Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
前回のあらすじ:直感チート
~『ゴールデンフリース号』 留置場~
side-"先生"
「は...?え...?なんで...?」
アスナが示した"ランクS"の証明を愕然とした表情で見つめ、コユキは震えた声で疑問を零す。
「"最初は潜入して解放するつもりだったんだけど。アスナが"今ならもっと連勝できるかも!"って言い出してルーレットやらポーカーに挑んでね。そしたら――
「ほ、本当に凄かった...明らかに危険なハイローラーばかりだったのに、全部的中させてた...」
私の説明を聞いたミユが凄いものを見る様にアスナに目を向ける。
―――『んー...これかな!』
―――『ま...また一点賭け...?!流石に当たらないんじゃ――』
―――『"...あ、当たった...!この配当とレートだと...うわ...凄い額になった。ディーラーも呆然としてるよ..."』
―――アスナの直感は凄まじかった。どんなゲームでも、どんなラウンドの状況でも、
―――閑話休題。
「...こうなるなら、最初からアスナにカジノやらせて"ランクS"取らせときゃよかったな。あたしらの存在がバレちまっても――この船の中じゃ逃げ場も限られる。VIP権限使ってガード共も動かせば尚更だ」
「"過ぎたことを悔いても仕方ないよ。――アスナ、ネル達を解放してあげようか"」
「はーい!じゃ、部長達の解放お願い!」
「――承知しました」
―――アスナが"バニーガール・ガード"に指示すると、素直に頷いて動き出し、房の扉の鍵を開ける。最初に出て来たのはネル―――
「あ...や、ヤバ...!」
「――これで、形勢逆転だなぁ?さぁ、大人しく――」
「うわっ?!」
「ひゃっ...?!」
「"わっ...?!"」
―――コユキはそんな叫び声をあげ、私とアスナ、ミユを突き飛ばしながら留置場の出入口へと脱兎の如く走り出す。
「あっ?!クソ、待ちやが――」
ネルが即座に追い掛けようとして―――
「――待ちなさい」
「なっ...テメェ、邪魔するつもりか?!」
「い、イナバ先輩...?!」
―――イナバがネルの前に立ちはだかり、ネルは敵意を剝き出しにして声をあげ、ミヤコが困惑した表情を浮かべる。
「――まずは、貴女達に謝らせて。私達が偽装と気付かず請けた任務により、『ミレニアム』"C&C"、『シャーレ』が遂行中の任務を妨害してしまい――申し訳ございませんでした」
イナバは姿勢を正し、そう謝罪の言葉を述べて頭を下げる。
「お、おう...って、どういうことだ?!コイツは"白兎"の護衛じゃねぇのか?!」
「...イナバ先輩、もしかして――」
「――えぇ。貴女が明かしてくれた情報のおかげで気付けたの。情報は共有できたから、返すわ」
イナバの謝罪にネルが戸惑った声をあげ、ミヤコが彼女との交戦時に何かやり取りをしたのか驚いた様な、嬉しそうな表現を浮かべると、イナバはミヤコのスマホを取り出して私達に見せ、ミヤコに返す。
「ミヤコお前...!相手が
「そうですね。本来なら褒められたものではありませんが...私達が持つ情報は、
「...思い切った、ですが今回は的確な決断ですね。"白兎"については、彼女が持つ機密情報の漏洩リスクから『ミレニアム』内で解決することを目指し、『SRT』との"特逮協定"発効の対象としていませんでしたから。"Кролик小隊"が"白兎"について知らず、結果騙されてしまうのはあり得るでしょう」
どうやらミヤコはスマホに入れていた情報をイナバに明かした様で、サキがミヤコを咎める様に声をあげるけど、アカネはミヤコの行動をフォローする様に意見を挙げる。
"特逮協定"―――学校自治区外でも問題行動を起こす生徒や組織を捕まえる際に、その学校の治安維持組織だけでは対応出来ない場合に、『SRT』の部隊との協働を行う為の協定。
