まぁ、いつもの事か。
M月A日
フェイトちゃんが、壊れたバルディッシュさんを持って帰ってきた。
『ジュエルシード』を封印しようとして無茶をしたそうだ。
でも、フェイトちゃんが無事で良かった。
オーフィスちゃんも心配してた。怪我が無くて良かったよ。
プレシアさんは――何も言わなかった。
一言くらい心配してあげようよ、お母さんの為に頑張ってるんだから。
M月B日
バルディッシュさんが完治? していた。
……アレだけ壊れてたのに一晩で直せるものなの、『デバイス』って?
まぁ、徹夜してたけど。
夜食作ったし。
――素直じゃないなぁ、プレシアさんは。
フェイトちゃんが地球に行った後、絶対言うなって怒られた。睨まれた。
俺と他の皆への対応が違いませんかね?
フェイトちゃんとバルディッシュさんに無茶させたヴァーリ君と兵藤にも一言言っても良いと思うんだ。
M月C日
宇宙戦艦アースラ。
プレシアさんに映像を見せてもらったけど、格好良いなぁ、と。
SFだよ、本当。映画とかでしか見た事無いよ、宇宙戦艦なんて。
プレシアさんが言うには、悪魔とか天使の方が信じられないそうだけど。
ちなみに、どこかの次元世界にはドラゴンが居るそうだ。
スゲェ。見てみたい。
まぁ、そんな暇は無いんだけど。家事で忙しい。
M月D日
高町さんが、『時空管理局』に参加するようになったそうだ。
……小学生が治安維持部隊に参加して良いんだろうか? ボランティアとかじゃ…無いんだろうなぁ。
『時空管理局』って軍隊の一面も持ってるって聞いたけど、その辺りの事を高町さんは知ってるのかな?
今日『ジュエルシード』を探していたヴァーリ君が戦ったそうだ。
ちゃんと手加減したらしいけど。
その辺り、やっぱり兵藤とは違うなぁ。安心できる。
そう言うと、兵藤が泣きそうになってたけど。
だってお前、前科あるし。『時空管理局』の小学生吹き飛ばしただろーが。
あれって、異世界だけど、公務執行妨害とかなるんじゃないの?
『時空管理局』とは関わらないで『ジュエルシード』を集めたいなぁ。
あと、甘い物食べたい。
俺もプレシアさんも、お菓子作れない。
甘い物って砂糖くらい……それはお菓子じゃない。
M月E日
プレシアさんにお暇を戴いて、地球に行ってきた。半日だけど。
オーフィスちゃんと一緒に、『翠屋』って所でシュークリームを食べた。
約一か月ぶりの甘味は、かなり美味かった。
お土産に買って帰ったら、プレシアさんも喜んでいた。
しかし、この世界でも通貨は円なのは助かった。
なんだか、異世界なんて気がしないなぁ。
ヴァーリ君達は『ジュエルシード』探しに行ってたので会えなかった。残念。
会えたら、一緒に昼食を食べたかった。
M月F日
ヴァーリ君達と『時空管理局』が警戒し合って、動き辛いと言っていた。
向こうは人数が多いし、こっちは手加減が難しいし、との事。
手加減しないといけないって、やっぱり悪魔だなぁ、と。
基本的な能力が人間とはやっぱり違うんだそうだ。
特に兵藤は手加減が苦手だそうだし。
俺は、あいつが間違いを犯さないか心配でならない。
あと、プレシアさんから主夫が板についてきた、と言われた。
褒められてるんだと思う。思う事にする。褒められてるよ、俺。
……ああ、今日も一日頑張ったな。
M月G日
『ジュエルシード』の五つ目、六つ目が見つかった。
まぁ、『時空管理局』が見付けたのを、兵藤が取ったらしいけど。
俺達も元の世界に帰らないといけないし。
プレシアさん達はアルハザードって世界に行くらしいし。
『時空管理局』には、俺達が居なくなった後に確保してもらおうという話。
