Blue"Fantasy"Archive~透き通るような"幻想"世界~   作:八坂 義景

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12月ライブ来たので初投稿です。
年末年始は忍研イベ!先ちょはやっぱり伏線だったか!いきなりすんげぇの出たな?!なんだツクヨそのドレスはよォ?!和洋折衷は兎も角その胸周りは何だよ?!メモロビでまーた引っかかってるよこの娘...うおでっか。
そしてミチル!ツクヨと違ってシンプル!それが回復でいいのか...と思ったけど水着アツコの前例があったわ()兎も角EXのムービーかわE。

イベタイトルは『不忍ノ道』!どうやらモデルになっちゃったツクヨがメインのようで。クロノスにアリウスも来るとは明らか只事じゃなさそう?スチルツクヨの荒ぶりがすげぇ。ナニとは言わないがすげぇ。

5周年キービジュすげぇ!登場済の各校生徒会長級揃い踏み!皆ドレスで綺麗!リオでっか...そしてグッズのハンカチよ。

さて、今回はエンジェル24のあの娘...と、その相棒から見た『シャーレ』です。


File88.MS-E24~一階の小さな天使と小さな悪魔~

~『シャーレ』オフィスビル一階テナント 『エンジェル24』~

side-ソラ

 

~♪

 

「――い、いらっしゃいませ...!」

「"や、いつもお疲れ様『ソラ』"」

 

―――レジ横の揚げ物の陳列を終えたタイミングでドアがスライドしてチャイムが鳴り、入店して来た"先生"と挨拶を交わす。"先生"は軽く手を挙げて微笑みながらレジの前を通り過ぎていき、ドリンクコーナーの冷蔵庫に足を運ぶ。

 

「"...うーん...やっぱりこれかなぁ..."」

 

 レジで納品予定の商品を確認する横目で"先生"の後ろ姿を見る。

 小柄で線が細いと自覚している私に比べるとずっと大きな背丈。大人なんだと感じさせる背中。―――時刻は既に()()()()()()()()()()()()()から、一昨日以来の()()だろう。何となく疲れている雰囲気も感じられるけど、あの微笑みはそれを精一杯隠していた様に思う。

 

―――『シャーレ』の顧問、"先生"。前"連邦生徒会長"の()()による混乱で開店日が大きくズレてしまって『シャーレ』始動の翌日にここ一階で『エンジェル24』を開いたけど、あの頃から深夜帯に来店する事が多かった。恐らく今回買いに来たのは―――

 

「"――お会計、お願いするよ。袋も頼めるかな"」

「は、はい...!」

 

―――カウンターに[妖怪MAX]二缶とカップラーメンが置かれ、"先生"の言葉に頷いて会計を行う。バーコードを読み込んだ商品を袋に入れる。

 

「"支払いはカードでお願い"」

「はい!...そ、そちらのカードリーダーでカードを読み込んでください...!」

 

 レジでカード決済の操作を行い、"先生"がカードを読み込んで決済が認証される。

 

「――お買上げありがとうございます。こ、こちらレシートです...!」

「"――ありがとう。夜も更けてるけど、仕事頑張ってね"」

「"先生"も、お仕事頑張ってください...あ、ありがとうございました...!」

 

 会計を終えて"先生"の言葉にそう答え、レジ袋を提げてドアを出て行く"先生"に頭を下げて見送る。頭を上げると"先生"はドアを出た右手、『シャーレ』出入口に向かっていき―――

 

 

―――ピトッ...