でも、"白兎"―――コユキは自身が持つ才能で『ミレニアム』の機密情報を握っている。ミヤコやイナバが任務中にそれを知ったとしても悪用する事は有り得ないだろうけど、情報というのは一度拡散してしまえば止められない。他の誰かが、何処かで漏らしてしまう事を繰り返し、多くの人間に情報は広まっていく。そのリスクを考えれば、『ミレニアム』が"白兎"についての情報を『SRT』に共有していない事に納得出来る。
「えぇ。今回に関しては、ミヤコが取った行動で私達は――
「――それは、
「えぇ。――我々"Кролик小隊"は現時点を以て"
イナバは"白兎"から受けていた護衛任務を放棄すると宣言し、私達への支援を提案する。
「『SRT』の精鋭小隊が味方になることはありがたいですが...具体的にはどのような支援を?」
「...幸い、"白兎"は真っ先に逃げ出してこの場に居ない。一つ、作戦を提案するわ――――」
~『ゴールデンフリース号』船内~
side-セイラン
「..."白兎"、確認しました...!」
「――こちら"Кролик2"、
―――吹き抜けからホールを見下ろしていると、"白兎"が客に紛れてコソコソと移動している様子をミユと共に確認し、通信で共有する。
『こちら"
ホールで客に紛れて"白兎"を探していた"C&C"のエージェント"
『順調ならいい。あたしは作戦通りに
『"
『分ぁってるよ。...よーし、
エージェント"
―――『私達"Кролик小隊"は"白兎"護衛任務を放棄。現時点より"C&C"及び"シャーレ"が遂行中の任務の支援を行う。但し――"白兎"は先に逃げ出していて、彼女自身が動転していて私達の方針変更に気付いていない。そこで、私達は"白兎"の
―――イナバが私達に指示した作戦の内容を思い返す。"白兎"―――『ミレニアム』の一生徒の捕縛の為に"C&C"と『シャーレ』が動いていると知った時は嫌な予感を覚えていた。
"C&C"という『ミレニアム』屈指の精鋭エージェントチームと、言わずもがなの『シャーレ』が協働してまで捕縛を目指す"白兎"についての情報をイナバから共有された時、予感の的中と―――早々『
電子戦を行う者からしたら垂涎ものの才能を持ちながら、倫理観の低さ故に自身の行動の影響の大きさ、罪を理解出来ないままに罰を受け続け、反発して更に罪を重ねている"白兎"―――『黒崎コユキ』。
『SRT』所属の
『――こちら"
「――"Кролик2"了解。ミユ、貴女も行けるわね?」「はい...!」
―――"
「――"白兎"確認...!」
「こっちも見えた。"
―――
―――行き来する客の流れの切れ目、ポッカリと空いた空間に"白兎"と"
放たれた亜音速弾は寸分違わず狙い通りに着弾。"
「ナイスショット...!流石先輩です...!」
『――ラウンジでガード共を相手取ってた時の狙撃、テメェだったのか..."Кролик2"。あん時はよくもやってくれたなぁ?』
「
"
『...そのつもりはねぇよ。今騒ぎを起こす訳にもいかねぇしな。――あたしはこのまま"白兎"を追う。そっちも
"
「――こちら"Кролик2"。"Кролик4"、そっちの準備は?」
『――こちら"Кролик4"。間もなくこちらの準備は完了します。"白兎"の動向は?』
「
~『ゴールデンフリース号』監視室~
side-リンゴ
「――"白兎"確認!第三甲板船尾側、客室区画に進入したよ!」
―――コンソールを弄りながら船内各所のカメラ映像を確認するモエが報告を挙げ、ピックアップした映像を見れば、客室区画の廊下で頻りに後ろを確認しながら走る"白兎"がカメラの前を通り過ぎる様子が見える。
「よーし、作戦通りに来たね。ここで騒ぎを起こすのはマズいから――"Кролик1"、"RABBIT1"。"白兎"は
『"Кролик1"了解。――"RABBIT1"、行けるわね?』
『"RABBIT1"、配置に付いています。合図があれば何時でも動けます』
モエの報告に頷き、イナバとミヤコに通信を繋げば了解の返事が返って来る。