いや、俺も治安維持の軍隊相手にソレはどうかと思ったけど、小学生を最前線に立たせる軍隊はちょっと……。
悪用するわけじゃないし、使い終わったらちゃんと渡すし、大丈夫だと思いたい。
……この考え方って、やっぱり不味いのかな? 不味いんだろうなぁ……。
M月H日
プレシアさんから、家族の定義は、と聞かれた。
いきなり哲学ですね、プレシアさん。
俺としては、傍に居てくれて、寂しさを感じない……とかなんとか。
家で独りなんて寂しいし、話し相手も居なくて笑い声も無いなんて、苦痛でしかない。
血の繋がりも大切なんだろうけど、血の繋がりよりも俺は傍に居てくれる人が良い。
傍に居て、話し掛けてくれて、話し掛けたら返事をしてくれる人。
まぁ、プレシアさんに言わせたら、家族というよりも仲のいい知人だそうだ。
否定はできない。
俺も、レイナーレさん達も、本当の意味では家族じゃない。
ただ俺達が、家族だと思ってるだけの他人だ。
でも俺達は、家族だと思っている。
気の持ちようだと思う。
血の繋がりが無いただの他人でも家族になれる。
血の繋がった家族でも、繋がりが無ければただの他人になってしまう。
――俺達は、プレシアさんとフェイトちゃん、アルフさんには家族になってほしい。
善意の押し売りは迷惑だと言われた。
でも、俺達の考えを“善意”だと思ってくれるなら、まだ脈はあると思うんだ。
まだまだ頑張れそうだ。うん。
M月I日
『ジュエルシード』を二つも一気に見つけた。
これで八つ目である。良い調子なんだろうか?
『時空管理局』が魔法と人海戦術で探し、それをヴァーリ君達が手に入れる。
……良いのかな、コレ。
いくら相手がブラックな企業とはいえ、指名手配とかされるのは嫌なんだけど。
帰るためとはいえ、もう少しやり様は無いのか。
まぁ、プレシアさんがご機嫌だから……フェイトちゃんの為にも、いいと思っておこう。
それに、プレシアさんに聞いたら、こっちの事情は考慮されずに『ジュエルシード』を没収されるそうだし。
困るなぁ。
これ、元の世界に影響とかあったら、かなり困りそうだ。
M月J日
ご飯の味付けが濃いと言われた。
……自分で作ろうよ、お母さん。
というか、料理くらいしようよ、母親。
昔は出来たとか言ってたけど、今出来ないんじゃ意味が無いと思うんだ。
とりあえず、今度フェイトちゃんにプレシアさんは薄味が好みと教えよう。
向こうは大丈夫かなぁ。
ま、ヴァーリ君とドライグさん、アルビオンさんが居るから大丈夫だろう。
兵藤とアルフさんは、なんか家事もしないでのんびりしてるそうだし。
似てるなぁ、あの二人。なんとなく。
M月K日
兵藤が、海に潜って『ジュエルシード』を確保したそうだ。
海女さんか、お前は。
昔はただのおっぱい魔人だったのに、悪魔になってから逞しくなったなぁ。
お前が逞しくなって、グレモリーも喜ぶだろうな。
まぁ、海に落ちてるのは四つで、二つは見付けきれなかったそうだけど。
それが普通だ。海の中で青い宝石とか、そんな小さなものを二つも見付けた兵藤が凄い。
褒めたら喜んでた。褒めたというか、驚いたんだけど。
……グレモリーが、兵藤を可愛がってた理由が少し判った気がする。
M月L日
海中の『ジュエルシード』をどうやって確保しよう、という話。
また兵藤に潜らせよう、という話は流石に難しいそうだ。
まぁ、丸一日潜って二つ。
しかも、ある程度範囲が限定されているとはいえ海の中で宝石を探すなんて精神的にしんどいそうだ。
むしろ、よく昨日は海に潜ったと言いたい。
ちなみに、『時空管理局』にも海の『ジュエルシード』の事は知られてるらしい。
