行けるかもしれないな』
―――モエ、ユメミの技能では解析出来ないと分かり、ユメミは"ヴェリタス"に『G.Bible』の解析を依頼しようと提案した。
モモイは二つ返事で提案を受け入れ、『G.Bible』をダウンロードしている[ゲームガールズアドバンスSP]をユメミに引き渡した。昨日『
「"なるほど...それはありがたいね。私も『G.Bible』の中身は気になるし、"先生"としてその"ヴェリタス"とも繋がりを作っておきたいから"」
「じゃあ、早速行こう!マキのことも紹介したいし!」
「はい!――遂に『G.Bible』の封印が解けるんですね!アリスも楽しみです!」
モモイとアリスが一足先に部室を出て、私達もついて行く―――
~"ヴェリタス"部室~
side-ミヤコ
「――ここだよ!」
「"『VERITAS』...よく目立って分かりやすいね"」
―――モモイさんが指差す先を見れば、スプレーラッカーでドアの傍の壁に水色のグラデーションで『VERITAS』とペイントされたグラフィティが見える。"ゲーム開発部"のプレートとはまた違う、個性的で目立つ部名表示だ。
「マキのおかげだね。マキはこういうグラフィティが趣味でさ。あのユウカも称賛する位なんだ」
「グラフィティ、か...裏路地とか、閑散とした場所でこういう落書きを見るから『SRT』の生徒としてはあまりいいものとは思えないが...」
「...まぁ、
モモイさんが『VERITAS』のグラフィティを描いたマキさんという同級生について説明するとサキが彼女らしい意見を零し、対してモモイさんが苦笑しながら言い返しつつドアの傍に据えられたインターホンのボタンを押す。
「はいはーいどちら様...って、モモじゃん!久しぶり!ミドにユズ、マリサ先輩も居るし...それに君達は...?」
「"連邦捜査部『シャーレ』。私はその顧問の"先生"だよ"」
「『シャーレ』指揮下、『SRT特殊学園』"RABBIT小隊"の小隊長"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「――"RABBIT2"、『空井サキ』だ」
「"RABBIT3"、『風倉モエ』だよ」
「ら、"RABBIT4"、『霞沢ミユ』です...」
―――ドアが開くと、赤い髪をお団子に結い上げた
「『シャーレ』?...うーん、何処かで聞いたような...あ、もしかして"教授"が言ってた、モモ達"ゲーム開発部"の廃部回避に協力してる人達?あたしは『
マキさんは首を傾げて数秒悩み、『シャーレ』の事を"教授"から聞いていたと思い出して私達に自己紹介する。
「――で、モモ達が来たってことは『G.Bible』の件だね?こんな朝早くから来るなんてよっぽど待ちかねてたんだね...立ち話もなんだし、入って入って!ちょっと狭いのは悪しからず!」
「"お邪魔するよ"」
「――失礼します」
マキさんはそう言いながらドアを全開にして私達を中に招き入れる。
「――こんな所か。おし、動いていいぞ[アテナ3号]」
〈――コンディションの復調を確認。ありがとうございます、マガン〉
「[アテナ3号]診てくれてありがとう、
「――確かにコイツは大所帯だな。いつにも増して部室が狭い...しかも、半分は初めて見る顔と来たもんだ」
―――ディスプレイやコンピュータ筐体、デスクが壁面に沿って並び、絡み合う配線が床を這う、人数もあって手狭に感じる部室。
隅のデスクに向かい、薄紫のヘイローを浮かべた長い金髪にヘッドホンを掛けて音声機材らしきコンソールを弄る生徒の後ろ姿と、その傍の作業台らしきスペースで向かい合う生徒二人。
一人は銀髪をポニーテールに纏めた黄緑色のヘイローを浮かべた生徒で、彼女と向き合ってドローンらしき球体三つを手から解放するもう一人の生徒―――黄色を帯びた長い金髪をポニーテールで纏め、黄色いヘイローを浮かべ、『ミレニアム』の制服である水色のネクタイを締めた白いシャツの上に黄色いジャケットを羽織り、白いスカートと黄色いスニーカーを履いた生徒が赤い瞳で私達を見回す。
