Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
~アビドス高等学校 校庭~
side-モコウ
「クッソー!!今日は勘弁してやらァ!!」
ジャージをボロボロに焦がし、ヘルメットのバイザーの左目側も砕けた"カタカタヘルメット団"幹部がそう叫び、ボロボロの団員共を連れて退いて行く。
「――ん、泣きのもう一発」
シロコがドローンを操作し、ポッドからロケット弾を一発"カタカタヘルメット団"に撃ち込む。
―――あ、幹部のヤツがこっちに落ちて来た。丁度いい、捕虜として捕まえておくか。
「うへ、すごい爆発だね~。いつもよりすごくな~い?」
「ん、モエが物資からくれた。『SRT』で運用してる
「さ、最新って...一発の値段結構するんじゃ...」
「くひひ、火力があるならいいじゃんいいじゃん!私達が持って来たものだから
シロコの言葉に
「っし...どうにか
「"先生"の指揮もすごかったですね~。私達だけで戦う時よりずっと戦いやすかったです☆」
「そうですね...私よりも正確な情報と指示を出していましたし、これが
「"私はこの
"先生"は頭を掻きながら謙遜した言葉を返す。―――正確な情報を得られても、それを効果的に利用出来なきゃ意味は無い。"先生"の指揮や合図は的確で、何より私達は
「ん、"RABBIT小隊"の皆も強かった。私達とは初対面なのに、私達の装備と立ち位置を把握して上手く連携してくれた」
「そうだね~。校舎の方から支援狙撃してくれた...『ミユ』ちゃん、だっけ?銃声だけ聞こえるのに、
「あ、ありがとうございます...」
「"対策委員会"の皆さんが戦闘慣れしていたおかげでもあります。"先生"の指揮も相俟って私達も非常に戦いやすかったです」
「ホシノ先輩も凄かったな。左手に盾、右手にショットガン――まるで特性が違う装備なのにまるで自分の一部みたいに振るって、攻めも守りも効果的に立ち回っていた。あれは敵に回したくないな」
「ね、ホシノちゃんすごいでしょ?!一年生の頃はショットガンだけだったんだけど、いつも最前線でタンクを張る私と、苛烈に攻めるモコウに憧れたのか盾まで持ち始めてね~。理由を聞いたr「ユメ先輩、膝枕ノノミちゃんを専属にしますよ?」ひぃん、ごめんなさ~い!」
―――
「...指揮は皆が言っている通り良かったわ。...で、でも!まだ完全に信用していないんだから!」
「"今回の支援だけであっさり信用されても戸惑うしね...君達の信用を得られるように私達も頑張るよ。――さて、残りの物資も運んでしまおうか。ヘリも特に損傷は無い。一度帰しておこう"」
「あぁ、そうだな。誰かしら見張りに残してさっさと終わらせよう」
"先生"の言葉に頷き、捕虜を担ぎ直して校舎に歩き出す―――
~アビドス高等学校 "廃校対策委員会"部室~
side-ミヤコ
「――では、『アビドス』が置かれている状況について説明させていただきます」
アヤネさんが音頭を取り、ホワイトボードに地図や写真を貼り付けていく。
―――物資の運搬を終え、ヘリも一度帰し、屋上での見張りとして引き続きミユさんを配置して私達は委員会の部室に再び集まっている。
「――数十年前まで、『アビドス高等学校』はキヴォトス屈指の規模を誇る学校でした。砂漠は学校、及び自治区成立時点で存在していましたが規模は現在よりかなり小さく、当時は観光名所として管理、整備されていたらしいです」
アヤネさんが説明しながらヘリから空撮したらしい、少し古い写真を指し示す。―――並び立つビルの先に広がる砂漠と、目立つ規模のオアシス。そしてオアシスを囲む様にテントが沢山並び、人も多く居る様に見える。
「――ですが、当時の"アビドス生徒会"が『セイント・ネフティス社』による砂漠横断鉄道の開設事業を承認し、工事が始まってしばらくして――こちらの写真の
次にアヤネさんが示した空撮写真では―――黒い可動部を白く無機質な外郭が覆い、オレンジ色に光るラインが全体に走り、短い角を三本伸ばした頭部には四つの眼光を光らせ、頭上に
「なんだこりゃ...蛇、なのか?こんなデカいのがあの砂漠に居るのか?」
「はい。――当時の『アビドス』の生徒の皆さんも『セイント・ネフティス』社私有の戦力、雇った傭兵の方々と一緒に迎撃を行ったそうですが...背部に備えられた無数のVLS、口内に装備された巨大なレーザー砲、巨躯を暴れさせて巻き起こす砂嵐により一方的に蹴散らされてしまった――と、記録が残っています」
サキさんの言葉にアヤネさんは頷き、厳しい表情を浮かべて説明を続ける。
「この迎撃不可能な脅威を目の当たりにしても、『セイント・ネフティス社』は尚事業の継続を目指し、出撃地点や法則を見出しながら敷設を進めていきました。そして――
次に示された写真は―――
「一週間に渡る砂嵐により、生徒、住人の皆さん、『セイント・ネフティス社』の方々に多くの犠牲が出ました。――この時、『セイント・ネフティス社』は...っ...