 

「ひぁっ?!」

「――ふふっ、相変わらずいい反応。お疲れさま、ソラ」

 

―――突然うなじに冷たいものを感じて悲鳴を零しながら振り向けば、金髪の後頭部に赤い大きなリボンを止めたロングヘアーの上に赤いヘイローを浮かべ、白いブラウス、赤いスカートの上に『エンジェル24』のエプロンを重ねた―――私と同じ中学生二年生で、『エンジェル24』アルバイトでもある『星来(せいら)エリス』さんがペットボトルのコーラを片手に紫の瞳を嬉しそうに輝かせながら悪戯っぽい笑みを浮かべる。うなじに感じた冷たさの原因はペットボトルだった様だ。

 

―――『ゲヘナ学園中等部二年生、星来エリス。今日からお世話になるよ。同じ中二同士、よろしくねー』

 

―――私一人だと休憩や休暇を取るのは絶望的。中学生でもそれ位は、ワンマンアルバイトの苦しさは分かり切っている。だからせめて一人だけでも人手が欲しい。

 でも『エンジェル24』は他のコンビニと比べても支店数が少なく、知名度も低いコンビニだ。だからアルバイトの求人を張り出しても注目されるか分からない。一人位来てくれれば...そんな淡い期待感で手製の貼り紙を作って募集を掛けたら、次の日に来てくれた中学二年生(同学年)のアルバイト。

 

「え、エリスさん...!そういう悪戯はやめてくださいって前に言いましたよね?!"先生"――お客さんが出て行った後だからよかったですけど...!」

「見られてないならいーじゃんいーじゃん。――ほら、シフト交代の時間だよ。必要な申し送りしたら早く上がりなよ」

「え?...ほ、本当だ...!」

 

 エリスさんの言葉を受けて壁掛け時計を見れば、確かに交代の時間だ。エリスさんが来てくれるまで一人だったから()()()()()()()()()()長いシフトばかりで、その感覚がまだ残っていた様だ。

 

「もうソラのワンマンじゃないんだからさ。シフト中にやりきれなかったものもやっておくから、お客さん、トラックが来てない今の内に、ね?」

「あ、ありがとうございます...!では次のシフトまでお願いします、エリスさん...!」

 

 ウインクして微笑むエリスさんに頭を下げ、バックヤードに入って更衣室に向かう。

 

「...初日こそ私が付きっきりだったけど、次の日からは私なしでも大体の仕事ができるようになった。――貼り紙を出してから来てくれたのはエリスさんだけだったけど、優秀な人でよかった...油断してる私も悪いけど、隙あらば悪戯してくるのはなぁ...」

 

 更衣室で『エンジェル24』のアルバイト用制服から私服に着替えながらちょっとした不満を零し、着替え終えて裏手の従業員用玄関に足を向ける―――

 

 

―――私ソラとエリスさん。『エンジェル24"シャーレ一階一号店"』を回しているのは私達だけだ。あと一人居れば三人、三直体制で回せるけど...それは高望みだろう。

 

 


sideーエリス

 

~♪

 

「――いらっしゃいませー」

「お、エリスちゃんじゃん。おはよー」

「おはよー、モエ先輩。――昨日は売り切れてた『スイートポップ』の新フレーバー、さっき補充した所だよ」

「マジ?今日は幸先いいねー。ありがとーエリスちゃん」

 

―――朝の『エンジェル24』。出入口のドアがチャイムと共に開き、『シャーレ』所属の"RABBIT小隊"の四人が入店して来る。先頭はモエ先輩で、挨拶の後にそんな報告を挙げると嬉しそうにお菓子コーナーに足を向ける。

 

「――ごめんなさい、エリスさん。昨日はモエが我儘を言ったみたいで...」

「いいよいいよ、気にしないで。店員としては、お客さんが求めるものを用意できなかったのが申し訳ないからさ」

 

 その様子を見送ったミヤコ先輩が謝るけど、ヒラヒラ手を振って気にしていないと返す。―――相変わらず、隣のサキ先輩と揃って真面目な先輩だ。

 

「エリスが気にしていないならいいが...そうだ。シフトは大丈夫か?忙しくなりそうなら、()()()()()()()()()()()()()()が」

「今週は今のところ大丈夫だよ。ヤバくなったらシャーレ()に連絡するし。――例の分室も増やしてるみたいだけど、その割にはシャーレ()は相変わらず忙しいみたいじゃん?

