Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~ 作:八坂 義景
さて、ワイルドハント新規イベント面白かったですね。ミヨが見た目に反して湿度ヤベぇし、やめたい意思に反してアウトロー適性高くてギャップ萌えした。フユは勝ち気そうな見た目に反してちょっとポンコツでありながらメモロビは乙女でいい。リツは...ずんだもんが重なってヤベぇのだ。純然たるボクっ娘でゴリラ属性、特殊交易部のマスコット的存在でかわゆい。
そしてチラ見えしていた新規は寮監隊のヒロミ。...実装遠いのが辛いぜ(血涙)
そして益々先生ラブ強まるミリアもといアキラ。ワカモといい"先生"はさぁ...
さて、リゾート探索の続きです。やっとバカンスの描写が書ける...
~未完成のビーチ~
side-アヤ
「――まさか彼女達を雇うとは。僻地の孤島故に客を呼び込めるリゾートにはなり得ませんが、プライベートのリゾートとするには環境も広さも申し分なし。そしてインフラが完備された上に防衛システムまで備えた施設...未完成とは言えこの完成度は放置するのも惜しいですが維持管理するには人手が必要...色々と嚙み合いましたねぇ」
「うむ。交通の便は最悪じゃが、それは秘境としての価値でもある。できればこの島のことは世間に、大衆にバラしたくはない。故に――この件は
「えぇ。分かっていますよ。『カイザーコーポレーション』そのものは素直に信用できませんが――貴女とトオルさんは信じられますから」
―――海の家の傍に据えたビーチパラソルの下。『アビドス』、及び
「――しかし、かなり至れり尽くせりな契約内容でしたね。傍から見れば、
調査やバカンスの準備に入る前に、マミゾウさんが手書きで契約書をしたためた際の契約内容を思い返して言ちる。
・リゾート施設の未完成部分の建築(追加設計や設備選定はマミゾウさんが行う)
・リゾートのインフラ維持管理
・島内の継続的な生態、環境の簡単な調査
・万が一島の占拠を狙う勢力が現れた場合の通報及び迎撃戦闘
―――上記を継続して遂行する限り、"ジャブジャブヘルメット団"の皆さんは
―――ラブさん率いる"ジャブジャブヘルメット団"のグループ総勢三十名は揃って目を白黒させながらも、マミゾウさんが提示したこの契約を受け入れた。
「――
「マミゾウさんの見立てがそれであれば、ラブさん達もよく働いてくれるでしょう。――では、私はそろそろ取材と写真撮影に行きます。『シャーレ』"広報員"として、"『シャーレ』部員もバカンスを楽しめる程福利厚生も充実している"――と宣伝しなければ」
「相変わらず精が出るのう。招いた身としてはお主にもバカンスを楽しんでほしいが」
「あやや、新聞記者の性には抗えませんよ。――私含め皆、普段着ない水着です。写真に収めなければ損ですしね。では!」
マミゾウさんと別れ、ビーチに繰り出す―――
~ビーチ近くの岩場~
「――誰だと思ったらアヤか」
「お疲れ様です、モコウさん。――釣果はありますか?」
「ぼちぼちだな。気になるならボックスの中見てみろ」
―――ビーチから少し離れた場所にある岩場。比較的座りやすい場所で胡坐を掻き、傍にクーラーボックスを置いて釣りに興じているモコウさんに声を掛けると、彼女は私を一瞥してそう答えながら釣竿に向き直る。言われた通りにクーラーボックスの蓋を開ければ、氷に埋まっているサバやアジが数匹と―――ウニやアワビも何個か見える。
「おや、ウニやアワビも居ますね。モコウさんが獲ったので?」
「いや、素潜りはシロコだ。目の前の海の底に結構な数が居るみたいでな。そろそろ――」
「っふぅ...アヤ、来てたんだ。マミゾウと話してたのは見かけたけど、取材?」
「お疲れ様ですシロコさん。取材というよりは、広報向けで写真を撮るついでに皆さんの様子を見て回ろうと思いましてね。シロコさん、ポーズお願いします」
「ん」
数メートル離れた海面で水飛沫が飛び、シュノーケルのゴーグルを外したシロコさんが海面で漂いながら私に気付き、そう答えながらスマホのカメラを向ければシロコさんは左手に持っていたネットを引き上げて中身を―――ウニやアワビが入ったネットを見せ、ピースサインを挙げる瞬間を収める。