「"...酷い話だね。自分達が始めた事業も一因だろうに、被災者の救助や支援もしないでそそくさと逃げたのか。こんなことをされたら大人を信用なんてできない訳だ"」
アヤネさんの説明を聞いて"先生"は顔を顰める。――本当に酷い話だ。
「――"アビドス生徒会"はそれでも全力で復興に臨みましたが...日に日に広がる砂漠により居住区は減っていき、
それでも――
「――私達が生徒会に入った頃は、誰もが憔悴し切っていて、絶望していて...私達を歓迎する余裕なんてなかった。精神も既に擦り切れていたんだろうね~。"生徒会"入りして一か月位経った頃だったかな。
ユメ先輩はそう言って懐かしみ、けど悲しい表情を浮かべながら語る。
「まぁ、入った時の雰囲気からして予想はできていたがな。ユメを取り敢えず"生徒会長"に据えて私達は活動を始めたが...
「おじさんが入学して生徒会入りした時も、その状況は変わらなかったけど――『カイザーPMC』がおじさん達に接触して来たんだ~」
「"『カイザーPMC』?皇帝の意味を持つ単語を冠するなんて仰々しいね"」
「『カイザーコーポレーション』という、キヴォトス中で幅広く事業を展開している一大財閥の中でPMC事業を専門とする企業ですね。――何度か傘下企業の
"先生"にそう説明し、眉を顰めながらホシノ先輩に尋ねる。
―――PMC、金融、建設、工場。様々な事業をキヴォトス中で展開しているものの、利益の為ならどんな事でも―――
「確かにおじさん達も最初は警戒したよ。
「..."理事"は数少ない
―――ホシノ先輩とセリカさんの言葉が事実なら、『カイザーPMC』の"理事"は真っ当な経営者の様だ。しかも『
「――借金については、バイトしたり"理事"から仕事を貰ったりして稼いでいけば何とかなるんだけど...現状の問題は"カタカタヘルメット団"だね~」
「あぁ。――最近は連中の
「
サキさんの考察にモコウ先輩やホシノ先輩、アヤネさんが頷く。襲撃の頻度が高いという事は、それだけ
「その可能性は高いと思います。...ですが、私達はずっとこの校舎の防衛だけで手一杯だったので周辺の偵察もできず――」
「――それなら、
モコウ先輩がアヤネさんの言葉を遮る様に提案する。―――そう言えば、シロコ先輩が追撃で撃ち込んだロケット弾で幹部クラスの団員が
「――方針が決まりそうだね~。"カタカタヘルメット団"が何処か近くに構えた拠点を見付けて制圧。それに加えて、『シャーレ』によるおじさん達が挙げたリストの物資の継続的な供給の確認――この二つが今すべきことかな~?」
ホシノ先輩の言葉に委員会の皆さんが頷く。
「"――ホシノ、私達にも手伝わせて欲しい。少なくとも物資輸送が全部終わるまでは
「さっきの
"先生"の提案をホシノ先輩はあっさり受け入れる。――まだ眼差しは"先生"を見定めているけど、群を抜いて職務に誠実な"先生"ならきっと――
「――じゃ、方針も決まったし今日は解散だよ~」
「私は閉じ込めてる幹部のヤツと
「――あ、もうこんな時間じゃない!
モコウ先輩はそう言い置いて部室を出て行く。そして―――スマホで時間を確認したセリカさんがそう声をあげ、バッグを担いで慌てた様に部室を出て行く。
「――そうだ!ホシノ先輩、『シャーレ』の皆さんの歓迎会を
「――うへへ、それいいね~。時間になったら皆で行こっか~」
―――それを見送ったノノミ先輩が唐突にホシノ先輩にそう提案すると、ホシノ先輩はいたずらっぽく笑って提案を受け入れる。
「...歓迎会、ですか?」
「物資を持って来てくれたし、
ということで、状況説明回でした。以下ざっくりした経緯
ネフ「砂漠横断する鉄道敷くで。交通も便利になるし観光資源にもなるで!」
生徒会「いいっすね~」
↓
好みの画像を保存して去る蛇ビナー「何
ネフ&生徒会「「ファッ?!」」
↓
ネフ「出て来る場所は迂回して敷設するで。結構金かけてるから諦められへん!」
ビナー「――もう怒ったで。二度と近付けんように砂漠広げちゃる!」
ネフ&生徒会「「ファッ??!!」」
↓
生徒会「砂漠がどんどん広がってるンゴ...何とかして食い止めるンゴ...!」
ネフカス「もうアカンわコレ。悪いけどウチらは撤退させてもらうで。ほな...あ、ウチの小中学校は残すから安心してや」
生徒会「えっ」
↓
生徒会「本校から撤退させられてもうた...アカン...いくら金つぎ込んでも上手く行かへん...あのデカ蛇が暴れるせいで対策しても全部砂に埋もれる...借金と利息だけが増えるンゴ...」
悪い大人達「もうアビドスは終わりンゴねぇ...復興支援のフリして搾れるだけ搾って小銭稼ぐンゴw」
生徒会「」
↓
カイザーPMC「本社の命令で進出したはええが...お宝探し以前の問題やんコレ!まだ残ってる生徒達とも協力してあのデカ蛇どうにかせんと!」
対策委「借金は見直し入って大分減ったンゴ...でもどうにかできる手段が無いンゴ...アカン、物資も...」
↓
シャーレ「困っている生徒達が居ると聞いて来ますた」←今ココ
大体こんな感じです。ビナーがレイドよろしく暴れたり襲ってきたりするのでPMCは