「"――初めまして。連邦捜査部『シャーレ』顧問、通称"先生"だよ"」
「『シャーレ』指揮下、『SRT特殊学園』"RABBIT小隊"の小隊長"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「――"RABBIT2"、『空井サキ』だ」
「"RABBIT3"、『風倉モエ』だよ。"Кролик小隊"のアジトっぽいけど、こっちは結構狭いねー」
「ら、"RABBIT4"、『霞沢ミユ』です...」
「『シャーレ』...あぁ、
「――『
―――"先生"に続きハレ先輩、マガン先輩と自己紹介を交わす。ハッカーでありながらエンジニアも兼ねるとは、流石『ミレニアム』生と言うべきだろう。
〈――『アテナ3号』と申します。ハレは私のマスターです。...『シャーレ』検索..."連邦生徒会"が立ち上げた、キヴォトス構成校の自治権に介入可能な
「"今の数秒でそこまで...かなり高度なAIを搭載しているんだね"」
ハレ先輩の傍を浮遊するドローン―――[アテナ3号]は自己紹介に続いて『シャーレ』と私達の直近の行動について調べ上げ、友好関係を構築すべきと評価して"先生"は驚いた表情を浮かべる。
「[アテナ3号]は私とマガンの最高傑作だよ。中身は私が、機体はマガンが手掛けたから。...こんな風に勝手にというか、お節介っていうべきか...自発的に動いてくれるようにまでなったのは私も驚いてるけど」
「そう謙遜するなって。ここまで高度で柔軟に動ける学習型AIを生み出したのはお前の頭脳あってこそだぜ。――私の[サンダーアイズ]は[アテナ3号]と違って命令通りにしか動けないしな」
少し照れ臭そうにはにかむハレ先輩に対してマガン先輩が反論しながら作業台の隅に目配せすると、隅のデッキらしき機材から
「マガンこそ謙遜しないでよ。貴女の機体設計がなかったら[アテナ3号]はちょっと不便になってただろうから」
〈肯定。マガンが設計する機体は常にコンセプトに最適であり、最高効率での活動を可能としています。[サンダーアイズ]のコンディションも変わりなく良好であることがその証左です〉
「...あまり褒めるんじゃねぇ。むず痒くなる」
マガン先輩の言葉にハレ先輩がムッとしつつ反論し返し、[アテナ3号]も便乗する様に賛意を示すと困った様に頭を掻く。
「先輩二人のドローン開発は
マキさんは二人を見て笑い、会話を交わしている中でも反応しない後ろ姿―――
「――マキ?何かありまし、た...か...」
「"や、初めまして。連邦捜査部『シャーレ』顧問、"先生"だよ"」
「『シャーレ』指揮下、『SRT特殊学園』"RABBIT小隊"、小隊長"RABBIT1"『月雪ミヤコ』です」
「――"RABBIT2"、『空井サキ』だ」
「"RABBIT3"、『風倉モエ』だよ。くひひ、役目柄私も盗聴はやるから親近感湧くねー」
「"RABBIT4"、『霞沢ミユ』です...」
マキさんが肩をつついて気付いたのか、彼女を見ながらヘッドホンを外して座ったまま椅子を回してこちらに振り向くと驚いた様に目を点にして固まる。"先生"は安心させようとしてかにこやかに微笑みながら自己紹介し、私達も続いて自己紹介する。
「...お...『
「...案の定だな。ったく、相変わらずネット弁慶なんだから...」
コタマ先輩は緊張した表情で自己紹介するも言葉を詰まらせて目を伏せてしまい、マガン先輩は呆れた表情を浮かべる。
「うん、相変わらずだね先輩...補足しておくと、"副部長"と同じ三年生で、後ろ姿見てたと思うけど
「と、盗聴って...モエが言ってたみたいに
「...盗聴は、犯罪ではありませんよ?趣味の環境音や依頼での音声収集の最中に