「了解。こっちはしっかりカメラで追ってるから、何かあったら連絡するよ。――いやー、"ランクS"のVIP権限様々だね。
通信を切り、そう呟きながら部屋の出入口で見張りに立つ"バニーガール・ガード"をチラリと見る。
―――イナバから共有された"白兎"に関する数々のとんでもない情報と、それに伴う
―――『じゃあ、私が"ランクS"の権限で船全体の監視室を借りれるように言っておくよ。
―――けど、"C&C"のエージェント"
"ランクS"は到達するだけでも難しく、その権限の行使にも稼いだ額の多くを使う。それをアスナは―――
「――あ、そろそろエレベーターホールに出るね」
「結構足が速いねー。正に脱兎の如く――"Кролик1"、"RABBIT1"、
『『――了解』』
―――モエの報告を聞いて思考を止め、二人に準備するように指示を出してモエがピックアップしたエレベーターホールのカメラ映像に注目する。幸いエレベーターホールは無人で―――
『はぁ...はぁ...あ、あのエレベーターに乗って最上甲板に出れば――』
『――
『うわぁ?!』
―――エレベーターに向かう"白兎"を捕まえるべく、ミヤコが身を隠していたトイレからバッと出て来て迫り―――
『運は向いてきているみたいだけど――捕まえさせはしない!』
『っく...!』
―――自販機ブースの隙間に隠れていたイナバも即座に動き出し、"白兎"とミヤコの間に割って入り、そのままミヤコと組み合う。
『行きなさい!最上甲板、ヘリポートよ!』
『は、はいぃ!』
イナバはミヤコを抑えながら"白兎"にそう叫んでミヤコとCQCを打ち合い始め、"白兎"は慌ててボタンに取り付き、幸いにも止まっていたおかげでドアはすぐに開き、"白兎"は飛び込む様に籠に入って、数秒してドアが閉まる。
「――"白兎"の移動確認。"Кролик1"、"RABBIT1"はもう止めていいよー。..."先生"、こちら"Кролик3"。"白兎"の移動確認。ヘリポートまでもうすぐだよ」
『"――了解。こっちは相変わらず
"白兎"が
「そりゃぁ凄いや。
―――『プレイラウンジ』で"
「...あー、リンゴ先輩。エレベーターホールで
「...ん?何かあった――」
『っふ...!やるわね、ミヤコ...!』
『はっ...!まだ...!』
―――モエの報告を受けてカメラ映像を見上げると、二人はまだCQCで組み合って激闘を繰り広げていた。もう"白兎"はエレベーターに乗ったから
「あーあーあー。二人とも久しぶりに組み合うからって熱くなっちゃって..."Кролик2"、"RABBIT4"、聞こえる?"白兎"が逃げたエレベーターホールで
セイランとミユに繋ぎ、二人を止めるようにと依頼する。流石に割って入れば止められると思うけど―――
~『ゴールデンフリース号』最上甲板~
side-サキ
「オラオラオラァ!!」
「うわぁぁーーーー?!」
―――ネル先輩の[
「あぁ、クソ...!ネル先輩、考え無しに追い立ててこっちのペースが..."
『――こちら"
「了解!」
ネル先輩の行動は
「待てやオラァ!!」
「うわぁぁーーー?!誰か助けてよーー!!」
必死に逃げる"白兎"、それを追うネル先輩―――
「うわぁッ?!」
「ッ?!...今の狙撃はカリンか?!危ねぇぞ今の狙撃は!」
―――船橋の作業員用足場に付いていたカリン先輩の狙撃が決まり、"白兎"は
『そうだよ。"白兎"が違うルートに逃げ込みそうになったから妨害したんだ。...リーダーは突っ込み過ぎだよ。作戦で決めてたルート取り、忘れてたでしょ』
「...わ、忘れてるわけねぇだろ。ピーピー泣きながら逃げるもんだから、ちょっとばかり興が乗っただけだ」
ネル先輩の抗議に対してカリン先輩は呆れを含んだ声色で返答すると、ネル先輩は図星だったのか一瞬黙り込み、取り繕う様に言い訳する。
「と、兎に角!あと少しで
『了解。...遠目だけど、
「分ぁってる。――おら、行くぞサキ!