 エンジェル24(こっち)はこっちで忙しくても何とかするから、先輩達はシャーレ(そっち)を優先しなよ」

 

 サキ先輩の提案をやんわりと断る。

 

―――ある時、ソラが風邪を引いてシフトを休んだ事がある。当時のソラ曰く軽い症状だからシフトに出ると言っていたけど、移されちゃ堪らないし、何より―――たった一人で業務を任せてその最中に倒れられたら最悪だ。

 そういう理由でソラを無理矢理休ませて私が彼女の分もシフトを受け持つ事になった。ソラを心配させない為に疲労を隠して会計や品出し、諸々の仕事を熟していたけど―――"当番"上がりの生徒達を掃いた後にドッと疲労感が湧いて来てあわや居眠りしかけた。

 

―――そんな時にお客さんとして来たのが、"RABBIT小隊"の先輩達だった。

 

―――『なるほど...では、微力ながら私達も手伝いましょう。私は少しだけですがコンビニバイトの経験があるので、一度仕事内容を教えていただければ力になれるかと』

 

―――そこそこ忙しい状況で、仕事を教えたばかりの面々を加えてはかえって私の仕事が増えかねない。でも、疲労で思考力が鈍っていた私はその懸念を忘れてすぐに食い付いた。

 先輩達をバックヤードの更衣室に送った後でそれに気付いたけど、『SRT』―――特殊部隊の学校の生徒だけはあるのか一度教えただけで私が見てなくてもミス無く仕事を熟してくれたおかげで私の懸念は杞憂に終わった。

 三人を見つつどんな仕事でも慣れた様に熟すミヤコ先輩。納入された商品の運搬や力仕事が得意なサキ先輩。発注や書類仕事の手際がいい熟すモエ先輩。存在感が薄いのが玉に瑕だけど、ミヤコ先輩同様どんな仕事も静かに、いつの間にか終わらせているミユ先輩。

 手際は私、そしてシャーレ一号店(ここ)で一番長く働いているソラ程ではないけど、数をこなせば充分戦力になれるだけの実力の持ち主達だ。これで『シャーレ』最優先じゃなかったらシャーレ一号店(ウチ)で迎え入れていただろう。

 

「そうか...忙しかったり、人手が足りなかったら我慢しないでシャーレ(私達)を頼ってくれよ。シャーレ(私達)もここの存在には助けられているしな」

「りょーかい。いつも来てくれる度に気にかけてくれてありがと、先輩」

 

 笑みを浮かべてひらひらと手を振り、買い物に向かう先輩達を見送る。

 

「――エリスちゃん、お会計お願いするよ」

「はーい。毎度お買い上げありがとうございまーす」

 

 入れ替わる様にモエ先輩がカウンターにカゴを乗せ、中の商品の会計を始める―――

 

 


side-ソラ

 

「...これは...ここで...」

 

―――午前九時を過ぎ、学校や仕事が始まってお客さんも殆ど来ない午前中。本部から送られた各種イベントのポスターを店頭の窓に貼り付けていく。

 ポスター貼り自体はよくやる作業だけど―――今日は()()()()()()()。元々ビル風が吹き込みやすい立地だけど、そもそもの天気が強風であるせいでいつにも増して強い。

 ポスターを飛ばしてしまわない様に脇に抱えながら―――実質片手での貼り付け作業だから、踏み台を使って高さを稼いでいてもそもそも作業が難しい。風が吹き付ける度に貼り付けていない隅がバタバタ暴れてテープが剥がれそうになる。

 

「...ん、しょ...!こ、これで何とか――」

 

 

ゴォォッ...!

「きゃっ...?!」

 

―――突然、一際強烈な風が吹き付けて来て倒れそうになり、咄嗟に()()()窓に手を付けて倒れない様に踏ん張り―――

 

バサバサ...!

 

「あっ?!しまっ――」

 

―――当然、脇下から落ちたポスターの束は風に煽られてバラバラに道路側に飛んで行き、振り向く―――

 

 

 

 

―――バサッ...!