「これは大漁ですねぇ。これは夕食が...そう言えば、お二方はお昼は摂りましたか?」
「...そう言えばまだだな。釣りは時間を忘れるな...あぁ、気付いちまったら腹が減ってきたな」
「私もまだ食べてない。――ウニ食べる?海はすごく綺麗だったし、このままでもいける筈」
二人のお腹が微かに腹の虫を鳴らし、シロコさんがネットからウニを取り出す。
「...ウニをこのまま食うのは初めてだな。アヤ、お前はどうする?」
「私はビーチの方で軽くいただいたので大丈夫ですよ。ビーチの方で並行してバーベキューもやっていますので、獲った魚を焼くのもいいのでは?」
「...何か美味しそうな匂いがすると思ったら。――モコウ先輩、ここは一旦切り上げてバーベキューに行くべき」
「...そうするか。獲れたてを独り占めするのもな...」
モコウさんは耳を揺らしながらビーチの方に目を向け、匂いを嗅いだシロコさんの提案に頷きながら垂らしていた釣糸を巻き戻し、釣竿を片付け始める。
「私はもう少し他を回ってからビーチに戻りますね。では!」
私は二人に手を振り、次の場所―――ビーチ正面の海を漂う複数人の人影を見据えて翼を広げる―――
~ビーチ正面の海~
「うへっ...?!って、アヤちゃんか~。ビックリした~」
「わぁ?!び、ビックリした~」
「おっと、寝ていましたか。どうもすみません」
海面ギリギリでブレーキを掛けてホバリングに移行した瞬間の風でホシノさんが乗って――というよりは猫よろしく四肢をだらりと下げてうつ伏せに寝ている――クジラの浮き輪が大きく揺れ、ホシノさんと、浮き輪に捕まって漂っていたユメさんは驚きながら私を見上げ、安心した様に息を吐く。そんなお二方に謝りながら、傍に漂っていた遊泳エリアの境界を示すブイ――"ジャブジャブヘルメット団"を迎え入れた後の準備で設置したものだ――に片足を乗せ、脚を
―――ホシノさんはピンクの長い髪をローツインテールで結上げ、前髪に水色のレンズのサングラスを掛け、白い水着の上に水色の薄手のパーカーを羽織っている。
―――一方ユメさんは淡い緑色の髪をポニーテールで結い上げ、淡い黄色の三角ビキニとパンツのスタイルだ。ホシノさんの浮き輪の頭に乗せられている緑色の薄手のパーカーはユメさんのものだろう。
「あ、アヤちゃん!さっきまでモコウとシロコちゃんの所に居たけど、二人はどうしてた?」
「ユメさんもお疲れ様です。――お二方はそれぞれ釣りと素潜り漁に興じていましたよ。時間も忘れてのめり込んでいたおかげでお腹も減ったようなので、今頃はビーチのバーベキューに合流している筈です。成果も結構ありましたから、魚介も増えてることでしょう」
ユメさんの問いにそう答えながらビーチに目を向ければ、香ばしく美味しそうな匂いを微かにここまで漂わせているバーベキューの様子が見える。
「お魚か~。海はすごく綺麗だし、お刺身もいけそうだね!」
「ウニも獲れていましたから、生食が美味しい魚介もさぞ美味しいでしょう」
「いいね~。おじさんもそろそろお腹空いてきたし、このまま漂いながら戻ろっかな~」
普段以上にゆるゆるとした雰囲気のホシノさんも食い付き、だらりと下げた手足をオールにして浮き輪をビーチに向けて動かし始める。
「おやおや、普段以上にゆるいですねぇ。これはいい絵になります」
「うへ~。おじさんなんて撮っても需要なんてないよ~?」
スマホのカメラを向けて一枚撮ると、ホシノさんは顔を上げ少し眉をひそめ、冗談めかして抗議の声をあげる。
「思い出としての需要はあるかと。『シャーレ』の広報としては"先生"やミヤコさん達の写真が欲しいので、『アビドス』の皆さんを撮った写真のデータは皆さんに差し上げますよ」
「アヤちゃんは写真も撮るの上手だもんね~。私も勿論、ノノミちゃんは絶対欲しがるだろうし。ありがたく貰うよ!」
記者としてはネタと文章で勝負するべきではあるけど、写真やイラストという視覚的情報は侮れない。記事を補強する写真を撮ろうと凝っていたら、写真撮影の腕も上がってしまったのは思わぬ副産物だ。
「えぇ、了解です。バカンスが終わりましたらノノミさん辺りにデータは渡しておきますね」
「ユメ先輩じゃ
「...ひぃん...言い返せない...」