「だったらもう少し突っ込みを抑えてくれ!追い付くのが精一杯だ...!」
ネル先輩にそう返しながら"白兎"を追ってヘリポートを目指して走る―――
~『ゴールデンフリース号』最上甲板 ヘリポート付近~
「――ヘリポートが見えて来たな!アカネ、
『――こちら"
「ソイツは結構!――ったく、アスナ様々だな!VIP権限がなかったら間違いなく大騒ぎだっただろうな」
「それでも、
―――ヘリポートへと繋がるデッキを走りながらネル先輩はアカネ先輩に通信を繋いで確認を取る。
「――"白兎"がポイントに到達した!アカネ、吹っ飛ばせ!」
『――了解しました』
「うわぁぁーー?!」
―――ネル先輩の合図で、"白兎"が通り過ぎたデッキにある浮き輪や救命ボートが
―――アスナ先輩が持つ"ランクS"のVIP権限を利用したアカネ先輩仕込みの爆薬は、先輩の計算通り、
だが―――"白兎"を
「よし、"白兎"を追うぞ!サキ、仕上げと行こうじゃねぇか!」
「了解!」
ネル先輩に頷き、[
「待ちやがれ!」
「待て!」
―――ヘリポートデッキに出れば、ヘリパッドに駐機されている複数機のヘリの内一機―――"Кролик小隊"配備機がローターを回していて、乗り込んでいる"白兎"が私達に気付いて顔を青ざめさせ、白目を剥いてコックピットに居るであろう"Кролик4"、レイセン先輩に向けて叫ぶ。私達は得物を構えて弾幕を張る―――
「クソ!離陸しやがった!」
「マズい...!」
―――しかし
「――行ったか」
「――あぁ。こちら"RABBIT2"及び"
―――機体が水平線に消えていく様子を見送り、先輩と揃って銃を下ろして作戦中に構築した共通回線に繋ぐ―――
~???~
side-コユキ
「......!......!」
―――誰かの声が聞こえて来て、寝落ちしていた意識が覚醒し始める。
「......ぅ...んん...」
―――人が折角安心して眠っているのに、
「......!...キ...!」
―――"セミナー"が持っていた債権をお金に換えて、『プレイラウンジ』の"ランクS"を勝ち取って
「...キ...!...キ...!」
―――"C&C"が
「...キ...!...ユキ...!」
―――"C&C"が起こした騒ぎでしばらく『プレイラウンジ』に入れなかったので、折角だからと捕まった"C&C"と
「...キ...!...ユキ...!」
「...中々起きませんね。余程疲れたのでしょうか」
―――でも、捕まっていなかったアスナ先輩が"ランクS"を―――私が勝ち取りたかったVIP権限を持って留置場に来た時、
「...ユキ...!...コユキ...!」
―――"Кролик小隊"から
「...コユキ...!...コユキ!」
―――『ミレニアム』外に逃げるのは初めてで土地勘はまるで無いから、ヘリを操縦している"Кролик小隊"のレイセン先輩には
「――コユキ!起きなさい、コユキ!」
―――耳に届く声が大きく明瞭になって来て、意識も覚醒しつつあって回想を止める。やっぱり
「...う~ん...うるさいなぁ...誰――」
一度起きて抗議してやろうと寝ぼけ眼を開いて―――
「――やっと目を覚ましたわね」
「――は?」
―――スライドドアが開け放たれて外の―――
その次に浮かんだのは
「――ふふ、余程お疲れだったようですね。夕方...丸一日
―――ヘッドギアを付けた長い銀髪、"セミナー"制服とジャケットを羽織り、糸目で私を見つめて微笑む
ユウカ先輩の後ろに目を向ければ、コックピットからこちらに顔を覗かせて微笑むレイセン先輩の顔も見える。
―――先輩二人がこの場に居るおかげで、私でも状況は分かってしまう。
「――遊び倒したなら、次は...分かるわね――コ・ユ・キ?」
~『ミレニアムサイエンススクール』 ヘリポート~
side-"先生"
<「普段ならユウカちゃんに任せますが...今回はまず私が
<「囧」
―――コユキがノアに引き摺られてヘリポートを離れていく様子を見送る。
「..."先生"、『シャーレ』、"C&C"の皆さん。今日中のコユキの捕縛、ありがとうございました。また...カジノでという手段は少々気になりますが、コユキが無断発行した債権分の回収まで行っていただき、感謝に堪えません」
「"どういたしまして。君達の力になれたなら幸いだよ"」