常に兵藤かヴァーリ君が見張ってるから、手出しが出来ないそうだ。
一応向こうは軍隊なんだけどなぁ。
それを一人で抑えるって、どんだけチートなんだよ、二人とも。
M月M日
『時空管理局』も『ジュエルシード』を確保してるだろうし、多分海の二つが最後の『ジュエルシード』だろう、ってプレシアさんが言ってた。
まぁ、全部が揃わなくても『次元の狭間』――『虚数空間』は安定させられるそうだ。
後はその時、オーフィスちゃんがグレートレッドさんをこの世界に案内してくれればいいだけだ。
……たぶん大丈夫だろう。たぶん。
もうすぐこの世界ともお別れか。
短いようで長いような。
寂しいなぁ。
M月N日
フェイトちゃんとアリシアちゃん。
違いは、フェイトちゃんはアリシアさんのコピーで、アリシアさんはプレシアさんの本当の娘だって事。
……俺は、大切な人を失くした事が無いから、プレシアさんの事をどうこう言えない。
正しいのか悪いのかも判らない。
だって、大切な子どもが突然居なくなって、何が正しいかなんて判らないと思う。
諦めるかもしれないし、代わりを求めるかもしれない。
そんなの誰だって判らない。
プレシアさんは、代わりを求めた。
でも、フェイトちゃんはアリシアちゃんじゃなかった。
あの人にとってフェイトちゃんは苦痛でしかないのだろうか?
――プレシアさんは、俺達がフェイトちゃんに肩入れしてる事を“善意”だと言ってくれた。
なら、と思うのは甘いのかな?
フェイトちゃん、大丈夫かな。
アリシアちゃんの事、自分の事、知らないみたいだったし。
M月O日
『時空管理局』マジで怖い。あと、空気読もう。
プレシアさんとフェイトちゃんの家族の会話に割り込むのは駄目だと思うんだ。
軍隊ってあんなものなんだろうなぁ……そして、悪魔関係で慣れつつある俺。
俺も変わったなぁ。
それと俺の『神器』。何の役にも立たないし……。
なんかあの世界だと『神器』が『ロストロギア』とかいうヤバいものみたいで、俺まで目を付けられた。勘弁してほしい。
やっぱりヴァーリ君とか兵藤の『神器』が強いし格好良いし便利だと思う。羨ましい。
戦うのは怖いけど。
『時空管理局』が『ジュエルシード』を確保するために来た時、『時の庭園』の一番奥で隠れてるしかできなかったし。
まぁ、危なくなる前にグレートレッドさんが見付けてくれたけど。
いや本当、危なかった。
M月P日
レイナーレさん達に怒られた。
……怒られたというか、心配されたというか、何というか。
いきなり音信不通になってしまい、申し訳ありませんでした。
ヴァーリ君と兵藤の三人で謝った。
多分今頃、グレモリー達にも土下座してるんだろうなぁ、兵藤。
プレシアさん達は今頃、どうしてるかなぁ。
『時空管理局』でフェイトちゃんたちを守りながら、頑張っていくって言ってたけど。
無事だと良いな。それだけが心配だ。聞いた限りだと、完全にブラックだし。
俺達は、プレシアさんとフェイトちゃん、アリシアちゃん、アルフさんがちゃんと家族になれるって信じてる。
それに、二十一個の『ジュエルシード』にもお願いしたし。
あのパワーストーンの御利益は馬鹿に出来ないからなぁ。
なんたって、昏睡状態だったアリシアちゃんが目を覚ましたし。
今度、雑誌の一番後ろに載ってるパワーストーンを買おうかと思う
――レイナーレさんの料理は、本当に美味しい。
ちゃんと伝えたとも。美味しいって。恥ずかしかったけど。
オーフィスちゃんから褒められた。
……なんだかなぁ。
ただいま。レイナーレさんの料理を食べたら、帰ってきたって気がする。
ちなみに、主人公の管理局云々はプレシアさんの意見でしかありません。