ホシノさんがさり気なくユメさんにデータを預けるのは信用出来ないと頷くと、ユメさんは涙目で項垂れる。
「――そのノノミさんはどちらに?調査を終えてバカンスが始まった当初は、海に出ていたように見えましたが」
「ノノミちゃんならビーチじゃないかな~?"ジャブジャブヘルメット団"の娘達の方に行ってたし、今頃仲良くなってるんじゃないかな~」
「なるほど...社交性が高いノノミさんらしいですね。情報ありがとうございます。――では、そろそろ行きます。お二方もバカンスを楽しんでください」
「アヤちゃんも楽しんでね~」
「写真も大切な思い出になるから沢山欲しいけど、そればっかりで休めないなんてことにならないでね!」
手を振る二人に手を振り返し、翼を広げて飛び立つ―――
~未完成のビーチの一角~
「――モエ!」
「おっと...!」
「っと...!ミヤコ、返すよー!」
―――空からノノミさん、"RABBIT小隊"四人と"ジャブジャブヘルメット団"の面々の姿を見付けて降り立てば、そこではビーチドッジボールが行なわれていた。内野のミヤコさんが相手チーム内野のラブさんを狙って中々のスピードでボールを投げ、ラブさんが躱して外野のモエさんがボールを受け取って移動し、ミヤコさんにボールを返す様子を見て取る。
ミヤコさん側は内野にミヤコさん、サキさんの二人、外野はモエさん、ミユさんの二人。一方"ジャブジャブヘルメット団"側は内野はラブさん一人だけで、後者のチームがかなり劣勢に立たされているものの、ラブさんがよく耐えている様だ。
そう戦況を判断し、砂に深く線を引いて作ったコートのセンターラインの傍に立つ、審判と思しき位置に立つノノミさんの傍に向かう。
「――どうもお疲れ様です、ノノミさん。ドッジボールとは..."ジャブジャブヘルメット団"の皆さんとの交流の一環ですか?」
「――!ふふ、アヤさんもお疲れ様です♪はい、その通りですよ☆本当はビーチバレーをやりたかったんですが、ネットがなくて...代わりにこうしてドッジボールをやっているんです」
「成程...このような形で交流を促すとはノノミさんらしいですねぇ」
ノノミさんと挨拶を交わし、ドッジボールの目的を聞きながらミヤコさんが再びラブさんを狙ってフェイントを交えつつボールを投げ、ラブさんは今度はそれをしっかりキャッチする瞬間をカメラに収める。
「ふふ、ありがとうございます♪――折角ですし、次の試合はアヤさんも参加しますか?」
「お気持ちはありがたいですが、今は写真を多く撮るのが目的でしてね。『シャーレ』広報用と、『アビドス』の皆さんの思い出用に撮っているんです。『アビドス』の皆さんを撮った写真データはノノミさんにお渡しする予定です」
「わぁ、それはいいですね~♪私も写真は撮っていますが、より撮り方が上手なアヤさんの写真なら一層いい思い出を残せます☆」
ホシノさん、ユメさんに話した提案を共有するとノノミさんは心底嬉しそうに笑みを浮かべる。
「本当は"災厄の狐"――いえ、ワカモさんにも参加してもらいたかったのですが...ずっと"先生"の傍に付いているみたいなんです」
「ふむ..."先生"が彼女と懇意にしているのは事実のようですね」
残念そうな表情を浮かべるノノミさんの言葉に頷き、ノノミさんが目を向けた先―――海の家の建物の傍のビーチパラソルの下の人影三人に目を向ける―――
~海の家近くのビーチパラソル~
side-"先生"
「――頃合いだな。ほら、"先生"」
「"ありがとう、トオル。......うん、美味しい。シロコには感謝しないとね"」
トオルからいい感じに焼けた牡蠣を受け取り、身を取り出して頬張れば"海のミルク"と謳われる特有のミルキーな風味が汁と共に広がる。
「海も充分綺麗で生態系も豊富。森には鳥は多いが、食用に向く獣は少ない。だが、未完成なれど牧場があるということは、肉牛や豚でも入れて増やすつもりだったのだろう。――食と住は本気で自給自足を実現しようとしたと解るな」
「"最悪、本人がこの島で暮らすことも考えていたのかな..."」
「今となっては知る術はない。...未完成のものを完成させて、プライベートのリゾートとして利用してやるのがせめてもの手向けだろう」
「"そうだね。...皆楽しそうだし、立地以外は本当にリゾートに最適な島だ"」