「使うかもしれねぇって、あたしらに金渡したのはお前だろ。使い道も指定されてなかったし、感謝するならあっという間に稼いだアスナにしとけ」
私達に頭を下げるユウカに私は微笑みながらそう返し、ネルはこの位遂行出来て当然だと澄ました表情でそう返す。
―――『ミレニアムサイエンススクール』構内のヘリポート。ここには私と"RABBIT小隊"、"C&C"はネルが居る。他のエージェントについては、ウカビが
「――そして、『SRT』"Кролик小隊"の皆さん。この度は、我が校の生徒による虚偽の任務によって、本来我々だけで解決すべき事件に巻き込んでしまい、誠に申し訳ございませんでした。また、依頼していないにも関わらず"C&C"、『シャーレ』に依頼した任務への支援を行っていただき、感謝に堪えません」
「謝罪を受け入れましょう。"白兎"――『黒崎コユキ』の才能や人格が原因であれば、状況としては私達が騙される形になってしまったのは仕方ないことよ。私達でなくとも騙されていたでしょうし。――"白兎"については"特逮協定"の発効対象外なので、こちらが入手した情報は抹消済よ。フックとして利用するつもりもないから安心して」
「...重ね重ねありがとうございます」
―――ユウカは"Кролик小隊"、イナバに向き直って深々と頭を下げて謝罪と感謝を伝える。イナバはコユキの才能や人格であれば騙されても仕方ないとし、ミヤコが明かした情報も抹消したと伝え、ユウカは改めて頭を下げる。
「――では、私もコユキの説教に向かいますのでこれにて。改めて――"C&C"、『シャーレ』、"Кролик小隊"の皆さん。この度はありがとうございました」
ユウカは私達に向き直って頭を下げて改めてお礼を伝え、踵を返してヘリポートから離れて行く。
「"――イナバ、今回はありがとう。
―――ユウカを見送り、イナバに向き直って頭を下げる。"Кролик小隊"のおかげでコユキの捕縛は上手く行った。彼女達が居なければ、アスナの"ランクS"のVIP権限があったとしても
「こちらこそ、
「...あ、ありがとうございます...!」
イナバはそう言ってミヤコに顔を向けて微笑み、ミヤコは嬉しそうに笑ってお礼を言う。
―――
でも―――ミヤコは"Кролик小隊"がコユキについての情報を知らない可能性。コユキが任務を偽装している可能性を見出し―――情報を渡す決断を下した。その結果が、"
―――狭き門である『SRT』に入学出来るだけでも優秀だろうけど、イナバが目を掛けているだけあって、ミヤコは特に優秀だ。きっと彼女はイナバにも引けを取らない
「――任務の支援にゃ感謝してる。だが...それでもあたしらの敵として立ちはだかった事実は消えねぇ。お礼参りも兼ねて、
「...噂通りの好戦性ね、"
「"ダメだよ、ネル。イナバ達には『ブラックマーケット』での任務もあるし、君個人の我儘で拘束するのはよくないことだよ"」
ネルがギラリと目を光らせて勝負を望むけど、イナバは『SRT』として帰還と報告を優先すると返し、私も賛意を示す。帰還中に事情を聞いたけど、イナバ達が請けた"
「...どうしても言うなら、『シャーレ』の"当番"で一緒になった時にでも受け立つわ」
「...チッ!それで勘弁してやらぁ。言質は取ったからな」
しかし、イナバはネルの好戦性に配慮して譲歩する。対してネルは不満そうに舌打ちを返すけど、それで折れてくれた様だ。
「――では、"Кролик小隊"は帰還するわ。"RABBIT小隊"、これからも『シャーレ』、"先生"の支えとなれるように励んでね」
「今回は私達もいい経験になったよ。四人とも頑張ってねー」
「今回は危うく
「「「「はい!」」」」
イナバの言葉に対し、ミヤコ達は敬礼を返す。それを合図に、"Кролик小隊"のヘリのローターが回り始め、リンゴとセイランが乗り込む。
「"――イナバ、改めて今回の支援ありがとう。『ブラックマーケット』での任務も頑張ってね"」
「...ありがとよ、"Кролик小隊"。不満はあるが、支援が助かったのは事実だ。――"当番"でかち合ったら覚悟しとけよ」
「――ありがとう、"先生"、ネル」
イナバは私とネルにも敬礼し、ヘリに乗り込む―――
ということで、バニーチェイサー編終了です。次回はミレニアム巡りを挟んで―――二章、横領都市編です
感想、評価、お気に入り、栞、ここすきは大歓迎です。作者が喜びでわっぴ~します。