サキが困惑した表情を浮かべてハレ先輩の補足にツッコむと、コタマ先輩は不思議そうに首を傾げる。
「いや、そもそも盗聴を日常的にやってるのが...いや、もう今更だな。"教授"やら"エンジニア部"やらでアレだったしな...」
「――そうだよ"教授"!モモや"先生"達は、昨日"教授"が持ち込んで来たデータの解析の結果を聞きに来たんだ!」
サキが説得を諦めて項垂れる一方、マキさんが思い出した様に声をあげて私達が"ヴェリタス"を訪ねた経緯を話す。
「――ああ、そういや[ゲームガールズアドバンスSP]を昨日受け取って、中の『G.Bible』解析してみたな。だが、あのデータは...」
「...そうだね。あんなセキュリティは初めて見た」
「..."副部長"が一番長く挑んでいましたが、結局諦めましたからね。やはり
マキさんの言葉でお三方も思い出した様だが、三人揃って申し訳無さそうに目を伏せる。その雰囲気はまるで―――
「――ま、マキ...もしかしてだけど...」
「...モモ、皆。こんな朝早くから来てくれて申し訳ないんだけどさ――」
「...マジか。"ヴェリタス"でも無理な代物なのか
「そ、そんな...!」
「...あんなに頑張ったのに...そんな結果になるなんて...」
「そんな...どんな封印も解けるという魔術師達でも無理なんですか?!」
「う、噓でしょ...?"ヴェリタス"でも無理なの?!」
「お、落ち着いてモモ、皆!...ハッカーとして自分の手で破れなかったのは悔しいけど、
―――マキさんが明かした『G.Bible』解析の結果を聞いたモモイさん達に絶望的な雰囲気が広がるけど、マキさんは慌てて補足する。
「――『Optimus Mirror System』、通称[鏡]。
「つっても、私らも運用したことはないから何とも言えないんだが。
「"――ちょっと待ってくれるかい?その[鏡]も気になるけど、君達"ヴェリタス"の事情も私としては気になるから、簡単でもいいから教えてくれるかい?"」
―――マガン先輩がそう言って悔しそうに頭を搔く中、"先生"が手を挙げ、"ヴェリタス"の事情について教えて欲しいと尋ねる。
「...そうですね。『シャーレ』の皆さんの為に、まずは私達"ヴェリタス"について説明しておきましょう。
――私達"ヴェリタス"は、現"セミナー会長"『調月リオ』が布く体制――"セミナー"が"『ミレニアム』内外の情報を収集し、独占し、管理する"、という体制に抵抗するべく『
「あ、ヒマリって名前は
「はい、その通りですよ。それに付け加えれば、リオ"会長"、ユメミ"教授"とは同期であり――
"先生"の言葉に頷いたコタマ先輩が説明を始め、『明星ヒマリ』という名前にモエが食い付き、コタマ先輩はそれに補足を加えて困惑が混ざる苦笑を浮かべる。
「"教授"にそんな人間関係が...そりゃ『廃墟』の
「噂でも何となく聞いてたが、"ヴェリタス"の人間がそう言うんなら事実なんだろうな。あの権限の大きさも納得だぜ...」
コタマ先輩の言葉に対し、モモイさんとマリサ先輩が驚きと納得の表情を浮かべる。―――片や
「ちょいと脱線しかかってるから話を戻すぞ。――動機を聞いて察せたと思うが、そんな
「今頃先輩は、『ミレニアム』外の企業から依頼を得るべく営業に回ってる筈だよ。だから今この場には居ないんだ」
「"なるほど...非公認故に、
「チヒロ先輩は
"先生"は成程と頷く。―――上位組織の制約、権限に囚われず自由に動けるという事は、本来その上位組織が受け持つ事も自分達でやらなければならないという事でもある。コンピュータ、ネットワーク関連となれば相当な予算が必要だろう。"副部長"という部のNo.2が営業に回る必要がある程には収入獲得に苦労しているのかもしれない。
「そうですね。"副部長"の営業には私達も少なからず助かっていますから。...しかし、"部長"が居た頃は卓越したハッカーの腕前のおかげでもう少し余裕があったんですが――件の[鏡]に関する騒動とほぼ同時期に、