 

「っと...!」

「よっと...!」

 

―――瞬間。目の前で()()()()()()()()をはためかせた()()()()()―――『シャーレ』部員であるアヤ先輩とハタテ先輩が風で舞い散るポスターを次々集めて行く。強い風が吹き付けているのに、何ともないように翼をはためかせてポスターを集めて行く姿はとても格好良くて―――

 

 

―――スタッ...!

 

「――どうぞ。危うくあちこちに飛び散る所でしたね」

「――こんな風が強い日に屋外作業なんて危険よ?」

「――あ...えっと...その...あ、ありがとうございます...!」

 

―――目の前にポスターの束を差し出されて我に返り、私を見下ろす二人を前にして緊張しながらも束を受け取り、頭を下げる。

 

―――"RABBIT小隊"の先輩達四人と異なり、『クロノススクール』生であるこの先輩二人は()()()()()()()()『シャーレ』に所属している。どちらも本業は『クロノス』"新聞部"の新聞記者で、お互い記事を書いて購読数を争う対抗新聞同士(ダブルスポイラー)という関係性でもあるらしい。

 でも、私から見ているとライバル関係というにはお互いギクシャクした、ギスギスした様な雰囲気は全然感じられず、お互いに敬意を払っているのだろうと思う。

―――閑話休題。

 

「...それにしても、その枚数をお一人で貼ろうとするのは大変では?まだ小柄で踏み台が無ければ貼り場所に届かないというのに...ましてや今日は強風警報が出ている荒れ模様。ハタテが言いましたが、こういうコンディションでの屋外作業は危険ですよ」

「...ま、前々からやっておこうと考えてたんですが...色々忙しくなっちゃって...今日やらなければいけなかったんです」

 

 アヤ先輩の言葉にそう答え、我ながら予定の組み方が下手だったと内心自嘲する。―――イベントチケット、『ヴァルキューレ』の注意喚起、そして『エンジェル24』独自のイベント。ポスターでお客さんの目を引く事も重要だ。だからこそ、早く貼り付けて長く掲示すれば宣伝効果も上がる筈。そう考えていたけど―――運悪く納品トラブルが起きてその対応に追われたりしていたら今日になってしまった。

 

シャーレ(ウチ)も同じだけど、相変わらず人手が足りな過ぎるわね...いいわ。折角だし、そのポスター貼り手伝ってあげる」

「...え...?――い、いえそんな...!お二方も忙しいでしょうし、これ位なら私だけでも...!」

 

 私が挙げた理由を聞いたハタテ先輩が同情する様に溜息を吐き―――そんな提案を挙げるけど、そこまでしなくて大丈夫だとパタパタ手を振って断ろうとする。

 

「――そうしてお一人でまた無理をして、()()()()()()()()()()つもりですか?幸い、私達はエンジェル24(そちら)で暇潰しがてら買い物でもと思って降りてきたんです。――度々お世話になっていますから、その恩返しをさせてください」

「う...わ、分かりました...お、お手伝いお願いします...!」

 

 けど、アヤ先輩の言葉を受けて反論出来ず。事実私一人では大変だったし、恩返しをしたいなんて言われては無碍に出来ない。頭を下げてお手伝いをお願いする。

 

「――承りました。少しでも客引き効果を向上させられるように貼りましょうか」

「私達は新聞記者(ブン屋)だけど、購読者の目を引く視覚効果も多少は必要だからね。少しは力になれるわ」

 

―――先輩二人は優しい声色でそう答え、私の手からポスターの束の一部を手に取る。

 

「...さて、『エンジェル24』店員――ソラさんとしてはどう宣伝したいですか?」

「え...?...え、『エンジェル24』ですから...勿論、『エンジェル24』のイベントを...」

「だったら、一番人が通る動線上に貼るのが効果的ね。目立たせたいものは目立つ場所に。宣伝の基本よ」

「動線となれば、出入口周りですね。しかし、貼り過ぎもよくありません。過剰だと寧ろ煙たがられますから」

「な、なるほど...」

 