トオルの言葉に頷き、ビーチに目を向ける。ホシノやユメ、海で泳いでいた娘達やモコウ、シロコ達釣りや素潜りに興じていた娘達―――『アビドス』、"RABBIT小隊"、"ジャブジャブヘルメット団"の皆が集まってバーベキューを楽しんでいる。その喧騒から一人の人影―――
「――あなた様。追加のお肉と魚介、お飲み物をお持ちしましたわ」
「"――ありがとう、ワカモ"」
―――お盆に
「...一人分にしては少し多くないか?」
「"...はは、そうだね。食べきれなさそうだから、
「...そういうことか。ならいただこう」
―――
―――ワカモは現状、
私としては今の状況を機会として他の生徒とも仲良くなって欲しいし、ワカモは"災厄の狐"と呼ばれる恐ろしい存在としての面だけではないとも皆に知って欲しい所だけど―――相変わらずワカモは
「――本当に、彼女とは懇意のようだな。"災厄の狐"に関しては破壊衝動だけでなく、
「"――それはワカモの一側面でしかないよ。彼女自身自分の破壊衝動が周りに迷惑をかけることがある自覚はあるし、改善しようと努力もしている。それに――今は私に対してのみだけど、献身的で優しい娘であることは私が保証するよ。...本当に私に対してだけ見せる姿だから、皆に証明しにくいのがもどかしいけど"」
トオルの言葉にそう答えると、彼は赤い眼光に真剣な眼差しを宿して私を見る。
「..."先生"が傍に居ることでさっきまでのような騒動が起きないなら今はいい。"七囚人"にも一生徒として接する、生徒へ対する献身は尊敬するが――全てを救おうとして無茶はするなよ。只でさえ
何より――
「"――分かった。忠告ありがとう、トオル"」
トオルに謝意を述べ、揃ってグラスのコーラを呷る。
―――トオルの言わんとする事は理解出来る。『アビドス』の娘達も『シャーレ』が、その前のトオルとマミゾウの接触以前から
私は"
「――あなた様、こちら頃合いですわ」
「"ありがとう、ワカモ"」
ワカモが紙皿に焼き上がったお肉を乗せて此方に差し出し、それを受け取る―――
side-セリカ
「...っはぁ~、食った食った。海の幸も美味かったし、森で狩った鶏とかも肥えてて美味かったな」
「景色も綺麗だし、気温も暑過ぎない...本当に立地以外は最高ね」
―――バーベキューや海を愉しんでいたらいつの間にか昼から夕方、そして夜になったビーチの一角。私の右隣で胡坐を掻いて軽くお腹を擦るネイトの言葉にそう返す。
「旅程じゃ三日滞在だったが、今日だけでも大満足な一日だったな」
「そうね...でも、まさか私達以外に人が――この島を狙う連中が本当に居たのはビックリしたわ」
「しかも"災厄の狐"――"七囚人"まで居るなんてね。でも、"先生"が止めてくれたし、話を聞いてくれる面々でよかった」
「まさか"先生"が"災厄の狐"と懇意にしていて、しかもマミゾウさんがこの島の施設完成と維持管理の為に雇ったのは驚いたけどね...」
私の左隣に座っているナレコの言葉に頷く。
―――夕食の片付け、施設で寝床の準備を終え、私達を含めた就寝前だけど眠気がまだ薄い面々がこうしてビーチで夜空を眺めながらのんびり過ごしている。少し辺りを見回せば、マミゾウさんに雇われた"ジャブジャブヘルメット団"の面々も数人のグループで集まってビーチで過ごしている様子も見える。
「...にしても――こうして、お前と海に行けるなんて思ってもみなかったぜ、セリカ」
「うん...私も、ネイトとこうして一緒にバカンスを過ごせるなんて、今まで考える余裕もなかった」
おもむろなネイトの言葉に頷き、何となくネイトの肩に頭を乗せる。―――風が運んで来て積もっていく砂を掃き、"カタカタヘルメット団"壊滅後も度々学校を襲う不良達を撃退して、借金返済の為にバイトを駆け回り..."鬼傑組"という大きな脅威が無くなった後も、私達の日常は変わらず忙しい。
それに―――小学校の頃も、プールなんて砂漠がすぐ傍にあるあの地区では使う事なんて到底出来なかったし、そもそも娯楽も少なかった。
―――そんな過去を思い返すと、こうして
「...ふふ。ネイトの右腕としては嬉しくなるわね。――"カタカタヘルメット団"に居た頃、『アビドス』行きを指示された時からネイトは時々上の空になっていたから。あの頃から漠然と記憶を思い出しかけていたのかしらね?」