「あのタイミングはなぁ...どう考えても[鏡]の
コタマ先輩が説明を続け、ヒマリ"部長"が
「先にヒマリ"部長"の動向について説明しておきましょう。――彼女は現在、"特異現象捜査部"という、リオ"会長"が
あの時の"部長"は渋々と言った様子でしたが...活動内容的に彼女の知的好奇心を満たせる内容ですから、本心では楽しんでいるようです」
「親友である筈の"会長"と"教授"のことは常日頃罵倒してるが、活動自体は真面目にやってるっぽいからな...未だにヒマリ"部長"のことはよく分らん。
それから、まだ
コタマ先輩がヒマリ"部長"の動向について説明し、マガン先輩が困った様に頭を搔きながら補足する。"会長"が
「"特異現象捜査部"設立にあたっても
「まぁ、私らも仕様はよく分かってないんだが。お披露目された時のヒマリ"部長"の説明が難解過ぎて、
コタマ先輩は[鏡]についての説明に移り、マガン先輩は困った様な表情を浮かべて補足する。
「私達よりハッカーとしての腕前は高いし、"全知"を持つ天才だからね。思考回路が私達と違うんだと思う。だからすごくザックリになるけど――[鏡]なら理論上
「おぉ...!高名な魔術師が生み出した究極の魔法、ということですね!」
「魔術師...なんか納得できる例えだね。私達からすると"部長"が話す理論は呪文よろしく難解だから。だから、実際に[鏡]を使って性能を確かめたかったんだけど――」
ハレ先輩の説明を聞いたアリスさんが目を輝かせて魔術師と例えると、マキさんが苦笑しながら頷き―――一転悔しそうな表情を浮かべ、コタマ先輩も少し眉を顰めて目を伏せる。
「――ヒマリ"部長指揮の下、[鏡]の運用テストの準備を進めていた時でした。リオ"会長"が
「"部長"も抵抗したんだけど、『高性能過ぎて寧ろ危険過ぎる』だの、『絶対に盗まれないという保証は不可能』だの、『ヴェリタスの部員が悪事を犯した場合の責任を取れるのか』だの...まぁ、淡々と理詰めされて観念しちゃってさ。泣く泣く[鏡]を手放したんだ」
「あん時のヒマリ"部長"は何か
ヒマリ"部長"曰く、[鏡]はタブレット端末上で開発したツールでな。
「そういう訳で今、
「..."セミナー"とは裏で協力したり、依頼を請けたりする関係だからクソ程嫌いってことはないんだが――[鏡]の件はどうにも許せねぇ。テストもしてないのに一方的に危険だって見做されて没収されたんだ。作ったのはヒマリ"部長"だが、"ヴェリタス"としても作ったものにゃ責任を持つべきだろ?それを果たす前に
ハレ先輩が[鏡]についての説明を締め括り、マガン先輩が吐き捨てる様に不満を口にする。
―――"ヴェリタス"の皆さんが一様に不満そうな表情を浮かべている辺り、[鏡]の没収やヒマリ"部長"の引き抜きに思う所がある様だ。"セミナー"がどういう判断でその様な行動を取ったのかも知らなければ妥当性は判断出来ないけど、"ヴェリタス"が"セミナー"に対して少なからず反感を抱いているのは確かな様だ。
「"成程...事情はよく分かったよ。『G.Bible』はモモイ達"ゲーム開発部"に必要なものだ。『シャーレ』として"セミナー"に掛け合って、一時的にでもいいから[鏡]を返してもらえるように――"」
「――そんなまどろっこしいことしてたら
「...お姉ちゃん、何かいい手を思い付いたの?」
「お?何か思い付いたのモモ?」
「...何か
―――"先生"の提案を遮る様にモモイさんが声をあげ、マリサ先輩が察した様な、何処か呆れた表情を浮かべて尋ねる。
「別に難しいことをやるつもりはないよ。やることは単純明快――」
―――成程単純な、しかし
―――驚き、困惑。沈黙が支配する中、部室の隅の監視カメラが微かな駆動音を漏らした。
~"セミナー会長"オフィス~
side-ユメミ
『...お姉ちゃん、本気で言ってるの?』