 二人のアドバイスに頷きながら出入口の窓の前に移動する。

 

「...へぇ、『エンジェル24』みたいな小規模コンビニでも一番クジの類はやるのね。これは一番目立たせるべきね。だとしたら...ここかしらね」

「だったらそれはこっちじゃない?何枚かあるみたいだし...」

「えー?そっちじゃあまり目が向かないんじゃない?」

 

 二人はお互い議論を交わしながらポスターを貼り付けていく。その様子を後ろから見ていると、新聞記者としての敬意だけでなく、個人での友情関係も篤いのだろう。エリスさん位しか交友関係が無い自分とは大違いだ。私もいつかはこの先輩二人みたいに―――

 


side-エリス

 

~♪

 

「――いらっしゃいませー」

「――あら、エリスちゃんも居たのね。外でソラちゃんが掃除していたから今のシフトはあの娘だけかなって思っていたけど...」

 

―――チャイムと共にドアが開けば入って来たのは『ミレニアム』のユウカ先輩で、レジに立つ私を見て驚いた様に眉を上げる。

 

「交代前に早く来たりするとこうして二人で動く時間もあるんだ。もう少ししたら私は上がるから、いつも通りソラだけになるよ」

「...相変わらず人手が足りないわね。ずっと気になってたんだけど、店長、オーナーって居ないの?」

「ソラがここでバイトに入って、仕事を覚えてきてすぐに来なくなったらしいよ。時々状況確認とか、指示のメールが来たりするけど...それすら最近頻度が落ちてるからねー。本部に掛け合っても、人が出せないから無理って言われてるし、実質ソラが店長みたいなものだよ」

 

 ユウカ先輩の問にそう答える。―――『エンジェル24』自体小規模なコンビニ企業だから仕方ないとは言え、()()()()()()()()()()()()のはどうなんだろうと時々思う。そんな環境に進んで飛び込んだ私自身もバカだと思うけど―――ソラと面接した時に今の環境を知って、今更辞めて一人にさせられる訳が無い。

 

「...それはそれで酷い状況ね。私は私で『ミレニアム』の会計全般を担ってるから、ワンオペの大変さはよく解るわ」

「同情はいらないよ。大変なのは確かだけど何だかんだ楽しいし、厳しい状況なら手伝ってくれる先輩達も居るしさ。...『ミレニアム』の会計が大変なら、よく『シャーレ』の()()――"財務責任者"なんて引き受けたね?」

 

 ユウカ先輩のこちらを気遣う様な言葉に対してそう返す。

 

―――『今日付けでシャーレの()()()()兼、"財務管理者"になったわ。シャーレ()に常駐ではないけど、時々来るからよろしくね』

 

―――数日前、『シャーレ』部員の制式ジャケットの袖に"財務管理者"の腕章を嵌めたユウカ先輩が態々改まってそんな挨拶をして来た。

 ユウカ先輩は元々、"当番"として結構な頻度でシャーレ()を訪ねる事が多かったから私とソラとは顔馴染みだった。先輩が言うには、『"先生"は求められれば()()()()()()()()()()()お金を使いがちだから、財務に明るい誰かが時々見ないといけない』らしいから、先輩は基本的財務関係で"当番"に来ている所があるらしい。

 でも、『ミレニアム』での"セミナー会計"としての仕事もあって『シャーレ』に付きっきりになる事が出来ず、しかし"セミナー会計"を辞めて専念も出来ないしで悩んでいたそうだ。でも―――

 

「――貴女達と同じで、()()()()()()()()が居たおかげよ。先輩の方は()()()()()()()()()けど優秀なのは確かだし、『一人で抱え過ぎ』なんて親友からもツッコまれたもの。――会計の仕事を振り分けて間もないから時々見る必要はあるけど、その内『シャーレ』側に専念できるようになる筈よ」

 