私とネイトを見てナレコは微笑み、そんな推測を挙げる。
「...今思えば、そうだったのかもしれねぇな。ったく...あん時の自分を殴りたくなってくるな」
「そんなこと言わないで、ネイト。...私だって、あの土壇場でやっと貴女のことを思い出せたんだから。思い出すのが遅かったのはお互い様よ」
申し訳なさそうに頭を搔くネイトを見て頭を上げて見つめ直し、思い出すのが遅れたのはお互い様だと反論する。―――私も、前哨基地攻略作戦でネイト達を迎え入れてから漠然と小学校の頃の事を思い出し始め、あの局面でやっとハッキリ思い出せた。アヤネと同じ位に大切で掛け替えの無い親友。
―――思い出すのが遅かったのは悔やんでも悔やみきれないけど、今こうして隣合ってバカンスを過ごせているのは、ユメ先輩が常日頃口にする
「...そうだな。離れ離れだったのに、こうして肩を並べられている。今はこの
「そうね。高校生活やり直しは私も同じだけど――貴女達二人は本来過ごせていた筈の年数分も合わせていかないとね」
「...うん。二年で何処まで取り戻せるか分からないけど――アヤネ、ナレコは勿論、ネイトと一緒なら、きっと...先輩達が卒業してもやっていける」
「――そうだな。アタシも、お前らと一緒に――今度こそは『アビドス』の生徒として頑張るぜ」
決意を新たに決め、ネイトの手を握るとネイトも握り返してくる。小学校の頃から変わらない力強さと温もりは私の心に安心感を満たす。
「...つっても、騙されやすさはちょっと不安になるけどな。セリカお前、この前持ってきたバイトの広告...明らか詐欺だったのに気付かねぇで、アタシや先輩達に稼げるって力説してよぉ。その前もよくよく注意すりゃ詐欺って気付けるレベルのヤツを本気で信じて...まだまだバイト探しはアタシとかナレコ、アヤネが付き合わないと、だな」
「ぐっ...だ、だって借金返済の為には沢山稼がないといけないじゃん!復興し始めてるとはいえまだまだバイトは少ないし、選り好みしてる余裕はまだ...!」
「余裕がまだ少ないのは確かだけど、それを抜きにしても貴女は騙されやす過ぎるわよ。"先生"かマミゾウさん辺りに頼んで詐欺対策の授業とか講義を受けた方がいいんじゃないかって思うわ」
「な、ナレコまで...」
ネイトの指摘に反論すれど、ナレコもネイトの肩を持ってしまい項垂れる。
―――でも、こうして私を気にかけてくれる友情は本当にありがたいものだ。
~『Hidden Paradise』客室~
side-マミゾウ
「――開いておるぞ」
儂にあてがわれた客室の窓の下。折り畳みの机と椅子を広げ、ノーパソに向かってこの島の整備計画と維持管理計画、諸々の費用の計上を詰めていると背後のドアからノック音が聞こえ、入室を促す。
「...やはり、トオルじゃったか。何か用事か?」
「――もうそろ日付が変わるが、まだ明かりが点いているのが気になった。...この島の整備と維持管理の計画か。せっかくバカンスに来たのに仕事とは...モコウ達に学業と復興活動を忘れて楽しむように言った発起人がそれでいいのか?」
「三日後に儂らは帰るんじゃ。その前に――ここを維持管理するラブ達にある程度計画を示しておくのが、雇用主としてすべきことじゃろうて」
部屋に入り、儂の背後に来て画面を見たらしいトオルの言葉にそう答える。―――契約を結び、後は任せると適当に投げるのは雇用主として無責任。戻ってから詳細は詰めるが、この島に居る間に簡単な計画を組んでラブ達に示すべくこうして計画を作成中だった。
「...道理ではあるが、モコウ達にはできる限り見せるなよ。発起人が仕事をしている姿を見せては、彼女達も楽しめないぞ」
「分かっておるわい。――して、単に儂に注意しに来た訳ではあるまい?」
トオルの忠告に頷き、キーボードを打つ手を止めてトオルに振り向く―――
「――
トオルの真剣な眼差しを見つめる―――
ということでアビドスの夏はとりあえず終わり!次回からメモロビに戻ります。次は某ふわふわ頭の彼女です。
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