『本気も本気、
「...ぷふっ...アッハハハ!!面白いこと思い付くじゃない!!心の中で考えていそうな娘は多々居れど、本気で実行しようとする娘は初めてよ!!これだから
―――
―――先日の『廃墟』探索で得られたデータや情報を共有するべくオフィスを訪ねたものの、タイミングが悪くリオは手が離せない仕事の最中で、目途が付くまで待つ間に"ヴェリタス"部室の監視カメラを
―――モモイ達には言わなかったけど、私は"ヴェリタス"でも『G.Bible』の
「――笑いごとじゃないわ。彼女達がやろうとしているのは、学校の行政を預かる生徒会への反抗よ。その娘達が本当に実行するつもりなら、その責任を預かる者としては看過できないのだけど」
―――私の背後に立って画面を見ていたリオが呆れを多分に含んだ声色で窘めて来て、笑いが治まって来る。いつの間にか仕事を終えたのか、それとも私が覗き見ていた内容が気になったのか...リオなら十中八九前者だろうけど。
「アッハハハハハ!!...あーお腹痛い。過去一笑ったかもしれないわ。...ふぅ、落ち着いた。
言葉を切り、タブレットを操作して
「――十中八九
「......はぁ...つくづく、
―――私が持って来た先日の『廃墟』探索での
私は
―――故に、モモイが宣言した
「――"セミナー"が襲撃を受ける事態を想定した訓練だと
「大丈夫でしょう。――『シャーレ』は"ゲーム開発部"の依頼を請けて来ているもの。それに、恐らく"先生"の性格なら――」
『"...モモイ、確認するよ。その宣言を撤回するつもりはないね?"』
『おい"先生"まさか...?!』
『勿論!私達には時間が無いんだよ?上手くいくかも分からない交渉を待ってる位なら、すぐにでも"セミナー"に凸って[鏡]を取り返す方が確実だし、よっぽど速い筈だよ!』
『"...そっか。――シャーレは君達"ゲーム開発部"の依頼を遂行中だ。襲撃が君達の問題解決に繋がると言うのなら、協力するよ"』
『..."先生"が協力するというのであれば、私達が否定する理由はありませんね。...ブラックマーケットでの
「――ほらね?『シャーレ』は
「...そうね。あの『サンクトゥムタワー』をあっという間に復旧させた件もあるし、
―――メイン画面を監視カメラの映像に戻せば、"先生"がモモイに念押しして確認し、その意思が変わらないと判断して協力を宣言する様子が映し出される。
そんなやり取りを確認し、そう問い掛けながら首を反らせてリオを見上げる様に目を向ければ、リオは頷く。
「...それで?貴女はどうするの、"教授"?」
「どうしようかしらねぇ。...私まで
「
「はいはいどういたしまして。じゃ、私も戻るわ」
タブレットからユウカ辺りにメッセージを送ったらしいリオに続いて、ハッキングを解除して痕跡も消去してからソファから立ち上がってリオについて行く―――
「――あ、そうそう。さっきの"ヴェリタス"部室の監視カメラのハッキング中に気付いたんだけど。もう一つのカメラの方に
「...この
「――結論を急ぎ過ぎよ。以外と
「...
「...はぁ。相変わらずね貴女は...」
ということで、ヴェリタスにキャスティングされたのは幽幻魔眼でした。解釈違いの読者が居るかもですが...ヴェリタスにも誰かしら入れたくて吟味していましたが...
ニトリ、リカコは既にエンジニア部に入れたし誰か入れられないかと探した結果、靈異伝より幽幻魔眼をキャスティングしました。
五つの魔眼がハレのアテナ3号みたいなドローンっぽいのが理由です。靈異伝は後発の旧作以上に設定が曖昧なのでキャラ作りせねばと考えた結果、なんか魔理沙みたいになりました。男勝りっていいよね...
さて、次回はセミナー襲撃の作戦会議回...の予定。
~生徒紹介~
名前:
所属校:ミレニアムサイエンススクール
学年:二年生
部活動:ヴェリタス
装備:HG(