 ユウカ先輩は少し苦笑を浮かべながらそう答える。―――先輩にも同僚や先輩の先輩(頼れる存在)が居た様で、"セミナー会計"としての仕事の一部を受け持ってくれたらしい。振り分けてもまだまだだと見ている辺り心配性みたいだけど、『シャーレ』の財務に集中出来る道が見えて来たから感謝している様だ。

 

「なるほどねー。お互い、頼れる存在が居てよかったね」

「ふふ、そうね」

 

 私の言葉にユウカ先輩は微笑み、お互い笑い合う。―――本当、お互い頼れる存在に恵まれた幸せ者だ。

 

「...っと、忘れる所だったわ。――エンジェル24(ここ)って荷物の宅配、受け取りも受け付けてる?」

「勿論。何か送りたいものか、受け取りたいものでも?」

「...これを送って欲しいの。大きさ、重量はちゃんと規格内の筈だけど...」

 

 ユウカ先輩が肩に提げていたカバンから()()()()()の様なラッピングが施された少し小さな箱と、コンビニ宅配用の梱包箱を取り出してカウンターに置きながら用件を明かす。確かにパッと見は大きさも重さも配送可能なものだけど―――

 

「ちゃんと確認はするけど、これなら大丈夫だと思う。...お節介だけど、この大きさなら()()()()()でもいいんじゃない?」

「...その、直接手渡しは()()()()()()()()()ものだから...も、勿論()()()()()()()()()()()()()ものよ?でも、万が一()()()()()()()()()()()()()()を見るのがちょっと...その...」

 

 発送票とボールペンを取り出してユウカ先輩に渡しながら尋ねてみれば、先輩は少し頬を赤らめながら言い訳みたいな理由を挙げ、しかし手はボールペンを握ってスラスラ必要事項を書き上げていく。

 そんな様子を見守りながら梱包箱を組み立て、スケールと秤をカウンター下の棚から取り出す。

 

「...ま、お客さんのプライベートは詮索しないから安心しなよ。プレゼントっぽいし、喜んでくれることを私も祈っておくからさ」

「...ありがとう、エリスちゃん」

「どういたしまして。――うん、大丈夫だね。はい、こちら控えになりまーす。発送料はこの通りだよ」

 

 大きさ、重量が規格内である事を確認し、梱包すると先輩も発送票を書き終えてこちらに差し出す。それを受け取り、内容を確認してから控えを剥ぎ取ってユウカ先輩に渡しながら発送料をレジに打ち込む。

 

「支払いはカードでいいかしら?」

「勿論。...じゃ、リーダーに差し込んでから暗証番号お願いするよ」

 

 レジを操作してカードリーダーを立ち上げ、先輩はカードを差し込んで決済を行う。

 

「――決済確認したよ。宅配のご利用ありがとうございまーす。多分届くのは二、三日後になるよ」

「その位は掛かるわよね。...そう言えば、"先生"から『しばらくビルを空ける』って、昨夜『モモトーク』があったんだけど、エリスちゃんは何か知ってる?」

「...うーん...あ、そうだ。確か――」

 

 吐き出されたレシートをユウカ先輩に渡すと、先輩がそんな質問を挙げてくる。そう言えば昨日の夕方、"先生"がここに買い物に来た時―――

 

 

 

 

 

 

「――依頼を請けて『トリニティ』に行くって言ってたと思う」

 

 

―――To be Continued―――

 

 




 ということで少し短いですがエンジェル24回でした。

 そして靈異伝よりエリスの登場です。小悪魔だと思った?彼女は別のキャスティングがあるんじゃよ。
 ソラちゃん一人じゃ大変そうなので、中学生っぽい娘から誰か...と考えてエリスに行きつきました。前のミニストでソラちゃんゲヘナに進学したいって言ってたし。
 そしてしれっと実施『シャーレ』部員も増員してユウカが正式に加わりました。リオが失踪しなかったおかげでもあります。

さて―――次回よりエデン条約編です。

名前:星来(せいら) エリス
所属校:ゲヘナ学園中等部
学年:二年生
部活動:なし(エンジェル24バイト)
装備:HG(Walther PPS(Stella))
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